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愛知県美術館「古代エジプト展」のコレクション展 [美術]

10月29日(木)愛知県美術館へ行き、
「古代エジプト展」を見ました。

続いてコレクション展の会場へ。
「古代エジプト展」だけで帰っちゃう人も結構いるみたいで、
(「古代エジプト展」のチケットで見られるのにモッタイナイ‥‥)
こっちはわりと空いてました。

2020年度第3期コレクション展

広い展示室5は
私は生まれなおしている──令和2年度新収蔵作品を中心に──

コロナ禍における文化芸術活動の緊急支援策の一つとして、愛知県は若手アーティストの現代美術作品を重点的に購入することとしました。その第一弾として購入した作品を中心にご紹介します。すでに美術館が所蔵する作品とフレッシュな作品との、新たな関係をお楽しみください
愛知県美術館ウェブサイトより
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/000307.html

コレクション展は写真撮影可

まずは巨大な造形が目に飛び込んできます。
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インパクトあるけど、なんだか雑‥‥って近づくと、
モニタに映されているのは、この造形を作っているところ。
なんと、ギャラリーの壁を壊して作ってます!!
壁に穴を開けて、外の風景が見えるようになったり、
ギャラリー外を通る人が驚いていたり! ハハハ!! 面白い!!
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山下拓也《TALIONの子(TALION GALLERYの壁を使って蘭陵王の彫刻を制作する。)》2014-15年制作 令和2年度新収蔵作品

山下拓也はあいちトリエンナーレ2013の長者町エリア他
https://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-09-29
展示していて知りました。

愛知県美術館「アイチアートクロニクル展」では、
マンガの美少女キャラを描いたような作品が出てました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-04-21


榎倉康二《干渉 (Story-No. 49)》1992年
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キャンバスの色のにじみ(アクリル絵具だそう)と
前に置かれた木材の、「干渉」‥‥ですか。
「もの派」の作家なんですね。
李禹煥の「関係項」なんて作品を思い浮かべました。
岐阜県美術館の庭に《壁》1971年、再制作1995年 って
木の間にコンクリートの壁を築いた彫刻があります。


水戸部七絵《I am a yellow》2019年 令和2年度新収蔵作品
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ものすごい油絵具の量と匂い。
これは「絵画」なのか「立体」なのか?
顔だと言われて見れば、巨大な顔に見えなくもない‥‥
2016年の愛知県美術館「ピカソ、天才の秘密」の時に、
展示室6で開催されていた
プロジェクト・アーチvol.18 「水戸部七絵」展 で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-01-19
この作品に勝る巨大な油絵具の作品《DEPTH》が展示されてて、
それも顔だってことでしたが。


こちらも令和2年度新収蔵作品
高山陽介《無題(犬と散歩してつまづく)》2019年
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‥‥この紐に繋がれているのは犬ってこと? なんか面白い。

高山陽介さんの作品は立体や版画もたくさん収蔵されたんですね。
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これなんか面白い! 《無題(頭部 #5)》
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台座の上の首のところに、缶コーヒーの空き缶が使われてます(^o^)

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《彫刻で熱中している自分 #26(分解の地表)》2019年
子どもが描いたような木版とタンポポの咲く地面の写真

展示室前の廊下(?)のケースにも高山陽介の作品がありました。
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ちょっとグロテスクでユーモラス。
台座の上の缶コーヒーの空き缶わかりますか?


横山奈美《Sexy Man and Sexy Woman》2018年 令和2年度新収蔵作品
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この間までの豊田市美術館のコレクション展
「光について/光をともして」のチラシに使われていたのが、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-04-30
横山奈美さんの《LOVE》2018年でした。
てっきりネオン管の造形作品かと思って見に行ったら、絵画で
驚いたんですが、愛知県美術館の作品も絵画。
男と女のセクシーなポーズのネオン管をその構造体まで描いて
います。平面デザインを立体にしたのがネオン管で、それをまた
平面の絵画にしているわけで、絵画って何? みたいな。


大沢鉦一郎《自画像》1919年 (左)と
宮脇晴《自画像》1920年 (右)
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現代のフレッシュな作品の間に100年前の作品。
でも当時は若手アーティストだったわけで、
宮脇晴《自画像》なんて18歳の作品なんですね!


