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愛知県美術館「コートールド美術館展」のコレクション展 [美術]

1月7日(火)に愛知県美術館で 「コートールド美術館展」を見たことがやっとブログに書けました。

続いて愛知県美術館のコレクション展へ。

入口に、ジョルジュ・ミンヌ《聖遺物箱を担ぐ少年》1897年
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この華奢な美少年の彫刻、2013年に愛知県美術館で 「クリムト展」やった時に展示されているのを初めて見て、
とても素敵だって思ったんですね。
コレクション展が撮影可になって嬉しい!
(寄託作品など、一部撮影不可の作品もあります)

展示室4は
19世紀末から20世紀初めの美術──ムンクと象徴主義・表現主義──

2017年の新収蔵作品として
最近のコレクション展ではよく見ていた
ムンク《イプセン『幽霊』からの一場面》1906年
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愛知県美術館のウェブサイトよりダウンロード
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
(愛知県美術館コレクション検索で公開しているデジタル画像のうち、「Public Domain」(パブリック・ドメイン)の表示があるものは、当館に申請することなくダウンロードし、自由に複製、再配布することができます。)

この作品にちなんで、愛知県芸術劇場で演劇作品を、
愛知県美術館の作品の前でパフォーマンスが行われたそう。
(1月8日(水)~13日(月・祝) 美術館のパフォーマンスは
美術館入場券のみで観覧可だったので、行けなくて残念)

愛知芸術文化センター情報誌「AAC」に記事が載ってます。
https://www.aac.pref.aichi.jp/aac/aac102/HTML5/pc.html#/page/8

ムンクの作品が並んでいる中では、この作品が気に入りました。
《老いた漁師》1897年
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ジェームズ・アンソールやマックス・クリンガーの作品の次に、

ケーテ・コルヴィッツの版画作品が並んでいて、
私、今まで知らなかった画家ですが、Wikipediaによると、

ケーテ・シュミット・コルヴィッツ(ドイツ語: Kathe Schmidt Kollwitz, 1867年7月8日 - 1945年4月22日)は、ドイツの版画家、彫刻家。周囲にいた貧しい人々の生活や労働を描いたほか、母として・女性としての苦闘を数多くの作品に残した。ドイツ帝国、ヴァイマル共和国、ナチス・ドイツという揺れ動く時代を生きた、20世紀前半のドイツを代表する芸術家の一人である。

貧しい人々の嘆きが聞こえるような‥‥でもエッチング作品は
あまりに暗い‥‥中で、私はこの木版画の単純化された白と黒の
力強さが気に入りました。
《女を膝に抱く死》1921年
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中央の彫刻作品《恋人たちⅡ》1913年(1973年頃鋳造)も
ケーテ・コルヴィッツの作品なんですね。

あ、《第6回ウィーン分離派展ポスター》1900年頃 がある!
愛知県美術館も所蔵していたんだ!
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このポスター、去年は
京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」展 でも、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-02-23
国立新美術館「ウィーン・モダン」展 でも、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
豊田市美術館「クリムト展」 でも見ました!
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-10-11

そして、これも持ってたの?!! って、
オスカー・ココシュカ《版画集『夢みる少年たち』》1907年(1908年刊行)
国立新美術館「ウィーン・モダン」展 で展示されてました。
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上《目覚める人びと》
下《少女リーと僕》
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表紙や扉、献辞まであるんですね!
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展示室5は「20世紀前半ヨーロッパの美術
以前の展示室が帰ってきた、ってカンジ。
クリムトの《黄金の騎士》さまも、ピカソの《青い肩かけの女》も、
フツー(壁の色が違ったり、台に乗ったりせずに)に並んでます!

そして「20世紀後半アメリカの美術
モーリス・ルイス《デルタ・ミュー》1960-61年 が
定位置(?)に戻ってきてる!

サム・フランシス《消失に向かう地点の青》1958年
フランク・ステラ《リヴァー・オブ・ポンズ IV》1969年 も、
おかえりなさい~ってカンジ。


展示室6「21世紀の美術スタジオと展示室
スタジオでの制作プロセスや、輸送・展示で使う資材など、美術をめぐるプロセスや周辺部分を想起させる作品を展示しています。 とのこと

入ってすぐの壁にあったこの作品にはクスッと笑ってしまいました。
徳冨満《+-∞》2001年
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徳冨満(とくとみ みつる)1966-2001
35歳で亡くなった最後の年の作品なんですね。

梅津庸一《フロレアル―汚い光に混じった大きな花粉》2012-14年
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この作品、照明機材用スタンドの脚の下に挟まった
オレンジ色のハンドクリームの容器も含めて作品なんですね?!
一見、印象派あたりの優美な裸体画に見える絵は、
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ラファエル・コランの《フロレアル》1886年 を元にしている
そうですが、よく見たら男性です(作家自らの裸像だと)。
ラファエル・コランは、黒田清輝ら多くの日本人画家を指導して、
日本の洋画界に大きな影響を与えた画家なんですが、
フランスではほぼ忘れられた作家なんだそう。

絵画の梱包に使う箱が2つ並んでいるように見えるのが
ライアン・ガンダー《It stole your thunder - (Alchemy Box #25) / It stole my thunder》2011年
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一つは資料が入った段ボール箱で、もう一つは合板にアクリルで
そっくりに描いたものなんだそう。どちらがどちらなのか??
そして、段ボールの中の資料を取り出すには作品を壊さないといけないわけで‥‥

ライアン・ガンダー、豊田市美術館所蔵のシーツをかぶった子どもの彫刻
《おかあさんに心配しないでといって(6)》2013年 の作家なんですね!
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(2019年6月に行った豊田市美術館「世界を開くのは誰だ?」展
撮影したもの)
えー?! 全然作品の印象が違う‥‥けど、内側と外側について
考えさせられたりしますね。
豊田市美術館のウェブサイトで、
この作品の音声ガイドが聴けるんですが
https://www.museum.toyota.aichi.jp/collection/ryan-gander

「‥‥信じる者にしか存在しない幽霊は、信じるゆえに存在する 現代美術の価値と重なり‥‥」とか、そうかー、この作品見て、
そんなところまで考察することができると面白いなぁ!


通路と展示室7 で展示されているのが
小企画 横内賢太郎「CONTACT」
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000239.html

なんだかぼんやりした、染色作品? って
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見る角度で、サテン生地に織り込まれた文様が
幻影のように現れるのが素敵だなと。
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展示室8「木村定三コレクション熊谷守一と猫あつめ

熊谷守一が描いた猫が集まってる! 猫好きにはたまりません。
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猫以外も、晩年のいわゆるモリカズ様式で自宅の庭の
花や魚や雨水(!)を描いた絵は、見てると笑みがこぼれてきます。
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今回も愛知県美術館のコレクション展楽しみました。

愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/

豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/

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