あいちトリエンナーレ2013 (2) 愛知芸術文化センター その2 [美術]
9月1日(日)、あいちトリエンナーレ2013に行ったことの続き。
前記事で、愛知芸術文化センター10階(愛知県美術館)の展示のことを書きましたが、
エスカレーターで8階に下りて、キッズトリエンナーレの部屋で、
子どもたちが楽しそうに新聞紙を貼ったりしているのを見ました。
前回のトリエンナーレもそうだったけど、ボランティアの活動、いいですね。
吹き抜け周りの通路には、母へのメッセージが写真と共に貼られていて、
これは、オノ・ヨーコの作品だそう。へー、これもアートなの?ってカンジだけど。
オノ・ヨーコは今回のあいトリの主要な作家の一人で、他にもいくつか作品ありました。
8階のホールには東日本大震災の被災者の和歌が書かれています。
彦坂尚嘉《復活の塔》
フリーパス提示して有料スペースへ入ると、最初の展示が、
宮本佳明(みやもと かつひろ)《福島第一さかえ原発》
この愛知芸術文化センターと福島第一原発の図面が重ねられていて、
へー、福島第一原発の大きさってこれくらいなのかって。
あ、スミマセン、私、この愛知芸術文化センターのあちこちに黄色いテープが
貼られているの、この方の作品だったんだってこと、ブログの感想を書こうと、
調べててやっと気がつきました(^^;)何かテープが貼ってあるなーくらいにしか(汗)
展示室の破壊されたように見える壁の模様は、よくニュース映像で見たし、
福島第一原発に神社の屋根をのせた模型も、震災から2年以上経っても
いまだ汚染水漏れとかって収束しない原発事故のことを考えさせられました。
次の部屋の、トーマス・ヒルシュホルン《涙の回復室》
‥‥うーん、なんだかよくワカラナイ。
次の部屋が、渡辺豪の映像なんだけど、何?これ!? 動いてるの??
なんか部屋がすごく暗いのが不安。出口はスクリーンの後にあるって書いてあったけど、
そっちへ行く人を見かけなければ、そのまま入口から出ようかと思った。
スクリーンは裏側(?)からも見ることができるんだー。
次が、ソ・ミンジョン 爆破された建物のその瞬間が発泡スチロールで再現されています。
まー、どっかのテーマパークみたいで、面白くはありますが。
それから、オノ・ヨーコ《光の家の部分》
なんか、草間彌生の《魂の灯》って万華鏡の中に入るようなインスタレーションを
思い出してしまいました。(そっちのほうが豪華だったしー)
《魂の灯》こちらの展覧会で見ました
松本市美術館「草間彌生 永遠の永遠の永遠」展http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04
そして、リアス・アーク美術館の展示! 最初は、壁に日本語と英語の文字が
美しくレイアウトされた紙が貼られていて、なんかジミな展示だなと思ったのですが‥‥
読んでガーンとしました。特に「がれきではない」って言葉にはドキッとしました。
そして「被災物」の写真に、それぞれの想いを普段の言葉で綴った解説があって、
あの大震災のこと、被災した多くの方々のことが胸に迫ってきました。
ミカ・ターニラ《フィンランドで最も電化した町》という三面スクリーンの映像は、
工場萌えというか、巨大な原発の建設の様子がすごい重量感で写されていて、
美しささえ感じてしまいました。そして自然の美しさとの対比も印象的でした。
ミッチ・エプスタインの写真も、ダムの写真とか、発電所とか、
電力の巨大な消費地としてのラスベガスを写していて、
工場萌えのような美しさを感じました。
ペーター・ヴェルツ+ウィリアム・フォーサイスの部屋は、
ダンス(?)をする人が色々な方向から写された映像があちこちのスクリーンに
写されていて、ちょっとバランス感覚が狂うような感覚が面白い。
フィリップ・ラメットの写真は、これは合成写真?
