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愛知県美術館「デュフィ展」 [美術]

10月19日(日)、愛知県美術館へ行きました。
「デュフィ展 絵筆が奏でる 色彩のメロディー」をやっています。

私は愛知県美術館の友の会会員になっているので、この展覧会も
会員証提示で見られるんですが、実のところデュフィについて
あまり知らなかったんですよね。

デュフィ展、Bunkamuraザ・ミュージアム、あべのハルカス美術館、
愛知県美術館と巡回してきたんですが、東京でやっていた7月に、
NHK日曜美術館で取り上げていて、ふんふん、「色彩の魔術師」って
シャガールもそう呼ばれてなかったっけ?とか思いつつ見てました。

チラシも表面が《馬に乗ったケスラー一家》のと、
Dufy-1.jpg

《ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ》を使ったものと2種類あって、
Dufy-3.jpg

《馬に乗った‥》はブルーが、《ヴァイオリン‥》は赤が印象的です。
どちらも、都会的なセンスで、水彩画のような軽やかな画面。
オシャレな雑誌のイラストレーションみたいだなって。

チラシ裏面は共通です。
ドレスや陶器などもやってたんだって。
Dufy-2.jpg

で、見てきた感想は、やっぱり私にはシャガールとよく似ているように思った。
幻想のない、都会的なシャガール‥‥。

そして、「色彩の魔術師」って言われるデュフィだけど、私には、
モノクロの木版画やテキスタイルがすごく好みだった!!

木版画はギヨーム・アポリネールの
『動物詩集あるいはオルフェウスとそのお供たち』の
挿絵として描かれたもの等。黒と白のバランスが絶妙ってカンジで、
黒と白がめくるめくように入り組んで、力強くて装飾的なところが素敵!!
時には地の方がカタチになっていたりするところも面白いなと。

そして、テキスタイルも、もちろん、カラフル色使いのもいいけど、
木版画の流れのモノクロのデザインが素敵だなと。
黒い鳥の目だけ緑の《ペリカン》いいなぁ!カワイイ。
(あ、これはモノクロじゃなくて二色刷りか)
このあたりのテキスタイル、島根県立石見美術館の所蔵だそう。
いいコレクションしてますね。
ドレスは公益財団邦人京都服飾文化研究財団のもの。
チラシ裏面にも載ってますが、なかなか斬新!

日曜美術館でデュフィのブルーについて解説していた作品
《ニースの窓辺》1928年(チラシ裏面上段)は、
私にはこの絵、想像していたのと違ってちょっと沈んだ印象だった。

1930年頃から、透明感のある色で、軽やかな画面になってきますね。

チラシ表面に使われている《馬に乗ったケスラー一家》1932年は、
その大きさにまず驚きました。油彩だけど、とても軽やかな印象。

大きいといえば《電気の精》
展示されているリトグラフにグアッシュで彩色された作品もずいぶん大きいけど、
これは1937年のパリ万博のパビリオンの壁画として制作されたものの縮小版で、
壁画は10m×60mももの大きさがある壮大な大作。

古代から当時に至る技術の発展が、100名以上の学者たちと共に描かれています。
描かれた学者たちの紹介や、モチーフの出所などが
《電気の精》鑑賞ガイドとしてまとめられていて、とてもわかりやすかった。
それを見ながら、これがアルキメデス、ダ・ヴィンチにガリレオ、
ニュートン‥‥と見て行くのも楽しかった。
ワットが描かれた上部には、蒸気機関車と煙突のついた工場地帯が描かれ、
中央にはオリュンポスの神々が祝福する発電所のタービン、
そして、キュリー夫人やエジソンが描かれる上部にはネオンサインが描かれ、
電気の精が飛翔しています。

1937年のパリ万博のスペイン館にはピカソの《ゲルニカ》も出展されたそうですが、
デュフィの《電気の精》の方がずっと人気あったと。
ま、それはわかります。万博のテーマが「近代生活の芸術と技術の博覧会」ですし、
なにより、デュフィの絵、ハッピーな雰囲気ですものね。

ラウル・デュフィ Raoul DUFY(1877-1953)という画家の
印象派やポスト印象派、フォーヴィスムやキュビスムといった同時代の美術動向に 影響を受けながらも、やがて明るい色彩と軽快な筆さばき独自のスタイルを築きました。」(チラシ裏面より)
という経歴や、テキスタイルや陶芸、家具などのデザイン等、
多彩な活動がわかる、フランスのエスプリあふれる展覧会でした。

デュフィ展公式ウェブサイト: http://event.chunichi.co.jp/dufy/
愛知県美術館ウェブサイト: http://www-art.aac.pref.aichi.jp/

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