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ぎふメディアコスモス「色即是芸」展 [美術]

1月31日(日)、みんなの森 ぎふメディアコスモスへ行きました。
岐阜市の図書館を核とする複合施設で、1階には「みんなのギャラリー」があります。

昨年7月に開館し、開館記念展覧会が、
日比野克彦企画監修「みんなのアート」展でした。

過去記事: ぎふメディアコスモス「みんなのアート」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-08-11

最初の新年となる2016年1月15日(金)~31日(日)に開催されたのが
「色即是芸」展
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金と蛍光ピンクで印刷されたこのチラシ、とても目立ちます。

色即是芸
色これすなわち、芸術なり―岐阜から放つ美術のいろとりどり。
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岐阜とかかわりの深いアーティストの作品を、
8つの小さな展覧会形式で取り上げるとのことだったので、
近いし、観覧料も300円だし、ちょっと行ってみようと思いながら、
最終日になってしまいました。

日曜日なので、広い駐車場(約300台)も結構うまってました。
ぎふメディアコスモスの設計は伊東豊雄氏。
オリンピックスタジアムの再コンペで、採用されなかった
B案の設計者だそうですね。
各務原市の「瞑想の森 市営斎場」の設計もされています。
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みんなのギャラリー入口で300円を払うと、
金の箔押しも豪華なチケットと、パンフレットがもらえました。
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最初の部屋に入ると、真ん中に林武史の石彫が置かれています。
椅子に座って見てくださいと。
あ、これ昨年12月に、柳ケ瀬画廊で見た作品だ。

壁には、川合玉堂、前田青邨、加藤栄三・東一、土屋禮一‥‥と、
そうそうたる大家の小品が並んでいます。

14時から「みんなのホール」で行われた
画廊座談会「美術商のよもやま話」を聴いてわかったんですが、
この展覧会、「タウンミュージアムぎふ」の会員である
7つの画廊によるアートフェア形式の展覧会なんだと。
次の部屋からは、7つの画廊がそれぞれの展示をしていました。

まず、田口美術 奥西賀男(おくにし よしお)展
パステル画を思わせるような鮮やかな色と柔らかなタッチで、
鵜飼、長良川、花火や花などを描いた油彩画が並んでいました。
1945年 岐阜市生まれ
1970年 東京藝術大学絵画科油画(小磯良平教室)卒業 とのこと
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2番目の部屋は、画廊 文錦堂
~黄金のうつわ~ 黄瀬戸展
私は、やきものには詳しくないので、へー、黄色い陶器の色きれいだなー、
渋いなー、料理が映えそう‥‥なんて見て行って
作家の違いってのはわからなかったんですが。
原憲司、太田梁、西岡悠、山口真人、深見文紀の作品が展示されていました。
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3番目の部屋は、長江洞画廊
足立絵美展~ユウトピア ノ イロ~
ちょっと少女マンガとか、絵本の世界も思わせる、
甘くて―でもちょっと不気味でもある―装飾的な絵と、
パンタン(Pantin)―フランス語で「操り人形」だそう―という
ひもを引っ張るとそれに連動して手足が上下に動く人形が展示されていました。
人形の足に鳥の骨が使われていたり、布やコルクや貝殻が使われていたり、
この人の世界面白いなぁー!!って。
1983年岐阜市生まれの若い作家さん。会場にもいらっしゃいました。
華奢でオシャレな雰囲気の方ですね。
画廊座談会でも言われていましたが、美大でなく普通(?)の大学(東海女子大学)卒
なのが、かえって独創的な作風になっているのではと。現在 創画会会友とのこと。
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足立絵美さんのブログ: http://blog.goo.ne.jp/kamikirimushiadachi/

4番目は、(㈱)後藤紙店 郷土ゆかりの作家展
長縄士郎の大きな絵―長良川にうかぶ鵜飼観覧船に舞妓が2人―日展出品作だとか
が、さすがでした。他にも守屋多々志の武将図、加藤東一の鵜飼の絵など、
そうそうたる作家の絵が並んでいました。
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5番目の部屋は、画廊 光芳堂 岐阜の人間国宝展
「人間国宝」とは重要無形文化財保持者の通称
土屋順紀―「文紗」の人間国宝―の織物と、
荒川豊蔵―「志野」「瀬戸黒」
加藤卓男―「三彩」
鈴木 藏(おさむ)―「志野」
加藤孝造―「瀬戸黒」
加藤土師萌―「色絵磁器」
塚本快示―「白磁」「青白磁」の陶磁器が展示されていました。

