SSブログ

豊田市美術館「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」 [美術]

6月19日(日)、豊田市美術館の
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」へ行ってきました。
Vermeer1.jpg

今年の夏は、愛知県の名古屋市美術館にレンブラントが、
豊田市美術館にフェルメールが来ると、
前宣伝がすごかったです。(TVCMまでやっていた)
で、私はこんなチラシにのせられて(当日券より600円お得!)
二つの美術展の共通前売券(2,200円)まで買ってしまったんですよ。
nagoya-toyota-art.gif
特に豊田市美術館は、豊田市制60周年記念事業とかで、力が入ってます。
レンブラント展より早く、6月11日(土)から始まったんですが、
初日から豊田市美術館開館以来の入場者数を記録したとか。

なので、ちょっと心配してたんですよね。今のパートは日曜日が休みなのですが、
平日に休みを取って行くべきかと。でも、6月のシフトはもう決まっているので、
休みを取るとなると7月‥‥とか考えていたんですが、会期遅くなってくると、
よけい混んでくるだろうからと、えーい、行っちゃえと。

豊田市駅まで、地下鉄経由にするか名鉄で知立から回るか…調べたら、
知立経由が1,330円、地下鉄経由が1,360円で、時間も知立経由が13分早く着くとの
ことだったので、知立から名鉄三河線で豊田市駅へ向いました。
2011.6.19-006.jpg
名鉄三河線は単線であたりはのどかな田園風景。行楽気分です。
豊田市美術館へ行くらしい乗客も結構乗っていました。
名鉄の車内にも展覧会の中吊り広告が。
2011.6.19-003.jpg

豊田市美術館は二度目です。前回は、ヤノベケンジ―ウルトラ展http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2009-06-22

豊田市美術館、確かに混んでましたが、
京都国立博物館「長谷川等伯展」の混雑に比べたら、
すぐに入れるし、それぞれの絵画の前でけっこうじっくり見ていられるし、
――ものすごく緻密に描かれた絵画が多いので、絵に顔をくっつけるくらいにして
見ないと、細部までわからないので、それができるくらいの混雑で良かったです。
中高年の方、老眼鏡は必携ですよ!

あ、さすがにフェルメールの《地理学者》の絵は顔をくっつけるようには見れないですが。
でも、結構じっくり見ましたよ。立ち止まって鑑賞していても、そんなにジャマにはならない。

実は、ちょっと心配してたんですよね。私、フェルメールを見るのは初めてなんですが、
すごく人気がありますよね。世界で30数点しか絵がないとか、フェルメールを見るために
世界のあちこちの美術館を訪ねる人がいるとか、
有吉玉青の『恋するフェルメール』なんか読んで、へー、そんなにいいものかしらと。
なので今回、チラシやポスターで飽きるほど見た絵だし、そんなに大きくない絵だし、
あまり期待して見ると、拍子抜けするんじゃないかって。

そんな不安も抱えながら、今回の展覧会の目玉、
フェルメールの《地理学者》の前に立ったんです。
最初は、あぁ、チラシと同じだって見たんですが
‥‥でも、なんか不思議な美しさなんですよね。
画面からおだやかな光が感じられるというか。
描かれている室内に降り注いでいる光が、見ているとゆらいでいるような‥‥
うん、フェルメール・フリークがいるのがわかります。

絵の隣には、描かれている地球儀や地図が展示されているのも興味深かったです。
(松浦史料博物館や神戸市立博物館からの特別出品)
絵の解説も詳しくあって、地理学者の上着は、
交易によってオランダにもたらされた日本の着物またはその模造品
というのを知って面白かったです。そういわれれば、これはドテラですね。
当時のオランダの裕福な市民階級の間で流行したとか。

でも、このフェルメールの絵を見てからが問題でした。
それまでそれなりに興味を持って見てた
オランダ・フランドルの絵画が急に魅力を失っちゃったんですよ。

なんか暗いばかりじゃない?って‥‥

この展覧会、「フェルメール‥‥」と題されるけど、
フェルメールの絵は《地理学者》1点のみで、
ドイツ・フランクフルト市のシュテーデル美術館所蔵のオランダ・フランドル絵画の
展覧会なんです。
Vermeer2.jpg
レンブラントの絵もあったんです(チラシ裏面の左上)が、
これは私、あまり印象に残らなかったんですよね。

チラシ左中の絵はルーベンスが描いた男の絵に後から描き足したものだとか。

私が面白いと思ったのは、
ヨハネス・リンゲルバーフ《ナヴォーナ広場でのローマの市場》
描かれている噴水は、現在もローマの観光パンフレットなどでよく見る
ベルニーニの四大河の泉。その周りの人々の様子が細かに描かれているのが
舞台を見ているようで興味深かった。

展覧会の図録は買わなかったのですが、記念にポストカードを3枚買いました。

ヤン・ブリューゲル(子)《楽園でのエヴァの創造》
細密に描かれた前景のバラやユリやチューリップなどの花が興味深かった。
Flemish2.jpg

パウルス・コンスタンティン・ラ・ファルグ
《都市から見たライデンのハールレム門》
暗い絵が多い中、この絵は不思議に明るく、静謐な雰囲気が良かった。
Flemish1.jpg

ヤン・ド・ヘーム《果物、パイ、杯のある静物》
Flemish3.jpg
展覧会後半で静物画が並んでいましたが、どれもリアルに精密に描かれていて、
特にこの絵の銀盆に乗っているエビなんか新鮮で美味しそうでした。
チェリーはちょっと透明感ありすぎ?

