一宮市博物館「幸せをよぶ花鳥画展」 [美術]
7月8日(日)、一宮市博物館へ行きました。
「幸せをよぶ花鳥画展」の最終日。
先週から降り続いた大雨がやっと止んだこの日‥‥
西日本各地の記録的な豪雨、岐阜でも水曜からずっと雨が
降り続いていましたが、土曜には大雨特別警報が出て、
私のパート先は予約がキャンセルになったりして、
ヒマだったので、私はいつもより早く上がったんですが、
家に帰り着いた頃から猛烈な雨が降り、残ってた同僚によると、
一時、駐車場までが靴では通れない程の水浸しになったとか。
でも、私の家あたりは氾濫するような川も土砂崩れするような山も
ないのがありがたいです。
岐阜では、長良橋の陸閘(りっこう)が14年ぶりに閉じられたとか、
長良川の氾濫はなんとか回避できましたが、支流の津保川が
氾濫したというニュースがテレビで報じられていましたし、
なにより、西日本各地の甚大な被害には息をのむばかりです。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、とりあえず私の家あたりは無事だし、パートは休みだし、
どこか美術館でも行こうかと、最初は少し遠出しようかと
考えていましたが、久しぶりに晴れた空がみるみる暗くなって、
雨がザーッと降ってくるではないですか! 外に干した洗濯物を
あわてて取り込んだりしているうちに、あまり遠くは行けない時間に。
(この日、岐阜県美術館は大雨特別警報が出ているうち臨時休館すると
ツイッターで流れてきました。13:30より開館したそう)
出鼻をくじかれたような気分で、展覧会のチラシなど眺めていたら、
このチラシが目についたんです、うわ、今日までだって?!!
一宮市博物館なら今からでも間に合うなと。
一宮市博物館には、「絹谷幸二展」などに行ったことがあります。
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-10-28
この日、車が使えなかったので、初めて名鉄電車で行きました。
(夏は息子のバイトで車を使われちゃうんです)
名鉄「妙興寺」駅下車、南口より徒歩7分とチラシにはありますが、
もっと近いカンジです。
一宮市博物館 西側(帰る時に撮影)
設計は内井昭蔵 1987年(昭和62)開館
中庭へのガラス扉も素敵
中庭には柳原義達氏の彫刻《道標 鳩・鴉》
受付で観覧料200円(安っ!!)を払って入ります。
企画展の入口にあった記念撮影コーナー
企画展はなんと、一点を除いて撮影可でしたっ!!
展示室前のギャラリーには、縁起がいいとされる図柄が
あしらわれた器などが展示されていました。
それぞれ、なぜ縁起がいいとされるのか説明も詳しくて、
例えば松竹梅、私も年賀状のデザインによく使いますが、
松竹梅(歳寒三友)
常緑の松、雪に耐える竹、早春に芳しい香りを放って咲く梅は、 厳しい冬にも負けぬ精神を表す植物として、「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と 称され、とりわけ中国の文人たちに好まれました。略して「三友」ともいい、 変わらぬ友情・得がたい友を意味しました。 日本でも「松竹梅」として親しまれ、吉祥のシンボルとなりました。
‥‥中国ではむしろ友情のシンボルとされるんですね。
吉祥文様が刺繍された筥迫(はこせこ)なども並んでいました。
これらは、毛織物の染色整理加工業を営んでいた艶金興業株式会社の3代目社長・
墨敏夫氏が収集した江戸時代から近代までの毛織物約530点からなる
「墨コレクション」からの展示だそう。
猩々緋羅紗地花丸模様錏 江戸末期(19世紀)
武家の火消装束の一つである錏(しころ)
赤い羅紗地に丸く模様化された花々が刺繍されて豪華です。
展示室には素敵な花鳥画と、込められた意味などが丁寧に説明された
キャプションが付いていました。出品リストももちろん置いてあったのに、
私としたことが、入口にあったリストと同じだと思って
取ってきませんでしたっ(T.T)
なので、作者名とタイトルがわからない絵もあります。不覚‥‥
雪洞《蓮鷺図》室町時代(妙興寺蔵・一宮市博物館寄託)
蓮と鷺は「一路連科」続けて科挙に合格する、立身出世の
願いが込められているのだそう。
伝相阿弥《五位鷺図》(妙興寺蔵・一宮市博物館寄託)
狩野安信《萩兎図》江戸時代17世紀
この絵が載っている「日本の水墨画2 花鳥」河出書房新社
受付で売られていたので、買いました。2,700円でした。
狩野安信(1613-85)は「孝信の三男で、探幽、尚信の弟」だそう。
サラッと描かれた兎の愛らしいこと!
