碧南市藤井達吉現代美術館「空間に線を引く 彫刻とデッサン展」 [美術]
昨年2019年9月15日(日)、碧南市藤井達吉現代美術館
「空間に線を引く 彫刻とデッサン展」に行ってきたことを。
あいちトリエンナーレ2019 を見るのに忙しかった(^▽^)この頃、
実はこの日、トリエンナーレの豊田会場へ行くつもりで
電車に乗ったんですが、途中、この展覧会が翌週までだってことに
気が付いて、乗換の名鉄知立駅で豊田方面とは反対の
碧南行きの電車に乗ったんです。
見ておけて良かった!
彫刻家は素材に働きかけ、何もない空間に作品を表します。彫刻を制作するにあたり、自身のイメージを定着させるためデッサンを描く場合があります。彼らが描いたデッサンは魅力に富んでおり、画家のデッサンにはない美しさがあります。この美しさはどこから来るのでしょうか。(チラシ裏面の文章より)
美大を目指してデッサンを習っていた頃、
似せようとして細部にこだわる私に対して、
「彫刻科を目指す人のデッサンはマッスが捉えられているから見習いなさい」
って言われてたなーって。
マッス(塊)で捉えられたデッサンは存在感や迫力があって感心したものです。
(チラシ裏面の文章・続き)
おおむね画家の絵は、三次元を二次元で表現します。一方、彫刻家のデッサンは二次元から三次元を目指します。対象が空間にどのように働きかけるかということが、常に彫刻家の念頭にあるからです。紙面は空間であり、いわば空間に線を引く感性です。これらの線は、対象の存在感、ものの粗密を表現しているように見えます。これを可能としているのは彫刻家の「手」(触覚)です。
(中略)
本展はプロローグとして橋本平八から始め、具象、抽象の現代彫刻家19人のデッサンと、それに関連する彫刻を展示し、その魅力と創作の秘密に迫るものです。
ってことで、
プロローグ 橋本平八から現代へ
‥‥スミマセン、橋本平八の名前も聞いたことがありませんでした。
木彫と下図が展示されていました。
なぜ橋本平八から始めるのか、理由は「彼が洋の東西の芸術、宗教を研究し、西欧の文脈ではない独自の彫刻論を展開しているからだ」(もらった鑑賞ガイドより)
第1章 具象Part1
戦後の具象彫刻―柳原義達・舟越保武・佐藤忠良
戦後の具象彫刻を代表する3人の彫刻家。
鑑賞ガイドによると、「具象」とは1950年頃より呼ばれた写実的表現だそうで、
「戦前の彫刻界は大まかに、朝倉文夫ら官展の正確な写実表現と、高村光太郎が鼓舞したロダニズム(内的生命の表現)を基礎とした写実、というふたつの流れで進んできた。」
それが、「戦後になると抽象彫刻の台頭、それまでの彫刻概念では収まらぬ立体造形の出現、さらにオブジェ、インスタレーションと広がっている。」
そうしたなかで「実在の対象を表現しながらも、従来の写実表現によらず、内面的、心理的要素が強い」具象彫刻を追求した3人。
3人とも彫刻から受ける印象が違うように、デッサンも違うけど、
いかにもこの彫刻を作った人ってデッサンで、
端正で静謐な彫刻をつくる舟越保武のデッサンはやっぱり端正だし、
手の跡から情熱や生命感あふれる彫刻の柳原義達のデッサンは、
叩きつけるような線が迫力。
女性の生き生きした肉体を感じさせる彫刻の佐藤忠良は、
とにかく描く、どんどん描く! ってカンジ
そして、
第2章 抽象Part1
素材の多様性と抽象化の円熟
若林奮・原裕治・飯田善國・森堯茂・保田春彦・砂澤ビッキ
第3章 抽象Part2
実体のないものをかたちに
舟越直木・大森博之・戸谷成雄・多和圭三・青木野枝・長谷川さち
第4章 具象Part2
新たな具象彫刻の展開
舟越桂・高垣勝康・三沢厚彦・棚田康司
って続くんですが、図録も買ってないし、忘れていることも多くて‥‥
(どんな彫刻を作ってらしたのか覚えてない人も(^^;>
でも、このデッサンからこの彫刻ができたのねとか、
こういう彫刻を作る人はこんなデッサンをしてるんだ! って、
制作の過程というか秘密(って言ったら大げさだけど)が
少しわかったような気が。
青木野枝のデッサンがカラフルで、ちょっと意外な気がしましたけど。
撮影可の作品もいくつかあったので
2階入口前にあった青木野枝の彫刻《雲谷2018-Ⅰ》
展示室の青木野枝のデッサンがちょっと写り込んでます。
長谷川さち《wood》2018年 ライムストーン、ガラス
長谷川さち《mirror》2017年 黒御影石
1階ロビーにあった高垣勝康の彫刻
左《incarnation(少女像)》 右《incarnation》
高垣勝康の彫刻のタイトルは5点とも《incarnation》
「incarnation」の意味は
「(超自然な存在が)人間の姿を取ること、肉体化。化身」
誰かの肖像ってことではなくて象徴的な姿?
