多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展 [美術]
8月23日(水)、多治見市美濃焼ミュージアムへ行きました。
パートが休みのこの日、息子のバイトも休みで、車が使えたんですよね。
多治見のセラミックパークMINOの岐阜県現代陶芸美術館の
「明治有田 超絶の美」展が8月27日(日)までだったので、
せっかく岐阜県美術館の後援会会員証で無料で見られるのだから、
今日あたり行かなくちゃと、近くまで行った時に、そういえば、
多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展も27日までだったなって
気が付いたんですよ。前回、岐阜県現代陶芸美術館に来た時に、
(5月21日「コレクション×クロニクル」展に来てます)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-06-02
このチラシを見て、華やかな洋食器の世界、見たいって思ったんですが、
その日は時間がなくて‥‥で、
岐阜県現代陶芸美術館は6時までやってるけど。
多治見市美濃焼ミュージアムは5時までなので、まずこちらへ。
受付で観覧券を買おうとすると、JAFの会員証で50円割引になるとのことで、
観覧料一般310円が260円になりました(310円でも安いのに)! そして
8ページのカラー写真も美しいリーフレットまでもらえました!!
最初の展示室が「幻のナカヤマ」
なんとこの企画展の部屋のみ写真撮影可!!!ってことで!!
独り占め状態をいいことに、バチバチ撮ってきました。
入口の正面のガラスケースに展示されていたのが、
《菊花御紋章入り コーヒー椀皿》と磁器製ワイングラス
実は私、チラシの華麗な洋食器の写真見て素敵!!って思ったんですが、
「ナカヤマ」については何も知らなかったんですよね。
《菊花御紋章入り コーヒー椀皿》は、
平成2年、各国の国賓を招いて行われる新天皇即位式に用いるコーヒー椀皿。
明治以来百年ぶりという発注を受け、転写で用いた金も百年もつようにと、
通常の11パーセントをはるかに上回る35パーセントが施されているとのこと。
美濃で初めて宮内庁御用達に指名されたナカヤマ。
「美濃の大倉陶園」と称されるほどの評価を一代で達成した中山保夫の 中山製陶所(多治見市平井町)が生み出した高品質の製品を紹介します。
チラシにも使われているコーヒーセットは、
創業30周年記念の《プレジデント・アニバーサリー》コーヒーセット
その隣に展示されていた《ワインカントリー レ・フロール》素敵!!
より手ハンドル石膏型と手書き元見本
そして、盛り上がった金の豪華さに驚いた《金腐らし 茶器揃》
金腐食(金くさらし)とは、
「腐食技法を用いた陶磁器の金彩による加飾法」で、
「陶磁器の加工目的部分に、アスファルトを油で溶いたものやパラフィンを使って絵柄を描く (転写を施す場合もある)。そして劇薬のフッ化水素水を掛けると、 絵柄が描いていないところは陶器面が侵されて凹む。次にアスファルトなどを洗い落として 金絵付けをして焼成すると、浸食されて凹んだ部分の金には艶がなく、 凹んでいないところの金は艶が出て豪華な装飾ができる。」そう。しかし
「フッ化水素水を用いる作業は安全性と効率性に問題があり、 毒物指定のため使用や廃棄も容易には行えないことから、今ではサンド・プラストによる 加工に替わっている。」とのこと。
素敵~!! 私、抹茶茶碗のワビサビはよくわからないけど、
こういうキラキラは大好き!
手前の2つ、同じもののように見えるけど、左側が手書き元見本とのこと。
日本の屏風の絵をデザインした十二か月のコーヒー椀皿
尾形光琳の紅白梅図屏風の絵柄もありますね。
手書き元見本と製品
《プレジデントゴールド葡萄》
《ハレドール》
《エランドール》デザインや転写紙も展示されています。
《ポンパドール》
ポット、シュガー、コーヒー椀皿
ケーキ皿、サンドイッチトレー
《ペルシャンフラワー》と《黒地百花》
石膏型が展示されていました。
昭和62年、磁器では不可能とされていた継ぎ目のないステムウエアの開発に成功したと。
優美な形ですね。
鶴田一郎 資生堂プレゼン用《手描き女性図 コーヒー椀皿》
皿の形がモダンで洒落てます!