兎の目が赤いのは、西洋種が入ってきてからだそうですね。
森狙仙(もり そせん 1747~1821)《藤に三匹猿之図》
猿の絵で名高い森狙仙の愛らしい母ザルと子ザル
愛らしい子犬
喜田華堂(きだ かどう 1802~79)《冨貴祝寿之図》1877年
牡丹は富貴花とも言い、富の象徴とされますね。華やかです。
柿や琵琶や桃など、いろんな果物が描かれています
山本梅逸(やまもと ばいいつ 1783-1856)《四季花鳥図》1851年
十五幅対《四季花鳥図》のうち「葡萄とカマキリ」
葡萄は子孫繁栄を、カマキリは、蟷螂は、中国語で「当郎」に通じ、
郎という官位に就くという意味で、めでたいとされたそう。
浅井星洲(あざい せいしゅう 1796-1862)《枇杷親子猿之図》
中島郡苅安賀村(現一宮市)の庄屋役を勤めていた画家で、
猿を描くのを得意としていた。
尾張藩主に愛賞され、「御留筆」として藩主の許可がなければ
みだりに人の求めに応ずる事ができなかったとのこと。
隣の屏風も浅井星洲
もう一つの展示室では
森半逸(もり はんいつ 1848-1940)
《華果競香之図》1936年(若栗神社八幡宮蔵・一宮市博物館寄託)
不老長寿の意のある桃、仏様の手のような形の仏手柑、
たくさんの種があることから多産の意のある柘榴、
白菜も清廉潔白の意味だとか、
縁起のいいものばかりが描かれているそう。
森半逸は、葉栗郡島村に生まれ、岐阜に出て活躍した画家で、
この作品は、若栗神社の県社昇格を祝して奉納されたものだそう。
今井景樹(いまい けいじゅ 1891-1967)
三重出身 今尾景年に学び、才能を認められ養子になったと。
とても上品な花鳥画ですね。
左が、吉田稼雲(よしだ かうん 1827-75)《梅水仙花図(歳寒三友)》
中島郡小信中島村(現尾西市)出身の画家
右が、秦金石(はた きんせき 1855-不明)《芝仙祝寿図》1919年
左が、勾田台嶺(まがた だいれい)(絵)亀田鵬斎(かめだ ぼうさい 1752-1826)(讃)
《芙蓉双鴛図》
右が、竹原嘲風(たけはら ちょうふう 1897-1947)《春光(木瓜と小鳥)》
淡い色彩でロマンチックな雰囲気ですね。
いゃー、よかった!! こじんまりした展覧会ですが、地元で活躍した
あまり知られていない画家の絵を見ることもできましたし、解説も丁寧で、
どんな吉祥の意味で描かれているのか知って見ると、またよかったです。
和室もありました。
企画展の後、常設展示室も行ってみました。実は今まで見たことが
なかったんですよ。歴史的なものは興味がイマイチだったので。
で、1階の展示室の古代の出土品とかはサラッと流して2階へ。
一宮市に残る独特な農業景観「島畑」を再現したジオラマの
リアルさにへーっとなって、さらに進むと、立派な仏像が!!
一宮市の長隆寺に安置されていた
木造阿弥陀如来坐像と木造観音菩薩立像・木造勢至菩薩立像とのこと。
おぉー、これスゴイ!!
そして、「近代の洋装」という特集展示で、
墨コレクションから、大礼服・軍服が展示されていました。
おぉー、ドラマなどでは目にするけど、
肋骨式胸飾のついた陸軍下士兵卒正装(騎兵・一等兵卒)明治時代
とか、カッコイイww
この「近代の洋装」展は、9月30日(日)までやっているそう
残念だったのは、展覧会期間限定スイーツが時間が過ぎて
食べられなかったこと。(まぁ、のんびりな私にはいつものことですが)
正面玄関
緑の中にオニユリが鮮やかです。
建物の目立たないところに《十牛図》という陶板が並んでいました。
徳力富太郎(版画)山田朝春(陶彫)
隣の妙興寺も少し歩いてきました。
あ、猫がいる!
