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愛知県美術館コレクション展「蕪村・若冲と江戸時代絵画」他 [美術]

4月3日(日)愛知県美術館へ行きました。

「黄金伝説」展を見終わり、もう4時近かったけど、
昼食を食べてないので、お腹も空いて、
愛知県美術館と同じ10階にあるウルフギャングパックへ。
2016-4-3-(6).jpg
アボカドバーガー(ポテト又はサラダ・ドリンク付)1,530円(税別)を注文。
しっかりボリュームありました。ハンバーグの肉の味が美味しかった。
愛知県美術館友の会の会員証で10%引きになりました。(^∇^)v

それからコレクション展へ。
いつもは企画展の入口がコレクション展の入口になってます。
展示室1は
「木村定三コレクション 生誕300年 蕪村・若冲と江戸時代絵画」
というテーマで、木村定三コレクションが並んでいます。
与謝蕪村と伊藤若冲はともに1716年生まれだそうですね。
(去年、サントリー美術館とMIHO MUSEUMで二人の展覧会が開催されてましたね)

与謝蕪村(1716-1783)の、
鹿の後姿がほのぼのする《薄に鹿図》や、
重要文化財の《富嶽列松図》

《紫陽花にほととぎす図》サラッと描いたホトトギスと紫陽花に、
蕪村の俳句「岩くらの 狂女恋せよ ほととぎす」が書かれています。
「岩くら」とは、京都の北の岩倉の地名で、気がふれた人の治療場として
知られていたと。ホトトギスのけたたましい鳴き声から、岩倉の狂女が
恋しい人を慕って泣き叫ぶ様子を連想させると解説があって、
そんなことを知ってこの絵を見ると、紫陽花は移ろった恋人の心か?とか、
うーん、深くて面白いなぁ!と。
「円山応挙展」で、当時の知識人に応挙は「見てわかる」絵で
物足りないって批判されたことを知って意外でしたが、
こういう予備知識で「絵を読む」楽しみってのは、
「俺はわかるぞ」と自尊心をくすぐられて面白いかもしれない。
(会場に置いてあった所蔵作品解説のリーフ)
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蕪村《盆踊図扇面 自賛》の隣に呉春《島原盆踊図》が展示されていて、
洒脱な人物の絵、面白いなぁと。

で、洒脱な人物の図で笑ってしまったのが、
伊藤若冲《六歌仙図》
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六歌仙が田楽を焼いて酒の肴にしています。ハハハ‥‥
極彩色の鶏の絵とかで有名な若冲、こんな絵も描いていたんだ!
そういや、野菜の涅槃図なんて絵も描いてましたね。

ついでに、この絵を楽器の演奏の図にパロディにしたパネルがあって、
確かに、この絵の田楽を焼いている在原業平は、
キーボードを演奏しているように見えますね!
こちらも大変面白かったです。

松村景文という江戸時代後期の画家の《雪中古松小禽図》
良かったです。紙を塗り残して雪を表現しているところ、
応挙の雪松図なども思わせるんですが、とても上品で私好みの絵でした。
枝の小鳥だけに色がついているところなんかも素敵。

松村景文《三羽鶴図》写実的に丁寧に描かれた三羽の鶴。
これも上品で私の好みです。

隣に若冲の《菊に双鶴図》があって、こちらは洒脱にデフォルメされた
鶴の絵で、とても自由って雰囲気で面白かった。

いつもながら木村定三コレクションのすごさには驚かされます。

展示室2は「20世紀の美術」
友の会にも入会して、愛知県美術館のコレクション展もかなり見ているので、
デュフィ《サンタドレスの浜辺》、クプカ《灰色と金色の展開》
ファイニンガー《夕暮れの海Ⅰ》、ミロ《絵画》など、
作家と作品名を覚えた作品が並んでいます。
デルヴォー《こだま(あるいは「街路の神秘」)》もありましたし、
サム・フランシス《消失に向かう地点の青》と、
ジム・ダインの《芝刈機》も置かれていました。

続いて「出来事―いま、ここという経験」というテーマで、
第1章 痕跡に見る出来事
白髪一雄や、元永定正のアクションペインティングの作品が展示されていました。
岡崎乾二郎のアクリル絵の具の透明感がいいなって思った作品が3枚並んでいて、
白髪や本永のは《作品》ってそっけないタイトルなのに、
岡崎乾二郎の作品は、それぞれ
《野には(この世界では見えぬ)育ちも摘‥》
《あなたがたの考え(善悪)は紙に書かれ‥》
《天使は翼があるから鳥という。顔かたち‥》
って、長い詩のようなタイトルがつけられているのも面白い。
(出品リストの枠にこれだけしか入らなかったみたいで、もっと長い)
どれがどの作品なのかわからないけど。ハハハ‥‥

岐阜県美術館の庭に、木と木の間に壁を作った彫刻がある
榎倉康二の《干渉 (Story-No.49)》って作品、
絵の前に置かれた木材が印象的だった。

第2章 出来事を共有する
1970年に開催された「人間と物質」展についての
写真や資料が展示されていました。
布で包む作品で知られるクリストや、
豊田市美術館のテラスにある《色の浮遊13の破裂した小屋》が
印象的なダニエル・ビュレンらの制作風景の写真があって興味深かったです。

第3章 記憶の中の出来事
展示室3は、パク・ヒョンギのインスタレーション
《ブルー・ダイニング・テーブル》
3つのテーブルの上に、壊れた石膏像がのった白い皿があり、
映像が映されていました。

出口近くのコーナーには、
田中功起の映像が流されていました。
コップからあふれるビール、空に飛ぶスーパーの袋、
鳩がキャビアをついばむ様子、流れるシャワーの水‥‥ふーーん。

木村定三コレクションから、木村定三宛の
浜田知明や須田剋太の手紙が展示されていて、
浜田知明の几帳面な文字と、須田剋太らしい豪放な文字が興味深かった。

木村定三コレクションの
野田弘志の《湿原》の挿絵原画もありました。
この、朝日新聞の連載小説・加賀乙彦『湿原』
野田弘志の挿絵が衝撃でした!
私も新聞から切り抜いてスクラップしてました。
さすが木村定三さん!って嬉しくなりました。
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愛知県美術館は企画展だけでなく、コレクション展も充実しているので、
いつも楽しいです。

愛知県美術館のウェブサイト: http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
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