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佐川美術館「セガンティーニ展」 [美術]

8月15日(月)滋賀県守山市の佐川美術館へ行ってきました。

企画展として「アルプスの画家 セガンティーニ ―光と山― 展」を
やっていました。 会期:2011年 7月16日(土)~8月21日(日)
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チラシ中面
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今年のお盆、私のパートが8月14日(日)、15日(月)と休みになったので、
14日に私の実家、15日にダンナの実家へ行く予定だったのですが、
ダンナが15日仕事になって、13日にお参りに行ったので、15日
私はぽっかり空いたのです。(月曜で休館の美術館が多い中、
佐川美術館はセガンティーニ展会期中は無休でした。)

私がセガンティーニという画家の名前を知ったのは、
NHK日曜美術館で、国立西洋美術館誕生の元となった、
松方コレクションについてとりあげた番組でした。

2010年2月28日放送「欧州を丸ごと持って来い! 国立西洋美術館誕生秘話」

実業家・松方幸次郎がコレクションの初期に手に入れた作品として、
セガンティーニの《羊の剪毛》が紹介されていました。
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川崎造船所の社長をつとめた松方は、労働をテーマとした絵にひかれたと。
へー、いい絵だなって、印象に残ったんですよね。
今回の展覧会にも展示されていましたが、
かなり大きな作品で、重厚な描写力で迫力でした。

佐川美術館でセガンティーニ展が開催されることを知って、
一度、建物も素敵だという佐川美術館に行ってみたかったので、
スイスに何回も行ったことがある友人を誘ってみたんですが、
友人は、スイスのセガンティーニ美術館へ行ったので、
他の企画展の時に行きたいという返事。
スイスの国民的画家で、ぜひ見ておくべきだと案内されたとか。
そして「印象派はどうも‥‥っていうアナタの趣味とは
ちょっと違うかもよ」って言うんです。

へーそうかーって、ま、それから忙しかったせいもあって、
忘れていたんですが、
7月31日の日曜美術館でセガンティーニを紹介しているのを見て、
アルプスの山や草原や空がキラキラと輝くような画面に、
わー、やっぱり見たいって気になっていたんです。

佐川美術館へは、さすがに旧盆の時期なので、車で行くのは止めて、
JR西岐阜駅前に駐車して、JR東海道線で、大垣・米原で乗り換えて、
JR琵琶湖線で守山駅へ。
駅前から佐川美術館行きのバスで約30分、450円かかりました。

1,000円の入館料を払って入ります。
水に浮かんでいるような建物が素敵です。
ほとんどの人がここで記念撮影をしています。
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大きな切妻屋根のシンプルな形の建物。日本の神社建築を思わせました。
奥には樂吉左衞門氏がデザインした茶室があります。
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この橋を渡って展示棟に渡ります。
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佐藤忠良の彫刻が迎えてくれます。
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長い回廊を渡って建物内に入ります。
水庭の真ん中にあるのも佐藤忠良の作品《蝦夷鹿》
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通常は、手前の棟が平山郁夫館、奥が佐藤忠良館となっているようですが、
手前の棟がセガンティーニ展の会場となっていました。

セガンティーニの薄幸な生い立ちから、美術学校で絵を学び、
数々の絵画コンクールを賞を取って画家になったこと。
白いバックに白いアヒル(?)を描いた作品など、上手いなーって思いました。

初期の絵はアカデミックな暗い色調で、
尊敬するミレーにならい、農民の生活や農村風景を描いたと。
国立近代美術館所蔵の《羊の剪毛》はこの頃の傑作ですね。

そして、スイス東部のサヴォニン村へ
アルプスの輝くような風景を描くために、
分割主義(ディヴィジョニスム)という新しい技法が用いられました。
色を混ぜ合わせず3原色とその補色から成る「純色」で、絵筆のタッチが
分割された細い線を並べたように塗り重ねることで、
にごりのない澄んだ光を描くことに成功したと。
チラシ表面に使われている《アルプスの真昼》いいですね。

この「分割主義」という技法、新印象派のスーラなどの技法に似てますが、
セガンティーニは彼らとの交流はなく、独自にこの技法へと至ったと。
スーラの絵がなんかもやもやっとした画面なのに比べ、
セガンティーニの絵は画面からキラキラした光が感じられるようで素敵です。

そしてさらに高地のアルプスのマロヤ村へ。
この頃になると母と子、生と死に対する思いなど、
象徴主義の作品を描くようになり、
アルプス3部作に取り組みます。

《生》《自然》《死》というアルプス3部作は、
1900年のパリ万博に、大きなドームに自然のパノラマを描こうとしたが、
お金がかかりすぎるということで、この3点の絵を並べることにしたと。
この《アルプス3部作》は、スイスのセガンティーニ美術館にあって門外不出とのことで、
今回の展覧会では印刷物のパネルと、下絵や習作が展示されていました。

セガンティーニはこのアルプス3部作の《自然》を描いている時に、
標高2731mのシャーフベルクの小屋で急性腹膜炎にかかり、
41歳で亡くなったとのこと。

今回の展覧会を通して、私はセガンティーニのことを知ったわけですが、
「アルプスの画家」とか「光と山」というキャッチフレーズで展覧会を見ると、
ちょっと違うんじゃない?って。
たしかに、《アルプスの真昼》や《水を飲む茶色い雌牛》の絵、
山や自然がキラキラと輝いていて、見ていると幸福な気分になってきます。
セガンティーニの一番いい絵はこのあたりだろうと思いますが、

この人のほとんどの作品はむしろ暗い雰囲気だなぁって。
多分、生い立ちなども影響しているんでしょうね。
象徴主義の絵を描くようになってから
《生の天使》など聖母子を描いたような作品もあって、
若くして亡くなった母への想いがあったんでしょうか。

友人に「アナタの趣味とは違うと思うよ」って言われましたが、
そうかもしれません。図録を買おうとは思わなかったんです。

この展覧会の中で一番好きな絵は、やっぱりチラシに使われている
《アルプスの真昼》ですが、

図録を買うかわりに記念にと選んだポストカードは、
最初にセガンティーニの名前を知った《羊の剪毛》と、

世紀末の象徴主義のロマンチックなイメージのある《虚栄》
‥‥世紀末の退廃美が私の趣味ですー
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この2枚を選び、うーんこれではセガンティーニっぽくない(?)と、
農民の日常を描いた《森からの帰途》を加えました。
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そして、ジュニア用に解説したブックレットが300円で、
とてもわかりやすかったので(やはり子供にわかるように説明してあると
大人でもわかりやすいですよね)それも買いました。
(結果として図録を買った方がお値打ちだった?)
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まだまだ佐川美術館は広い!続きは次の記事へ
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