東京都美術館「ボッティチェリ展」 [美術]
3月8日(火)、夜行高速バスで上京して、上野の
東京都美術館「ボッティチェリ展」に行きました。
美術館は9:30~17:30なので、それまで朝の上野公園を
散策していたことは前記事に書きました。
前記事にも載せましたが、
3月8日(火)9:07の東京都美術館
10人ほどが並んでいました。
美術鑑賞の授業らしい学生たちも集まってきていました。
(その後、学生たちは団体の入口から入場したようです)
職員の方が来て、4列で並ぶようにと言われて、
私は前から3番目の列でした。9時半に開門。
私はここは初めてなので、人の列についてエスカレーターで降りていくと、
地下1階がエントランスになっていました。
チケットは持っていないので、一般当日1,600円で購入。
(65歳以上は1,000円と、学生の1,300円より安いのは優遇しすぎじゃない?)
会場へ入るとすぐ、ボッティチェリの自画像とされる人物が
描かれているということで有名な
《ラーマ家の東方三博士の礼拝》1475-76年頃 が展示されていました。
日曜美術館アートシーンで紹介された時、え?!この絵が来てるの?!!
って驚いたんです。画集で見て大きな壁画のように思ってたんですが、
意外と小さい(111×134cmってそれなりの大きさなんですが)絵なんだって。
(チラシ中面左ページ)
それからピエトロ・トッリジャーノ(帰属)による
《ロレンツォ・イル・マニーフィコの胸像》がジーンと会場の真ん中に。
これがメディチ家のロレンツォ? なかなかイケメン。
青池保子のマンガに出てきそうなサド目‥‥ハハハ。
そして、ボッティチェリ時代のフィレンツェの杯やメダルなどが
展示されていましたが、軽くスルーして先を急ごうと。
《竜と戦う大天使ミカエル》1465年以前
フィレンツェ、ステーファノ・バルディーニ美術館
あれ? この絵どこで見たかな??
アントニオ・デル・ポッライオーロ
(本名アントニオ・ディ・ヤコボ・ダントニオ・ベンチ)
って作家名は記憶にないですが、この絵は見たことがある‥‥
多分、何かの図版か画集でしょうが。
それからボッティチェリ《バラ園の聖母》1468-69年頃
うわー! 周囲の装飾的な構造物も含めて、よくこれ持ってきたなと。
聖母の顔がフィリッポ・リッピの影響がわかる初期の作品ですが、
しばらくうっとりと眺めていました。
この作品の周辺には、ボッティチェリ(1444/45-1510)の師である
フィリッポ・リッピ(1406-69)の作品が展示されていました。
私、フィリッポ・リッピの作品は、2005年に
岐阜県美術館「プラート美術の至宝展」で見たことがあります。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-12-03
図録の表紙に使われているのは、
フィリッポ・リッピとフラ・ディアマンテ
《身につけた聖帯を使徒トマスに授ける聖母および
聖グレゴリオス、聖女マルゲリータ、聖アウグスティヌス、
トビアスと天使》
裏表紙に回っている、絵の左端に描かれているのが、
聖女マルゲリータで、フィリッポ・リッピと駆け落ちをして、
フィリッビーノを産むルクレツィア・ブーティの似姿だそう。
フィリッポ・リッピの聖母や、ボッティチェリの初期の聖母の顔ですね。
日本では珍しい(そして岐阜ではもっと珍しい)
イタリア・ルネサンスの絵画が見られて、とても良かったです。
(「プラート美術の至宝展 フィレンツェに挑戦した都市の物語」
2005年~2006年に、
損保ジャパン東郷青児美術館・岐阜県美術館・ひろしま美術館を巡回しました。)
で、あらためてその図録見たら、今回のボッティチェリ展に出ている
キリストがおくるみ?でぐるぐる巻にされている
フィリッポ・リッピ《聖母子》1445年頃 があるじゃないですか!
(プラート‥では「フィリッポ・リッピと工房」となっていましたが)
こんな面白い(キリストぐるぐる巻きじゃんー)絵覚えてないって(^^;)
私何見てたんだろうね?