山田七菜子《海みずから泳ぐ海》2012年 令和2年度新収蔵作品
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水が流れているような深いブルーの色がきれい。


エミコ・サワラギ=ギルバート《ニア・ベイ》Ⅰ~Ⅳ 2003年
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アメリカの地図の上に細かな文字がびっしりと書かれてます。
(鉛筆で描かれたドローイング)
「ニア・ベイ」はアメリカ合衆国本土の最西北端にある場所で、
先住民の保留地でもあるそう。


壁の凹んだ部分で、去年のあいちトリエンナーレ2019に出てた
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-09-14
互いにロープで縛られたミュージシャンが四苦八苦しながら
アメリカ合衆国の国歌を演奏する映像作品
加藤翼《Woodstock 2017》2017年 が映されていました。


これもあいちトリエンナーレで見た作品だ!
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手前が、青野文昭《なおす・代用・合体・侵入(震災後宮古で収集した衣料店床面/テーブル)2011》
あいちトリエンナーレ2013で、東日本大震災で被災したものを
用いて作った作品を展示されてましたね。

奥が、今村文《無題》2016年 令和2年度新収蔵作品
エンコースティック(蜜蝋)で描かれた細かな花々の絵。
2016年のあいちトリエンナーレの長者町会場で展示されてました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-09-19


やましたあつこ《二人だけの夜》2019年 令和2年度新収蔵作品 (左)
やましたあつこ《ままごと》2019年 令和2年度新収蔵作品 (右)
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密やかな甘いエロティシズム?


現代美術嫌いの友人が見たら、
現代美術はわからん、なんでこれがいいの?! って言うかな。
(まぁ私も、うーーん?? なんてカンジなんですけど)
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全て令和2年度新収蔵作品 左から
本山ゆかり《Ghost in the Cloth(芍薬)》2019年
本山ゆかり《画用紙(柔道_左)》2016年
本山ゆかり《画用紙(柔道_右)》2016年
《画用紙(柔道_左)》と《画用紙(柔道_右)》は逆かも?
撮った写真がボケてて、キャプションの確認ができませんでした。
子どもが画用紙にいたずら書きをしたような絵ですが、これ実は、
アクリルボードの裏からアクリルで描いているそう
つまり画用紙に見えるのも描いた絵なんだそうで。
二色の布を縫い合わせただけ(中央に刺繍らしきものがありますが)
のような作品もどんな意味が??


サイモン・フジワラ《驚くべき獣たち(貧しい男の背中)》2015年
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毛を刈った毛皮のコートがパネルに張られています。
高価な毛皮のコートがモッタイナイ‥‥ でも、
こんなにツギハギでできているんですね。
1着の毛皮のコートを作るのに、何匹の獣が必要なんでしょう?
縫い合わせた模様が抽象画のようでもあります。


小林椋《ローのためのパス(ゆ)》2018年 令和2年度新収蔵作品
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モニタがシーソーのようにゆっくり揺れています。
モニタに映し出されているのは、正面のカメラで撮影した映像。
カメラがモニタすれすれの高さなので、モニタにつけられた
山形の動きも映って面白い映像になります。
後ろの作品は、コレクション展の定位置(?)
モーリス・ルイス《デルタ・ミュー》1960-61年


小林椋《州ん(カワウソの頭の平さ)》2020年 令和2年度新収蔵作品
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こちらも動きます。斜め下に向かって上下する棒と、
台座で回転する部品。光るライト‥‥
うーんそれで?? みたいな感じもあるんだけどー
(それぞれの動きが関連していないような気がして)


廊下にあった作品
田島秀彦《playroom (09-06)/playroom (09-07)》2009年 令和2年度新収蔵作品
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タイルの壁のような作品だなー、キラキラ光ってきれい、とよく見たら、
キラキラ光ってるのは、戦車や戦闘機だったり‥‥
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銭湯の富士山みたいな絵や、イスラム文様みたいなのや、中国っぽいの、
西洋風の絵‥‥なんでもありの装飾が遊戯室ってこと?
あ、田島秀彦さん、2016年のあいちトリエンナーレで、
11F展望回廊をカラフルな空間にしたり、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-09-05

岡崎の石原邸での展示もされてたんですね。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-09-16
カラーフィルムの作品の印象が強かったけど、
タイルの作品も展示されてましたっけ!


