岡崎市美術博物館「チェコ・デザイン100年の旅」展 [美術]
5月9日(木)、岡崎市美術博物館へ行ってきました。
「チェコ・デザイン100年の旅」という展覧会をやっています。
ペパーミントグリーンがちょっとレトロな雰囲気で素敵なチラシ。
アール・ヌーヴォーの旗手ミュシャから始まる
チェコ100年のデザイン史
私の好きな分野! って楽しみにしてたんですが、
4月中はなかなか機会がなく(開催期間:4月6日(土)~5月19日(日)
GWは高速道路が混雑するだろうから‥って行かなかったら、
5月5日(日・祝)朝の日曜美術館アートシーンで取り上げられてて、
行きたくてウズウズしてまして、
パートがシフトで休みになったこの日にやっと出かけました。
(っても私のことなので、昼過ぎにやっと出発したんですが)
岡崎市美術博物館には、2016年11月に、
「ブリューゲルとバロックの巨匠」展を見に行ったことがあります。
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-01
岡崎市美術博物館の建物はカッコイイですね!
こちらの入口は2階になります。チケット売場は1階ということで、
エスカレーターで降りて受付へ。
チラシと一緒に置いてあった割引券を持っていたので、
観覧料大人1,000円のところ100円引の900円になりました。
岡崎市美術博物館のウェブサイトにも割引券があります。
http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/guidance/p023745.html
レストランやショップで使える金券がついたチケットってのも
なかなかおトクで心が動いたけど‥‥。
1階のアトリウムにあったのが、4本の柱に囲まれた椅子。
マリーナ・アブラモヴィッチ《人間と精神のための椅子》
床のプレートに、
「椅子にすわって下さい
目を閉じて下さい
精神をときはなして下さい」
ってあったので、座ってみたけど
‥‥なんか受付前のこんな場所では落ち着かないっていうか。
これ、周囲の4本の柱を見上げると、
はるか上に反対側を向いた椅子があるんですね!
人が座れそうにない高さの椅子が精神のための椅子?
チケットを見せて展示室へ入ると
第1章 1900年:アール・ヌーヴォー 生命力と自然のかたち
最初にアール・ヌーヴォーのガラス花器が3点並び、
ちょっと奥まったところにミュシャの《ジスモンダ》が
1点だけ飾られていて贅沢な雰囲気。足元の絨毯もふかふかだし。
なんだかポスターが大きく見えたのは、環境のせいなのかな?
そして、ミュシャの四連装飾パネルシリーズ《芸術》が続き、
アール・ヌーヴォーのポスター、椅子などが展示されていました。
やっぱり、アール・ヌーヴォー、好きだなぁ!
第2章 1910年‐1914年:チェコ・キュビスム 幾何学的形態からキュビスムへ
幾何学的形態を用いた表紙や、なんとも存在感のある椅子、そして、
チラシのメインビジュアルの一つである
パヴェル・ヤナーク《クリスタル型小物入れ》
幾何学的形態を建築やインテリア等の立体物にまで展開したのは
チェコ独特の芸術様式だそう。
チラシ裏面左上のパヴェル・ヤナーク《テーブルランプ》や
《コーヒーセット》も、なんか愛嬌があるというか、
幾何学形態なんだけど、どこか素朴で温かい雰囲気でいいなぁ!
「ロボット」という言葉を生んだ
ヨゼフ・チャペック(表紙デザイン)
カレル・チャペック著『ロボット(R.U.R.)』初版 も展示されていました。
第3章 1920年代:アール・デコの時代
デザインの歴史ではアール・ヌーヴォーの次にアール・デコって
習ったけど、チェコではその間に「チェコ・キュビスム」って様式が
入るんですね。キュビスムの幾何学的形態に、民族的な装飾模様が
加わったってカンジ。
第4章 1930年代:シンプルなかたちと機能性
バウハウスから始まった、いかにもモダンデザイン! っていう
シンプルで機能的な形の肘掛椅子《シエスタ》や、
ガラスと金属パイプの配膳台!