「絹谷幸二展」に来た時にも、妙興寺には少し寄りました。
妙興寺: https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-10-30
スイーツが食べられなかったので、名鉄妙興寺駅の西にあった
ピアゴのフードコートで、クリームぜんざい250円食べて帰りました。
名鉄「妙興寺駅」 やっぱり名鉄電車はこの赤い電車がいいなー
名鉄電車の木曽川の橋から撮影
こんなに増水した木曽川は初めて見ました。
一宮市博物館: http://www.icm-jp.com/
「幸せをよぶ花鳥画展」の最終日。
先週から降り続いた大雨がやっと止んだこの日‥‥
西日本各地の記録的な豪雨、岐阜でも水曜からずっと雨が
降り続いていましたが、土曜には大雨特別警報が出て、
私のパート先は予約がキャンセルになったりして、
ヒマだったので、私はいつもより早く上がったんですが、
家に帰り着いた頃から猛烈な雨が降り、残ってた同僚によると、
一時、駐車場までが靴では通れない程の水浸しになったとか。
でも、私の家あたりは氾濫するような川も土砂崩れするような山も
ないのがありがたいです。
岐阜では、長良橋の陸閘(りっこう)が14年ぶりに閉じられたとか、
長良川の氾濫はなんとか回避できましたが、支流の津保川が
氾濫したというニュースがテレビで報じられていましたし、
なにより、西日本各地の甚大な被害には息をのむばかりです。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、とりあえず私の家あたりは無事だし、パートは休みだし、
どこか美術館でも行こうかと、最初は少し遠出しようかと
考えていましたが、久しぶりに晴れた空がみるみる暗くなって、
雨がザーッと降ってくるではないですか! 外に干した洗濯物を
あわてて取り込んだりしているうちに、あまり遠くは行けない時間に。
(この日、岐阜県美術館は大雨特別警報が出ているうち臨時休館すると
ツイッターで流れてきました。13:30より開館したそう)
出鼻をくじかれたような気分で、展覧会のチラシなど眺めていたら、
このチラシが目についたんです、うわ、今日までだって?!!
一宮市博物館なら今からでも間に合うなと。
一宮市博物館には、「絹谷幸二展」などに行ったことがあります。
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-10-28
この日、車が使えなかったので、初めて名鉄電車で行きました。
(夏は息子のバイトで車を使われちゃうんです)
名鉄「妙興寺」駅下車、南口より徒歩7分とチラシにはありますが、
もっと近いカンジです。
一宮市博物館 西側(帰る時に撮影)
設計は内井昭蔵 1987年(昭和62)開館
中庭へのガラス扉も素敵
中庭には柳原義達氏の彫刻《道標 鳩・鴉》
受付で観覧料200円(安っ!!)を払って入ります。
企画展の入口にあった記念撮影コーナー
企画展はなんと、一点を除いて撮影可でしたっ!!
展示室前のギャラリーには、縁起がいいとされる図柄が
あしらわれた器などが展示されていました。
それぞれ、なぜ縁起がいいとされるのか説明も詳しくて、
例えば松竹梅、私も年賀状のデザインによく使いますが、
松竹梅(歳寒三友)
常緑の松、雪に耐える竹、早春に芳しい香りを放って咲く梅は、 厳しい冬にも負けぬ精神を表す植物として、「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と 称され、とりわけ中国の文人たちに好まれました。略して「三友」ともいい、 変わらぬ友情・得がたい友を意味しました。 日本でも「松竹梅」として親しまれ、吉祥のシンボルとなりました。
‥‥中国ではむしろ友情のシンボルとされるんですね。
吉祥文様が刺繍された筥迫(はこせこ)なども並んでいました。
これらは、毛織物の染色整理加工業を営んでいた艶金興業株式会社の3代目社長・
墨敏夫氏が収集した江戸時代から近代までの毛織物約530点からなる
「墨コレクション」からの展示だそう。
猩々緋羅紗地花丸模様錏 江戸末期(19世紀)
武家の火消装束の一つである錏(しころ)
赤い羅紗地に丸く模様化された花々が刺繍されて豪華です。
展示室には素敵な花鳥画と、込められた意味などが丁寧に説明された
キャプションが付いていました。出品リストももちろん置いてあったのに、
私としたことが、入口にあったリストと同じだと思って
取ってきませんでしたっ(T.T)
なので、作者名とタイトルがわからない絵もあります。不覚‥‥
雪洞《蓮鷺図》室町時代(妙興寺蔵・一宮市博物館寄託)
蓮と鷺は「一路連科」続けて科挙に合格する、立身出世の
願いが込められているのだそう。
伝相阿弥《五位鷺図》(妙興寺蔵・一宮市博物館寄託)
狩野安信《萩兎図》江戸時代17世紀
この絵が載っている「日本の水墨画2 花鳥」河出書房新社
受付で売られていたので、買いました。2,700円でした。
狩野安信(1613-85)は「孝信の三男で、探幽、尚信の弟」だそう。
サラッと描かれた兎の愛らしいこと!