廊下の突き当りの出窓には、
木村充伯《祖先は眠る(2匹の猿)》2015年 令和2年度新収蔵作品
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この猿たち、油絵具でできているので、油がしみ出てるんですよね。
それが、血が出ているようにも見え、死んでいるようにも見えるし、
やすらかに眠っているようにも見えます。
木村充伯は2013年のアーツ・チャレンジで知りました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-02-04


展示室6は、
クリンガーと「ブリュッケ」──令和元年度新収蔵版画を中心に──

昨年度受贈したクリンガーの作品の中からその一部を、クリムトの《人生は戦いなり(黄金の騎士)》とともに展示します。また、昨年度購入したブリュッケ展カタログを紹介するとともに、中心メンバーだったキルヒナーの足跡をたどります。

マックス・クリンガーの版画は、愛知県美術館や岐阜県美術館などで
わりと見てるんですが(『手袋』の連作版画が好き!)
油彩って初めて見るかも。小品だけど、女性の顔がなんとも印象的!
マックス・クリンガー《女性像》1890年頃
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幻想的で寓意にみちたクリンガーの版画
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うまく撮れてないので、愛知県美術館ウェブサイトの
コレクション検索に画像あったので借りてきました。
 愛知県美術館コレクション検索で公開しているデジタル画像のうち、「Public Domain」(パブリック・ドメイン)または「CC0」の表示があるものは、当館に申請することなくダウンロードし、自由に複製、再配布することができます。

マックス・クリンガー《海辺で(『間奏曲』より)》初版1881年
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マックス・クリンガー《愛、死、彼岸(『間奏曲』より)》
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クリムトの《黄金の騎士》さまも展示されて、

クリンガーの精緻で幻想的な版画もいいけど、
これらの木版画ならではの単純化されたフォルムがいいなって。
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『ブリュッケ展カタログ版画集』より
左から、作家名(作品名省略)
カール・シュミット?ロットルフ
マックス・ペヒシュタイン
エーリッヒ・ヘッケル
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー

右端のキルヒナー《裸体坐像 (ペヒシュタインに基づく) 『ブリュッケ展カタログ版画集』》コレクション検索公開画像にありました。
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「ブリュッケ」とは、ドイツ表現主義に属するドレスデンのグループ。1905年に結成。1913年にメンバーが対立し解散。(wikiより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B1

「ブリュッケ」の中心人物であった
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーの油彩画
《日の当たる庭》1935年
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展示室7は、
新収蔵記念 かたかげり──秋岡美帆とともに──

片陰りとは、日陰、特に夏の午後のそれを指します。自然の風景が見せる一瞬の表情を切り取った大型作品で知られる秋岡美帆。昨年度収蔵した4点の秋岡作品における光と陰の対比に目を向けるとともに、秋岡の表現と共鳴する作品を合わせて展示いたします。

秋岡美帆さん、初めて知りましたが、とても穏やかな
気持ちのいい作品ですね。インクジェットプリントってことは写真?
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これは秋岡美帆さんの作品ではなく、
松本陽子《光は荒野の中に拡散している》1993年
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アクリル絵具で描かれているそう。

同じ部屋にあったこれらの絵、
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左2点が辰野登恵子《Aug-86-9》と《Oct-85-5》
島田鮎子《木の葉舞うとき》2000年
仲田好江《樹下静物》1968年頃


展示室8は、
《黒漆厨子 千体観音図貼付》愛知県文化財指定記念
木村定三コレクションの仏教美術──工芸作品を主として──


千体の観音像を描いた絵画が内壁に貼り付けられている厨子(14世紀作)が、本年8月愛知県指定文化財となりました。これを記念し、密教法具をはじめとする仏教の工芸品や小型の彫刻などを特集展示します。

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平安時代の独鈷杵や中国・元時代のものなど、貴重な(と思われる)
仏教の法具などが展示されていました。が、まぁ、私には
知識もないので、ふーん、ってくらいに見たくらいですが。

愛知県美術館「古代エジプト展」で約2時間(ショップ含めて)
コレクション展で約1時間半過ごしました。
今回のコレクション展は若いアーティストのフレッシュな作品
楽しかったです。


小腹も空いたので、「古代エジプト展」の半券チケットサービスのある
オアシス21の「倉式珈琲店」で、ホットサンドとコーヒーを。
フード・デザート注文で本日の珈琲が300円(税別)になって、
971円(税込)でいただきました。
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愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
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