愛知県陶磁美術館「YAYOI モダンデザイン」展 [美術]
11月15日(日)、愛知県陶磁美術館へ行きました。
「YAYOI
モダンデザイン
―ニッポンの美、ここに始まる―」
という展覧会をやっていて、
愛知県美術館友の会の鑑賞会がありました。
チラシに付いている割引券で100円割引の一般800円で、
本館の常設展や南館、西館も見ることができました。
この展覧会、始まった頃はそんなに興味なかったんですよ。
考古学的なものは、あまり知識がないこともあって。
ちょっと興味が出たのは、目覚ましがわりに鳴らしている
NHKラジオ第一の「橋本真理の美術館で会いましょう」で
弥生時代を、“歴史”ではなく、“美”や“デザイン”の視点から捉える
かつてない展覧会だと解説されていたから。
そんな時に、愛知県美術館友の会から、
鑑賞会のお知らせが届いたんです。
知識がないだけに解説を聞けるのはありがたいので、
15日(日)特に用事もなかったので、申し込みました。
愛知県陶磁美術館は、愛知県陶磁資料館って名称だった
2012年10月に、リニモに乗って行ったことがあります。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-19
企画展「アール・デコ 光のエレガンス」展が目当てでしたが、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-22
南館の「やきもの何だーランド」が面白く、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-19-1
本館の世界各地のやきものの展示も充実してました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-23
その後、ダンナと猿投温泉に行った帰りに、ここの
茶室「陶翠庵」へ寄りました。
「清水六兵衞家―京の華やぎ―」展をやってた時で、
清水六兵衛家の茶碗でお茶をいただきました。
今回は車で行きました。リニモで行った時はずいぶん遠いように
感じたけど、車だと意外と便利。そうか、豊田市美術館に行くより近い。
(この秋に車を買い換えてETCとナビ付にしたので快適)
なので、鑑賞会の集合時間13:30よりずいぶん早い時間に着いてしまった。
山から黒い煙がもくもくと出てて、ちょっと驚いた。
この日、復元古窯での焼成が行われていました。(11月14日~16日)
(後で見学させてもらいました)
庭の紅葉がきれいです!
まだ集合時間まで2時間半近くあったので、庭を散歩したり、
南館や西館の展示を見たりしました。
そのことは次の記事で書くことにして‥‥
愛知県友の会の鑑賞会、参加者は9名
コロナのため、展示室での解説は密になるのでと、3階会議室で、
小川裕紀学芸員の解説をお聞きした後、各自で展覧会場へ。
丁寧な解説資料もいただきました。
日本の歴史で、縄文時代、弥生時代って、小学校や中学校でも習いましたが、
研究が進んだ現在、弥生時代の始まりはずいぶん早い時期になっているそう。
岡本太郎が絶賛した装飾過多ともいえる縄文時代の土器とは違い、
シンプルな弥生時代の土器。でもこの端正で、機能美ともいえる造形は、
モダンデザインにも通じる日本の伝統的な美の源流ではないかと。
展覧会の入口(撮影可)
この展覧会、企画・構成が愛知県埋蔵文化財センター、
開催・実施が愛知県陶磁美術館で、
愛知県が新たに設置する遺跡博物館
「あいち朝日遺跡ミユージアム」のオープンとと関連して開催するものだそう。
(11月22日会館、清須市)
展覧会の構成は、
第Ⅰ章 弥生デザインの精髄
弥生時代の土器や木器から、選りすぐった名品が紹介されています。
チラシのメインビジュアルになっている《水差し形土器》
取っ手と注ぎ口が液体を注ぐのにちょうど良い形をしていると。
第Ⅱ章 素材の転換・かたちの強調
弥生時代には、素材を換えて、同じ形のものが作られることがあるそう。
青銅器の剣の形を模倣して、木製で作った剣の形をしたものは、
儀式用に巨大に作られたりしたものもあるそう。
第Ⅲ章 弥生の色彩
弥生時代の色彩について、黒・赤・青(緑)・金の4種類を紹介。
弥生時代の衣装について、大陸の文献や出土遺物なとを参考に
復元を試みたとのこと。この復元衣装は写真撮影可でした。
弥生時代って、布に頭を出す部分を開けただけの簡単な衣服(貫頭衣)を
着ていたくらいじゃないの? って思ってたので、このカラフルで
オシャレな衣服はちょっと意外でした。これは王族の衣装との
設定で、3世紀には国産されていた絹も用いているとのこと。
女性は、山陰地方の女王にして巫女という設定。
ベンガラで染めた赤色の模様が素敵!
何度も染めることで濃淡をつけているのかな。
首飾りなどのアクセサリーもオシャレ。
男性は女王のところへ婿入りした近畿地方の王族出身の戦士という設定。
(女系家族なんだ!) ブルーのマントが素敵です。
息子の衣装 木製仮面がカッコイイ!
