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願成寺古墳群美術展2019 [美術]

4月21日(日)、岐阜県揖斐郡池田町の池田山麓にある
願成寺西墳之越古墳群
(がんじょうじ にしつかのこし こふんぐん)
一帯で行われている「願成寺古墳群美術展2019」へ行きました。
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豊かな自然の中に点在する岐阜県最大級の群集墳で
開催される野外展覧会。
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2017年2015年に開催された美術展を見に行って、
とてもよかったので、少し前に出品作家の方の
ツイッターで知って、楽しみにしていたんです。

願成寺古墳群美術展2017:
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09

願成寺古墳群美術展2015:
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-04-28


20日(土)には、出品作家による作品説明会や、交流会、
古墳レクチャーもあるってことで、行きたかったんですが、
土曜は私のパートが休めないので‥‥

21日(日)も、昼過ぎにそれまで書いてたブログ記事
やっとアップして、ついでに見て来ようと計画していた
タルイピアセンターの「長原孝太郎とその時代展」を見て、
大津谷公園キャンプ場の駐車場に停めたのが3時半頃。
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ソメイヨシノは葉桜になっていましたが、八重桜が咲いていました。
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古墳群入口に「願成寺古墳群美術展」の看板が立っています。
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以下、これから見に行かれる方はネタバレになりますので、
大型連休中にピクニックがてら出かけてみようかと思われる方は、
ぜひ見てきてから読んでください。
5月26日(日)まで開催されています。




道を上っていくと、豊かな緑の中に、アートが点在しているのが見えます。
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白い立体は
J:LIFEISLIGHT | ライフィズライト
《呼吸する塔》

塔の中で鏡が回転してキラキラしています。
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ブルーのテントは
F:末松グニエ・モルバン | Morvan SUEMATSU GUENIER
《私たちと空の間に、ドーム。》

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「建てたい、守りたい、傷めたくない。」
古墳群という制約の中で遊ぶ。
地面に触らないようにものを立てたい思いが、ドームになった。
ドームが古墳を守る。
このドームは地面と空の間にある。そして私たちと空にリンクする。
何のために? それは人間が決めること。

(出品作家の解説より)
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道祖神のように、周囲の風景に溶け込んでいました。
K:衣斐康弘 | Yasuhiro EBI
《存在》

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自然の中に屋台のお店??
L:福田陽平 | Youhei FUKUTA
《きくずや》

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木工の仕事をしていると木の端材が出ます。
冬の薪ストーブにくべる時に、つい見とれてしまい
燃やすに燃やせない木屑が工房の隅に鎮座しています。
僕は作品を作りませんが、そんな自分の仕事の破片を
展示してみようと思います。



緑の中で、赤い布が風にはためいています。
O:平良亜弥 | Aya TAIRA
《いにしえの人々と》

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ツツジが咲いていました。
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願成寺西墳之越古墳群
(がんじょうしにしつかのこしこふんぐん)の説明板
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 この古墳群は、池田山東麓の扇状地上(標高約120m)に立地する、 県下最大級の群集墳です。現在までに111基もの古墳が確認されています。
(中略)
 古墳群の中で最も古い築造は5世紀後半(36号墳)ですが、 大多数は古墳時代後期の6世紀末から7世紀後半頃にかけて築かれたと 考えられます。追葬は8世紀初頭頃まで行われていました。
(後略)



この作品、最初気が付かずに通り過ぎてしまってました。
M:鳥谷浩祐(Kosuke TORITANI)
《集積と循環》

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自然物(自然と地面に落ちた木の枝)を使い 自然と自分とを繋ぐような 作品を制作しようと考えています。
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森の横の開けた場所に3つの建造物が並んでいます。
H:松本幹永 | Mikiei MATSUMOTO
《REPLACE》

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壱 Replace Night watch 弐 Replace toku-sou-ka(読叢窩) 参 Door
濃尾平野に対面するような形で東向きの方向軸を形成するよう配置される、 3つの建造物。これらは、何かか生成され、生れ落ち、散開する様を暗示する もので、普段は墳丘に覆われ見えない羨道から玄室へ至る構造を、 『現在から未来』へという逆ベクトルの構造として再構成し、 可視化したものである。

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願成寺古墳群の中でもいちばん大きい(と思う)1号墳の石室を覗くと
N:酒井稔 | Minoru SAKAI
《タマシヒ》