壁に横向きに立っていたりする人の写真。まぁ、面白くはあるけど‥‥。
追加補足 9月15日(日)の日曜美術館のアートシーン15分全部を使って
あいちトリエンナーレを紹介していて、その中でこの作品、
井浦新さんが結構気に入ったみたいで紹介していたんですが、
合成ではなくて、ここに展示もしてあった器具とか使って実際にやって
撮影したみたいです。ふーん、でも私にはそんなに目新しい着想だとも
思えないんですが‥‥実際にやったことはすごいけど‥‥って。
ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニの映像は、
なんかよくわからなくてあまり見てない。
ステファン・クチュリエの巨大アパートの窓が並ぶ写真とかは、
うわー、すごいアパート!どんだけの人が住んでいるんだろう!とか
思ってみていたんですが、この写真、合成なんですって!?
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの
サウンドインスタレーションは、たくさんのスピーカーが
聖歌隊の一人一人の歌声を流しているので、その中を歩き回って歌声を
聞いているような体験ができて、こういう賛美歌の雰囲気わりと好きだし、
楽しめました。
有料スペースを出て、ちょっと一休み。
8階ホールから階段を上がったところの「喫茶る・るぽ」で、
ケーキセット(ブルーベリーケーキとホットコーヒー)
800円が、友の会の割引で(10%割引だけど単品で計算するとかで785円になった)
エレベータに乗ろうとすると、エレベータホールの横のディスプレイには、
フロリアン・スロタワの、愛知県陶磁美術館(最近資料館から美術館になった)の中を
アスリートが駆け抜けていく映像。もう一台の方は外国の風格のある美術館だった。
ただアスリートが駆け抜けていくだけなんだけど、
こういうのを大真面目にやるところが面白いのかな?
エレベータから見た愛知芸術文化センターの吹き抜け。
宮本佳明《福島第一さかえ原発》の黄色いテープが貼られているのが見えます。
1階から見上げたところ
吹き抜けにぶら下がっている巨大な作品は(実は今、検索して知ったんですが)
北山善夫の「私」と書いて「あなた」と読ませるというタイトルの作品。
へー、人のかたちしてるなんて、今まで気がつかなかった!
2階のオアシス21側の出口近くの壁には‥‥
「生きる喜び」「JOY OF LIFE」
これも、オノ・ヨーコの作品なんだそう。
七夕飾りみたいなこれも
これもアートなの?そうなんだそう。あいちトリエンナーレの予告として、
だいぶ前からあちこちで見かけたこんなチラシ
裏面の説明が、子ども向けに書かれているだけにすごくわかりやすい。
絵や彫刻だけがアートではありません。
たとえば、この裏にある詩のような言葉もアート。
これは、「インストラクション・アート(指示する芸術)」という、
あなたなりのやり方で参加し、想像力を働かせて完成させる作品です。
‥‥そうだったのかー!
地下の、南玄関階段脇の廃墟のような雰囲気のスペースにあった作品が
丹羽良徳《モスクワのアパートメントでウラジーミル・レーニンを捜す》
これ興味深かった!
社会主義が崩壊して、今、レーニンの肖像とかどうなってるんだろうって。
(中国では毛沢東の肖像画はどうなったのか?日本の御真影とかは?って考えたり。
ちなみに実家の座敷には衣冠束帯と十二単のご結婚の写真が飾られていました)
あまり人も来ないようなアンダーグラウンドな場所で映像が流されているのも、
なかなかいい雰囲気でありました。
愛知芸術文化センターを出て、長者町が見れたら‥‥と思って歩き始めると、
6時になって、テレビ塔の「生きる喜び」が点灯しました。
長者町では「アートラボあいち」の展示を見たくらいで、そのまま名古屋駅まで
歩いて帰りました。
まだまだ、長者町にはいろいろ作品があるし、名古屋市美術館も納屋橋会場も、
そして今回は岡崎も行かなくてはならないので楽しめそうです。
あいちトリエンナーレ公式サイト: http://aichitriennale.jp/
前記事で、愛知芸術文化センター10階(愛知県美術館)の展示のことを書きましたが、
エスカレーターで8階に下りて、キッズトリエンナーレの部屋で、
子どもたちが楽しそうに新聞紙を貼ったりしているのを見ました。
前回のトリエンナーレもそうだったけど、ボランティアの活動、いいですね。
吹き抜け周りの通路には、母へのメッセージが写真と共に貼られていて、
これは、オノ・ヨーコの作品だそう。へー、これもアートなの?ってカンジだけど。
オノ・ヨーコは今回のあいトリの主要な作家の一人で、他にもいくつか作品ありました。
8階のホールには東日本大震災の被災者の和歌が書かれています。
彦坂尚嘉《復活の塔》
フリーパス提示して有料スペースへ入ると、最初の展示が、
宮本佳明(みやもと かつひろ)《福島第一さかえ原発》
この愛知芸術文化センターと福島第一原発の図面が重ねられていて、
へー、福島第一原発の大きさってこれくらいなのかって。
あ、スミマセン、私、この愛知芸術文化センターのあちこちに黄色いテープが
貼られているの、この方の作品だったんだってこと、ブログの感想を書こうと、
調べててやっと気がつきました(^^;)何かテープが貼ってあるなーくらいにしか(汗)
展示室の破壊されたように見える壁の模様は、よくニュース映像で見たし、
福島第一原発に神社の屋根をのせた模型も、震災から2年以上経っても
いまだ汚染水漏れとかって収束しない原発事故のことを考えさせられました。
次の部屋の、トーマス・ヒルシュホルン《涙の回復室》
‥‥うーん、なんだかよくワカラナイ。
次の部屋が、渡辺豪の映像なんだけど、何?これ!? 動いてるの??
なんか部屋がすごく暗いのが不安。出口はスクリーンの後にあるって書いてあったけど、
そっちへ行く人を見かけなければ、そのまま入口から出ようかと思った。
スクリーンは裏側(?)からも見ることができるんだー。
次が、ソ・ミンジョン 爆破された建物のその瞬間が発泡スチロールで再現されています。
まー、どっかのテーマパークみたいで、面白くはありますが。
それから、オノ・ヨーコ《光の家の部分》
なんか、草間彌生の《魂の灯》って万華鏡の中に入るようなインスタレーションを
思い出してしまいました。(そっちのほうが豪華だったしー)
《魂の灯》こちらの展覧会で見ました
松本市美術館「草間彌生 永遠の永遠の永遠」展http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04
そして、リアス・アーク美術館の展示! 最初は、壁に日本語と英語の文字が
美しくレイアウトされた紙が貼られていて、なんかジミな展示だなと思ったのですが‥‥
読んでガーンとしました。特に「がれきではない」って言葉にはドキッとしました。
そして「被災物」の写真に、それぞれの想いを普段の言葉で綴った解説があって、
あの大震災のこと、被災した多くの方々のことが胸に迫ってきました。
ミカ・ターニラ《フィンランドで最も電化した町》という三面スクリーンの映像は、
工場萌えというか、巨大な原発の建設の様子がすごい重量感で写されていて、
美しささえ感じてしまいました。そして自然の美しさとの対比も印象的でした。
ミッチ・エプスタインの写真も、ダムの写真とか、発電所とか、
電力の巨大な消費地としてのラスベガスを写していて、
工場萌えのような美しさを感じました。
ペーター・ヴェルツ+ウィリアム・フォーサイスの部屋は、
ダンス(?)をする人が色々な方向から写された映像があちこちのスクリーンに
写されていて、ちょっとバランス感覚が狂うような感覚が面白い。
フィリップ・ラメットの写真は、これは合成写真?
壁に横向きに立っていたりする人の写真。まぁ、面白くはあるけど‥‥。
追加補足 9月15日(日)の日曜美術館のアートシーン15分全部を使って
あいちトリエンナーレを紹介していて、その中でこの作品、
井浦新さんが結構気に入ったみたいで紹介していたんですが、
合成ではなくて、ここに展示もしてあった器具とか使って実際にやって
撮影したみたいです。ふーん、でも私にはそんなに目新しい着想だとも
思えないんですが‥‥実際にやったことはすごいけど‥‥って。
ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニの映像は、
なんかよくわからなくてあまり見てない。
ステファン・クチュリエの巨大アパートの窓が並ぶ写真とかは、
うわー、すごいアパート!どんだけの人が住んでいるんだろう!とか
思ってみていたんですが、この写真、合成なんですって!?
