あいちトリエンナーレ2019(4) 四間道・円頓寺 [美術]
あいちトリエンナーレ2019のレポート その4
8月18日(日)に、愛知芸術文化センターを見てから、
四間道・円頓寺エリアへ。
「しけみち・えんどうじ」って、地元の人でないと読めませんね。
私も、ダンナが古い町家を改修した飲食店の広告の仕事をした時
‥‥ってもう10年以上は前か‥‥名古屋駅から歩ける距離に
こんなレトロな街並みがあるんだって知りました。
今回のトリエンナーレで、初めてアート会場となりました。
(前回までは長者町の古い商店などを会場としていて、私は
あの猥雑な雰囲気、好きだったんですが)
8月18日(日)のあと、
9月8日(日)にパフォーミングアーツ・サエボーグ(これ面白かった!!)を
見た後で来たし、11日(水)には大阪の友人と一緒に来てるので、
写真が混在しています。
愛知芸術文化センターから、名古屋テレビ塔下の地下街・セントラルパークを抜けて、
地下鉄桜通線「久屋大通駅」から2区、「国際センター駅」下車
2番出口を出て
私の好きなレトロな街並みが残ります。
屋根神様を祀る中村家
なごのステーション
四間道・円頓寺地区における「あいちトリエンナーレ2019」の拠点。
アート・プレイグラウンド もてなす INTERACT
という鑑賞者の交流(?)等ができるコーナーも設けられています。
ここのコーナーにあった映像作品が
【S04】洪松明(ソンミン・アン)&ジェイソン・メイリング
《本当に存在する架空のジャンル》
‥‥音楽のジャンルに詳しくない私にはあまり興味がもてませんでしたが。
古い町家を活かしたお店「古民家ビストロ 狸」
トリエンナーレの会場となっている
那古野一丁目長屋
屋根神さまも祭られています。
「屋根の上に小さな社を祭るという形態は、名古屋独特のものである」(設置されていた看板より)
路地の先には子守地蔵尊のお社が。
屋根のつる草も風情を感じてしまう。
この会場にあるのが
【S03】梁志和(リョン・チーウォー)+黄志恒(サラ・ウォン)
《円頓寺ミーティングルーム》
会場に入った時、レトロな雰囲気の人物写真だなって見たんですが、
古いスナップ写真に「たまたま写り込んだ無関係な人物」を
再現しているのだそう。
「ウォーリーを探せ!」みたいで楽しかった。離れた場所にモト写真(?)が
あったりして、なかなか難しかったけど、全員見つけることができました(^^)v
四間道
「元禄13年(1700年)の大火で1600軒余りが焼失し、その後尾張藩4代藩主徳川吉通は、堀川沿いにある商家の焼失を避けるために、中橋から五条橋までの道幅を4間(約7メートル)に拡張した」Wikipediaより
このことから、四間道と呼ばれるようになったとのこと。
土蔵造りが並ぶ道となっています。
土蔵を活かしたお洒落なお店(宝石屋さん?)
古民家を活かした「エスプラナードギャラリー」
http://www.dessert.co.jp
あいちトリエンナーレ2019パートナーシップ事業として、
展示を行っています。私が行った9月8日(日)には、
樫澤三枝子写真展「花はやっぱり美しかった」
が開催されていました。
写真の古典技法「プラチナプリント」による花の写真など。
しっとりした写真の質感が古民家の雰囲気と相まって素敵でした。
このお店も面白そう! 古美術「地球堂」
江戸時代から続く豪商の住まいで、県指定文化財にもなっている
伊藤家住宅
ここに展示されているのが
【S01】津田道子
《あなたは、その後彼らに会いに向こうに行っていたでしょう。》
伝統的な日本家屋の座敷が、鏡の虚像と実像、
スクリーンに映る今の映像(反対側の庭にカメラが設置されている)と、
過去にここで撮られた映像とが入り混じった不思議な空間になっていて、
とても素敵だった!
二間続く座敷が鏡で虚像と実像がつながるようにも見えて面白い。
土間のカマドの前では作家の言葉が聞けるヘッドホンを貸してもらえました。
伊藤家住宅の蔵にあるのが
【S02】岩崎貴宏《町蔵》
蔵に入ると、古い箪笥の引き出しや家具が積み上げられていて、その中に
細い通路ができています。土間から一段上がると、積み上げられた家具の上は、
一面に黒い炭で覆われています。
城の石垣や寺の門も見えて、これは一面焼け野原になった戦災後の名古屋の街??