レースのようになった皿が面白い。手間かかってるんだろうなぁー
企画展のタイトルが『幻の』ってついているのは、
ナカヤマは、安価な海外製品の流入による経営難と中山自身高齢となったこともあり、
2003(平成15)年に製陶会社を解散したからだそう。
2015(平成27)年には販売会社(株)ナカヤマも解散するが、廃業を知った
陶磁器商社の社長 松田金之助がブランド再生を決意し、
(株)ナカヤマ販売を設立したとのこと。
中山保夫氏は、今年2017(平成29)年元旦に逝去されたそう。95歳。
展示には、一代で誇るべきブランドを築いた中山保夫を支えた
技術者の紹介もありました。開発費を惜しまなかった中山保夫には、
優秀な職人たちとの幸福な出会いがあったと。
寺野勝美 上絵付一級技能士
大堀高祥 金仕上げ技術者
大坪高明 アートハンドペインター
かつて中山を支えた技術者は、現在、(株)ナカヤマ販売で
ブランド再生に取り組んでいるとのことです。
いやー、この展示、見に行けてよかった!!
多治見にこんなすごい高級洋食器メーカーがあったなんて!!
(株)ナカヤマ販売のウェブサイト: http://nakayama-h.com/
オンラインショップの華麗なコーヒー椀皿などは、
見ているだけで素敵です。‥‥私にはちょっと買えないけど。
(もちろん値段もあるけど、私はすぐ壊しそうで)
多治見市美濃焼ミュージアムでは、
常設の美濃焼の歴史を展示した部屋や、
小企画展「受贈記念 日根野作三茶碗」展の部屋
皿の絵とか面白いなって見たら、日根野作三さん、陶磁器デザイナーとして
活躍された方なんですってね。(スミマセンお名前も知りませんでした)
並んでいた、素朴とも見える茶碗は私にはよくわかりませんが‥‥。
加藤孝造コレクションによる荒川豊蔵展示室もありました。
荒川豊蔵の志野茶碗とかは、岐阜県美術館とかでも見て、
すごいものなんだろうなぁーとは思いますが‥‥
展示されていた絵や書が面白かった。
立派なリーフレットがあってトクした気分。
そして、多治見市美濃焼ミュージアムでは、人間国宝など美濃を代表する
作家の茶碗でお抹茶がいただけるんです!! 一服500円。
今月のお茶碗9つのうち、私が選んだのは
人間国宝・加藤卓男のラスター彩茶碗
やっぱ私は、渋いお茶碗より、こういうちょっとキラキラ茶碗が好きだなぁ。
ここに来るのは2回目。前回来た時のことはこちら↓
多治見市美濃焼ミュージアム「中田英寿、現代陶芸と出会う。」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-03-22
多治見市美濃焼ミュージアム:
http://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/
パートが休みのこの日、息子のバイトも休みで、車が使えたんですよね。
多治見のセラミックパークMINOの岐阜県現代陶芸美術館の
「明治有田 超絶の美」展が8月27日(日)までだったので、
せっかく岐阜県美術館の後援会会員証で無料で見られるのだから、
今日あたり行かなくちゃと、近くまで行った時に、そういえば、
多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展も27日までだったなって
気が付いたんですよ。前回、岐阜県現代陶芸美術館に来た時に、
(5月21日「コレクション×クロニクル」展に来てます)
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-06-02
このチラシを見て、華やかな洋食器の世界、見たいって思ったんですが、
その日は時間がなくて‥‥で、
岐阜県現代陶芸美術館は6時までやってるけど。
多治見市美濃焼ミュージアムは5時までなので、まずこちらへ。
受付で観覧券を買おうとすると、JAFの会員証で50円割引になるとのことで、
観覧料一般310円が260円になりました(310円でも安いのに)! そして
8ページのカラー写真も美しいリーフレットまでもらえました!!
最初の展示室が「幻のナカヤマ」
なんとこの企画展の部屋のみ写真撮影可!!!ってことで!!
独り占め状態をいいことに、バチバチ撮ってきました。
入口の正面のガラスケースに展示されていたのが、
《菊花御紋章入り コーヒー椀皿》と磁器製ワイングラス
実は私、チラシの華麗な洋食器の写真見て素敵!!って思ったんですが、
「ナカヤマ」については何も知らなかったんですよね。
《菊花御紋章入り コーヒー椀皿》は、
平成2年、各国の国賓を招いて行われる新天皇即位式に用いるコーヒー椀皿。
明治以来百年ぶりという発注を受け、転写で用いた金も百年もつようにと、
通常の11パーセントをはるかに上回る35パーセントが施されているとのこと。
美濃で初めて宮内庁御用達に指名されたナカヤマ。
「美濃の大倉陶園」と称されるほどの評価を一代で達成した中山保夫の 中山製陶所(多治見市平井町)が生み出した高品質の製品を紹介します。
チラシにも使われているコーヒーセットは、
創業30周年記念の《プレジデント・アニバーサリー》コーヒーセット
その隣に展示されていた《ワインカントリー レ・フロール》素敵!!
