第44回 日展 東海展 [美術]
2月3日(日)、愛知芸術文化センター8階の
愛知県美術館ギャラリーでやっている
「第44回 日展 東海展」を見てきました。
職場の方からチケットをいただいたんです。
毎年この季節になると日展の赤いポスターが駅や美術館に張られていて、
あぁ、今年もそんな季節だなって思うんですが、ずっと行ったことなかったです。
松坂屋美術館「第47回 日春展」の記事でも書きましたが、
まだ愛知県美術館が2階建だった頃、書道をやっている義母と一緒に見に行ったくらい。
チラシ裏面の説明によると、
「日展は明治40年の文展に始まり、常に日本美術界をリードする存在です。日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門にわたり、今回は全国巡回指定作品273点と東海3県下の出品作品310点の合計583点が展示されます。」
あれ?中日新聞の展覧会を紹介した記事では585点ってなってるけど‥‥その中日新聞(東海展の主催)の
2月1日(金)夕刊の記事によると「今回の応募総数は‥‥5部門合わせて1万4千点余り。入選率は2割未満という狭き門だ。だからこそ、多くの作家があこがれ、挑む。」
(詳細な応募点数と入選点数は日展のHP: http://www.nitten.or.jp/にもありました)
日本最大の総合美術公募展だそう。
毎年、すごく混むってのは聞いていたので、日曜に行くのはどうかなーとは
思ったんですが、前記事で書いた「アーツ・チャレンジ2013」がこの日までだったので。
で、感想ですが、日曜だったせいなのかどうか、とにかく人も作品も多いってこと!
作品と作品の間隔がないほどにびっしり展示してあるし、
人も多くて‥‥作家の方が会場にいらっしゃって、見に来た人が挨拶されていたり、
この雰囲気‥‥もちろん質も量も段違いですが、なんか、
カルチャーセンターの文化祭みたいだなって。
作品は、さすが狭き門をくぐって選ばれただけあって、上手いなー、
よく描けているなーって見ていったんですが、どれも印象が同じように感じて、
――あまり冒険のない、具象っていうか、写実的な作品がほとんどで――
見ていて飽きたというか、疲れてしまいました。
そして、「特選」とかって金の折紙がついている作品、なんか私あまりいいと思わなかったんです。
「へー、この中で、この作品がいいの?」って。
友人は毎年日展見ているそうで、馴染みの作家さんができて、
今年はどんなのを描いているのかなって見るのも楽しいよって言いますが、
私は作家さんの名前もほとんど知らないので‥‥
チラシ裏面に載っている作品が、エライ(?)というか指導的立場の方の作品?
でも私、これらの作品も特にいいと思わなかったんですよね。
日本画の中路融人(なかじ ゆうじん)の《霧の清水寺》(1段目左)
‥‥この作品いいの?なんかぼんやりしてるし‥‥霧だからっても‥‥
そして、洋画の中山忠彦(なかやま ただひこ)《繍衣華粧》(2段目右)
この女性(奥さんだそうですね)椅子に座ってるの?立ってるの??
私がいいなって思った作品は、
日本画では、軍艦島と手前の海の波が迫力だった
神谷恒行《廃墟の島へ》
この作品がダントツだったんですが、展覧会見た後で、院展の時みたいに、
気に入った作品のポストカード買って、ブログにアップしようって思ったのに、
ポストカードはもちろん、写真もなかったんですよー(写真は売り切れてた様子)
なので、他のポストカード買う気もなくして、手ぶらで帰ってきたんですが。
後、日本画で、新聞紙の上に乗った鮭のウロコ一つ一つまで細かく描きこんで、
写実に終わらない美しさに驚いた
坂本幸重(さかもと ゆきしげ)《星星》
こちらは、写真は売ってたんですが、絵全体が小さいので、
鮭のウロコの美しさが感じられなくて買ってきませんでした。
村居正之(むらい まさゆき)《洸》
青一色の水辺の遺跡?の静謐な雰囲気がよかった。
洋画では、
日本・中国・朝鮮の民族衣装をまとった少女たちが立つ
曽 剣雄 (そう けんゆう)《We ・ Asia》
青いリンゴを持つ少女の写実表現がすごい
李 暁剛((り しゃおがん)《青いリンゴ》
印象派風に描かれた少女がかわいい
大友義博 (おおとも よしひろ)《花摘みのうた》
写実的な雄大な風景‥‥だけど写実ではない‥‥
メルヘンのような雰囲気も感じられるところがいいなって思いました。
成田禎介 (なりた ていすけ)《残雪の山と丘陵》
彫刻では、特選に選ばれていた
植田 努 (うえだ つとむ)《ケサリアの牛飼い》
私もこれがいいと思いました。
書は全くわからず、工芸もいろんな作品があるなーくらいで‥‥
チケットいただいたのはとても嬉しいし、多くの力作が見られて良かったですが‥‥
まぁ、私はチケット購入してまでは日展見ないなって。
「何じゃこりゃー」って笑ってしまうような「アーツ・チャレンジ」の方が
私は好きです。(ま、そちらもお金払ってまでは見ないでしょうが)
日展のHP: http://www.nitten.or.jp/
充実したHPですが、「主な作品」に神谷恒行《廃墟の島へ》の画像がなくて残念です
日展 東海展のHP: http://event.chunichi.co.jp/nitten/
------
コメント欄にあるように、この記事を《廃墟の島へ》の
神谷恒行さんが見てくださって、作品の写真を送ってくださいました。
手前の波の立体感!キラキラ輝く波の表現‥‥
日展会場で見て、すごいって感動した絵の迫力が蘇ってきました。
愛知県美術館ギャラリーでやっている
「第44回 日展 東海展」を見てきました。
職場の方からチケットをいただいたんです。
毎年この季節になると日展の赤いポスターが駅や美術館に張られていて、
あぁ、今年もそんな季節だなって思うんですが、ずっと行ったことなかったです。
松坂屋美術館「第47回 日春展」の記事でも書きましたが、
まだ愛知県美術館が2階建だった頃、書道をやっている義母と一緒に見に行ったくらい。
チラシ裏面の説明によると、
「日展は明治40年の文展に始まり、常に日本美術界をリードする存在です。日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門にわたり、今回は全国巡回指定作品273点と東海3県下の出品作品310点の合計583点が展示されます。」
あれ?中日新聞の展覧会を紹介した記事では585点ってなってるけど‥‥その中日新聞(東海展の主催)の
2月1日(金)夕刊の記事によると「今回の応募総数は‥‥5部門合わせて1万4千点余り。入選率は2割未満という狭き門だ。だからこそ、多くの作家があこがれ、挑む。」
(詳細な応募点数と入選点数は日展のHP: http://www.nitten.or.jp/にもありました)
日本最大の総合美術公募展だそう。
毎年、すごく混むってのは聞いていたので、日曜に行くのはどうかなーとは
思ったんですが、前記事で書いた「アーツ・チャレンジ2013」がこの日までだったので。
で、感想ですが、日曜だったせいなのかどうか、とにかく人も作品も多いってこと!
作品と作品の間隔がないほどにびっしり展示してあるし、
人も多くて‥‥作家の方が会場にいらっしゃって、見に来た人が挨拶されていたり、
この雰囲気‥‥もちろん質も量も段違いですが、なんか、
カルチャーセンターの文化祭みたいだなって。
作品は、さすが狭き門をくぐって選ばれただけあって、上手いなー、
よく描けているなーって見ていったんですが、どれも印象が同じように感じて、
――あまり冒険のない、具象っていうか、写実的な作品がほとんどで――
見ていて飽きたというか、疲れてしまいました。
そして、「特選」とかって金の折紙がついている作品、なんか私あまりいいと思わなかったんです。
「へー、この中で、この作品がいいの?」って。
友人は毎年日展見ているそうで、馴染みの作家さんができて、
今年はどんなのを描いているのかなって見るのも楽しいよって言いますが、
私は作家さんの名前もほとんど知らないので‥‥
チラシ裏面に載っている作品が、エライ(?)というか指導的立場の方の作品?
でも私、これらの作品も特にいいと思わなかったんですよね。
日本画の中路融人(なかじ ゆうじん)の《霧の清水寺》(1段目左)
‥‥この作品いいの?なんかぼんやりしてるし‥‥霧だからっても‥‥
そして、洋画の中山忠彦(なかやま ただひこ)《繍衣華粧》(2段目右)
この女性(奥さんだそうですね)椅子に座ってるの?立ってるの??
私がいいなって思った作品は、
日本画では、軍艦島と手前の海の波が迫力だった
神谷恒行《廃墟の島へ》
この作品がダントツだったんですが、展覧会見た後で、院展の時みたいに、
気に入った作品のポストカード買って、ブログにアップしようって思ったのに、
ポストカードはもちろん、写真もなかったんですよー(写真は売り切れてた様子)
なので、他のポストカード買う気もなくして、手ぶらで帰ってきたんですが。
後、日本画で、新聞紙の上に乗った鮭のウロコ一つ一つまで細かく描きこんで、
写実に終わらない美しさに驚いた
坂本幸重(さかもと ゆきしげ)《星星》
こちらは、写真は売ってたんですが、絵全体が小さいので、
鮭のウロコの美しさが感じられなくて買ってきませんでした。
村居正之(むらい まさゆき)《洸》
青一色の水辺の遺跡?の静謐な雰囲気がよかった。
洋画では、
日本・中国・朝鮮の民族衣装をまとった少女たちが立つ
曽 剣雄 (そう けんゆう)《We ・ Asia》
青いリンゴを持つ少女の写実表現がすごい
李 暁剛((り しゃおがん)《青いリンゴ》
印象派風に描かれた少女がかわいい
大友義博 (おおとも よしひろ)《花摘みのうた》
写実的な雄大な風景‥‥だけど写実ではない‥‥
メルヘンのような雰囲気も感じられるところがいいなって思いました。
成田禎介 (なりた ていすけ)《残雪の山と丘陵》
彫刻では、特選に選ばれていた
植田 努 (うえだ つとむ)《ケサリアの牛飼い》
私もこれがいいと思いました。
書は全くわからず、工芸もいろんな作品があるなーくらいで‥‥
チケットいただいたのはとても嬉しいし、多くの力作が見られて良かったですが‥‥
まぁ、私はチケット購入してまでは日展見ないなって。
「何じゃこりゃー」って笑ってしまうような「アーツ・チャレンジ」の方が
私は好きです。(ま、そちらもお金払ってまでは見ないでしょうが)
日展のHP: http://www.nitten.or.jp/
充実したHPですが、「主な作品」に神谷恒行《廃墟の島へ》の画像がなくて残念です
日展 東海展のHP: http://event.chunichi.co.jp/nitten/
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コメント欄にあるように、この記事を《廃墟の島へ》の
神谷恒行さんが見てくださって、作品の写真を送ってくださいました。
手前の波の立体感!キラキラ輝く波の表現‥‥
日展会場で見て、すごいって感動した絵の迫力が蘇ってきました。
過分なお言葉有り難うございます。
郵送先をお知らせいただければ写真を差し上げます。
取り急ぎ・・・
(ご内密に、メールにてお願いいたします。)
by 神谷恒行 (2013-02-06 11:09)
えっ!?あの《廃墟の島へ》を描いた神谷恒行さんですか?!この私の拙い記事を読んでくださったんですか?どうもありがとうございます。日展のこと何も知らないシロートの私の印象ですが、あの作品、日展の中で光ってました。遠目で見て写真のような迫力に驚き、近くで見て、マチエールって言うんですか、塗られた絵具の美しさにびっくりしました。
by しーちゃん (2013-02-07 12:29)