ラジスラフ・ストナルがデザインした
シンプルでシャープな、でもどこか温かくて、これぞ機能美!っていう
グラスセットや耐熱ガラスのティーセット、食器セットなどは、
とても洗練されていて、時代を感じさせませんね。
第5章 1940年代:有機的フォルムと天然素材
日本も戦争で大変な時代でしたが、チェコでも
1939年にドイツ軍がプラハに侵攻し、
ボヘミア・モラヴィア保護領となり、第二次世界大戦へ。
そんな戦時では適切な材料が手に入らなくなり、
代替として木製品や陶器が作られたとか。
展示品もそんなになかったんですが、なんかちょっと
野暮ったい‥‥みたいな(第4章の食器とかすごくシャープだったので)
印象を持ちました。
第6章 1950‐60年代:日常生活と応用美術の解放
展示室中央にあった《チェゼタ・スクーター「501型」》が
とてもキュート! フロント部分が豚の鼻を思わせる外観から、
「ピッグ」という愛称で呼ばれたとか。
電話機や掃除機など、プラスチックが使われて、色がカラフルに
(っても、けばけばしくない、やわらかな色)なりましたね。
なんか、懐かしい未来、って雰囲気。
ヤロスラフ・イェジェクのコーヒーセット《ダグマル》(チラシ裏面下左)や、
ネコ、ギジ、サギの陶磁器製置物が、すらりとした優美な形で素敵!
「東京オリンピック」の映画ポスターがあって興味深かった。
第7章 1970‐80年代:生活水準の見直しからポストモダンへ
展示室中央に並べられた椅子たちが、シンプルだけど、
遊び心があって面白かった。
《オオサカ》と名付けられたアームチェアは、1970年の
大阪万国博覧会のチェコスロバキア館のために設計された椅子だそう。
第8章 1990年代から現代まで:自由化と機能の再発見
チェコスロヴァキアに自由と民主主義をもたらした
1989年のビロード革命。国営企業が民営化され、
外国からデザイン商品が入ってくるように。
いかにも未来的! って雰囲気の
ジェリー・コザの多機能椅子《でんぐり返し》や、
長靴そっくり! の磁器でできた
マクシム・ヴェルチョフスキーの花器《ウォータープルーフ》
が印象に残りました。
第9章 テーマ展示1:チェコのおもちゃと子どものためのアート
チェコって、素朴なおもちゃとか絵本のイメージがありますね。
木でできた素朴さが魅力のおもちゃもいいけど、
リブシェ・ニクロヴァーのプラスチック製のおもちゃ
《ネコのアコーディオン》《キツネのアコーディオン》
《ライオンのアコーディオン》ファトラ社 が面白かった。
第10章 テーマ展示2:チェコ・アニメーション
今の目で見ると、なんか素朴なアニメーション‥‥
実はセル画はちょっとうーーん?ってカンジで、ほとんど見てません。
上映コーナーで
「月のおとぎ話」「陽の当たる場所」「犬のおとぎ話」
「変な色のニワトリ」「朝の決闘」をやっていました。
チェコ・アニメと言ったら、の
イジー・トゥルンカのパペットアニメーションが見たかったな。
展示室を出たホワイエのモニタで流れていた、
展覧会の紹介が詳しくて(地元ケーブルテレビの番組?)
今見た展覧会をもう一度反芻できました。
オシャレな階段を上って、
レストラン『YOUR TABLE』へ。
カフェタイムのラストオーダー(16:00)ギリギリだったせいか、
パンケーキが売り切れていて残念。
(5月限定の夏みかんのパンケーキのメニュー写真美味しそうだった)
ケーキセットで、季節のタルトを注文。税込918円
盛り付けもオシャレです! (私のインスタより)
ガラス張りの開放的な建物からは、新緑の山ごしに街を見下ろせます。
展示室には鑑賞者がほとんどいなかったのに、
カフェはにぎわっていましたね(^▽^)
カフェを出て撮影
池(恩賜池)のそばまで下りてみました。
ニセアカシア(しかし失礼な名前だ)の白い花が香っていました。
池にかかる「睡蓮の浮橋」を渡っていくと、
「石の野外ミュージアム恩賜苑」という回遊式の日本庭園になっていて、
四阿や岡崎特産の石製品が配置され、
アート感覚で燈篭などを楽しみながら散策できる とのこと。
次はもっと早い時間に来て、こちらも散策してみたいです。
美術館の建物を見上げると
カッコイイですね!
