SSブログ

岐阜県現代陶芸美術館「デミタス コスモス」展 [美術]

6月15日(日)、多治見のセラミックパークMINOにある
岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。

「デミタス・コスモス
 宝石のきらめき★カップ&ソーサー」展をやっています。
DEMITASSE-1.jpg

この素敵なチラシを見て「うわー! これは行かなくちゃ」と
思ってたんです。それに、私は岐阜県美術館の後援会員なので、
岐阜県現代陶芸美術館の企画展も一度ずつ無料で見られるんですよ!!
(年会費3,000円は、なんておトクなんでしょう!!)

私は、陶磁器についてそんなに詳しくないのですが、
多治見を中心とする西美濃から愛知県の瀬戸あたりは、
陶磁器の一大産地ですね。名古屋にはノリタケやナルミ等の
高級洋食器メーカーもありますし。なので陶磁器に親しむ機会は
わりとあります。

それに、喫茶店文化の盛んな岐阜では、
モーニング等のおトクなサービス競争も熾烈ですが、
コーヒーカップへのこだわりもかなりなものがあります。
棚にいろんなカップが並んでいて、好きなカップを選ばせてくれる、
あるいは店主が客に見合ったカップを選んで出してくれる
喫茶店も多いですし、マイセンのカップで出す店も知ってます。
なので、コーヒーを飲んだ後に、カップの裏を見て、
ノリタケね、ナルミねって、メーカーを確認したりすることも多いです。

デミタスは、食後のコーヒー用の、小ぶりのコーヒーカップ。
小さいからこそ、そこに込められたデザインや技巧の
なんと精密で愛らしいことか!!

今回展示されている303点のカップ&ソーサーは、全て
東京在住の鈴木康裕・登美子夫妻が40年にわたり1点ずつ収集されたもの。

1つのカップを買うにも、必ず二人で相談して決めたそうで、
なんて素敵なご夫婦の趣味なんだろうねって、
一緒に行った友人とうらやましがりました。

展示会場最初はマイセン。私でも知っているドイツの名窯の、
18世紀から20世紀初頭のカップ&ソーサー

そしてセーヴル ルイ15世の公式の愛妾ポンパドゥール夫人が援助をした
フランスの磁器製作所。

DEMITASSE-2.jpg
チラシ裏面の下のカップが《セーヴル 上絵金彩天使図カップ&ソーサー》1773年
セーヴルでは、ロココを代表する画家 フランソワ・ブーシェの絵を下絵にした
カップも作られたそうで、このロマンチックな天使の絵もそうかな?
(やっぱ図録買ってこればよかったかなー)
この鮮やかなブルーが金彩が映えてまた素敵!!
(「王者の青」って説明にあったように思うけど、ネットで調べたら、
 それはもっと深いコバルトブルーみたい‥‥やっぱり図録買えばよかったかな?)

そしてイギリスのカップ。実は私、イギリスの陶磁器についてよく知らなくて‥‥
ロイヤルウースター、ロイヤルクラウンダービー、ミントン、コールポート
全て初めて知りました。

ロイヤルウースターは、果物や鳥、動物や風景が水彩画か油彩画のように
鮮やかに彩色されたカップがとても素敵で印象的で、
あ、私このあたりのカップとても好きかも‥‥」って感じたんです。
カップとソーサーの絵が呼応しあっているようなのもいいなと。

でも、何よりビックリしたのが、
No.49の《上絵金彩ジュール透彫カップ&ソーサー》1880年代
小さなデミタスカップに細かな透かし彫りが施されているんですよね!!
DEMITASSE-3.jpg
展覧会後にアンケートに答えるとポストカードプレゼントってのがあったので、
迷わず、このカップのポストカードを選びました。

もちろんこんな穴があいていたのでは実用にはならないでしょうが、
とにかくすごい超絶技巧です。
ロイヤルウースターの中でも一人(あー名前覚えられなかった。
 やっぱ図録買えばよかったー)しかできなかったそうです。

揃い(だと私は見たけど)の透かし彫りのポットも展示されてたんですが、
《上絵金彩ジュール透彫ポット》1880年代
こちらは目録によると、ロムドシン蔵の参考作品。
(ネットで調べたら、ロムドシンは西洋骨董磁器を扱う専門店だそう)
すごい技巧です。

「パツィオパット」という、まるでカメオのような、ブルー地に、
白い半透明の陶土(?)を盛りあげて天使などを描いたミントンのカップ。

そして、細かなブルーの盛り上がったドット模様が並んでいるカップ
「瑪瑙模様」っていうの? コールポートのカップに多かったかな。
規則正しく並んでいるだけでなく、微妙に中心にむかってドットが小さくなってたり。
まぁなんて「いい仕事してますねー」なんでしょう。

「ウィローパターン」ってのも初めて知りました。
中国の悲恋物語が一つの絵に描かれていて、中心に柳、楼閣や島、
そして上部には恋人たちの魂が二羽の鳥になって口づけをしているところが
描かれていると、パネルで説明がありましたが、この絵が
小さなデミタスカップとソーサーに染付で描かれているんですよね。
コープランドのカップ&ソーサーでした。

カップ自体が花の形でソーサーが葉とか、
波打つようなドレープ状の形が美しいカップ、
蝶の形をしたハンドルや、ハンドルが飲み口より上にあるデザイン、
アールヌーボーのデザインを取り入れたもの、
日本のカップ――七代錦光山宗兵衛のものとか、
そしてエミール・ガレのガラスのカップや七宝のカップやら‥‥

小さなデミタスカップに凝らされたデザインや超絶技巧を堪能しました。

展覧会のアンケートに答えて、
ロイヤルウースターの透かし彫りカップのポストカードをゲット。
(ショップでは1枚100円で売ってました。たしか、5枚で400円、10枚で700円
 図録もなかなか凝ったつくりで、1,950円
 ‥‥やっぱり買えば‥‥ってああ未練がましい。)

そしてショップのガラスケース内には
「あ、展覧会にも出てた果物を描いたカップ」お値段(たしか)
1客 240,000円。わー0が2つ多いーって。

この「デミタス コスモス」展、6月22日(日)まで。
観覧料: 一般800円、大学生600円、高校生以下無料

岐阜県現代陶芸美術館のHP: http://www.cpm-gifu.jp/museum

岐阜県現代陶芸美術館の後、
7月8日~9月28日:細見美術館(京都)
11月6日~2015年1月18日:はつかいち美術ギャラリー(広島県廿日市市)
2015年2月7日~4月5日:三井記念美術館(東京)
に、巡回するそう。

陶磁器の好きな方、アンティークの好きな方、お勧めです。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました