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横浜美術館コレクション展「東西交流160年の諸相」 [美術]

12月1日(日)、横浜美術館で
「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」を見て
続いて入れるコレクション展を見ました。
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柳幸典《パシフィック―シャタード・ブルー》1997 が最初に展示され、

開催中の「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」の出品作の制作期と
ほぼ同時代にあたる、第一次世界大戦後のパリで、
自身の表現を切り拓いていった藤田嗣治と長谷川潔の作品が続きます。

横浜美術館、コレクション展は撮影可なんですね!
藤田嗣治の猫の絵、たまりません!!
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アメリカへ渡った清水登之や国吉康雄や、
日本人の父とアメリカ人の母を持つイサム・ノグチの絵が並びます。

日経二世としてアメリカに生まれた画家・
野田英夫《二人の子供》1934
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岡田謙三のコーナーがありました。
アメリカで認められた、どこか東洋的な抽象画を、画家は
「幽玄」の語から「ユーゲニズム(幽玄主義)」と称しているそう。
なんかこの雰囲気いいな。
左《雨》1959 右《垂直》1964
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特にこの《雨》素敵!
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左《黒と象牙色》1955 《オレンジ・ナンバー2》1975-76
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知らない画家だって思ったけど、
京都国立近代美術館「生誕110年 東山魁夷展」に行った時に、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-09-20
コレクション展で、岡田謙三《入江》が気に入ったって書いてました。

この彫刻、面白ーい!!
ジャン・デュビュッフェ《目印の像》1969
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第二次大戦終結前後にぐにゃぐにゃとした形象を描いていたフォートリエやデュビュッフェ、ヴォルスらの作品を、批評家のミシェル・タピエは「アンフォルメル(不定形)」と名づけ、人間存在の不安を表現した新しい動向として称揚しました。
横浜美術館「東西交流160年の諸相」展覧会概要 より
https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20190921-543.html
(以下同)

戦後の復興から高度経済成長への転換期にあった日本でも、前衛運動が盛り上がりをみせました。「自由な精神を具体的に提示」しようと1954年に結成された具体美術協会は、その代表格です。

床に拡げたカンヴァスに足で絵具を塗りたくる白髪一雄[しらが・かずお]。
カラフルな電球をつなげた服を着てパフォーマンスを行う田中敦子[たなか・あつこ]。
カンヴァスを斜めにして絵具を垂れ流す元永定正[もとなが・さだまさ]。

元永定正《作品》1963 小石を貼り付けているところも面白い。
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みずからの身体と物質との格闘を繰り広げる彼らの活動は、57年に来日し「具体」をアンフォルメルの日本での展開と位置づけたタピエによって、国際的に紹介されました。

日用品や廃品、巷にあふれるイメージを作品に取り込み、芸術の垣根を打ち崩していったラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズたちの制作は、20世紀初頭のダダを継承するものとして「ネオダダ」と呼ばれます。
彼らの仕事は日本にも紹介され、1960年には吉村益信[よしむら・ますのぶ]、荒川修作[あらかわ・しゅうさく]、篠原有司男[しのはら・うしお]らがネオ・ダダイズム・オルガナイザーズを結成します。ジョーンズとラウシェンバーグの作品に登場する「星条旗」と「コカ・コーラ」を摸倣した篠原の《ドリンク・モア》は、政治経済にとどまらず世界の覇者に伸し上がったアメリカ文化に対する複雑な感情と、それを制作のパワーに逆転する作家の強靭な精神を感じさせる作品です。

篠原有司男《ラブリー・ラブリー・アメリカ(ドリンク・モア)》1964
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隣に資料として展示されていた『美術手帳』232号(1964年)に、
この作品の作り方を説明していて、イミテーションを作ってみよう、と。

具体やネオダダの作家たちが描かれていて、おもしろーい!
篠原有司男《具体とネオダダ》1985
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ジャスパー・ジョーンズ
左《フラッグズⅡ》1973 右《標的》1974 (どちらもシルクスクリーン)
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大学の教授だった東野芳明先生が推していた
ジャスパー・ジョーンズの展覧会(1978.8.19-9.26)を、
今は無い池袋の西武美術館へ見に行ったなー。

円形の展示室へ入ると、おぉ! 宮川香山の壺だ!!
そうか、輸出に便利な横浜に窯を移したんでしたね。
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宮川香山はヤマザキマザック美術館「世界に挑んだ明治の美」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2015-06-16
知って、岐阜県現代陶芸美術館にも所蔵作品があるので、
見てるんですが、この《高浮彫桜ニ群鳩大花瓶》の一対、
鳩や桜がとても優雅!

外国人の男性と女性が日本のキモノを着た掛軸が並んでいるのも
興味深かった。制作年不詳
伝 五姓田 芳柳《外国人男性和装像》《外国人女性和装像》
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展示室1へ行くと、下村観山(1873-1930)のコーナーになっています。

初の文部省留学生として横浜港からイギリスに渡ったのは1903年2月21日のこと。2年のイギリス留学と半年にわたるヨーロッパ巡遊をとおして、水彩画を研究したり(ジョン・エヴァレット・ミレイ《ナイト・エラント》の模写)、絹地に日本画材でルネサンス絵画を模写したり(ラファエロ《椅子の聖母》《まひわの聖母》の模写)と、貪欲に西洋の表現を摂取しました。

《ナイト・エラント(ミレイの模写)》1904
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《ラファエロ作「椅子の聖母」(模写)》1904
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《まひわの聖母(ラファエロ模写)》1905
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すごい!! 絹本着色でここまで模写できるんだ!! ラファエロの掛軸!!

そんな滞欧体験の成果が発揮された大作
下村観山《小倉山》1909
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横浜美術館、たくさん下村観山持ってるんだって思ったら、
三渓園の原三溪が支援してて、横浜の本牧に居を構えてるんですね。

次へ進むと、木版画がたくさん並んでいます。

橋口五葉
優雅でロマンチック
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吉田博
抒情的。水彩画のよう
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川瀬巴水
重厚でドラマチック
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ポール・ジャクレー
モダンでエキゾチック!

《オウム貝、ヤップ島》
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《黒い蓮華、中国》 《雪の夜、朝鮮》
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《メナドの男とマングスチン、セレベス島(果物の組の内)》
《朝鮮の男3人、ソウル》
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《サイパンの娘とハイビスカスの花、マリアナ諸島》
《清馨さん》
《パリの婦人》
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そして古い日本の風景を撮影した写真がずらりと並ぶ部屋もありました。

吹き抜けのエントランスを見下ろすスペースには、多くの彫刻が
展示されていました。
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イサム・ノグチ《真夜中の太陽》1989
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イサム・ノグチ《下方へ引く力》1970
輪が切れてズレてるww でも《真夜中の太陽》より
こっちの方が先に制作されているんだー。
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階段の途中にも彫刻の展示があります。
ルネ・マグリット《レカミエ夫人》1967
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マグリットの彫刻! レカミエ夫人が棺桶!!

オシップ・ザツキン《オルフェウス》1948
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コンスタンティン・ブランクーシ《空間の鳥》1926(1982 Cast)
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豊田市美術館の《雄鶏》1924 を、もっとシャープにしたカンジ

エントランス奥のグランドギャラリーには、
「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」の記念撮影用キューブが
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バラの花束や絵筆とパレットを借りて撮影もできます(^▽^)/
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横浜美術館とランドマークタワー
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美術館前では、「縁市(えにしいち)」として、
コンサートや手作り品のブースが並んでいました。(11.30-12.1)
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(美術館に来た時の写真と混在しています)

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美術館横の入口前にあった
ヴェナンツォ・クロチェッティ《平和の若い騎手》1987
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美術館へ行く途中に見た彫刻
安田侃《天泉》1997
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ランドマークタワーとクイーンズスクエアの間にある
不思議な形の巨大なオブジェはカッコイイですね。
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最上壽之《モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー》1994

このオブジェから、この場所がヨーヨー広場と呼ばれているそうですね。


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‥‥いつまで12月1日(日)のことを書いているのかって、自分でも
呆れますが、実はまだ続きますー。

横浜美術館: https://yokohama.art.museum/

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