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私たちは、どこから来て、どこへ行くのか、、、
この永遠の問いに、誰も答えてはくれない
「一度、自分を葬ってみよう!」
ということで、寝ごごちの良い棺を用意しました
そこで静かに横たわって、
深いところにしまい込んでしまった「魂の聲」に耳を傾けてみてほしい
自分の死と向き合うのが怖いですか?
でもいつか必ずやってくる「最期の旅」は、たった独りで行くのです


薄暗い石室の中で金色に輝く棺‥‥
ちょっと怖くて、これ以上中へ進めませんでした。
(前に来た時は、なんとか石室に入ってみたんですが)
地面に置かれた器に時々水滴が落ちて、音が響いていたのですが、
作品の一部だったんでしょうか??(天井に何かあったような?)
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昔々‥‥亡くなった人をここに葬ったんですよね。
その人たちはどんな思いだったのか、そして私たちも
葬られる時は必ずやってくるんです。
この古墳という場所ならではのアート作品だと思いました。


石室の天井がない2号墳に、柱が立っています。
S:矢田真之 | Masayuki YATA
《henomenon》

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以前の姿と現在の姿そしてこれからの姿、残影の中から場所と共に 変わり続ける人々とを天に伸びる一本の柱で繋げる事で様々な世界との 繋がりを想う事が出来ると思い、この史跡の地に現そうと思います。


3号墳の前に供物のように置かれていたのは
G:木村洋子 | Yoko KIMURA
《鵠 クグヒ》

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クグヒとは白鳥の古称である。
古墳の入り口、羨道にクグヒが待っている。
クグヒは黄泉の国の使いでありまた、
これからあちらの世界へ行くものの化身である。
水鳥は水先案内人なのだ。
この背中に乗ってあちらの世界へ。
翼や体中に水を携えてあの川も越えてゆくのだ。

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注意していないと見落としそうになります。
不思議な形の焼き物が地面に置かれています。
E:大野裕之 | Hiroyuki OHNO
《塤 ケン》

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この作品は、古代の楽器を模しています。土でできた笛です。
なるべく古代と同じように作り、磨き、焼きます。
古代の不思議な響きを奏でることで、生活や祭祀の様子など精神世界に思いを馳せます。



古墳から何かが出てきたようにも見えます
T:三友周太 | Syuta MITOMO
《500 Hundreds Faceds 五百羅顔》

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フォルムを単純化した手のひら大の顔の形をしたフィギュア500体で構成された 作品を展示します。作品タイトルの基となった五百羅漢は仏教で供養尊敬を受けるに 値する人々のことを指し、釈迦入滅後の第1回と第4回の経典結集に500人の聖者が集まったと いわれています。本作品は古墳に埋葬された方々に供養の敬意を表し展示します。

針金(?)でできた顔たち、古墳に埋葬された人々が
さざめいているようです。
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森の中に白い鹿。森の精霊が現れたよう
P:弓削英香 | Hideka YUGE
《碧》

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緑の森のメルヘン
R:古田尚文 | Naofumi FURUTA
《The place where mushroom grows up ~冥利~》

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椅子やパソコンから赤いキノコが生えてます。
緑の中で、赤いキノコが鮮やかでカワイイ!
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植木鉢がパイプの先についている??‥‥これは何かの装置??
Q:大川剛 | Tsuyoshi OKAWA
《時琴窟(ときんくつ)》

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願成寺古墳群は大昔の人々の墓地だ。ここに埋葬された人々は今となっては それが誰であったかもわからず、もちろんそれを知る者も存在しない。 一千年以上もの時間の流れに洗われて、人々の死は循環の彼方に去り、 彼らが眠る墓地は原っぱになった。願成寺古墳群は遠い時間の流れと 人の死を静かに考えさせる大きな装置である。僕はその原っぱの一画に、 時間と死に耳を傾けるための小さめの装置をセットする。
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43号墳はカラフルな布で巻かれていました
D:末松グニエ・文 | Aya SUEMATSU GUENIER
《手向ける》

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人が亡くなった後、その方は生きている人たちによって埋葬される。
それは万国共通だが、その方法は国や地域、時代、宗教によって様々だ。
しかし3300年前のツタンカーメン王墓の話を知った時、一つの共通点があると思った。
この古墳に埋葬されている方への畏敬の念と、弔いの気持ちを表現する。

