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碧南市藤井達吉現代美術館「佐藤玄々(朝山)展」 [美術]

なーんかブログが書けません。うーーん忙しい?のか??
文章を書くのに時間がかかるのは確かなんですが
ずいぶん前に行ってきた美術展ですが‥‥

2月17日(日)、碧南市藤井達吉現代美術館の

「天才と呼ばれた稀代の彫刻家
 碧南市制70周年記念事業 開館10周年記念
 生誕130年
 佐藤玄々(朝山)展」 に行ってきました。
SatoGengen.jpg

実は私、佐藤玄々の代表作《天女(まごころ)像》を知らなかったんですよ。
(まぁ、なんて無知だったんだと恥ずかしいんですが)
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でも知ってたら、かえって見に行かなかったかも。
だって、あまりにキンキラ、ゴテゴテ、キッチュじゃないですか!
ちょっと私の趣味じゃないって思っちゃう。
(実物を見たら違うかもですが)

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佐藤玄々[1888(明治21)-1963(昭和38)年](本名・清蔵、旧号・朝山)は、 我が国が近代化を歩む時代を生き、横山大観らから天才と呼ばれた稀代の彫刻家です。 福島県宇多郡中村町(現・相馬市)の宮彫師の家に生まれた佐藤は、17歳で上京して 山崎朝雲に師事します。 1914(大正3)年に日本美術院が再興されると彫刻部に加わり、平櫛田中、石井鶴三、 戸張孤雁、中原悌二郎らとともに活躍しました。1922(大正11)年にはフランスに留学し、 ブールデルの指導の下、西洋彫刻を研究します。帰国後は、身の回りの小動物や野菜などを テーマにした小品や、我が国の神話に基づくモニュメンタルな肖像や神像を手がけました。
(チラシ裏面より)

私が佐藤玄々(朝山)を知ったのは、
碧南市藤井達吉現代美術館で2011年秋に開催された
「抱きしめたい! 近代日本の木彫展」で、
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-11-12
(碧南市藤井達吉現代美術館では高村光太郎展石黒鏘二展など、
彫刻の展覧会を結構やってますね。)
印象に残ったのが、佐藤朝山《問答》なんですよね。

2019-2-17-(6).jpg

今回の展覧会でも出てました(チラシ裏面右上)が、
タイトルが《永遠の道(問答)》1913年 となっていました。
あらためて見て、あら意外と小さかったんだ‥‥と。
いえ、彫刻としてはそんなに小さくないんですけど、
(62.7×33.5×28.5cm)
なんかずいぶん大きな像だったような印象があって。。
座る釈迦と立っている僧との距離がすごく近くて緊張感あります。

山崎朝雲に師事し「朝山」という号をもらって独立、
初めて展覧会(第51回日本美術協会展)に出したデビュー作。
朝雲の弟子時代に、押入に隠れて彫っていたという伝説もあるが、
実際は朝雲も制作を認めていたらしい(かなりうろ覚えです)とか。

《密教徒(婆羅門僧像)》1914年 東京国立博物館蔵 が良かった。

《沙倶牟多羅姫と陁遮牟陀王》1915年 東京国立博物館蔵 は
戦災でアトリエを焼失して、多くの作品が失われてしまった朝山の
現存する数少ない大作(157.0×110.0×86.8cm) だとか。
《密教徒(婆羅門僧像)》が同じインドを題材にしているのに、
リアルで厳しい印象なのに対して、
この大作はふくよかで幸福感が伝わってくるようなカンジ。

そう、この佐藤玄々展、いろんな作風の彫刻が並んでいました。

フランス留学から帰ってからの作品が並んでいるところでは、
チラシのメインビジュアルにも使われている《筍》
――これ、同じようなのが2点あって、私にはどちらの作品か
区別つかなかったんですけど――とか、《白菜》がありましたが、
野菜の存在感はすごくあるけど、木彫だとわかる作り。

《牝猫》はエジプト彫刻のような、シャープで硬質な作りだし、

《鳩》とかはかなり形が簡略化されてるし、

《蜥蜴》はものすごくリアル!! 蜥蜴が乗っている竹も
木でできているとは信じられないほどの質感!!

昭和戦中戦後期の《神狗》は極彩色で装飾的! 迫力あります。

木彫って、彫りすぎたらもうオワリ、って思ってたけど、
佐藤玄々の制作では、木を継ぎ足して形を整えたりすることも
多々あったとか。

皇紀2600年を記念して皇居のお堀端に建てられた《和気清麻呂像》も
佐藤玄々の作ですが、彫刻家の人選で、師である山崎朝雲が佐藤を
推薦しなかったことから、「朝山」の号を返上し、本名の「清蔵」に戻り、
その後「玄々」と名乗るようになったそう。

この展覧会には《和気清麻呂像》の習作が2点と、太刀の原型が
展示されていました。

1階の展示室では、10年かけて制作された代表作《天女(まごころ)像》の
習作や関連の作品が展示されていました。

このあたりの装飾過多の彫刻、好きかって言われると、
うーん? って気もするんだけど、なんかすごい迫力は感じました。

《麝香猫(じゃこうねこ)》(チラシ裏面右下)は派手だけど
優美でいいなって感じました。

1階のもう一つの展示室では、《天女(まごころ)像》を3D撮影した映像が
上映されていました。ものすごく大きな像なので、日本橋三越本店に行くと、
仰ぎ見ることになりますが、正面から見た全体像から、
天女の顔や、周囲に配された鳥の彫刻などのアップも見ることができて
まぁ、なんと細部まで凝って作っているんだなぁと。
(あちこち視点が動くのと、あまりのけばけばしさにクラクラしましたが)

1階ロビーのモニタでは、1960(昭和35)年の日本橋三越本店での除幕式や
京都・妙心寺境内に設けた制作用の小屋で弟子たちと共に制作する様子を
記録したドキュメンタリーを上映していて、とても興味深かった。
この像を初めて見た人の感想ってどんなだったんだろう?

図録は迷ったけど、買いませんでした。

残念だったのが、カフェで玄々の彫刻とコラボした和菓子が
売り切れで食べられなかったこと。
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佐藤玄々(朝山)展、
福島県立美術館で2018年10月27日(土)~12月16日(日)に開催された後、
ここ、碧南市藤井達吉現代美術館に2019年1月12日(土)~2月24日(日)に
巡回してきて、その後、3月6日(水)~12日(火)に
《天女(まごころ)像》のある日本橋三越本店で開催されたそう。
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日本橋三越本店の展示は、入場無料で約40点を展覧するとのことなので、
ここ碧南よりは出品数が少ないのかな。でも佐藤玄々の代表作
《天女(まごころ)像》はここでしか見られませんからね。
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私もこの巨大な像、一度は実際に見なくてはと思いました。

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さて、カフェの和菓子も売り切れていたので、前回来た時に
気になっていたけど営業時間が過ぎていて残念だった
近くの九重味淋にあるカフェ「K庵」へ。
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伝統ある九重味淋がみりんを使った和食やイタリアン、スイーツを
提供するレストラン&カフェ

伝統を感じる門をくぐり
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趣のある庭を通ってお店へ。
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コーヒーを注文すると、
タルトとみりんのアイスクリームが乗ったプレートがサービスで付いてきました!
税込486円
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古民家をリノベーションした店内もいい雰囲気です。
2019-2-17-(15).jpg

隣には、みりんを使った商品を販売する「石川八郎治商店」があります。
最近ハマっている甘酒を買ってきちゃいました。972円
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レストラン&カフェ K庵: https://kokonoe.co.jp/k-an


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