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松坂屋美術館「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」 [美術]

1月27日(日)、名古屋市博物館「画僧 月僊」展を見終わって、
松坂屋美術館へ行きました。

「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展
   ―美しい生活をもとめて―  」をやっています。
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ウィリアム・モリスの展覧会は、昨年春に、
豊橋市美術博物館「ウィリアム・モリス」展を見てますし、
それまでも愛知県美術館や岐阜県美術館でアーツ&クラフツの
展覧会を見てたりして、モリスは大好きなんですけど、
まぁ、特に見たいってわけでもなかったんですが、
名古屋市博物館を5時に出て、地下鉄乗り放題の「ドニチエコきっぷ」も
持ってたものですから、松坂屋美術館なら7時半までやってるし、
ついでに見て来ようかな‥‥ってくらいで行きました。

松坂屋美術館、観覧料一般当日が、ドニチエコきっぷ提示で、
200円引き! の800円になりましたっ!!

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展示室最初は、
第一章 ウィリアム・モリス以前

フランス製のバラや花を自然主義的に描いた壁紙は
ロココ調で、私はロマンティックで素敵だなぁって見たんですけど
(まぁ、私の家はもちろん、日本の家の壁紙には無理でしょうが)
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こういう「だまし絵」風な壁紙は、1850年代から始まる
英国のリフォーム(デザイン改革)運動で、「まやかし」だと
批判されていくんだそう。
モリスもこういった「本物にみせかけた花や、
本物のように思わせる陰影をつけること」を拒絶していたそう。
なるほど、モリスのデザインは平面的ですね。

これ壁紙なのね! って見たのがこちら
「パノラマ画」、フランスでは「ペイザージュ」として知られる風景画の壁紙
《北アメリカの風景》
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1834年に作られたもので、1690枚もの版木を使って印刷されているそう。
「この壁紙が使われた最も有名な場所は、1962年に米国大統領夫人
ジャクリーン・ケネディが室内装飾をさせたホワイトハウスの外交官応接室である。」

ジャポニスムが流行すると、日本のモチーフを取り入れた壁紙が作られたり、
日本の「金唐革紙」が人気で、横浜の工場と契約を結んで輸入していたそう。
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第二章 ウィリアム・モリスとモリス商会

モリスが新婚の新居「レッド・ハウス」の庭のバラと格子垣から
インスピレーションを得てデザインした《トレリス(格子垣)》をはじめ、
草花や鳥をデザインした壁紙が並んでいました。

展示室の外にあった記念撮影コーナー
《トレリス(格子垣)》のパターンが使われています。
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モリスの壁紙は今までも見てますが、今回は壁紙だけに特化した展覧会。

興味深かったのは、ブロック・プリントで壁紙を作っている映像。
こんな手作業で手間かかってるの?!!!って。
木版なんですね!! 天井から吊るした版木にインクつけて、紙に押し付けて、
長い紙を天井から吊るして乾かして、またプリントを重ねていく!!

それぞれの壁紙のキャプションに「ブロック・プリント〇版」なんて
あるんですけど、チラシに使われている《ピンパーネル(るりはこべ)》は、
11版! そういった手作業のプリントを11回繰り返しているんですよね!!

チラシ裏面左下の《ブラックソーン(スピノサスモモ)》は23版!!

版木も展示されていましたが、これで大きな壁紙をプリントしていくのは
すごい手間のかかる作業ではないかと。

モリスの壁紙を使った室内イメージが展示されていて撮影可でした。
‥‥うーん、ちょっとゴテゴテしすぎなんじゃ??
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最後の方に、現代風イメージのコーナーができてましたが、
‥‥うーーん、使われている壁紙は素敵だけど、なんだかなぁ
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第三章 アーツ・アンド・クラフツ運動

モリスに影響を受けたデザイナーたちの壁紙が展示されていました。

でもまぁ、モリスの壁紙がずらーーっと並んでいる途中から正直
見るのに飽きてきちゃってたし、閉館時間も迫ってたので、
駆け足で見て、図録2,300円買って帰りました。

英国の壁紙デザインに特化した展覧会、私は意外と
ウィリアム・モリス以前が面白かったです。

この展覧会、
2018年7月7日~8月26日 群馬県立近代美術館
2018年10月10日~22日 大阪・阪急うめだ本店
2018年11月17日~12月27日 久留米市美術館
と巡回してきて、
2019年1月2日~2月17日 名古屋・松坂屋美術館
その後、
2019年4月20日~6月2日 横浜・そごう美術館
へと巡回するそうです。
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