でもテレビ塔もあるってことは、未来の風景なのかも??
(最近「今を戦前にするな」って言葉を聞くようになりました。
こんな未来はまっぴらです!)
この鑑賞の通路を近くを流れる堀川とすると、名古屋城石垣とテレビ塔、
反対側の円頓寺商店街のアーケードと専修寺山門が地図通りに配置されているそう。
伊藤家住宅の2作品、とても私好みで良かった!!
私のあいちトリエンナーレ2019のベスト3に入ります!!
(あとはやっぱり豊田・喜楽亭の《旅館アポリア》かな。)
トリエンナーレの案内を見つけて、この建物の中に入っていくと、
池や石畳の階段があるオシャレな空間に出て、いくつか飲食店なども
集まっているようです(なごのアジール)
その一つのスペースで行われていたのが、
【S50】ユザーン『Chilla: 40 Days Drumming』
「日本を代表するタブラ奏者ユザーンが、トリエンナーレ開幕とともに毎日10時間の修行を40日間続け」るという音楽プログラム。
8月1日(木)〜9月9日(月)の間行われて、私は9月8日(日)に聞くことができました。
インドの太鼓の一種であるタブラ、初めて知った楽器です。、
皮の真ん中に金属(Wikiによると「鉄粉を穀物の粉などと練りこんだ、
スヤヒーと呼ばれる黒いものが塗られている」)部分があって、
それで高い音も出せるので、1人で複雑な音を奏でることができるんですね。
わー、これを10時間演奏するって、肉体的にもキツいんじゃない?
それを40日間?!! すごい!!
堀川にかかる五条橋 小さな祠も祀られていますね。
「かつて、清洲城下の五条川に掛けられていた橋を、 清州越(慶長15年(1610)より行われた清洲よりの町ぐるみの引越しをいう)の際に、 この地に移され、橋の名前もこれに由来するといわれる。
元は木橋であったが、昭和13年(1938)にコンクリート橋に架けかえられた。」
(設置されていた看板より)
円頓寺商店街のアーケード
伊藤家の蔵で見た 岩崎貴宏《町蔵》にあったアーケードはこれですね。
アーケードにピンクのロープがたくさん下がってます。
8月18日(日)に行った時には、このロープ何のため?
なんか華やいだ雰囲気でいいなーくらいで通り過ぎちゃったんですよ。
で、帰ってから、
【S06】アイシェ・エルクメン の作品だって知りまして!
《Living Coral / 16-1546 / 商店街》
「円頓寺商店街と円頓寺本町商店街にかかるアーケードに、 特徴的な無数のロープがかかっています。 このロープは、60年以上の伝統を誇る「円頓寺七夕まつり」で、 住民が作った飾りを吊るすために用いられるものです。作家はこのロープの存在に着目し、 今回のあいちトリエンナーレの新作として、ピンク色のロープと交換してみせました。」
(あいちトリエンナーレHPより https://aichitriennale.jp/artwork/S06.html)
ちなみにWikipediaでお借りしてきた円頓寺の写真
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E9%A0%93%E5%AF%BA
2015年11月7日に撮影されたものだそう。ロープが普通(?)の色です。
あ、さっき伊藤家の蔵で見た山門だ。
真宗高田派 専修寺名古屋別院
「本堂は戦災で焼失したが、山門・鐘楼は創建当時のものを今に残している」(設置されていた看板より)
円頓寺銀座街の看板が面白くて写真に撮ったんですが、
この「葛宇路」と書かれた交通標識が作品なんだって、後で気付きました!
【S05】葛宇路(グゥ・ユルー)《葛宇路》
円頓寺銀座街の店舗跡に映像がありました。
「北京市内の無名の道路に、作家が自分の名を表した標識を設置したところ、 そのまま数年間にわたって撤去されないどころか、 実際に中国のGPSを使った地図サービスに反映され、宅配便の送り状などにもその名前が掲載される ようになりました。その後、一般人の彼が起こしたこの行動がインターネットや テレビニュースを通じて知れ渡り、中国当局によって標識は撤去されました。」
ハハハ! なんか面白い!! いたずらっぽい行為だけど、
「公共とは誰のものか。そこではどのような目的でどのような機能が存在し、 どうやって管理されているのか。世界はどのように形作られ、 そこへの私たちの参加はいかにして認められるのか。」
(あいちトリエンナーレHPより https://aichitriennale.jp/artwork/S05.html)
なんてことまで考えさせてくれます。
また、資料などを展示しているこのレトロな会場がいいですね!!