ゼロ・ヒガシダ《メセイア》
前回来た時、この大きなイノシシのような彫刻が
なんで救世主??って不思議だったんですが、
見る角度によってキリストの顔のように見える?とか。
青野正《天をめざす街》
「チェコ・デザイン100年の旅」の図録 2,200円
なんか懐かしい雰囲気の表紙‥‥昔、私が大学生だった頃(40年前)の
デザインの教科書のような。
岡崎市美術博物館: http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/
「チェコ・デザイン100年の旅」展示構成のページ
http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/exhibition/openexhibition/p023746.html
「チェコ・デザイン100年の旅」展は、
岡崎市美術博物館で4月6日(土)~5月19日(日)まで開催された後、
富山県美術館 6月1日(土)~7月28日(日)
世田谷美術館 9月14日(土)~11月10日
京都国立近代美術館 2020年3月6日(金)~4月12日(日)
と、巡回するそうです。
「チェコ・デザイン100年の旅」という展覧会をやっています。
ペパーミントグリーンがちょっとレトロな雰囲気で素敵なチラシ。
アール・ヌーヴォーの旗手ミュシャから始まる
チェコ100年のデザイン史
私の好きな分野! って楽しみにしてたんですが、
4月中はなかなか機会がなく(開催期間:4月6日(土)~5月19日(日)
GWは高速道路が混雑するだろうから‥って行かなかったら、
5月5日(日・祝)朝の日曜美術館アートシーンで取り上げられてて、
行きたくてウズウズしてまして、
パートがシフトで休みになったこの日にやっと出かけました。
(っても私のことなので、昼過ぎにやっと出発したんですが)
岡崎市美術博物館には、2016年11月に、
「ブリューゲルとバロックの巨匠」展を見に行ったことがあります。
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-01
岡崎市美術博物館の建物はカッコイイですね!
こちらの入口は2階になります。チケット売場は1階ということで、
エスカレーターで降りて受付へ。
チラシと一緒に置いてあった割引券を持っていたので、
観覧料大人1,000円のところ100円引の900円になりました。
岡崎市美術博物館のウェブサイトにも割引券があります。
http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/guidance/p023745.html
レストランやショップで使える金券がついたチケットってのも
なかなかおトクで心が動いたけど‥‥。
1階のアトリウムにあったのが、4本の柱に囲まれた椅子。
マリーナ・アブラモヴィッチ《人間と精神のための椅子》
床のプレートに、
「椅子にすわって下さい
目を閉じて下さい
精神をときはなして下さい」
ってあったので、座ってみたけど
‥‥なんか受付前のこんな場所では落ち着かないっていうか。
これ、周囲の4本の柱を見上げると、
はるか上に反対側を向いた椅子があるんですね!
人が座れそうにない高さの椅子が精神のための椅子?
チケットを見せて展示室へ入ると
第1章 1900年:アール・ヌーヴォー 生命力と自然のかたち
最初にアール・ヌーヴォーのガラス花器が3点並び、
ちょっと奥まったところにミュシャの《ジスモンダ》が
1点だけ飾られていて贅沢な雰囲気。足元の絨毯もふかふかだし。
なんだかポスターが大きく見えたのは、環境のせいなのかな?
そして、ミュシャの四連装飾パネルシリーズ《芸術》が続き、
アール・ヌーヴォーのポスター、椅子などが展示されていました。
やっぱり、アール・ヌーヴォー、好きだなぁ!
第2章 1910年‐1914年:チェコ・キュビスム 幾何学的形態からキュビスムへ
幾何学的形態を用いた表紙や、なんとも存在感のある椅子、そして、
チラシのメインビジュアルの一つである
パヴェル・ヤナーク《クリスタル型小物入れ》
幾何学的形態を建築やインテリア等の立体物にまで展開したのは
チェコ独特の芸術様式だそう。
チラシ裏面左上のパヴェル・ヤナーク《テーブルランプ》や
《コーヒーセット》も、なんか愛嬌があるというか、
幾何学形態なんだけど、どこか素朴で温かい雰囲気でいいなぁ!
「ロボット」という言葉を生んだ
ヨゼフ・チャペック(表紙デザイン)
カレル・チャペック著『ロボット(R.U.R.)』初版 も展示されていました。
第3章 1920年代:アール・デコの時代
デザインの歴史ではアール・ヌーヴォーの次にアール・デコって
習ったけど、チェコではその間に「チェコ・キュビスム」って様式が
入るんですね。キュビスムの幾何学的形態に、民族的な装飾模様が
加わったってカンジ。
第4章 1930年代:シンプルなかたちと機能性
バウハウスから始まった、いかにもモダンデザイン! っていう
シンプルで機能的な形の肘掛椅子《シエスタ》や、
ガラスと金属パイプの配膳台!
ラジスラフ・ストナルがデザインした
シンプルでシャープな、でもどこか温かくて、これぞ機能美!っていう
グラスセットや耐熱ガラスのティーセット、食器セットなどは、
とても洗練されていて、時代を感じさせませんね。
第5章 1940年代:有機的フォルムと天然素材
日本も戦争で大変な時代でしたが、チェコでも
1939年にドイツ軍がプラハに侵攻し、
ボヘミア・モラヴィア保護領となり、第二次世界大戦へ。
そんな戦時では適切な材料が手に入らなくなり、
代替として木製品や陶器が作られたとか。
展示品もそんなになかったんですが、なんかちょっと
野暮ったい‥‥みたいな(第4章の食器とかすごくシャープだったので)
印象を持ちました。
第6章 1950‐60年代:日常生活と応用美術の解放
展示室中央にあった《チェゼタ・スクーター「501型」》が
とてもキュート! フロント部分が豚の鼻を思わせる外観から、
「ピッグ」という愛称で呼ばれたとか。
電話機や掃除機など、プラスチックが使われて、色がカラフルに
(っても、けばけばしくない、やわらかな色)なりましたね。
なんか、懐かしい未来、って雰囲気。
ヤロスラフ・イェジェクのコーヒーセット《ダグマル》(チラシ裏面下左)や、
ネコ、ギジ、サギの陶磁器製置物が、すらりとした優美な形で素敵!