そして、ガチャガチャがあったので、ついやってしまいました。
フェルメールの絵のマグネットが入ってます。1回300円。
2011.6.21-002.jpg
2回やったけど、同じ絵が出てきてしまったのでやめました。
(なので1つは友人にプレゼント)

満足して企画展会場を出て、別の展示室も見ようと2階へ上がると、
あ、これは、あいちトリエンナーレで、愛知芸術文化センターの天井から
ぶらさがってたヤツね! 
松井紫朗の展覧会をやっていました。
(フェルメール展のチケットで松井紫朗展も見れました)
MatsuiShiro.jpg
あいちトリエンナーレの時は時間外でバルーンの中に入れなかったんですが、
今回は入れました。それからバルーンの外を回って、階段で3階へ。
松井紫朗の過去の作品も展示してありました。
シリコンラバーを使った作品、色が鮮やかで、ぬめっとした素材がいいですね。
最近は国際宇宙ステーションで行われたプランニングも面白そうでしたが、
金魚が泳ぐ作品が印象に残りました。大きな立派な金魚で高そうだなって。
ハハハ、ちょっとアートとは関係ない?
でも、さすが現代美術に力を入れている豊田市美術館らしい企画展でよかったです。

常設展示室では、ミケランジェロ・ピストレット
《窃視者(M.ビストレットとV.ピサーニ)》という作品が、
人物像以外鏡面で、周囲の空間が映り込んで面白かった。

ルネ・マグリットの作品も面白いですね。

クリムトやエゴン・シーレ、私の好きな作家の作品もあって良かった。

前回来た時も感心して楽しんだのですが、
別館の漆工芸作家・高橋節郎館、
モダンな豊田市美術館の建物、池、テラスの
ダニエル・ビュレン《色の浮遊13の破裂した小屋》は、
鏡と色が不思議な空間を作っていて素敵です。
2011.6.19-018.jpg

緑の中に配置された作品も素敵。
ヘンリー・ムーア《座る女・細い首》
2011.6.19-019.jpg

アルナルド・ポモドーロ《旅人の柱》
2011.6.19-021.jpg

この杉、メタセコイヤかと思ったら、
「落羽松(ラクウショウ) 沼杉」という札がかかってました。

フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展
松井紫朗展、どちらも8月28日(日)までです。
豊田市美術館のHP: http://www.museum.toyota.aichi.jp/
nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 3

コメント 4

たまのママ

名鉄三河線・豊田駅・・・赤い電車が懐かしい~。。
若い頃、その近くに住んでました。。
毎日、その線路を見てましたよ。。
その近くに美術館が出来てるんですねぇ。どのあたりなんだろう??
フェルメール、今話題ですね。
先日、フェルメールの作品を見て回るっていうTV番組があって、興味深く見てました。
風景画も描く画家なんですね。
私は、あの有名な牛乳を注ぐ人とか真珠のイヤリング??とかの絵しかしらなかったので意外でした。
しーちゃんの記事を見て、すご~く詳しくフェルメールのことがわかりました。
ありがとうございます(^-^)v

by たまのママ (2011-06-26 15:54) 

しーちゃん

たまのママさん、コメントありがとうございます。名鉄も最近は赤以外の電車が多くなってきたんですが(パノラマカーも引退しちゃったし‥‥)やっぱりこの赤い電車が名鉄っぽくていいです。
豊田市美術館は豊田駅から徒歩10分くらいの丘の上にあります。建物も素敵だし、現代美術などのいい企画展をやっているんですが、やっぱりちょっと遠いので、なかなか思い切らないと行けないんですが‥‥
フェルメール、すごく有名だけど、ホンモノを見るのは初めてです。さすがに不思議な魅力がある絵だなって見てきました。
by しーちゃん (2011-06-29 00:46) 

naoki

おはこんばんちわ。長谷川等伯行ってきたんですか。いいなあ。フェルメールのデルフトの眺望が好きで待ち受け画面にしてます。マルセル プルースト 失われた時を求めて。



by naoki (2011-07-17 18:50) 

くちなしの香り

昨日見て参りました。美術館の建築も素晴らしい。次回はもっとゆっくり
見たいと思いました。オランダの中世の風景、風俗がよくわかりました。
地理学者の絵画も理解しました。
by くちなしの香り (2011-08-12 11:18) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました