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松坂屋美術館「第68回 春の院展」 [美術]

4月15日(月)、チケットをいただいたので、パートが休みになっていた月曜日、
友人と名古屋・松坂屋美術館「第68回 春の院展」を見に行きました。
68inten.jpg

昨年の12月にやはりチケットいただいて「再興第97回 院展」を見に行ったのも
松坂屋美術館でした。大作がたくさん出品されていて、
上階の催事場マツザカヤホールもつかっての展示でした。
その時の感想はこちら:http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-12-08

「春の院展」はそれよりも絵のサイズが小さいので、松坂屋美術館のスペースのみで、
日本美術院同人作品が32点、受賞作品約20点、地元入選及び初入選作品他約70点の
合計約120点が展示されています。

チラシに使われているのは、今回の院展の全作品集の表紙絵でもある
松村公嗣《宵牡丹》
薄紅の牡丹の柔らかな花びらと、花芯やバックの金の装飾的な処理が素敵!

出品されていた松村公嗣の《春牡丹》も、この絵を大きくしたような、
牡丹の花がたくさん描かれていて、蝶もきていて、豪華な雰囲気でした。

今回も記念に気に入った絵のポストカードを選んでみました。
ポストカードになっているのは同人の作品のみですが

清水達三《早春》
ShimuzuTatsuzou.jpg
早春の自然豊かな川岸の風景に癒されるーって、これは長良川かって思ったら、
「和歌山県北部 龍門山(紀州富士)裾野を流れる紀ノ川」だそう。
(会場に置いてあった同人作品解説より)

那波多目巧一《静寂》
NabatameKouichi.jpg
「一月に花の盛りを迎える春さざん花は、花も大きく艶やかで小さな牡丹の花がそこにあるかの様でした。‥‥
静寂の中、柔らかな花びらのはかなげな美しさにため息が出ます。
下のぼんやりとした花は水に映っている?

3枚目は松村公嗣《春牡丹》にしようか、
後藤純男《春の塔映》は、いかにも日本の春って風景が、ちょっと素朴とも
思える画風で描かれていてなんか心ひかれる絵でしたし、
小田野尚之《午後の駅》のひなびた無人駅(島根県のJR三江線の川平駅だそう)の
雰囲気もいいな‥‥って迷ったので、結局上の2枚にしておきました。

そして同人以外の作品も素敵な作品がたくさんありました。
「再興第97回 院展」の時はさすが同人の作品って見たんですが、
今回は同人の作品とその他の作品とあまり区別がつかないような気がしました。

その中で私がとても気に入ったのが、
木村惠子《祈り》
枯れたセイタカアワダチソウを金色で精緻に装飾的に描いていて縦長の画面も素敵でした。

そして、画面の黒猫に目をひかれて見たら、沖縄の眩い光の中の風景がとても精緻で
端正で美しくて気に入った中井香奈子《颱風一過》

で、ポストカード売り場で、友人と「あの沖縄の猫の絵がなくて残念ね」って
言いながらエスカレーターで6階に下り、ついでに画廊も見て行こうかって行ったら、
なんと、その《颱風一過》を描いた中井香奈子の絵が並んでいるではありませんか!

ちょうど作者の中井香奈子さんも会場にいらして、
想像よりずっと若い方(1974年名古屋生まれ)で意外でした。

沖縄の海が見える景色を描いた小品も良かったし、
薔薇の花も装飾的なところが良かったし、冬の林を描いた絵も良かったけど、私はやはり
山に囲まれた里を精緻に端正に描いた絵が気に入りました。
NakaiKanako.jpg
この「中井香奈子 日本画展」は4月10日(木)~16日(火)までの開催だったそう。
院展と一緒に見られてすごくトクした気分!(「春の院展」は4月13日(土)~21日(日))

そして
「山まゆの里 染織工房 中川原哲治・惠子 染織布展」
八王子で120年続く家業の染織の技を受け継ぎ、養蚕から始めて糸をつむぎ、
天然の草木などから採った染料で染め、織りあげた布たち。

山梨 山まゆの里での、クヌギの林を育てるところから始めた
天蚕(てんさん)から採れる糸は、とても美しい若葉色をしていました。
鳥が天蚕を食べてしまうので、網をかけるためにクヌギの木を小さく切って
また育てるところから始めたという苦労話や、インドネシア・バリ島での
活動のことなどをお聞きすることができました。

かなり大きな布なので、ストールのようにふわっとはおっても、
マフラーのように首にまいてもすごく素敵!
(布に見ほれていたら、さわらせてくださいました)

お値段をチラっと見たら、3万円くらいから4万円、6万、8万円‥‥ってあって、
今の私には無理だけど、この布がこの値段ならお値打ちじゃない?って。
(事実、結構売れているようでした)
友人も、勤めている頃なら衝動買いしてたかも‥‥って。でも今や二人とも
地下鉄代230円をケチって名古屋駅から松坂屋まで歩くくらいですからねー。

また、「21世紀の立体造形」として、木彫作品などの立体も並んでいました。
深井隆‥‥あっこの人、碧南市藤井達吉現代美術館でやった
「抱きしめたい! 近代日本の木彫展」で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-11-12
金箔に塗られた羽が生えた椅子が印象的だった人だ!
東京藝術大学彫刻家教授だそうで、この展覧会は同大学卒業の若手造形作家を
選抜して展開する「21世紀の立体造形」シリーズの最終章とのこと。
matsuzakaya-art2.jpg

立花光朗《Skellig》がすごく私好み!
ちょっと、ゲームのキャラクターが立体化したみたいだけど、
木彫の造形が俗っぽさを救って、いいカンジ。
ま‥‥この作品が好きって言うのがちょっと恥ずかしいって感じるような
‥‥オタクっぽいとか、お耽美とか?そんな雰囲気の
(要するにすごく私のツボってこと!)造形でした。

6階画廊で私たちが見た展覧会はどれも16日(火)までの開催でした。

「春の院展」の松坂屋美術館での開催は4月21日(日)まで。その後全国各地を巡回します。

詳しくは、院展(日本美術院)のHP: http://nihonbijutsuin.or.jp/ で。
とても充実したHPで、同人の作品はもちろん、全入選作の画像も見ることができます。

松坂屋美術館のHP: http://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/
200円割引券もあります。
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