「東京オリンピック」の映画ポスターがあって興味深かった。
第7章 1970‐80年代:生活水準の見直しからポストモダンへ
展示室中央に並べられた椅子たちが、シンプルだけど、
遊び心があって面白かった。
《オオサカ》と名付けられたアームチェアは、1970年の
大阪万国博覧会のチェコスロバキア館のために設計された椅子だそう。
第8章 1990年代から現代まで:自由化と機能の再発見
チェコスロヴァキアに自由と民主主義をもたらした
1989年のビロード革命。国営企業が民営化され、
外国からデザイン商品が入ってくるように。
いかにも未来的! って雰囲気の
ジェリー・コザの多機能椅子《でんぐり返し》や、
長靴そっくり! の磁器でできた
マクシム・ヴェルチョフスキーの花器《ウォータープルーフ》
が印象に残りました。
第9章 テーマ展示1:チェコのおもちゃと子どものためのアート
チェコって、素朴なおもちゃとか絵本のイメージがありますね。
木でできた素朴さが魅力のおもちゃもいいけど、
リブシェ・ニクロヴァーのプラスチック製のおもちゃ
《ネコのアコーディオン》《キツネのアコーディオン》
《ライオンのアコーディオン》ファトラ社 が面白かった。
第10章 テーマ展示2:チェコ・アニメーション
今の目で見ると、なんか素朴なアニメーション‥‥
実はセル画はちょっとうーーん?ってカンジで、ほとんど見てません。
上映コーナーで
「月のおとぎ話」「陽の当たる場所」「犬のおとぎ話」
「変な色のニワトリ」「朝の決闘」をやっていました。
チェコ・アニメと言ったら、の
イジー・トゥルンカのパペットアニメーションが見たかったな。
展示室を出たホワイエのモニタで流れていた、
展覧会の紹介が詳しくて(地元ケーブルテレビの番組?)
今見た展覧会をもう一度反芻できました。
オシャレな階段を上って、
レストラン『YOUR TABLE』へ。
カフェタイムのラストオーダー(16:00)ギリギリだったせいか、
パンケーキが売り切れていて残念。
(5月限定の夏みかんのパンケーキのメニュー写真美味しそうだった)
ケーキセットで、季節のタルトを注文。税込918円
盛り付けもオシャレです! (私のインスタより)
ガラス張りの開放的な建物からは、新緑の山ごしに街を見下ろせます。
展示室には鑑賞者がほとんどいなかったのに、
カフェはにぎわっていましたね(^▽^)
カフェを出て撮影
池(恩賜池)のそばまで下りてみました。
ニセアカシア(しかし失礼な名前だ)の白い花が香っていました。
池にかかる「睡蓮の浮橋」を渡っていくと、
「石の野外ミュージアム恩賜苑」という回遊式の日本庭園になっていて、
四阿や岡崎特産の石製品が配置され、
アート感覚で燈篭などを楽しみながら散策できる とのこと。
次はもっと早い時間に来て、こちらも散策してみたいです。
美術館の建物を見上げると
カッコイイですね!
ゼロ・ヒガシダ《メセイア》
前回来た時、この大きなイノシシのような彫刻が
なんで救世主??って不思議だったんですが、
見る角度によってキリストの顔のように見える?とか。
青野正《天をめざす街》
「チェコ・デザイン100年の旅」の図録 2,200円
なんか懐かしい雰囲気の表紙‥‥昔、私が大学生だった頃(40年前)の
デザインの教科書のような。
岡崎市美術博物館: http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/
「チェコ・デザイン100年の旅」展示構成のページ
http://www.city.okazaki.lg.jp/museum/exhibition/openexhibition/p023746.html
「チェコ・デザイン100年の旅」展は、
岡崎市美術博物館で4月6日(土)~5月19日(日)まで開催された後、
富山県美術館 6月1日(土)~7月28日(日)
世田谷美術館 9月14日(土)~11月10日
京都国立近代美術館 2020年3月6日(金)~4月12日(日)
と、巡回するそうです。
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