エスカレーターで2階、いや1階に上がると、
ボッティチェリの作品が贅沢に並んでいます。
(チラシ中面右ページ)
よくこなに持ってきたなーすごいと思いましたが、わかったのは、
私はボッティチェリの描く甘美な女性の顔が好きなんだなって。
《書斎の聖アウグスティヌス》1480年頃(上段中)とか、
大きくて立派な絵だなー、上の真ん中に描かれた赤いのは、
後世に加筆されたヴェスプッチ家の盾形紋章かーってカンジで。
フレスコ画はやはり色が沈んだカンジになりますしね。
なので、やっぱり、チラシ表面やポスターに使われている
《聖母子(書物の聖母)》1482-83年頃 が素晴らしい!!!!
思ったより小さな絵なんですが、聖母の衣の青がものすごくきれい!!
私の持っている画集では、衣の色がちょっと緑がかったような、くすんだ色
なんですが、高価なラピスラズリを贅沢に使った青い色のなんと美しいこと!!
聖母の顔も好みだし、金の繊細な装飾も素敵!! とにかくすごく良かった!!
この絵を見られただけで、上京した甲斐があったと思える程の至福感!
ボッティチェリの作品で唯一日本にある(丸紅株式会社蔵)
《美しきシモネッタの肖像》1480-85年頃 (2段目左)
―私の画集では《シモネッタ・ヴェスプッチの肖像》となってますが―
この女性の髪形、マンガみたいというか‥‥この時代ホントに
こんな複雑な髪形してたのかな? 《ヴィーナスの誕生》の髪形も
面白いなぁーって思うんですが‥‥この展覧会のショップで買った
『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』とても面白かった!
特に、「ボッティチェリは、仕上がった絵にも輪郭線を残しました。」
「ボッティチェリの絵が現代の日本人にとって受け入れやすい理由の一つは、『漫画的な表現』だからだと私は考えています。」
ってとこにはうんうん!!ってなった。
それで思い出したのは、私も学生時代、模写というと大げさだけど、
ボッティチェリの絵を結構マネして描いた(鉛筆の簡単なスケッチ)なと。
特にこの《美しきシモネッタの肖像》はマンガ的で描きやすかった。
ラファエロやダ・ヴィンチの絵はスケッチしようとは思わなかったけど、
ボッティチェリや、ミケランジェロの絵はスケッチしてみたなって。
「ボッティチェリは、いまにも泣きそうな憂い顔の乙女を描くのがうまかった人で、 彼の絵は日本でいえば竹久夢二や、1970年代頃の日本の『乙女チック』な少女漫画に 描かれた少女のキャラクターにつうじるものがあります。」
ってとこには、そうか、私がボッティチェリの絵が好きなのは、
これは少女マンガだからか!って。
工房作の聖母子を中心にした絵(《トレッピオ祭壇画》)1495-96年 など、
顔の目鼻にもくっきりと輪郭線があって、
少女マンガのカラーページみたいな雰囲気ですものね!
ボッティチェリ、メディチ家のロレンツォが死んで(1492年)から、
サヴォナローラに心酔してしまい、神秘的で宗教的な絵になり、
その絵も工房の弟子たちに委ねるようになって、
貧困のうちに亡くなった(1510年)とのこと。
画集で見ても、晩年の絵は人物がかたくて魅力がなかったです。
今回展示されていた《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》1494-96年頃
画集ではそんな、晩年のパターン化された不自然な絵だと思っていたんですが、
古代風の建築を飾る彫像やレリーフが金で飾られていて、すごくきれい!!
見直しちゃいました!!
(チラシ裏面)
最上階では、ボッティチェリの師フィリッポ・リッピの子で、
ボッティチェリの弟子となり、ライバルとなった
フィリッビーノ・リッピ(1457年頃-1504年)の作品が展示されていました。
当時はイタリアでもっとも高く評価され、人気のあった画家だったそう。
確かに、《幼児キリストを礼拝する聖母》1478年頃(チラシ中面右の下段右)
ボッティチェリをさらに柔らかく立体的に、甘美にしたような聖母です。
《聖母子、洗礼者聖ヨハネと天使たち(コルシーニ家の円形画)》1481-82年頃
譜面を持つ跪く天使たちがすごく素敵だし、
フィリッビーノの描く幼児キリストはすっごく可愛い!!