高垣勝康のデッサン
存在する形を捉えようとするのでなく、
形のないものに形を与えようとしている?
撮影可だった三沢厚彦のコーナー。楽しい!
三沢厚彦《Cat 2014-02》
大きなクマ
デッサンも大きくて楽しい
二匹のクマが森の中にいる絵は、絵本のよう。
小熊ちゃん
棚田康司のコーナー
棚田康司《少女》2011年
紙に描いたドローイングと、樟に描いたドローイングもあるのが面白い
棚田康司《母的な像》2018年
棚田康司《h143の女性像》2018年
写真見てて気が付いたけど、釘が打ち込まれてる?
出品リスト見たら、スパンコールが使われている。
どういった意味が??
美術館を出て、
デッキに造形作品があったので行ってみると、
窓に描かれた絵は「ビュートレス」
窓から見える風景を、ガラスになぞって描いたもの。
カラフルな造形作品は、
「夏休みワークショップ 枝とひものまきまき造形」として、
小学生7名が持参した枝に毛糸を巻き付け、参加者同士でつなぎ合わせたものだそう。
美術館全景
藤井達吉現代美術館: http://www.city.hekinan.lg.jp/museum/
藤井達吉現代美術館、収蔵庫などの増設や施設改修工事のため、
2020年2月25日(火)より休館しています。リニューアルオープン時期は未定。
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周囲には立派な寺院が並んでます。
眼福の後の口福は、歴史を感じる古民家カフェ&ベーカリー
「わっぱ堂」へ(あれ?以前来たことあるのにブログ記事書いてない)
まだまだ暑かったので、白玉も入った宇治金時をいただきました。
「空間に線を引く 彫刻とデッサン展」に行ってきたことを。
あいちトリエンナーレ2019 を見るのに忙しかった(^▽^)この頃、
実はこの日、トリエンナーレの豊田会場へ行くつもりで
電車に乗ったんですが、途中、この展覧会が翌週までだってことに
気が付いて、乗換の名鉄知立駅で豊田方面とは反対の
碧南行きの電車に乗ったんです。
見ておけて良かった!
彫刻家は素材に働きかけ、何もない空間に作品を表します。彫刻を制作するにあたり、自身のイメージを定着させるためデッサンを描く場合があります。彼らが描いたデッサンは魅力に富んでおり、画家のデッサンにはない美しさがあります。この美しさはどこから来るのでしょうか。(チラシ裏面の文章より)
美大を目指してデッサンを習っていた頃、
似せようとして細部にこだわる私に対して、
「彫刻科を目指す人のデッサンはマッスが捉えられているから見習いなさい」
って言われてたなーって。
マッス(塊)で捉えられたデッサンは存在感や迫力があって感心したものです。
(チラシ裏面の文章・続き)
おおむね画家の絵は、三次元を二次元で表現します。一方、彫刻家のデッサンは二次元から三次元を目指します。対象が空間にどのように働きかけるかということが、常に彫刻家の念頭にあるからです。紙面は空間であり、いわば空間に線を引く感性です。これらの線は、対象の存在感、ものの粗密を表現しているように見えます。これを可能としているのは彫刻家の「手」(触覚)です。
(中略)
本展はプロローグとして橋本平八から始め、具象、抽象の現代彫刻家19人のデッサンと、それに関連する彫刻を展示し、その魅力と創作の秘密に迫るものです。
ってことで、
プロローグ 橋本平八から現代へ
‥‥スミマセン、橋本平八の名前も聞いたことがありませんでした。
木彫と下図が展示されていました。
なぜ橋本平八から始めるのか、理由は「彼が洋の東西の芸術、宗教を研究し、西欧の文脈ではない独自の彫刻論を展開しているからだ」(もらった鑑賞ガイドより)
第1章 具象Part1
戦後の具象彫刻―柳原義達・舟越保武・佐藤忠良
戦後の具象彫刻を代表する3人の彫刻家。
鑑賞ガイドによると、「具象」とは1950年頃より呼ばれた写実的表現だそうで、
「戦前の彫刻界は大まかに、朝倉文夫ら官展の正確な写実表現と、高村光太郎が鼓舞したロダニズム(内的生命の表現)を基礎とした写実、というふたつの流れで進んできた。」