より手ハンドル石膏型と手書き元見本
そして、盛り上がった金の豪華さに驚いた《金腐らし 茶器揃》
金腐食(金くさらし)とは、
「腐食技法を用いた陶磁器の金彩による加飾法」で、
「陶磁器の加工目的部分に、アスファルトを油で溶いたものやパラフィンを使って絵柄を描く (転写を施す場合もある)。そして劇薬のフッ化水素水を掛けると、 絵柄が描いていないところは陶器面が侵されて凹む。次にアスファルトなどを洗い落として 金絵付けをして焼成すると、浸食されて凹んだ部分の金には艶がなく、 凹んでいないところの金は艶が出て豪華な装飾ができる。」そう。しかし
「フッ化水素水を用いる作業は安全性と効率性に問題があり、 毒物指定のため使用や廃棄も容易には行えないことから、今ではサンド・プラストによる 加工に替わっている。」とのこと。
素敵~!! 私、抹茶茶碗のワビサビはよくわからないけど、
こういうキラキラは大好き!
手前の2つ、同じもののように見えるけど、左側が手書き元見本とのこと。
日本の屏風の絵をデザインした十二か月のコーヒー椀皿
尾形光琳の紅白梅図屏風の絵柄もありますね。
手書き元見本と製品
《プレジデントゴールド葡萄》
《ハレドール》
《エランドール》デザインや転写紙も展示されています。
《ポンパドール》
ポット、シュガー、コーヒー椀皿
ケーキ皿、サンドイッチトレー
《ペルシャンフラワー》と《黒地百花》
石膏型が展示されていました。
昭和62年、磁器では不可能とされていた継ぎ目のないステムウエアの開発に成功したと。
優美な形ですね。
鶴田一郎 資生堂プレゼン用《手描き女性図 コーヒー椀皿》
皿の形がモダンで洒落てます!
レースのようになった皿が面白い。手間かかってるんだろうなぁー
企画展のタイトルが『幻の』ってついているのは、
ナカヤマは、安価な海外製品の流入による経営難と中山自身高齢となったこともあり、
2003(平成15)年に製陶会社を解散したからだそう。
2015(平成27)年には販売会社(株)ナカヤマも解散するが、廃業を知った
陶磁器商社の社長 松田金之助がブランド再生を決意し、
(株)ナカヤマ販売を設立したとのこと。
中山保夫氏は、今年2017(平成29)年元旦に逝去されたそう。95歳。
展示には、一代で誇るべきブランドを築いた中山保夫を支えた
技術者の紹介もありました。開発費を惜しまなかった中山保夫には、
優秀な職人たちとの幸福な出会いがあったと。
寺野勝美 上絵付一級技能士
大堀高祥 金仕上げ技術者
大坪高明 アートハンドペインター
かつて中山を支えた技術者は、現在、(株)ナカヤマ販売で
ブランド再生に取り組んでいるとのことです。
いやー、この展示、見に行けてよかった!!
多治見にこんなすごい高級洋食器メーカーがあったなんて!!
(株)ナカヤマ販売のウェブサイト: http://nakayama-h.com/
オンラインショップの華麗なコーヒー椀皿などは、
見ているだけで素敵です。‥‥私にはちょっと買えないけど。
(もちろん値段もあるけど、私はすぐ壊しそうで)
多治見市美濃焼ミュージアムでは、
常設の美濃焼の歴史を展示した部屋や、
小企画展「受贈記念 日根野作三茶碗」展の部屋
皿の絵とか面白いなって見たら、日根野作三さん、陶磁器デザイナーとして
活躍された方なんですってね。(スミマセンお名前も知りませんでした)
並んでいた、素朴とも見える茶碗は私にはよくわかりませんが‥‥。
加藤孝造コレクションによる荒川豊蔵展示室もありました。
荒川豊蔵の志野茶碗とかは、岐阜県美術館とかでも見て、
すごいものなんだろうなぁーとは思いますが‥‥
展示されていた絵や書が面白かった。
立派なリーフレットがあってトクした気分。
そして、多治見市美濃焼ミュージアムでは、人間国宝など美濃を代表する
作家の茶碗でお抹茶がいただけるんです!! 一服500円。
今月のお茶碗9つのうち、私が選んだのは
人間国宝・加藤卓男のラスター彩茶碗
やっぱ私は、渋いお茶碗より、こういうちょっとキラキラ茶碗が好きだなぁ。
ここに来るのは2回目。前回来た時のことはこちら↓
多治見市美濃焼ミュージアム「中田英寿、現代陶芸と出会う。」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-03-22
多治見市美濃焼ミュージアム:
http://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/
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