レトロな町には神社やお寺が多いです。
金刀比羅神社
長久山圓頓寺
このお寺の門前町としてできたのが円頓寺ですね。
お寺は「えんどんじ」と呼ぶのは今回調べて初めて知りました。
円頓寺駐車場の特設ステージのバックに描かれている作品が
【S07】鷲尾友公《MISSING PIECE》
特設ステージでは、「円頓寺デイリーライブ」として、
毎週木曜日から日曜日の19時から、日替わりでアーティストが出演して行われる音楽ライブ
が行われているそう。
8月18日(日)の様子
円頓寺商店街と円頓寺本町商店街の交差点にあった銅像(8月18日撮影)
織田信長像は、8月8日に像の左腕を壊される被害を受けたそうで、
情報提供を呼び掛ける貼紙がありました。
豊臣秀吉像
この交差点近くの幸円ビル2階にあるのが、
【S08】キュンチョメ《声枯れるまで》
キュンチョメの作品は、岐阜県美術館「ディアスポラ・ナウ!」展
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-12-15
で見たことがあります。
入場制限をしているので、8月18日(日)に行った時には外で少し待ちました。
雑居ビルの狭い階段を上がって、防火扉?のような、矢印がなければ
開けていいのか戸惑うようなドアを開けて入った先に、
性別を変え、自分の名前を変えた人たちの映像
最初の部屋には「私は世治」
親と子が同じ筆を持ち、
親が子供に与えた名前上に、
子が自分で決めた名前を上書きしていく
次の広い部屋には「声枯れるまで」
名前を変えたトランスジェンダーの人たちが、
新しい名前を叫び続ける
3人のトランスジェンダーの人の映像があるそうですが、
私はJUNEさんの(それも一部)しか見てません。
こういうことをサラッと(?)告白させてしまうキュンチョメさんたちの
インタビュー力すごいなと思う。
部屋の奥まったコーナーに懐かしい(!)ラジカセとカセットテープが
置いてあって、トランスジェンダーの人たちが、
新しい名前を叫び続ける音声を聞くことができるようになってました。
(私はやってみなかったのですが)
さっきの銅像のある交差点を渡って、円頓寺本町商店街へ
こちら側には徳川家康像がありました。
『顰像』(しかみぞう)をモトにしているようですね。
もう一つは写真撮ってこなかったですが、水戸黄門の徳川光圀でした。
那古野二丁目長屋にあるのが
【S09】越後正志《飯田洋服店》
ボランティアの方が入口の階段を案内してくれました。
2階へ上がると‥‥ここは洋服店?
壁には「飯田洋服店」の文字もかかっています。
レトロな道具たち。懐かしい雰囲気だけど、うーーん??
「これらの道具類やスーツ生地は、ここから約200mほど西へ離れた「飯田洋服店」から移動してきました。」
その「飯田洋服店」
看板が取り外されて、透明なアクリル板に置き換わってます。
ピンク色のショッピングバッグは、ピンクのロープの
【S06】アイシェ・エルクメンの作品《Living Coral / 16-1546 / 店》
それぞれのお店のショッピングバッグをピンク色のものに交換したのだそう。
袋に描かれたドローイングは作家によるその店の特徴を描いたものだそう。
多賀宮
懐かしい雰囲気のスーパー!