『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』で、
「フィリッポ・リッピから、ボッティチェリを経て、フィリッビーノ・リッピに至る 三代の絵の共通点は、『少女漫画』風といってもいいほどロマンチックなことです。 その特徴がもっとも顕著なのが、フィリッビーノ・リッピの絵だといえるでしょう。」
確かに、こんな雰囲気の少女マンガのカラーページ、見たことがあるような気がします。
ヤマザキマリさんは、ボッティチェリを
「1970年代頃の日本の『乙女チック』な少女漫画」につうじるって書いてましたが、
私はボッティチェリは青池保子や山岸凉子、森川久美あたりで、
フィリッビーノ・リッピは内田善美とか、イラストレーターのきたのじゅんこ
じゃないかって思います。ハハハ。
ボッティチェリ展、ショップも充実していました。
図録も豪華だし(2,400円 当然買いました!)
オリジナルラベルのワインとか、
クッキーはすごく高かったので、ちょっと手が出ませんでしたが、
レターセットの缶ケースはなかなかそそられました。
《書物の聖母》のクリアファイル(400円)を自分用と
友人へのお土産(自慢)用に買いました。
クリアファイルの印刷は、聖母の青いマントの色の美しさが再現できていて、
チラシや図録の表紙も《書物の聖母》だし、別のにしようかなとも思いましたが、
やっぱりこれ買っちゃいました。
そして『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』821円 と、
イラストのふざけ具合が面白い『ボッティチェリとリッピ』1,782円 も買いました。
『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』
面白かったww!!
「恋するお坊さん」フィリッポ・リッピから始まって、
「いい人すぎた」ラファエロ、「筋肉フェチ」ミケランジェロ、
「人嫌い」ダ・ヴィンチと三大巨匠を取り上げ、
「ひたすら構図にこだわった」マンテーニャ、
「バリバリ理系」ウッチェロ、
「男の子のタイツを描くのが大好き」カルパッチョと、
イタリア各地の画家を取り上げ、さらに
デューラーやホルバイン、ブリューゲルも、
ヤマザキマリさんの言葉でわかりやすく解説されています。
残念なのは、この本、展覧会前に買っていれば、
100円割引券がついていたのにww!
(本の帯に、ボッティチェリ展と、江戸東京博物館で4月10日までやっている
「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の挑戦」展の100円割引券がついています)
最近の美術展にお約束?の記念撮影用パネル
2階から東京都美術館の庭を見下ろしたところ(3月8日(火) 11:14撮影)
それなりに混んでいましたが、入場待ちができたりするほどではなかったです。
エスカレーターで降りると、出口前に、もう一度見たい人は
会場へ行けるようになっていて、最初スルーした展示品を見ようと行ってみましたが、
まぁ、人の肩越しに見るほどではないかなと。
大好きなボッティチェリの作品、初期から晩年までたくさん見られて
とても素敵な展覧会でした。
「ボッティチェリ展」公式サイト: http://botticelli.jp/
東京都美術館: http://www.tobikan.jp/
東京都美術館「ボッティチェリ展」に行きました。
美術館は9:30~17:30なので、それまで朝の上野公園を
散策していたことは前記事に書きました。
前記事にも載せましたが、
3月8日(火)9:07の東京都美術館
10人ほどが並んでいました。
美術鑑賞の授業らしい学生たちも集まってきていました。
(その後、学生たちは団体の入口から入場したようです)
職員の方が来て、4列で並ぶようにと言われて、
私は前から3番目の列でした。9時半に開門。
私はここは初めてなので、人の列についてエスカレーターで降りていくと、
地下1階がエントランスになっていました。
チケットは持っていないので、一般当日1,600円で購入。
(65歳以上は1,000円と、学生の1,300円より安いのは優遇しすぎじゃない?)