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亡くなった人へ花を手向ける、国や時代を超えて共通の行為、
この古墳に埋葬されている方へ花を手向けるということで、
花をプリントした布を古墳に巻きつけているそう。

私は池田温泉からふれあい街道を通って来たので、この作品、
車の中からでも目だってました。
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ふれあい街道側に立てられた願成寺古墳群美術展の看板
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森の中に現れた動物
A:夏愛華 | Aihua HSIA
《鎮墓獣》

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鎮墓獣は中国の古代に魂を守るために、お墓の前に置かれた怪獣。
時が過ぎるといつしか墓は人々の記憶から薄れ放置されていく中で、 鎮墓獣もまた自然と一体化していき、その環境と共生していく。 そして鎮墓獣はその環境を守る守護者となる。

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作者は、國立台湾芸術学院卒業、沖縄県立芸術大学大学院にて 波多野泉先生より乾漆彫刻を学び、古来より伝わる技法を守りながら 新たな乾漆の表現の模索を始める。卒業後は台湾、日本を中心に作家活動。
とのこと。


森の中に張られたロープ(?) 何かの結界のようにも見えます。
B:児玉美咲 | Misaki KODAMA
《Landscape of the story》

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木の下に緑のカバ!
C:陳奕彰 | Yi-Chang CHEN
《新聖像/hippo》

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陳奕彰さんは、以前の願成寺古墳群美術展でもバルーンの羊などを
展示されていましたね。

ふれあい街道のスグ脇にあるので、何も知らずに通る方は驚かれるかも。
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今回、20作品が展示されていて、大きな作品もあり、
豊かな自然の中で、古墳群という歴史を感じる場所での
素敵な野外展になっていると思いました。
(完成度がもう少しあれば‥‥って感じた作品もありましたが)

願成寺古墳群美術展コーディネーターとして
水谷篤司 の名前が作品解説にあったんですが、
この方の力も大きいんでしょうか。

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タンポポもあちこちで咲いていました。

それから室内展示がある土川商店「場所かさじゅう」へ。
以前にも来たことがありますが、今回、土川ガーデンに
この彫刻があってびっくり!
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あ、これ去年秋に岐阜市の上宮寺で開催された「純情動物園」展
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11
展示されていた望月鮎佳さんの作品だ!!
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さわってもいいですが
 エサを与えないで下さい
」と書かれています(^▽^)

望月鮎佳さんの公開制作が、大型連休中にここで行われるとのこと。
詳しい日時が、ブログ「土川ガーデン」 http://blog.norarikurari.moo.jp/
2019池田山麓物語関連企画「木彫公開製作」日程
にあります。(望月さん、この4月から中学校の先生になられたんですよね。)
あ、もう第一日目のことがブログにアップされてる!
2019池田山麓物語関連企画「木彫公開製作」が始まりました

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「場所かさじゅう」に入ると、正面に掛かっているのは、
平良亜弥さんの作品ですね! 彼女はここで滞在制作をしているとか。
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テーブルには、チラシと出品作家の作品概説が置いてありました。
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作品概説を読むと、見てきた作品を深く味わうことができていいですね。
(作品が置かれていた場所でも概説がわかるといいなぁ)
作家の今までの作品のファイルやもっと詳しい解説なども置いてあっていいです。
野外展を見られた後(または前)にこちらへ寄ることをお勧めします

壁に掛かっているのは、児玉美咲さんの絵
あぁ、この絵いいですね。
野外展ではただのロープ? みたいにも見えちゃったんですが、
こういう世界観を表したかったんだと。
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ユーモラスでかわいい陶の作品は土笛のようですね。
大野裕之さんの作品
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土団子から縄がぶら下がっている?
酒井稔さんの作品
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大川剛さんの絵画  野外展とはイメージが違いますが、
こういう絵も描かれるんですね。(こちらがメイン?)
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人の顔が閉じ込められている?
矢田真之さんの作品
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ごめんなさい、この絵どなたの作品か忘れちゃいました。
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隣の土川商店の店先に夏みかん5個で200円! だったので、
つい抱えてお店に入ると、
いび茶で作ったという紅茶も売っていて(500円)
買ってしまいました。
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帰りの信号待ちの車から撮影。田んぼに水が張られています。
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