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豊田市美術館「久門剛史 らせんの練習」展 [美術]

4月9日(木)に豊田市美術館に行ってきたことを。

「久門剛史 らせんの練習」という展覧会をやっていました。
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チラシは黒と白の2種類あります。よく見ると、
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円周率の数字が螺旋状に印刷されているのに気が付きます。
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裏面もそれぞれ違います。表面が黒のチラシは裏面は白バックで、
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表面が白のチラシは裏面は黒バックになってます。
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新型コロナウィルス感染拡大防止のため、現在は全国の美術館が
臨時休館となっていますね。豊田市美術館も休館しています。

東京など7都府県に緊急事態宣言が出されたのが4月7日(火)
愛知県美術館は7日から臨時休館となりました。
私が「大浮世絵展」に行った5日(日)が休館前の最後の日でした。

愛知県が独自の緊急事態宣言を出したのが4月10日(金)
豊田市美術館は11日(土)から臨時休館となりました。
(その後、緊急事態宣言は4月16日(木)に全国に拡大されました)

どっちも休館前ギリギリで見ることができて良かった!
(実は5日に豊田市美術館、パートが休みの9日に愛知県美術館って
計画してたんですが、5日に急きょ名古屋に用事ができて、
愛知県美術館に先に行ってラッキーでした!)

久門剛史(ひさかど つよし)
1981年京都府生まれの新進作家の、国内初の大規模な個展。

豊田市美術館の前回の展覧会「岡崎乾二郎 視覚のカイソウ」に
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-03-08
行った時、次回の展覧会のチラシがあって(裏面は白)
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あ!これ京都・二条城での「アジア回廊 現代美術展」で見たやつ!
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-09-27
重要文化財の隅櫓の中に展示されてて、すごく良かったので、
豊田市美術館での展覧会、楽しみにしていたんです。

久門剛史の作品は、その前に、
あいちトリエンナーレ2016 の豊橋エリア
開発ビル5階に展示されていたのを見ました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-10-09
すごくカッコよかった!

4月9日(木)、豊田市美術館の駐車場も空いてます。
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七州城隅櫓と桜 満開を少し過ぎてますが絵になりますね。
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庭にも桜があるなんて初めて気が付きました。
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ソル・ルウィット《柱のある立方体》1995年

豊田市美術館の庭の桜は「思川桜(オモイガワザクラ)」という
・開花期 4月上旬~中旬 ソメイヨシノが散り始める頃に咲き始める
・ジュウガツザクラの突然変異
・栃木県原産の栽培品種

という説明板がありました。
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受付で年間パスポートを見せてチケットをもらいます。
久門剛史の展覧会は2階の吹き抜けになった展示室1から。

1《Force》2020年
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壁面に設置されたいくつものアルミニウム板
それらについているアームの先に印刷機の給紙トレイのようなものが
取り付けられています。時折そこから白い用紙が排出され、
ひらひらと床に落ちてきます。
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展示室のスピーカーからは低周波の轟音が響いてきます。

円形のガラスが傾いて床に置かれていて、たくさんの裸電球が
ガラス板の上や床に散らばっています。
裸電球の中でほのかな光が瞬いています。
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‥‥テーブルに載っていたはずの電球たちがずり落ちて散らばり、
制御できなくなった機械から舞い落ちる紙
「安定(信頼)していた世界が崩れる危うさ」(鑑賞ガイドより)と
美しさを感じました。

階段を上がって小部屋の展示室2へ、暗幕をめくって入ると、
2《after that.》2013/2020年
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闇の中にミラーボールの光が乱舞しています。
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ミラーボールは鏡でできた無数の丸い時計でできていて、
その秒針にも鏡がつけられています。
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足元が揺らぐような感覚

遮断機の音が鳴る通路を通って
3《Pause》2020年 (録音 2005年5月18日 阪急電車桂駅)

乳白色のガラス窓を通して外光が入る展示室3には
ガラスケース形の作品が複数展示されています。
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4-1《丁寧に生きる―らせんの練習―》
ムーブメントの先にシャープペンシルの芯が取り付けられていて、
立体的になった紙に線を引いていきます。
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シャープペンシルの芯がゆるやかに坂を上って、
ストンと落ちる動きはずっと見ていられます。
この作品が久門剛史のデビュー作なんだそうですね。

いくつもの形の違うガラスケースが積み重なったりしてます
4-2《丁寧に生きる―現在地―》
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ガラスケースが切断されてずり落ちてます。地震(^▽^)!!
4-3《丁寧に生きる―地震―》
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ガラスが円形にくりぬかれて、それがゆっくりと回ってますが、
角度が違うので、お互いのつくる空間の形が面白く、
いつまでも見ていられます。
4-4《丁寧に生きる―トンネル―》
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印刷機の給紙トレイが積み重なっている?
4-5《丁寧に生きる―具体的な関係―》
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電球が振り子のようにゆっくり揺れています。
揺れ方がちょっとずつ違う?
4-6《丁寧に生きる―完全な関係―》
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次の展示室へと向かう通路の窓から見えた桜
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展示室1を見下ろす。
ずり落ちようとしている紙がたくさん見えます。
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展示室4の最初の部屋は‥‥真っ白!!!!!
6《crossfades #1》2015/2020年
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壁にかすかに動く小さなムーブメントを見つけて行くと、
時計の秒針の先にルーぺが付いていて、覗き見ると、
極小の文字で円周率の数字が書かれていることがわかります。

次の部屋は、
7《Quantize #7》2020年
照明に照らされた白いカーテンが風になびいています。
多数のスポットライトが音と連動して壁を照らします。
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あいちトリエンナーレ2016で見た作品の中にも、
いくつものカーテンが揺らぐ作品があったなぁ。

3つ目の部屋には、
白い紙がスポットライトに照らされている‥‥って
8《crossfades-Torch-》2020年
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展示室を出たところで、展覧会ガイドの紙があったので、
もらって読んだら、
何も描かれていない真っ白な作品に見えるが、大切なのはより作品に近づいて観察しようとすることである。作品の前に立てば、背後から照明を浴びた自身のシルエットが画面上に浮かび上がるだろう。すると、その影によっとそれまで何も見出すことができなかった用紙の表面に、観者は何かを発見することになる。」
とのことで、もう一度戻って見ました。
何か を発見することができました!

階段を下って、アトリウムの壁に29点組の平面作品
9《crossfades #4》2020年 が展示されていました。
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チラシにあるような円周率を螺旋状にシルクスクリーン印刷したものを
切ったりずらしたりして、展開させています。


面白かった! すごくシャープで美しい展示でした。
豊田市美術館の展示室の配置が、まさに螺旋状になってたことに
気が付いて、洒落てる! とニヤッとしてます。
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もらった作品リスト

「久門剛史 らせんの練習」 6月21日(日)までの会期で、
5月12日(火)~6月21日(日)は、茶室・童子苑で特別展示が
ある予定なので、できたらそれも見に、もう一度行きたいって
思っているんですが‥‥コロナの終息を願うばかりです。

この後、豊田市美術館のコレクション展
「光について/光をともして」「電気の時代」なども見ました。
そのことは次の記事で。


豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/
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中日新聞2020年3月28日(土)夕刊「文化芸能・美術評」に載った記事
chunichi2020-3-28.jpg


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私のインスタにアップした豊田市美術館の庭の「思川桜」


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