それが、「戦後になると抽象彫刻の台頭、それまでの彫刻概念では収まらぬ立体造形の出現、さらにオブジェ、インスタレーションと広がっている。」
そうしたなかで「実在の対象を表現しながらも、従来の写実表現によらず、内面的、心理的要素が強い」具象彫刻を追求した3人。
3人とも彫刻から受ける印象が違うように、デッサンも違うけど、
いかにもこの彫刻を作った人ってデッサンで、
端正で静謐な彫刻をつくる舟越保武のデッサンはやっぱり端正だし、
手の跡から情熱や生命感あふれる彫刻の柳原義達のデッサンは、
叩きつけるような線が迫力。
女性の生き生きした肉体を感じさせる彫刻の佐藤忠良は、
とにかく描く、どんどん描く! ってカンジ
そして、
第2章 抽象Part1
素材の多様性と抽象化の円熟
若林奮・原裕治・飯田善國・森堯茂・保田春彦・砂澤ビッキ
第3章 抽象Part2
実体のないものをかたちに
舟越直木・大森博之・戸谷成雄・多和圭三・青木野枝・長谷川さち
第4章 具象Part2
新たな具象彫刻の展開
舟越桂・高垣勝康・三沢厚彦・棚田康司
って続くんですが、図録も買ってないし、忘れていることも多くて‥‥
(どんな彫刻を作ってらしたのか覚えてない人も(^^;>
でも、このデッサンからこの彫刻ができたのねとか、
こういう彫刻を作る人はこんなデッサンをしてるんだ! って、
制作の過程というか秘密(って言ったら大げさだけど)が
少しわかったような気が。
青木野枝のデッサンがカラフルで、ちょっと意外な気がしましたけど。
撮影可の作品もいくつかあったので
2階入口前にあった青木野枝の彫刻《雲谷2018-Ⅰ》
展示室の青木野枝のデッサンがちょっと写り込んでます。
長谷川さち《wood》2018年 ライムストーン、ガラス
長谷川さち《mirror》2017年 黒御影石
1階ロビーにあった高垣勝康の彫刻
左《incarnation(少女像)》 右《incarnation》
高垣勝康の彫刻のタイトルは5点とも《incarnation》
「incarnation」の意味は
「(超自然な存在が)人間の姿を取ること、肉体化。化身」
誰かの肖像ってことではなくて象徴的な姿?
高垣勝康のデッサン
存在する形を捉えようとするのでなく、
形のないものに形を与えようとしている?
撮影可だった三沢厚彦のコーナー。楽しい!
三沢厚彦《Cat 2014-02》
大きなクマ
デッサンも大きくて楽しい
二匹のクマが森の中にいる絵は、絵本のよう。
小熊ちゃん
棚田康司のコーナー
棚田康司《少女》2011年
紙に描いたドローイングと、樟に描いたドローイングもあるのが面白い
棚田康司《母的な像》2018年
棚田康司《h143の女性像》2018年
写真見てて気が付いたけど、釘が打ち込まれてる?
出品リスト見たら、スパンコールが使われている。
どういった意味が??
美術館を出て、
デッキに造形作品があったので行ってみると、
窓に描かれた絵は「ビュートレス」
窓から見える風景を、ガラスになぞって描いたもの。
カラフルな造形作品は、
「夏休みワークショップ 枝とひものまきまき造形」として、
小学生7名が持参した枝に毛糸を巻き付け、参加者同士でつなぎ合わせたものだそう。
美術館全景
藤井達吉現代美術館: http://www.city.hekinan.lg.jp/museum/
藤井達吉現代美術館、収蔵庫などの増設や施設改修工事のため、
2020年2月25日(火)より休館しています。リニューアルオープン時期は未定。
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周囲には立派な寺院が並んでます。
眼福の後の口福は、歴史を感じる古民家カフェ&ベーカリー
「わっぱ堂」へ(あれ?以前来たことあるのにブログ記事書いてない)
まだまだ暑かったので、白玉も入った宇治金時をいただきました。
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