兎の目が赤いのは、西洋種が入ってきてからだそうですね。
森狙仙(もり そせん 1747~1821)《藤に三匹猿之図》
猿の絵で名高い森狙仙の愛らしい母ザルと子ザル
愛らしい子犬
喜田華堂(きだ かどう 1802~79)《冨貴祝寿之図》1877年
牡丹は富貴花とも言い、富の象徴とされますね。華やかです。
柿や琵琶や桃など、いろんな果物が描かれています
山本梅逸(やまもと ばいいつ 1783-1856)《四季花鳥図》1851年
十五幅対《四季花鳥図》のうち「葡萄とカマキリ」
葡萄は子孫繁栄を、カマキリは、蟷螂は、中国語で「当郎」に通じ、
郎という官位に就くという意味で、めでたいとされたそう。
浅井星洲(あざい せいしゅう 1796-1862)《枇杷親子猿之図》
中島郡苅安賀村(現一宮市)の庄屋役を勤めていた画家で、
猿を描くのを得意としていた。
尾張藩主に愛賞され、「御留筆」として藩主の許可がなければ
みだりに人の求めに応ずる事ができなかったとのこと。
隣の屏風も浅井星洲
もう一つの展示室では
森半逸(もり はんいつ 1848-1940)
《華果競香之図》1936年(若栗神社八幡宮蔵・一宮市博物館寄託)
不老長寿の意のある桃、仏様の手のような形の仏手柑、
たくさんの種があることから多産の意のある柘榴、
白菜も清廉潔白の意味だとか、
縁起のいいものばかりが描かれているそう。
森半逸は、葉栗郡島村に生まれ、岐阜に出て活躍した画家で、
この作品は、若栗神社の県社昇格を祝して奉納されたものだそう。
今井景樹(いまい けいじゅ 1891-1967)
三重出身 今尾景年に学び、才能を認められ養子になったと。
とても上品な花鳥画ですね。
左が、吉田稼雲(よしだ かうん 1827-75)《梅水仙花図(歳寒三友)》
中島郡小信中島村(現尾西市)出身の画家
右が、秦金石(はた きんせき 1855-不明)《芝仙祝寿図》1919年
左が、勾田台嶺(まがた だいれい)(絵)亀田鵬斎(かめだ ぼうさい 1752-1826)(讃)
《芙蓉双鴛図》
右が、竹原嘲風(たけはら ちょうふう 1897-1947)《春光(木瓜と小鳥)》
淡い色彩でロマンチックな雰囲気ですね。
いゃー、よかった!! こじんまりした展覧会ですが、地元で活躍した
あまり知られていない画家の絵を見ることもできましたし、解説も丁寧で、
どんな吉祥の意味で描かれているのか知って見ると、またよかったです。
和室もありました。
企画展の後、常設展示室も行ってみました。実は今まで見たことが
なかったんですよ。歴史的なものは興味がイマイチだったので。
で、1階の展示室の古代の出土品とかはサラッと流して2階へ。
一宮市に残る独特な農業景観「島畑」を再現したジオラマの
リアルさにへーっとなって、さらに進むと、立派な仏像が!!
一宮市の長隆寺に安置されていた
木造阿弥陀如来坐像と木造観音菩薩立像・木造勢至菩薩立像とのこと。
おぉー、これスゴイ!!
そして、「近代の洋装」という特集展示で、
墨コレクションから、大礼服・軍服が展示されていました。
おぉー、ドラマなどでは目にするけど、
肋骨式胸飾のついた陸軍下士兵卒正装(騎兵・一等兵卒)明治時代
とか、カッコイイww
この「近代の洋装」展は、9月30日(日)までやっているそう
残念だったのは、展覧会期間限定スイーツが時間が過ぎて
食べられなかったこと。(まぁ、のんびりな私にはいつものことですが)
正面玄関
緑の中にオニユリが鮮やかです。
建物の目立たないところに《十牛図》という陶板が並んでいました。
徳力富太郎(版画)山田朝春(陶彫)
隣の妙興寺も少し歩いてきました。
あ、猫がいる!
「絹谷幸二展」に来た時にも、妙興寺には少し寄りました。
妙興寺: https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-10-30
スイーツが食べられなかったので、名鉄妙興寺駅の西にあった
ピアゴのフードコートで、クリームぜんざい250円食べて帰りました。
名鉄「妙興寺駅」 やっぱり名鉄電車はこの赤い電車がいいなー
名鉄電車の木曽川の橋から撮影
こんなに増水した木曽川は初めて見ました。
一宮市博物館: http://www.icm-jp.com/
日本の水墨画 2 花鳥 (日本の水墨画) [ 河出書房新社編集部 ] |
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