会場へ入るとすぐ、ボッティチェリの自画像とされる人物が
描かれているということで有名な
《ラーマ家の東方三博士の礼拝》1475-76年頃 が展示されていました。
日曜美術館アートシーンで紹介された時、え?!この絵が来てるの?!!
って驚いたんです。画集で見て大きな壁画のように思ってたんですが、
意外と小さい(111×134cmってそれなりの大きさなんですが)絵なんだって。
(チラシ中面左ページ)
それからピエトロ・トッリジャーノ(帰属)による
《ロレンツォ・イル・マニーフィコの胸像》がジーンと会場の真ん中に。
これがメディチ家のロレンツォ? なかなかイケメン。
青池保子のマンガに出てきそうなサド目‥‥ハハハ。
そして、ボッティチェリ時代のフィレンツェの杯やメダルなどが
展示されていましたが、軽くスルーして先を急ごうと。
《竜と戦う大天使ミカエル》1465年以前
フィレンツェ、ステーファノ・バルディーニ美術館
あれ? この絵どこで見たかな??
アントニオ・デル・ポッライオーロ
(本名アントニオ・ディ・ヤコボ・ダントニオ・ベンチ)
って作家名は記憶にないですが、この絵は見たことがある‥‥
多分、何かの図版か画集でしょうが。
それからボッティチェリ《バラ園の聖母》1468-69年頃
うわー! 周囲の装飾的な構造物も含めて、よくこれ持ってきたなと。
聖母の顔がフィリッポ・リッピの影響がわかる初期の作品ですが、
しばらくうっとりと眺めていました。
この作品の周辺には、ボッティチェリ(1444/45-1510)の師である
フィリッポ・リッピ(1406-69)の作品が展示されていました。
私、フィリッポ・リッピの作品は、2005年に
岐阜県美術館「プラート美術の至宝展」で見たことがあります。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-12-03
図録の表紙に使われているのは、
フィリッポ・リッピとフラ・ディアマンテ
《身につけた聖帯を使徒トマスに授ける聖母および
聖グレゴリオス、聖女マルゲリータ、聖アウグスティヌス、
トビアスと天使》
裏表紙に回っている、絵の左端に描かれているのが、
聖女マルゲリータで、フィリッポ・リッピと駆け落ちをして、
フィリッビーノを産むルクレツィア・ブーティの似姿だそう。
フィリッポ・リッピの聖母や、ボッティチェリの初期の聖母の顔ですね。
日本では珍しい(そして岐阜ではもっと珍しい)
イタリア・ルネサンスの絵画が見られて、とても良かったです。
(「プラート美術の至宝展 フィレンツェに挑戦した都市の物語」
2005年~2006年に、
損保ジャパン東郷青児美術館・岐阜県美術館・ひろしま美術館を巡回しました。)
で、あらためてその図録見たら、今回のボッティチェリ展に出ている
キリストがおくるみ?でぐるぐる巻にされている
フィリッポ・リッピ《聖母子》1445年頃 があるじゃないですか!
(プラート‥では「フィリッポ・リッピと工房」となっていましたが)
こんな面白い(キリストぐるぐる巻きじゃんー)絵覚えてないって(^^;)
私何見てたんだろうね?
エスカレーターで2階、いや1階に上がると、
ボッティチェリの作品が贅沢に並んでいます。
(チラシ中面右ページ)
よくこなに持ってきたなーすごいと思いましたが、わかったのは、
私はボッティチェリの描く甘美な女性の顔が好きなんだなって。
《書斎の聖アウグスティヌス》1480年頃(上段中)とか、
大きくて立派な絵だなー、上の真ん中に描かれた赤いのは、
後世に加筆されたヴェスプッチ家の盾形紋章かーってカンジで。
フレスコ画はやはり色が沈んだカンジになりますしね。
なので、やっぱり、チラシ表面やポスターに使われている
《聖母子(書物の聖母)》1482-83年頃 が素晴らしい!!!!
思ったより小さな絵なんですが、聖母の衣の青がものすごくきれい!!
