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宮永愛子「なかそら―空中空―」展 [美術]

11月13日(火)、岐阜県美術館後援会のバス旅行で、
大阪市立美術館「北斎」展を見て、新阪急ホテルのバイキングを楽しんだ後、

国立国際美術館の「エル・グレコ」展を見に行きました。

スペイン三大画家のひとり、巨匠エル・グレコの最高傑作
3mを越す大作の《無原罪のお宿り》を含む、世界中から集められた
51点が展示されるという、奇跡のような展覧会なんですが、
実は私、途中ちょっとトバして見ていったんです。
それは同時開催されている宮永愛子の展覧会の方も見たかったから。
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国立国際美術館に着いた時から、宮永愛子の展覧会のポスターが
とても素敵で気になっていたんです。
チラシも素敵です。黒と銀のインクで刷られています。
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宮永愛子はあいちトリエンナーレ2010の愛知県美術館での展示で知りました。
白い照明の中で、はかなげに消滅していくナフタリンの靴が印象的でした。

なので、バスの集合時間もあるので(結構時間はとってくれてましたが)
エル・グレコ展にも未練を残しながら、地下2階へ上がり、宮永愛子展へ。
エル・グレコ展のチケットで宮永愛子展に入れました。
(宮永愛子とコレクション展のみは一般420円)

そして、嬉しいことに撮影OK!!
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《なかそら―透き間―》英語のタイトルは《nakasora-puzzle-》ってなってました。
長いケースに色々なものがナフタリンで作られています。
ジグソーパズルのピースが全体をつなぐように並んでいます。

ゴミとして捨てられてしまうパックや空き缶もナフタリンで作られていると
はかなげな形で美しい‥‥
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傘も柄が折れたりして消滅しかけている形がとてもはかなげ。
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《なかそら―はしご―》
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《なかそら-waiting for awakening-》
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「目覚めを待っている」と題されたこの作品は、
樹脂に封印されたナフタリン製の椅子は、空気に触れていないため昇華することなく、 静かに眠りについている。ある日誰かがシールを外すと、椅子はその一ケ所から ゆっくりと昇華し、いずれ半透明の痕跡を残す
(国立国際美術館ニュース2012.10の記事「なかそらの話」宮永愛子 より)

《なかそら―空中空―》の最後の「空」の文字は鏡文字
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空中空は「そら」ではなく、「から」でもなく、変化しながら巡り巡っている
全ての所在 とのこと。

暗い部屋で、儚げな蝶たちが舞っています。
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最後の部屋には、金木犀の葉脈を用いて作り出した巨大な布状の作品
《なかそら―景色のはじまり―》と《なかそら―20リットルの海―》
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すごい、これだけの大きな布状にするには、大量の金木犀の葉っぱが
必要なんでしょう!?
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《なかそら―20リットルの海―》は、
20リットルのガラス瓶に堂島川の水を入れて乾燥させたものらしい
糸はその時にできた結晶のよう。
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2006年春には展覧会場近くの海で汲んだ海水で作品を作っているそう。

なんかとても素敵な展覧会の雰囲気でした。
宮永愛子が書いていますが、ナフタリンで作られた作品は消滅するわけではないと。
ナフタリンは同じ空間で再結晶し、新しい形へと結ばれていくだけなのだと。
世界は儚く見えて、しなやかに変化しながら、均衡をとっていると
――うーん、深いなぁ‥‥

そして、地下2階のエスカレーターのあるホールのような空間では、
「コレクション 70年代日本の美術―『もの派』を中心として」
が展示してありました。

小清水漸(こしみず すすむ)のテーブルの上に赤い物体が載っている
《浮島・赤い》は、あっ、岐阜県美術館の作業台シリーズだって。

李 禹煥(リ・ウーファン)の《関係項―ふたつの石とふたつの鉄―》
石がひとつしか見えてなくて、え?と思ったら鉄板の後にありました。
岐阜県美術館の庭にも《関係項》ありますね。
なんだこの錆びた鉄板は?なんて見落としそうな作品ですが。

地下1階のエスカレーター前には、やはり岐阜県美術館の
ジャコモ・マンズー《大きな枢機卿》のミニ版のような
《枢機卿立像》があって面白かった。

地下1階の講堂前の曲面の壁は高松次郎《影》で、
曲面なので作品とは気がつかずに、巨大な影にビックリしてしまいます。
(私、昔、東京の地下街(?)で《影》を見てすごく面白くて印象に残ってます)

4時半のバスの集合時刻に遅れないように戻ろうとして地上へ出ると、
外は雷雨で嵐のような状態。私は折りたたみ傘持っていたので、
濡れながらもバスまで戻りましたが、ミュージアムショップで傘買った人も
結構いたみたいです。

帰りのバスでは、岐阜県美術館の館長さんが、
岐阜清流国体にいらした天皇・皇后両陛下を「シャガール展」に
ご案内したことの話をしてくださって、興味深く聞きました。

大阪市立美術館の「北斎」も、国立国際美術館「エル・グレコ」も
豪華なグルメバイキングも良かったですが、全く予定になかった
宮永愛子「なかそら―空中空―」展がすごく良くて、とても
おトクであった岐阜県美術館後援会のバス旅行でした。

国立国際美術館のサイト: http://www.nmao.go.jp/
宮永愛子オフィシャルサイト: http://www.aiko-m.com/
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