瑞浪市陶磁資料館「伊藤文生のデザイン」展 [美術]
2月11日(日)瑞浪市陶磁資料館へ行きました。
伊藤文生のデザイン
~HOYAチャイナの美と挑戦と~
という企画展が2月12日(月・振替休日)までだったので。
このチラシを見て、私は抹茶茶碗のワビサビはよくわからないけど、
こういう優雅な洋食器のデザインっていいなぁって思うんですよね。
多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27
とか素敵だったし。
瑞浪市陶磁資料館は、中央自動車道 瑞浪ICのすぐ北側にある
市民公園の横にあります。
入館料一般200円を払って入ります。
企画展示コーナーの入口
撮影可ってことで、誰もいないのをいいことに、バチバチ撮っちゃいました。
「HOYA」って聞くと、私は HOYAクリスタル が思い浮かんで、
クリスタルガラスの高級食器をイメージしちゃうんですが
(私たちの結婚祝いに頂いたグラス類がHOYAでした)
昭和45年(1970)頃に陶磁製食器の生産に乗り出したとのこと。
もらったリーフレットによると
同社のガラス食器は高品質なクリスタルガラスを用いた高級食器であったことから、 陶磁製食器もガラス製食器に引けを取らない高品質な製品の創造を目指し‥(中略)‥ HOYAチャイナの生産は(株)保谷クリスタルにとって“大いなる挑戦”でもありました。
で、その企画・デザインの中心を担ったのが伊藤文生氏だったそう。
昭和45年(1970)頃に、(株)保谷クリスタルが多治見工場を設立し、陶磁製食器生産を
開始する(主に酸化磁器(アイボリー食器)を生産)
アイボリー磁器「弥生」洋食器揃 昭和40年代後半
昭和51年(1976) 特白磁器「ホワイトシャドウ」の生産を開始
ホワイトシャドウ「ロレーヌ」洋食器揃 昭和50年代~平成
この白色度の高い素地(ホワイトシャドウ)に染付風の花の絵柄を付けた
「ロレーヌ」は大ヒット商品となり、HOYAチャイナの人気を不動のものとしたそう
ホワイトシャドウ 金銀彩葡萄文洋食器揃 昭和50年代
ホワイトシャドウ 白磁葉形洋皿 昭和50年代
昭和60年(1985)頃からは、乳白色を呈するボーンチャイナの素地が主体なったそう
ボーンチャイナ「サンタニア」
ボーンチャイナ「グリーンリーフ」洋食器揃 昭和60年頃~平成
ボーンチャイナ 色絵木の実文ポット/カップ&ソーサー 昭和60年頃~平成
ボーンチャイナ 木の実文カップ&ソーサー 平成11年以降か
展示されている製品の全てが伊藤文生氏の考案ではなく、他のデザイナーや
外部デザイナーよにって考案された製品も含まれている可能性があるが、
伊藤文生氏はその採否・商品化に携わっていたよう。
そして、現在、HOYA(株)は、陶磁器食器はもちろん、
クリスタルガラス食器生産も終了したんですね!