私の持っている画集では、衣の色がちょっと緑がかったような、くすんだ色
なんですが、高価なラピスラズリを贅沢に使った青い色のなんと美しいこと!!
聖母の顔も好みだし、金の繊細な装飾も素敵!! とにかくすごく良かった!!
この絵を見られただけで、上京した甲斐があったと思える程の至福感!
ボッティチェリの作品で唯一日本にある(丸紅株式会社蔵)
《美しきシモネッタの肖像》1480-85年頃 (2段目左)
―私の画集では《シモネッタ・ヴェスプッチの肖像》となってますが―
この女性の髪形、マンガみたいというか‥‥この時代ホントに
こんな複雑な髪形してたのかな? 《ヴィーナスの誕生》の髪形も
面白いなぁーって思うんですが‥‥この展覧会のショップで買った
『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』とても面白かった!
特に、「ボッティチェリは、仕上がった絵にも輪郭線を残しました。」
「ボッティチェリの絵が現代の日本人にとって受け入れやすい理由の一つは、『漫画的な表現』だからだと私は考えています。」
ってとこにはうんうん!!ってなった。
それで思い出したのは、私も学生時代、模写というと大げさだけど、
ボッティチェリの絵を結構マネして描いた(鉛筆の簡単なスケッチ)なと。
特にこの《美しきシモネッタの肖像》はマンガ的で描きやすかった。
ラファエロやダ・ヴィンチの絵はスケッチしようとは思わなかったけど、
ボッティチェリや、ミケランジェロの絵はスケッチしてみたなって。
「ボッティチェリは、いまにも泣きそうな憂い顔の乙女を描くのがうまかった人で、 彼の絵は日本でいえば竹久夢二や、1970年代頃の日本の『乙女チック』な少女漫画に 描かれた少女のキャラクターにつうじるものがあります。」
ってとこには、そうか、私がボッティチェリの絵が好きなのは、
これは少女マンガだからか!って。
工房作の聖母子を中心にした絵(《トレッピオ祭壇画》)1495-96年 など、
顔の目鼻にもくっきりと輪郭線があって、
少女マンガのカラーページみたいな雰囲気ですものね!
ボッティチェリ、メディチ家のロレンツォが死んで(1492年)から、
サヴォナローラに心酔してしまい、神秘的で宗教的な絵になり、
その絵も工房の弟子たちに委ねるようになって、
貧困のうちに亡くなった(1510年)とのこと。
画集で見ても、晩年の絵は人物がかたくて魅力がなかったです。
今回展示されていた《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》1494-96年頃
画集ではそんな、晩年のパターン化された不自然な絵だと思っていたんですが、
古代風の建築を飾る彫像やレリーフが金で飾られていて、すごくきれい!!
見直しちゃいました!!
(チラシ裏面)
最上階では、ボッティチェリの師フィリッポ・リッピの子で、
ボッティチェリの弟子となり、ライバルとなった
フィリッビーノ・リッピ(1457年頃-1504年)の作品が展示されていました。
当時はイタリアでもっとも高く評価され、人気のあった画家だったそう。
確かに、《幼児キリストを礼拝する聖母》1478年頃(チラシ中面右の下段右)
ボッティチェリをさらに柔らかく立体的に、甘美にしたような聖母です。
《聖母子、洗礼者聖ヨハネと天使たち(コルシーニ家の円形画)》1481-82年頃
譜面を持つ跪く天使たちがすごく素敵だし、
フィリッビーノの描く幼児キリストはすっごく可愛い!!
『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』で、
「フィリッポ・リッピから、ボッティチェリを経て、フィリッビーノ・リッピに至る 三代の絵の共通点は、『少女漫画』風といってもいいほどロマンチックなことです。 その特徴がもっとも顕著なのが、フィリッビーノ・リッピの絵だといえるでしょう。」
確かに、こんな雰囲気の少女マンガのカラーページ、見たことがあるような気がします。
ヤマザキマリさんは、ボッティチェリを
「1970年代頃の日本の『乙女チック』な少女漫画」につうじるって書いてましたが、
私はボッティチェリは青池保子や山岸凉子、森川久美あたりで、
フィリッビーノ・リッピは内田善美とか、イラストレーターのきたのじゅんこ
じゃないかって思います。ハハハ。
ボッティチェリ展、ショップも充実していました。
図録も豪華だし(2,400円 当然買いました!)