6番目の部屋は、ギャラリー水無月 奥村晃史展
各務原市在住の画家・奥村晃史氏、私は岐阜県美術館で2009年に開催された
岐阜県美術館「Artのメリーゴーランド」展 や、
2012年に各務原市中央図書館で開催された
奥村晃史展「すごいどうぶつ」 で、面白い絵だなぁって見てますが、
今回展示されていた絵、ますます完成度が上がってますね!
ちょっと薄暗い中、絵の後ろから後光が差しているように展示されていた、
ワッペンをつけた羊の絵や、
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チラシ裏面に載っている《子馬のペガサス》は大きな絵で良かった!!
後の座談会で言われてましたが、彼の絵に登場する動物は
野生動物でなく、人間のために飼われている家畜であると。
家畜を描くことで、現代社会への風刺も感じられると。

奥村晃史さんのホームページ: http://www.okumura1.com/

7番目が 柳ケ瀬画廊
旅の途中、あるいは ―小笠原宣(おがさわら のぶ)展―
岐阜市上宮寺の住職の顔も持つ小笠原宣氏。京都・大谷大学在学中に、同地の画家
下村良之助(1923-1998、パンリアルを代表する日本画家)に美術を学び、
1984年には《画壇の芥川賞》と呼ばれる《安井賞》を受賞されたそう。
和紙にアクリルで描かれた絵が三方の壁にわたって、
ぐるりとつながるように展示されていました。
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古代遺跡や京都の寺がぼうっとした中に幻影のように浮かび上がっています。
上宮寺には、二村元子さんの個展「Re∞Birth」展
で行ったことがあります。
本堂の上段両脇にご住職が描かれた絵があったんですが、
こんなスゴイ方の絵だったんですね。

ちょうど14時になるところだったので、みんなのギャラリーの隣にある
みんなのホールで、画廊座談会を聴いていくことにしました。(無料)

タウンミュージアムぎふの画廊主7名と、「タウンミュージアムぎふ」の名づけ親で、
元・岐阜新聞の文化部記者で現在は岐阜放送の社長・森田順子さんが座談会形式で
興味深いお話をされました。

「タウンミュージアムぎふ」とは、20年前に発足した岐阜の画廊の親睦会で、
“岐阜をまるごと美術館に”という合言葉で、各画廊で企画展を同時開催し、
共通のリーフレットを作って「岐阜の画廊巡り」をしてもらい、
街の活性化にも貢献しようという企画を毎年行っているとのこと。
‥‥へー、知りませんでした。

岐阜は人口の割に画廊が多いと。そしてコーヒーショップも美容院も多いとか。
信長や秀吉が治めた土地は、お茶の文化が盛んで、焼き物や掛け軸などを扱う
画廊も多いが、家康が治めた土地はそうでないとか。
「岐阜の画廊巡り」を企画した時は、商売敵である画廊が客の取り合いに
なるのでは?と心配する声もあったけど、始まったら共通リーフレットが
通行手形のようになって、通常の4、5倍の客があったとか。
長江洞画廊オーナーの若山晴夫さんは川合玉堂に命名してもらったのだとか。
先代が川合玉堂にずいぶんよくしてもらったと。
そして「長江洞」は奥田元宋の命名で、長江は長良川の意味でつけられたそう。
命名してもらった頃は中国の長江は「揚子江」って言ってたと。

嬉しかったのが、最後に会場からの質問で、
「今後楽しみな作家さんは?」と聞かれ、それぞれの画廊が
作家名を挙げていった中に、柳ケ瀬画廊のオーナーが
「二村元子さん」って言われたこと!
去年11月の「天使とおばけ」展のことはこちら:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05

今年の「岐阜の画廊巡り」は4月9日(土)~17日(日)で、
田口美術が「清水温度さんの展覧会をやる」と!
清水温度さんはツイッターで知ったのですが、
超低解像度(えらく粗い)絵画「モザイコ」を作っておられます。
近くで見るとパターンだけど、遠くから見ると顔だとわかるような
作品で、Tシャツなどのプリントにもされてて、
すごくカッコイイなって見てました。

清水温度さんのブログ: http://mozaikolab.blogspot.jp/

今年は「岐阜の画廊巡り」してみたいなって思ってます。

ぎふメディアコスモスの駐車場は、30分100円ですが、
駐車券を施設内の認証機に通すと、2時間無料になります。
なので、出口で200円払って駐車場を出ました。

ついでに、金華橋を渡って、
ぎふ清流文化プラザ(旧未来会館)へ
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1階の文化芸術県民ギャラリー(入ってスグのところ)で
「ともに、つくる、
 つたえる、かなえる展」をやっています。
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障がいがありながらも表現活動を続けている制作者と、
作家活動を行っている県内のアーティストが
コラボレーションする新たな企画展
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‥‥こんな活動を通じて、お互いの表現の幅を広げていくってことは、
意義のある取り組みだと思うけど、まだ作品としては、
お互いに戸惑っているように感じてしまった。

こちらの駐車場は3時間まで100円でした。

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