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碧南市藤井達吉現代美術館「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展 [美術]

10月20日(日)雨の中、碧南市藤井達吉現代美術館の
「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展を見に行きました。
最終日の日曜。
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「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展
姫路市立美術館、東京ステーションギャラリー、石川県立美術館と巡回してきて、
碧南市藤井達吉現代美術館が最後!なのでホント(?)の最後日。

東京でやっていた頃に日曜美術館のアートシーンで取り上げられたんですよね。
光り輝くような画面とちょっとロマンチックな少女たちの絵に、
あら素敵、東京はいろんな展覧会があっていいなーって見ていたら、
愛知に巡回してくると!これはぜひ見たいって思っていたんです。
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でも、9月はあいちトリエンナーレで過ぎ、
10月6日(日)は「貴婦人と一角獣」に行っちゃいまして、
13日(日)は用事が入っていたので、とうとう最終日になってしまいました。
前日の予定では、刈谷市美術館も行きたいって思ってたんですけど、
(中原淳一展やってて前売り券も買ってあるんです)
例によって日曜美術館見て洗濯したりしていたら昼になってしまい、
刈谷市美術館はまだ期間があるので次の機会にと。

名鉄三河線「碧南」駅に着いたのは2時過ぎ頃。
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(この写真は帰るときに撮りました)
終着駅だけど無人駅で、いつもはひっそりしているんですが、
この日は名鉄のハイキングのゴールになっていて、
係員が、あいにくの雨の中を歩いてきた人の受付をやっていました。
(ハイキングのゴール受付は3時までだそう)
そして美術館へ歩いていくと、その前の地区が歩行者天国か何か
イベントをやっていたらしくて(私が着いた時は終わったところで
人々が撤収作業をしていました)美術館も結構ざわざわした様子。
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観覧料一般当日900円を払ってチケットを買い、2階から見て行きます。
チケットに使われているのは、
エミール・クラウス《レイエ河畔に座る少女》
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少女のちょっとロマンチックな叙情性が感じられるところ、とても私好みです。
(この半券、1年間、リピーター券として割引券になるそうなので大切にしなきゃ!)

最初に展示してあったのがビサロやモネなどの「フランスの印象主義」の絵。
結構大きめの絵で、額縁も豪華(そこ?)

モネ《霧の中の太陽(ウォータールー橋)》の絵(チラシ裏面左三段目)は、
いかにも印象派ってラベンダー色の、もやもやっとした景色。私やっと
印象派の絵の良さがわかってきて素敵な絵だなって思えるようになりましたが、
以前なら、なんかよく形がわからない‥‥って思ったかも。
隣の《クルーズ川の岩場》も以前ならタッチの荒さが気になったかな。
ちょっと離れて見ると、険しい岩場を流れる川の立体感がすごいなって。

ピサロの絵(チラシ裏面2段目が《秋、朝、曇り、エラニー》)も
明るい風景画でいいなと。
ヤマザキマザック美術館「フランスの美しい風景」展を見て思ったんですが、
それまでのバルビゾン派の風景画って画面がすごく暗いんですよね。
印象派になって風景に光があふれているようになって、
印象派ってすごかったんだと。

そしてなんか親しみやすいというか、懐かしい感覚の絵だなとも。
私が小学校~中学校の頃、学校で写生大会があって、その時に皆が描いた絵は、
こんな絵を目標にしていたように思います。

次に展示してあったのが、ベルギーの印象派。
フランスの隣のベルギーでは、1887年にスーラの
《グランド・ジャット島の日曜日》など7点が展示され、
点描技法などの理論を含めた新印象主義が大きな反響を呼んだそう。
そうしてベルギーでは印象派は独自の発展を遂げるが、その中心人物となったのが
ルミニスム(光輝主義)を率いたエミール・クラウスだと。