オリジナルラベルのワインとか、
クッキーはすごく高かったので、ちょっと手が出ませんでしたが、
レターセットの缶ケースはなかなかそそられました。
《書物の聖母》のクリアファイル(400円)を自分用と
友人へのお土産(自慢)用に買いました。
クリアファイルの印刷は、聖母の青いマントの色の美しさが再現できていて、
チラシや図録の表紙も《書物の聖母》だし、別のにしようかなとも思いましたが、
やっぱりこれ買っちゃいました。
そして『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』821円 と、
イラストのふざけ具合が面白い『ボッティチェリとリッピ』1,782円 も買いました。
『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』
面白かったww!!
「恋するお坊さん」フィリッポ・リッピから始まって、
「いい人すぎた」ラファエロ、「筋肉フェチ」ミケランジェロ、
「人嫌い」ダ・ヴィンチと三大巨匠を取り上げ、
「ひたすら構図にこだわった」マンテーニャ、
「バリバリ理系」ウッチェロ、
「男の子のタイツを描くのが大好き」カルパッチョと、
イタリア各地の画家を取り上げ、さらに
デューラーやホルバイン、ブリューゲルも、
ヤマザキマリさんの言葉でわかりやすく解説されています。
残念なのは、この本、展覧会前に買っていれば、
100円割引券がついていたのにww!
(本の帯に、ボッティチェリ展と、江戸東京博物館で4月10日までやっている
「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の挑戦」展の100円割引券がついています)
最近の美術展にお約束?の記念撮影用パネル
2階から東京都美術館の庭を見下ろしたところ(3月8日(火) 11:14撮影)
それなりに混んでいましたが、入場待ちができたりするほどではなかったです。
エスカレーターで降りると、出口前に、もう一度見たい人は
会場へ行けるようになっていて、最初スルーした展示品を見ようと行ってみましたが、
まぁ、人の肩越しに見るほどではないかなと。
大好きなボッティチェリの作品、初期から晩年までたくさん見られて
とても素敵な展覧会でした。
「ボッティチェリ展」公式サイト: http://botticelli.jp/
東京都美術館: http://www.tobikan.jp/
ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論 [ ヤマザキマリ ] |
ボッティチェリとリッピ [ 古山浩一 ] |
本日、見に行く予定です。楽しみにしてます。
by ぷりん431 (2016-03-21 08:05)
ぷりん431 さん、行ってらっしゃい!! よくこれだけの古いルネサンスの作品を持ってきたなって思った展覧会でした。さすが東京です。
by しーちゃん (2016-03-21 14:44)
はじめまして。
中部圏の美術展ブログを書いてられるのを見つけて以来
ブックマークさせていただき
いつも詳しい情報、ありがとうございます。
ボッティチェリ展で、すれ違ったような気がします。
実はこの日の9時頃、ここで開館を待っていたのです。
門の前あたり、開館前の写真を見てビックリ!
大きな樹の下で待つ学生さんたちの向こう側、
塀を背にして座る二人が見えます。
えび茶色のシャツが僕で、左側は妻です。
そしてランチは、Mカフェでマサラカレー。
お隣だったかも・・・。
ご縁ですね!
これからもよろしくお願いいたします。
by ヒロ (2016-04-01 15:24)
ヒロさん、コメントありがとうございます。
開館前の写真、編集する前のを見て、お二人のお姿確認しました!
一緒に開館を待っていたのですね!! 隣で絵をみていたかもしれませんね。ランチもMカフェとは! 驚きです。
ヒロさんのブログ読ませていただきました。関西から東京、中部圏の美術展もたくさん見ていらして、とても興味深かったです。
これからもよろしくお願いいたします。
追記・私のダンナも「ヒロ」と言います。
by しーちゃん (2016-04-02 12:45)