その隣にあるメゾンなごの808の1階にあったのが
【S10】弓指寛治「輝けるこども」
痛ましい交通事故のニュース、特に子どもたちが犠牲になる事故は、
聞いた時はとても心を痛めるけど、〇人死亡とかって報道に
慣れてしまってるというか、〇人それぞれに人生があって、
家族や周囲の人もいるんですよね。
2011年に栃木県鹿沼市でクレーン車が突っ込んで児童6人の命を奪った事故を題材に、
弓指寛治さんは、事故で亡くなった児童の遺族の話をもとに
作品を描いています。
デアゴスティーニの鉱物シリーズをおこづかいで全部揃えた愛斗くん
サッカーが大好きだった大芽くん。
圭太君、宅馬くん‥‥
子どもたちが過ごした日常生活が描かれます。
暴力的な車の存在感
そして、この作品は加害者の母親のコメントもありました。
交通事故は被害者だけでなく、加害者の家族も変えてしまいます。
少し開かれたドアの外に展示されていた絵‥‥
なんか、いろんな感情がわき上がってきました。
私も日常普通に車の運転をしているんですが、
いつ交通事故を起こすかもしれないわけです。
でも車のカッコよさも確かにあるわけで‥‥
亡くなった愛斗くんの詩が心に響きます。
‥‥まさに「情」を揺さぶられる作品でした。
メゾンなごの808の2階にあったのが、
【S11】毒山凡太朗 の映像作品3点
《君之代》は、戦前の日本統治時代―1895年から1945年の50年間―の
台湾で教育を受けて、日本語を話すことができる
台湾のお年寄りたちへのインタビュー
「同期の桜」や「月月火水木金金」を歌ったり、
教育勅語を暗唱する姿‥‥教育の怖さというか、日本は何をしたのか‥‥
奥の部屋では、満開の桜が作られていてその下にモニターが
置かれています。《Synchronized Cherry Blossom》という新作だそう。
それともう一つありましたが、ここで8月18日(日)の
「8時の終了時間となりました」で、見れてません。
※四家道・円頓寺エリアの開館時間は12:00~20:00(金曜日は21:00まで)
休館日は月曜(祝休日は除く)
終了の片付けをするメゾンなごの808のスタッフたち
ここからだと名古屋駅前まで10分ちょっとで歩けてしまいます。
レトロな町並みみが好きってこともあるけど、私は
映像作品が多くて、ちょっとうーん‥‥だった愛知芸術文化センターより
四家道・円頓寺エリア良かった!!
特に伊藤家住宅の2作品が私のお気に入りで、
大阪の友人が来た時もぜひここは見せたくて、3回目の鑑賞をしました。
毎度ですが、記事がダラダラと長くなってどうもスミマセン。
まだ名古屋市美術館、豊田エリアもあるし、サエボーグのことも書きたいし、
もちろんクリムト展も見てるし‥‥こんな調子で書いていったら
終わるんでしょうか???
あいちトリエンナーレ公式webサイト: https://aichitriennale.jp/
8月18日(日)に、愛知芸術文化センターを見てから、
四間道・円頓寺エリアへ。
「しけみち・えんどうじ」って、地元の人でないと読めませんね。
私も、ダンナが古い町家を改修した飲食店の広告の仕事をした時
‥‥ってもう10年以上は前か‥‥名古屋駅から歩ける距離に
こんなレトロな街並みがあるんだって知りました。
今回のトリエンナーレで、初めてアート会場となりました。
(前回までは長者町の古い商店などを会場としていて、私は
あの猥雑な雰囲気、好きだったんですが)
8月18日(日)のあと、
9月8日(日)にパフォーミングアーツ・サエボーグ(これ面白かった!!)を
見た後で来たし、11日(水)には大阪の友人と一緒に来てるので、
写真が混在しています。
愛知芸術文化センターから、名古屋テレビ塔下の地下街・セントラルパークを抜けて、
地下鉄桜通線「久屋大通駅」から2区、「国際センター駅」下車
2番出口を出て
私の好きなレトロな街並みが残ります。
屋根神様を祀る中村家
なごのステーション
四間道・円頓寺地区における「あいちトリエンナーレ2019」の拠点。
アート・プレイグラウンド もてなす INTERACT
という鑑賞者の交流(?)等ができるコーナーも設けられています。
ここのコーナーにあった映像作品が
【S04】洪松明(ソンミン・アン)&ジェイソン・メイリング
《本当に存在する架空のジャンル》
‥‥音楽のジャンルに詳しくない私にはあまり興味がもてませんでしたが。
古い町家を活かしたお店「古民家ビストロ 狸」
トリエンナーレの会場となっている
那古野一丁目長屋
屋根神さまも祭られています。
「屋根の上に小さな社を祭るという形態は、名古屋独特のものである」(設置されていた看板より)
路地の先には子守地蔵尊のお社が。
屋根のつる草も風情を感じてしまう。
この会場にあるのが
【S03】梁志和(リョン・チーウォー)+黄志恒(サラ・ウォン)
《円頓寺ミーティングルーム》
会場に入った時、レトロな雰囲気の人物写真だなって見たんですが、
古いスナップ写真に「たまたま写り込んだ無関係な人物」を
再現しているのだそう。
「ウォーリーを探せ!」みたいで楽しかった。離れた場所にモト写真(?)が
あったりして、なかなか難しかったけど、全員見つけることができました(^^)v
四間道
「元禄13年(1700年)の大火で1600軒余りが焼失し、その後尾張藩4代藩主徳川吉通は、堀川沿いにある商家の焼失を避けるために、中橋から五条橋までの道幅を4間(約7メートル)に拡張した」Wikipediaより
このことから、四間道と呼ばれるようになったとのこと。
土蔵造りが並ぶ道となっています。
土蔵を活かしたお洒落なお店(宝石屋さん?)