バブル経済の崩壊が始まった平成2年(1990)年頃からは、 陶磁製食器メーカーにとって多難な時代でした。(中略)消費の低迷、 中国や東南アジア諸国のメーカーとの低価格競争などにより、 東濃地方でも多くの陶磁製食器メーカーが廃業・閉業に至りました。
幻のナカヤマ展でも、安価な海外製品の流入による経営難で、
平成15年(2003)に中山製陶所を解散したってことでしたが、
平成13年(2001)頃、HOYA(株)が多治見工場を閉鎖し、陶磁製食器生産から撤退。
そして、
平成21年(2009)には、クリスタル事業(クリスタルガラス食器生産)も終了とのこと。
幻のナカヤマ展では、金を多く使ったキラキラな豪華な食器がすごいって
見たんですが、HOYAチャイナは、花や蔦などの植物をモチーフにした
優美な文様が素敵だなぁと見ました。
伊藤文生氏は、昭和15年(1940)生まれ。多治見工業高校(図案科)卒業。
平成11年(1999) HOYA(株)を退社、以後フリーデザイナーとして多くの
陶磁製食器の企画・デザインに携わる。平成28年(2016)永眠
瑞浪市陶磁資料館の常設展示室では、
焼き物の4種類、土器・陶器・炻器(せっき)・磁器について、
(例外もあり、境界は必ずしも明確ではない)
わかりやすい説明がありました。
炻器(せっき)って言葉、初めて知りましたが、常滑焼とか萬古焼みたいな、
釉薬がかかっていない、水を吸わない焼き物ってことでいいですかね。
4種類の焼き物の違いを触って確かめられます。
磁器は光を通すんですね!
絵付けについての説明
イングレーズってやっぱり初めて知った‥‥
釉薬を施す前に絵付けする「下絵付け」は耐久性があり、
釉薬を施した後に絵付けする「上絵付け」はカラフルだけど、耐久性は落ちる。
「イングレーズ」は、絵具を釉薬に沈みこませる技法で、
カラフルで耐久性のある絵付けができるってことでした。
上映されていた絵付け作業の映像が興味深くて見入ってしまいました。
ろくろを回して、筆で金線を絵付けしていく職人技がスゴイ!
女性たちが家内工業的にスクリーン転写のシートを貼っていく映像も
ありました。
スクリーン転写の転写紙と製品が展示されていました。
そして、瑞浪市の名誉市民であり、人間国宝(国重要無形文化財「瀬戸黒」保持者)
加藤孝造氏の展示室もありました。
どの作品もすごいんでしょうが、私には価値がイマイチわからなくてスミマセン。
瀬戸黒茶碗
絵も展示されていました。
屋外には登り窯もありました。
瑞浪市陶磁資料館: http://www.city.mizunami.lg.jp/docs/2014092923046/
伊藤文生のデザイン
~HOYAチャイナの美と挑戦と~
という企画展が2月12日(月・振替休日)までだったので。
このチラシを見て、私は抹茶茶碗のワビサビはよくわからないけど、
こういう優雅な洋食器のデザインっていいなぁって思うんですよね。
多治見市美濃焼ミュージアム「幻のナカヤマ」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-08-27
とか素敵だったし。
瑞浪市陶磁資料館は、中央自動車道 瑞浪ICのすぐ北側にある
市民公園の横にあります。
入館料一般200円を払って入ります。
企画展示コーナーの入口
撮影可ってことで、誰もいないのをいいことに、バチバチ撮っちゃいました。
「HOYA」って聞くと、私は HOYAクリスタル が思い浮かんで、
クリスタルガラスの高級食器をイメージしちゃうんですが
(私たちの結婚祝いに頂いたグラス類がHOYAでした)
昭和45年(1970)頃に陶磁製食器の生産に乗り出したとのこと。
もらったリーフレットによると
同社のガラス食器は高品質なクリスタルガラスを用いた高級食器であったことから、 陶磁製食器もガラス製食器に引けを取らない高品質な製品の創造を目指し‥(中略)‥ HOYAチャイナの生産は(株)保谷クリスタルにとって“大いなる挑戦”でもありました。
で、その企画・デザインの中心を担ったのが伊藤文生氏だったそう。
昭和45年(1970)頃に、(株)保谷クリスタルが多治見工場を設立し、陶磁製食器生産を
開始する(主に酸化磁器(アイボリー食器)を生産)
アイボリー磁器「弥生」洋食器揃 昭和40年代後半
昭和51年(1976) 特白磁器「ホワイトシャドウ」の生産を開始
ホワイトシャドウ「ロレーヌ」洋食器揃 昭和50年代~平成
この白色度の高い素地(ホワイトシャドウ)に染付風の花の絵柄を付けた
「ロレーヌ」は大ヒット商品となり、HOYAチャイナの人気を不動のものとしたそう
ホワイトシャドウ 金銀彩葡萄文洋食器揃 昭和50年代
ホワイトシャドウ 白磁葉形洋皿 昭和50年代
昭和60年(1985)頃からは、乳白色を呈するボーンチャイナの素地が主体なったそう
ボーンチャイナ「サンタニア」
ボーンチャイナ「グリーンリーフ」洋食器揃 昭和60年頃~平成
ボーンチャイナ 色絵木の実文ポット/カップ&ソーサー 昭和60年頃~平成
ボーンチャイナ 木の実文カップ&ソーサー 平成11年以降か
展示されている製品の全てが伊藤文生氏の考案ではなく、他のデザイナーや
外部デザイナーよにって考案された製品も含まれている可能性があるが、
伊藤文生氏はその採否・商品化に携わっていたよう。
そして、現在、HOYA(株)は、陶磁器食器はもちろん、
クリスタルガラス食器生産も終了したんですね!