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの
サウンドインスタレーションは、たくさんのスピーカーが
聖歌隊の一人一人の歌声を流しているので、その中を歩き回って歌声を
聞いているような体験ができて、こういう賛美歌の雰囲気わりと好きだし、
楽しめました。
有料スペースを出て、ちょっと一休み。
8階ホールから階段を上がったところの「喫茶る・るぽ」で、
ケーキセット(ブルーベリーケーキとホットコーヒー)
800円が、友の会の割引で(10%割引だけど単品で計算するとかで785円になった)
エレベータに乗ろうとすると、エレベータホールの横のディスプレイには、
フロリアン・スロタワの、愛知県陶磁美術館(最近資料館から美術館になった)の中を
アスリートが駆け抜けていく映像。もう一台の方は外国の風格のある美術館だった。
ただアスリートが駆け抜けていくだけなんだけど、
こういうのを大真面目にやるところが面白いのかな?
エレベータから見た愛知芸術文化センターの吹き抜け。
宮本佳明《福島第一さかえ原発》の黄色いテープが貼られているのが見えます。
1階から見上げたところ
吹き抜けにぶら下がっている巨大な作品は(実は今、検索して知ったんですが)
北山善夫の「私」と書いて「あなた」と読ませるというタイトルの作品。
へー、人のかたちしてるなんて、今まで気がつかなかった!
2階のオアシス21側の出口近くの壁には‥‥
「生きる喜び」「JOY OF LIFE」
これも、オノ・ヨーコの作品なんだそう。
七夕飾りみたいなこれも
これもアートなの?そうなんだそう。あいちトリエンナーレの予告として、
だいぶ前からあちこちで見かけたこんなチラシ
裏面の説明が、子ども向けに書かれているだけにすごくわかりやすい。
絵や彫刻だけがアートではありません。
たとえば、この裏にある詩のような言葉もアート。
これは、「インストラクション・アート(指示する芸術)」という、
あなたなりのやり方で参加し、想像力を働かせて完成させる作品です。
‥‥そうだったのかー!
地下の、南玄関階段脇の廃墟のような雰囲気のスペースにあった作品が
丹羽良徳《モスクワのアパートメントでウラジーミル・レーニンを捜す》
これ興味深かった!
社会主義が崩壊して、今、レーニンの肖像とかどうなってるんだろうって。
(中国では毛沢東の肖像画はどうなったのか?日本の御真影とかは?って考えたり。
ちなみに実家の座敷には衣冠束帯と十二単のご結婚の写真が飾られていました)
あまり人も来ないようなアンダーグラウンドな場所で映像が流されているのも、
なかなかいい雰囲気でありました。
愛知芸術文化センターを出て、長者町が見れたら‥‥と思って歩き始めると、
6時になって、テレビ塔の「生きる喜び」が点灯しました。
長者町では「アートラボあいち」の展示を見たくらいで、そのまま名古屋駅まで
歩いて帰りました。
まだまだ、長者町にはいろいろ作品があるし、名古屋市美術館も納屋橋会場も、
そして今回は岡崎も行かなくてはならないので楽しめそうです。
あいちトリエンナーレ公式サイト: http://aichitriennale.jp/
愛知芸術文化センターって、大きな建物なんですね^^
by yu-papa (2013-09-08 11:41)
yu-papa さん、nice! & コメント、ありがとうございます。愛知芸術文化センター、愛知県美術館や芸術劇場も入っていて、とても大きな建物です。ここだけでもトリエンナーレの見ごたえありますが、まだ名古屋市美術館や長者町、そして岡崎にも作品があるので楽しみです。
by しーちゃん (2013-09-09 07:28)