古民家を活かした「エスプラナードギャラリー」
http://www.dessert.co.jp
あいちトリエンナーレ2019パートナーシップ事業として、
展示を行っています。私が行った9月8日(日)には、
樫澤三枝子写真展「花はやっぱり美しかった」
が開催されていました。
写真の古典技法「プラチナプリント」による花の写真など。
しっとりした写真の質感が古民家の雰囲気と相まって素敵でした。
このお店も面白そう! 古美術「地球堂」
江戸時代から続く豪商の住まいで、県指定文化財にもなっている
伊藤家住宅
ここに展示されているのが
【S01】津田道子
《あなたは、その後彼らに会いに向こうに行っていたでしょう。》
伝統的な日本家屋の座敷が、鏡の虚像と実像、
スクリーンに映る今の映像(反対側の庭にカメラが設置されている)と、
過去にここで撮られた映像とが入り混じった不思議な空間になっていて、
とても素敵だった!
二間続く座敷が鏡で虚像と実像がつながるようにも見えて面白い。
土間のカマドの前では作家の言葉が聞けるヘッドホンを貸してもらえました。
伊藤家住宅の蔵にあるのが
【S02】岩崎貴宏《町蔵》
蔵に入ると、古い箪笥の引き出しや家具が積み上げられていて、その中に
細い通路ができています。土間から一段上がると、積み上げられた家具の上は、
一面に黒い炭で覆われています。
城の石垣や寺の門も見えて、これは一面焼け野原になった戦災後の名古屋の街??
でもテレビ塔もあるってことは、未来の風景なのかも??
(最近「今を戦前にするな」って言葉を聞くようになりました。
こんな未来はまっぴらです!)
この鑑賞の通路を近くを流れる堀川とすると、名古屋城石垣とテレビ塔、
反対側の円頓寺商店街のアーケードと専修寺山門が地図通りに配置されているそう。
伊藤家住宅の2作品、とても私好みで良かった!!
私のあいちトリエンナーレ2019のベスト3に入ります!!
(あとはやっぱり豊田・喜楽亭の《旅館アポリア》かな。)
トリエンナーレの案内を見つけて、この建物の中に入っていくと、
池や石畳の階段があるオシャレな空間に出て、いくつか飲食店なども
集まっているようです(なごのアジール)
その一つのスペースで行われていたのが、
【S50】ユザーン『Chilla: 40 Days Drumming』
「日本を代表するタブラ奏者ユザーンが、トリエンナーレ開幕とともに毎日10時間の修行を40日間続け」るという音楽プログラム。
8月1日(木)〜9月9日(月)の間行われて、私は9月8日(日)に聞くことができました。
インドの太鼓の一種であるタブラ、初めて知った楽器です。、
皮の真ん中に金属(Wikiによると「鉄粉を穀物の粉などと練りこんだ、
スヤヒーと呼ばれる黒いものが塗られている」)部分があって、
それで高い音も出せるので、1人で複雑な音を奏でることができるんですね。
わー、これを10時間演奏するって、肉体的にもキツいんじゃない?
それを40日間?!! すごい!!
堀川にかかる五条橋 小さな祠も祀られていますね。
「かつて、清洲城下の五条川に掛けられていた橋を、 清州越(慶長15年(1610)より行われた清洲よりの町ぐるみの引越しをいう)の際に、 この地に移され、橋の名前もこれに由来するといわれる。
元は木橋であったが、昭和13年(1938)にコンクリート橋に架けかえられた。」
(設置されていた看板より)
円頓寺商店街のアーケード
伊藤家の蔵で見た 岩崎貴宏《町蔵》にあったアーケードはこれですね。
アーケードにピンクのロープがたくさん下がってます。
8月18日(日)に行った時には、このロープ何のため?