ガラスケースに、エミール・クラウス以外のベルギーの印象派の絵が並んでいました。
テオ・ヴァン・レイセルベルヘ《昼寝をするモデル》木漏れ日が当たった肌が輝く描写が素敵!
ジョルジュ・レメン《若い女性とさくらんぼ》(チラシ裏面左上)
若い女性とさくらんぼの甘い色使いが私好みです。

モデスト・ハイス《レイエ川でのお祭りと嵐》ちょっとゴッホをも思わせるような
荒いタッチと、日本の祭りにもこんなのがあるかも?って情景が印象に残りました。

そしていよいよエミール・クラウスの絵が並びます。
最初の絵が《昼休み》光あふれる野原と若い農婦の後姿がロマンチックで素敵!
可憐な野の花もいいな。
チラシ表面に使われている《野の少女たち》この輝くような画面が素敵!
チラシ裏面右上の《晴れた日》木漏れ日がキラキラと輝いている様子が、
なんて素敵に描写されているんだろう!って感心します。
正に「ルミニスム」‥‥光を描くって難しいと思うんですよね、
画面は光らないんだから。それがこんなに輝いて見える!すごいなと。

そして小品だけど《陽光(ゾンヌスヘイン)荘》
うわー、晩秋(初冬?)の陽だ!って、印象に残りました。
この家で、エミール・クラウスは画家との交流もしたとのことで、
1階にはエミール・クラウスに学んだ日本人画家、
児島虎次郎と太田喜二郎の絵の展示もありました。

エミール・クラウスが描いた《ウォータールー橋、黄昏》の絵があって、
モネが描いたものと比較すると黄昏の光に包まれた橋の周辺も描かれていて興味深いなと。
その隣の《テムズ河に輝く朝日》は、やっぱり朝の光だってわかるし!

2階の展示を見終わる頃、入口あたりが騒がしくて、どうやら入館者数とかで
記念品贈呈をやっている様子。‥‥わー、もうちょっとだったのにと、ちょっと残念?
受付のとこに「入館者数30万人達成」って書いてあったので、てっきり
それかと思ったけど、碧南市藤井達吉現代美術館の入館者数30万人目ってのは、
もう少し前に達成したらしいから、何人目だったんだろう?

1階へ降りて、次の展示室へ入ると、そこは
エミール・クラウスのわりと大作が並んでいました。
氷の上の情景を描いた《そり遊びをする子どもたち》も素敵だったけど、
《魚捕り》がすごい!エミール・クラウスにしては珍しく、全画面点描で
描かれていて、点描の隙間に画布が見えるくらいのアッサリ(?)した描き方なんだけど、
ちょっと離れると画面が写実的ですごい‥‥点描ってなんか描写が硬いというか、
あまり動きが感じられないようなイメージだったけど、なんかこれはすごいなと。

そして最後がエミール・クラウスに学んだ日本の画家の絵
児島虎次郎《和服を着たベルギーの少女(2)》(チラシ裏面右下)は、
ツルツルした画面にオツユのような透明感のある油絵具で描いているのが面白いなと。

太田喜二郎《乳屋の娘》(チラシ裏面左下)は、エミール・クラウスに学び、
光を描こうとしているのがすごくわかります。図録買ってないので、この人だったか
ちょっと自信ないですが、エミール・クラウス先生が「光に向かってキャンパスを立て、
光が透けないようにキャンバスの裏に紙を当てて写生しなさい」と言ったというような
ノートがあって、エミール・クラウスの日本への影響って大きいのかもしれないと。

児島虎二郎《酒津の農夫》とか、太田喜二郎《麦秋》とか、画面から光が輝くようで、
いい絵だなーって見ました。

展覧会見終わって、うーん、図録までは‥‥と思い、ポストカードを探したけど、
《魚捕り》も《そり遊びをする子どもたち》もなかったんですよね。
もう最終日だから売れちゃった? なので結局ポストカードも買いませんでした。

せっかくなので地下の藤井達吉の展示も見て――茄子の絵が多かった――帰りました。

美術館前の柳原義達の彫刻
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ウインドウには碧南の街の紹介がしてありました。
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