バブル経済の崩壊が始まった平成2年(1990)年頃からは、 陶磁製食器メーカーにとって多難な時代でした。(中略)消費の低迷、 中国や東南アジア諸国のメーカーとの低価格競争などにより、 東濃地方でも多くの陶磁製食器メーカーが廃業・閉業に至りました。
幻のナカヤマ展でも、安価な海外製品の流入による経営難で、
平成15年(2003)に中山製陶所を解散したってことでしたが、
平成13年(2001)頃、HOYA(株)が多治見工場を閉鎖し、陶磁製食器生産から撤退。
そして、
平成21年(2009)には、クリスタル事業(クリスタルガラス食器生産)も終了とのこと。
幻のナカヤマ展では、金を多く使ったキラキラな豪華な食器がすごいって
見たんですが、HOYAチャイナは、花や蔦などの植物をモチーフにした
優美な文様が素敵だなぁと見ました。
伊藤文生氏は、昭和15年(1940)生まれ。多治見工業高校(図案科)卒業。
平成11年(1999) HOYA(株)を退社、以後フリーデザイナーとして多くの
陶磁製食器の企画・デザインに携わる。平成28年(2016)永眠
瑞浪市陶磁資料館の常設展示室では、
焼き物の4種類、土器・陶器・炻器(せっき)・磁器について、
(例外もあり、境界は必ずしも明確ではない)
わかりやすい説明がありました。
炻器(せっき)って言葉、初めて知りましたが、常滑焼とか萬古焼みたいな、
釉薬がかかっていない、水を吸わない焼き物ってことでいいですかね。
4種類の焼き物の違いを触って確かめられます。
磁器は光を通すんですね!
絵付けについての説明
イングレーズってやっぱり初めて知った‥‥
釉薬を施す前に絵付けする「下絵付け」は耐久性があり、
釉薬を施した後に絵付けする「上絵付け」はカラフルだけど、耐久性は落ちる。
「イングレーズ」は、絵具を釉薬に沈みこませる技法で、
カラフルで耐久性のある絵付けができるってことでした。
上映されていた絵付け作業の映像が興味深くて見入ってしまいました。
ろくろを回して、筆で金線を絵付けしていく職人技がスゴイ!
女性たちが家内工業的にスクリーン転写のシートを貼っていく映像も
ありました。
スクリーン転写の転写紙と製品が展示されていました。
そして、瑞浪市の名誉市民であり、人間国宝(国重要無形文化財「瀬戸黒」保持者)
加藤孝造氏の展示室もありました。
どの作品もすごいんでしょうが、私には価値がイマイチわからなくてスミマセン。
瀬戸黒茶碗
絵も展示されていました。
屋外には登り窯もありました。
瑞浪市陶磁資料館: http://www.city.mizunami.lg.jp/docs/2014092923046/
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