なんか華やいだ雰囲気でいいなーくらいで通り過ぎちゃったんですよ。
で、帰ってから、
【S06】アイシェ・エルクメン の作品だって知りまして!
《Living Coral / 16-1546 / 商店街》
「円頓寺商店街と円頓寺本町商店街にかかるアーケードに、 特徴的な無数のロープがかかっています。 このロープは、60年以上の伝統を誇る「円頓寺七夕まつり」で、 住民が作った飾りを吊るすために用いられるものです。作家はこのロープの存在に着目し、 今回のあいちトリエンナーレの新作として、ピンク色のロープと交換してみせました。」
(あいちトリエンナーレHPより https://aichitriennale.jp/artwork/S06.html)
ちなみにWikipediaでお借りしてきた円頓寺の写真
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E9%A0%93%E5%AF%BA
2015年11月7日に撮影されたものだそう。ロープが普通(?)の色です。
あ、さっき伊藤家の蔵で見た山門だ。
真宗高田派 専修寺名古屋別院
「本堂は戦災で焼失したが、山門・鐘楼は創建当時のものを今に残している」(設置されていた看板より)
円頓寺銀座街の看板が面白くて写真に撮ったんですが、
この「葛宇路」と書かれた交通標識が作品なんだって、後で気付きました!
【S05】葛宇路(グゥ・ユルー)《葛宇路》
円頓寺銀座街の店舗跡に映像がありました。
「北京市内の無名の道路に、作家が自分の名を表した標識を設置したところ、 そのまま数年間にわたって撤去されないどころか、 実際に中国のGPSを使った地図サービスに反映され、宅配便の送り状などにもその名前が掲載される ようになりました。その後、一般人の彼が起こしたこの行動がインターネットや テレビニュースを通じて知れ渡り、中国当局によって標識は撤去されました。」
ハハハ! なんか面白い!! いたずらっぽい行為だけど、
「公共とは誰のものか。そこではどのような目的でどのような機能が存在し、 どうやって管理されているのか。世界はどのように形作られ、 そこへの私たちの参加はいかにして認められるのか。」
(あいちトリエンナーレHPより https://aichitriennale.jp/artwork/S05.html)
なんてことまで考えさせてくれます。
また、資料などを展示しているこのレトロな会場がいいですね!!
レトロな町には神社やお寺が多いです。
金刀比羅神社
長久山圓頓寺
このお寺の門前町としてできたのが円頓寺ですね。
お寺は「えんどんじ」と呼ぶのは今回調べて初めて知りました。
円頓寺駐車場の特設ステージのバックに描かれている作品が
【S07】鷲尾友公《MISSING PIECE》
特設ステージでは、「円頓寺デイリーライブ」として、
毎週木曜日から日曜日の19時から、日替わりでアーティストが出演して行われる音楽ライブ
が行われているそう。
8月18日(日)の様子
円頓寺商店街と円頓寺本町商店街の交差点にあった銅像(8月18日撮影)
織田信長像は、8月8日に像の左腕を壊される被害を受けたそうで、
情報提供を呼び掛ける貼紙がありました。
豊臣秀吉像
この交差点近くの幸円ビル2階にあるのが、
【S08】キュンチョメ《声枯れるまで》
キュンチョメの作品は、岐阜県美術館「ディアスポラ・ナウ!」展
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-12-15
で見たことがあります。
入場制限をしているので、8月18日(日)に行った時には外で少し待ちました。
雑居ビルの狭い階段を上がって、防火扉?のような、矢印がなければ
開けていいのか戸惑うようなドアを開けて入った先に、
性別を変え、自分の名前を変えた人たちの映像
最初の部屋には「私は世治」
親と子が同じ筆を持ち、
親が子供に与えた名前上に、
子が自分で決めた名前を上書きしていく
次の広い部屋には「声枯れるまで」
名前を変えたトランスジェンダーの人たちが、
新しい名前を叫び続ける
3人のトランスジェンダーの人の映像があるそうですが、
私はJUNEさんの(それも一部)しか見てません。
こういうことをサラッと(?)告白させてしまうキュンチョメさんたちの
インタビュー力すごいなと思う。
部屋の奥まったコーナーに懐かしい(!)ラジカセとカセットテープが
置いてあって、トランスジェンダーの人たちが、
新しい名前を叫び続ける音声を聞くことができるようになってました。
(私はやってみなかったのですが)
さっきの銅像のある交差点を渡って、円頓寺本町商店街へ
こちら側には徳川家康像がありました。
『顰像』(しかみぞう)をモトにしているようですね。
もう一つは写真撮ってこなかったですが、水戸黄門の徳川光圀でした。
那古野二丁目長屋にあるのが
【S09】越後正志《飯田洋服店》
ボランティアの方が入口の階段を案内してくれました。
2階へ上がると‥‥ここは洋服店?
