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碧南市藤井達吉現代美術館「竹内栖鳳」展 [美術]

4月14日(火)、碧南市藤井達吉現代美術館へ行きました。
「竹内栖鳳」展の初日
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藤井達吉現代美術館、結構いい企画展をやっているので、
今までにも何回か行ったことがあります。
アンケートを書いてきたので、展覧会のお知らせ等が時々送られてきます。
まぁ、ウチからは結構遠いので、送ってもらっても行けないことも多くて
申し訳ないんですが‥‥。でも今回の竹内栖鳳展にはちょっと驚きました。
えっ!? あの田舎の小さな美術館(失礼)で竹内栖鳳をやるの?って。
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竹内栖鳳
「東の大観、西の栖鳳」と称された近代日本画の大家
「ケモノを描かせてはその体臭まで描く」と評されたライオンや、
さまざまな動物の絵、まだら猫の一瞬のしぐさを描いた
重要文化財《班猫》は特に猫好きにはたまりません!!

チラシ表面に使われている《小春》の猫もいいなーって。
この柔らかな毛のふわふわ感、まだ子猫ですね。

私のパートが、4月14日(火)休みになったので、友人を誘ったんです。
もし友人がダメなら一人でも行こうと思ってたんですが、
行けるってことで(一人なら高速料金より電車の方が安いし、
何よりラクだから電車なんだけど、二人なので)車で行くことにしました。

碧南市藤井達吉現代美術館(帰りに撮影)
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チケット一般900円を買って、二階から見て行きます。

最初に展示されていた縮図帖、なんと16歳の時のもの。
熱心に絵の勉強をしていたことがわかります。上手いなぁ!

土田英林に師事した後、幸野楳嶺に入門し「棲鳳」の号を受け、
四条派の技法を徹底して学んだ上に、数多くの流派の画技を習得します。
彼の変幻自在な表現は時に「鵺(ぬえ)」と揶揄すらされたと。

そんな「棲鳳」時代の初期の作品には、
ネズミがかわいい《大黒天図》(前期だけの展示)や、
優美な線で描かれた《三十六歌仙図》とか、
日本の伝統的な絵画をたくさん学んだんだなって。

そして風景画が並んでいます。
初期の日本の伝統的な山水画ってカンジの絵から、
1900年にパリ万博視察を兼ねての渡欧で、ミレーやコローなどに
感銘を受けて帰国。その号を「西」の字を含む「栖鳳」に変え、
西洋画法すら取り入れた絵を描いていきます。
コローの風景画のようだなって水墨の風景画もありました。

113年ぶりの公開となった油彩作品《スエズ景色》(チラシ裏面上右)や、

ローマの遺跡を描いた《羅馬之図》(6曲一双の屏風だけど、
前期は左隻、後期は右隻と分けての展示だったのが残念)
この空気感‥‥いいなぁ。西洋を描きながら、東洋的な詩情も感じられるし。
この絵の資料となった写真なども展示されていて興味深かった。

《潮来初夏》って絵は逆に、日本を描きながら、西洋画のようにも
見えてきて、とても良かったです。

そして、動物画の名手・栖鳳の鳥の絵が並んでいます。
金地に墨でカラスを描いた《泊舟群烏図》(前期展示)
荒いタッチなのに、いきいきと迫力のあるカラスたち!

スズメがいろんなポーズで並んでいて可愛い!って絵も。

そして一階へ。栖鳳お得意の動物の絵が並んでいます。
チラシ表面の猫の絵《小春》や、
黒いウサギの毛の表現がなんとも上手い!って《家兎》
ライオンの絵は、トリミングがセンスあるなと。
《猿乗駒》のような力が抜けた絵も洒落てるなと見ました。

最後の部屋は人物画‥‥栖鳳の人物画は少ないそうですね。
《絵になる最初》(チラシ裏面左)はそんな栖鳳の希少な人物画ですが、
顔がはっきりと見えなくて‥‥うーん、きっちりと描いてあるけど、
動物画に比べて、あまり感心しないなぁ‥‥と。
下絵も展示してあって、比べて見ることができました。
着物の柄とか、本画になると平面的で抽象画のようにも見えるんだけど、
キッチリと着物の曲線に沿って描かれているのがわかって、
興味深かったです。

ガイコツが花を見上げるという異色作《観花》私は好きですけど。

そして、娘の婚礼のために松を描いた《打掛》や、
茶碗などの道具類の展示も興味深かった。
デザイン的なセンスも抜群の人だったんだなぁと。
私は、2階の《富嶽》の絵の前に展示してあった
富嶽をデザインした四角盆が素敵だなぁと見ました。

今回の展覧会、《絵になる最初》の絵と下絵のいくつか
(以上京都市美術館蔵)を除いて、
海の見える杜美術館の所蔵だそう。

海の見える杜美術館: http://www.umam.jp/

広島にある竹内栖鳳の作品を多く所蔵する海の見える杜美術館、
現在、耐震工事のため休館中で、その間の巡回展のよう。

2014年11月1日(土)~12月14日(日)海の見える杜美術館
2015年2月7日(土)~3月29日(日)姫路市立美術館
2015年4月14日(火)~6月7日(日)碧南市藤井達吉現代美術館
2015年7月18日(土)~8月30日(日)小杉放菴記念日光美術館

碧南市藤井達吉現代美術館は小さいので、
《羅馬之図》も片方ずつしか展示されなかったり、
展示替えで見られない作品もあるのがちょっと残念なんですが、
これだけの竹内栖鳳の作品が見られる貴重な機会だったわけですね。

眼福の後は、美術館1階のカフェ「むぎの家」でランチを。

私はミレットランチ1,000円(+消費税)を。
パンかご飯か選べるのでパンを、
スープはトマトとオニオンが選べたのでトマトをチョイス。
野菜がたっぷり入ったスープでした。
パンも美味しかった。
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デザートプレートとドリンクも付きます。
にんじんゼリーとにんじんケーキ、豆腐のムース(?)が載ってました。
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友人はベーグルのセット。オニオンのスープを選びました。
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全面ガラス張りの窓からは、向かいにある太鼓堂が印象的な
真宗大谷派 法応山 西方寺が見えます。
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碧南市藤井達吉現代美術館: http://www.city.hekinan.aichi.jp/tatsukichimuseum/

過去記事:
碧南市藤井達吉現代美術館「高村光太郎」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-12-19

碧南市藤井達吉現代美術館「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28

碧南市藤井達吉現代美術館「石黒鏘二展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-08-26

碧南のまち歩きとサン・ビレッジ衣浦
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-23

碧南市藤井達吉現代美術館「岡本太郎」展へ
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-21

抱きしめたい! 近代日本の木彫展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-11-12

碧南のレトロなまち歩き
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-09-10

碧南市藤井達吉現代美術館「画家たちの二十歳の原点」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-09-09

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