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碧南市藤井達吉現代美術館「マリー・ローランサン」展 [美術]

3月1日(火)、碧南市藤井達吉現代美術館へ行きました。

「マリー・ローランサン
 愛と色彩のシンフォニー」展をやっていました。
MarieLaurencin-1.jpg

パートが休みだったこの日、特に予定もなかったので、
3月6日(日)までのこの展覧会、行くなら今日だと。

碧南市藤井達吉現代美術館、こじんまりした美術館だけど、
なかなかいい企画展やっているんですよね。
前回は、去年の12月20日(日)に
「画家の詩、詩人の絵」の最終日に行きました。
その時に次回はマリー・ローランサン展だと知って、
あら素敵と思ったんですが、まぁ碧南はわりと遠い‥‥
我が家から名鉄電車で2時間弱、1,420円で行けますが
‥‥ので、なんとなく日が経ってしまっていたのと、
まぁ、ちょっと、マリー・ローランサンか、
あの、甘くて通俗的な女性の絵ね、って、
嫌いではないですが、軽く見ていたこともありました。

ちょっと驚いたのが、平日なのに結構混雑していたこと!
女性だけでなく、男性も結構いらっしゃいました。

藤井達吉現代美術館は、1年以内のチケットの半券が
リピーター券として割引になります。(1回のみ)
「画家の詩、詩人の絵」展のチケットで、
観覧料一般当日900円が、団体料金の720円になりました。

2階から見て行きます。
この企画展、蓼科にあった「マリー・ローランサン美術館」
――マリー・ローランサンの作品のみを収蔵する世界でただ一つの美術館
  だったそうですが、2011年9月30日で閉館したそうです――
所蔵の作品でほぼ構成されていて、
(碧南では、マリー・ローランサン美術館所蔵作品69点と、
 大阪新美術館建設準備室所蔵作品1点の展示)

2階の展示室は、ほぼ時系列順の展示になっていて、
マリー・ローランサンの画家としての生涯がよくわかりました。
(さすが、マリー・ローランサン美術館って言うだけあって、
 充実したコレクションですね。美術館の採算って難しいだろうなと
 思います。閉館は残念ですが、コレクションが散逸しなくてよかったですね)

アカデミックな画塾で絵を学び始めた頃のしっかりしたデッサンの自画像から、
ジョルジュ・ブラックと出会い、
パリの前衛的な芸術家の集う「洗濯船」にも出入りして
ピカソや詩人のギヨーム・アポリネールと交流します。
フォーヴィスムやキュビスムの仲間との交友から影響を受けた絵、
ピカソを描いた絵は平面的に処理されていて面白かった。

私個人的には、ごく初期の、世紀末の雰囲気を感じさせる銅版画が
ツボだったんですが。

詩人アポリネールと恋に落ちますが、破局します。

アポリネールが彼女との別れを詠った詩が、有名な
「ミラボー橋」だそうですね。

チラシに使われている絵はキュビスムの影響がわかる絵です。

その後、ドイツ人男爵と結婚したため、第一次世界大戦勃発で
亡命生活をおくらざるをえなくなり、夫との関係も悪化、孤独の中で、
「ローランサン・スタイル」ともいえる画風を確立していきます。

「かわいらしさを芸術にまで高めた(チラシ裏面の文より)」
というローランサンの絵、
私には、画面の雑さとか、形のいいかげんさとか、
うーん‥‥ってとこもあるんですけど、やっぱり魅力あるなぁって。

MarieLaurencin-2.jpg

そんな魅力がちょっとわかったような気がしたのが、
1階の展示。
「絵画」と「装飾」のあいだ――部屋を飾る絵
ってテーマで、タピスリーの下絵として制作された
《鳩と花》(チラシ裏面3段目)とか、
バレエ・リュスの演目「牡鹿」の舞台美術と衣装の下絵などが
展示されていました。
そうか! マリー・ローランサンの絵は、私の大好きな
アール・ヌーヴォーからアール・デコに至る装飾芸術に
通じるところがあって魅かれるのかなぁと。

ちょっと軽く見ていたマリー・ローランサンのことを
見直した展覧会でありました。

図録も買ってしまいました。1,800円
MarieLaurencin.jpg

この展覧会、
金沢21世紀美術館 2015年4月23日~5月16日
浜松市美術館 2015年6月20日~8月23日
府中市美術館 2015年9月12日~12月20日
碧南市藤井達吉現代美術館 2016年1月9日~3月6日
と、巡回してきて、次は
酒田市美術館 2016年4月23日~6月12日
だそうです。

碧南市藤井達吉現代美術館:
http://www.city.hekinan.aichi.jp/tatsukichimuseum/

今まで見た碧南市藤井達吉現代美術館の企画展の過去記事:
碧南市藤井達吉現代美術館「画家の詩、詩人の絵」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-01-12

碧南市藤井達吉現代美術館「時空を超えてつむぐ」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-08-31

碧南市藤井達吉現代美術館「竹内栖鳳」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-04-21

碧南市藤井達吉現代美術館「高村光太郎」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-12-19

碧南市藤井達吉現代美術館「エミール・クラウスとベルギーの印象派」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28

碧南市藤井達吉現代美術館「石黒鏘二展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-08-26

碧南市藤井達吉現代美術館「岡本太郎」展へ
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-11-21

抱きしめたい! 近代日本の木彫展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-11-12

碧南市藤井達吉現代美術館「画家たちの二十歳の原点」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-09-09

オマケ
2016年2月27日(土)中日新聞夕刊の美術評
MarieLaurencin-3.jpg
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