壁には「飯田洋服店」の文字もかかっています。
レトロな道具たち。懐かしい雰囲気だけど、うーーん??
「これらの道具類やスーツ生地は、ここから約200mほど西へ離れた「飯田洋服店」から移動してきました。」
その「飯田洋服店」
看板が取り外されて、透明なアクリル板に置き換わってます。
ピンク色のショッピングバッグは、ピンクのロープの
【S06】アイシェ・エルクメンの作品《Living Coral / 16-1546 / 店》
それぞれのお店のショッピングバッグをピンク色のものに交換したのだそう。
袋に描かれたドローイングは作家によるその店の特徴を描いたものだそう。
多賀宮
懐かしい雰囲気のスーパー!
その隣にあるメゾンなごの808の1階にあったのが
【S10】弓指寛治「輝けるこども」
痛ましい交通事故のニュース、特に子どもたちが犠牲になる事故は、
聞いた時はとても心を痛めるけど、〇人死亡とかって報道に
慣れてしまってるというか、〇人それぞれに人生があって、
家族や周囲の人もいるんですよね。
2011年に栃木県鹿沼市でクレーン車が突っ込んで児童6人の命を奪った事故を題材に、
弓指寛治さんは、事故で亡くなった児童の遺族の話をもとに
作品を描いています。
デアゴスティーニの鉱物シリーズをおこづかいで全部揃えた愛斗くん
サッカーが大好きだった大芽くん。
圭太君、宅馬くん‥‥
子どもたちが過ごした日常生活が描かれます。
暴力的な車の存在感
そして、この作品は加害者の母親のコメントもありました。
交通事故は被害者だけでなく、加害者の家族も変えてしまいます。
少し開かれたドアの外に展示されていた絵‥‥
なんか、いろんな感情がわき上がってきました。
私も日常普通に車の運転をしているんですが、
いつ交通事故を起こすかもしれないわけです。
でも車のカッコよさも確かにあるわけで‥‥
亡くなった愛斗くんの詩が心に響きます。
‥‥まさに「情」を揺さぶられる作品でした。
メゾンなごの808の2階にあったのが、
【S11】毒山凡太朗 の映像作品3点
《君之代》は、戦前の日本統治時代―1895年から1945年の50年間―の
台湾で教育を受けて、日本語を話すことができる
台湾のお年寄りたちへのインタビュー
「同期の桜」や「月月火水木金金」を歌ったり、
教育勅語を暗唱する姿‥‥教育の怖さというか、日本は何をしたのか‥‥
奥の部屋では、満開の桜が作られていてその下にモニターが
置かれています。《Synchronized Cherry Blossom》という新作だそう。
それともう一つありましたが、ここで8月18日(日)の
「8時の終了時間となりました」で、見れてません。
※四家道・円頓寺エリアの開館時間は12:00~20:00(金曜日は21:00まで)
休館日は月曜(祝休日は除く)
終了の片付けをするメゾンなごの808のスタッフたち
ここからだと名古屋駅前まで10分ちょっとで歩けてしまいます。
レトロな町並みみが好きってこともあるけど、私は
映像作品が多くて、ちょっとうーん‥‥だった愛知芸術文化センターより
四家道・円頓寺エリア良かった!!
特に伊藤家住宅の2作品が私のお気に入りで、
大阪の友人が来た時もぜひここは見せたくて、3回目の鑑賞をしました。
毎度ですが、記事がダラダラと長くなってどうもスミマセン。
まだ名古屋市美術館、豊田エリアもあるし、サエボーグのことも書きたいし、
もちろんクリムト展も見てるし‥‥こんな調子で書いていったら
終わるんでしょうか???
あいちトリエンナーレ公式webサイト: https://aichitriennale.jp/
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