娘の衣装、胸の鹿の刺繍がカワイイ!
鹿は角が毎年生え変わることから、再生のシンボルとして
土器などにもよく描かれたとか。弥生人にとって最も身近な動物だったそう。
第Ⅳ章 弥生絵画と造形のデザイン
人物や鹿・鳥・魚などが描かれた土器・木製品や、
展示されてた80本ものオールを持つ船が描かれた土器、
たまたまチケットもらって行った
岐阜県博物館「弥生大集落」展 で見た、岐阜県の荒尾南遺跡のだ!
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-11-08
弥生時代の紋様として、
流水紋・綾杉紋・鋸歯紋・バチ形紋・弧帯紋などが紹介されています。
縦型流水紋の種類
展示室に置いてあった解説
こんな古い時代から複雑な紋様があったんだと驚いたけど、
実物を見ると、なんかジミで(^^;)私にはよくわからないのも多かった。
(古い出土品なんですものね)
第五章 首長から王へ 権威の象徴
弥生時代から古墳時代へ――
集落や地域をたばねるリーダー「首長」から、
富と権力を集中させて国を支配する「王」へと変化していく過程で、
権威の象徴としての道具が作られ、伝わっていったと。
漆塗りスタンプ紋脚付壺(重要文化財)
これがスゴイと、復元品も作られていて、熱心に語られていたんですが、
まぁ私にはどこがスゴイのかイマイチわからずに‥‥
「YAYOI モダンデザイン」展に続いて
「あいち考古楽市」の展示(写真撮影可)
弥生時代前期(BC6-4世紀)の《条痕文土器壺》
すっきりと機能的な形だけど、表面に施された櫛目のような痕が
オシャレだし、もしかして滑り止めみたいな効果もあった?
土偶たち カワイイ!
廊下に展示されていた赤と白のコントラストが美しいこれらの作品、
「弥生土器を作ろう」というワークショップで
いわゆる「パレススタイル土器」を作ってみたのだとか。
「パレススタイル土器」とは、
弥生時代後期の尾張地方を代表する赤い土器。ギリシャのクレタ島から出土した「宮廷(きゅうてい)式土器」にも匹敵する美しさからパレス・スタイルと呼ばれています。
土器の表面は白く、櫛描き(くしがき)や刺突(しとつ)による文様を描き、それ以外の部分が赤く塗られています。
愛知県陶磁美術館のイベント案内より:
https://www.pref.aichi.jp/touji/event/index01.html
瀬戸の白い粘土で土器を作り、紋様を描きます。その後、
鉄分を多く含んだ土の泥を塗ります。
乾燥後、焼成(800℃程度)すると、こんな、
赤と白のコントラストが美しい「パレススタイル土器」が完成するとのこと。
へー! シンプルでジミな印象だった弥生土器だけど、
こんな派手な土器も作られていたんだ! ってちょっと驚き!
ちゃんと展覧会でも「第Ⅰ章 弥生デザインの精髄」や
「第Ⅲ章 弥生の色彩」のところで、
パレススタイル土器もたくさん展示されていたのに、
あまり注目することなく通り過ぎてしまってました(^^;>
(こんな鮮やかな赤じゃなかったしー)
やっぱり、知識がないと、なんだか古くてよくわからないー
みたいな印象でスルーしちゃいます。
縄文土器の派手さに比べたら
(本館2階の常設展に展示されていた縄文土器)
シンプルな弥生時代の土器。だけど、この機能美ともいえる
弥生時代の美意識が伝統的な日本の美の源流なのかもしれませんね。
愛知県陶磁美術館: https://www.pref.aichi.jp/touji/
「YAYOI
モダンデザイン
―ニッポンの美、ここに始まる―」
という展覧会をやっていて、
愛知県美術館友の会の鑑賞会がありました。
チラシに付いている割引券で100円割引の一般800円で、
本館の常設展や南館、西館も見ることができました。
この展覧会、始まった頃はそんなに興味なかったんですよ。
考古学的なものは、あまり知識がないこともあって。
ちょっと興味が出たのは、目覚ましがわりに鳴らしている
NHKラジオ第一の「橋本真理の美術館で会いましょう」で
弥生時代を、“歴史”ではなく、“美”や“デザイン”の視点から捉える
かつてない展覧会だと解説されていたから。
そんな時に、愛知県美術館友の会から、
鑑賞会のお知らせが届いたんです。
知識がないだけに解説を聞けるのはありがたいので、
15日(日)特に用事もなかったので、申し込みました。
愛知県陶磁美術館は、愛知県陶磁資料館って名称だった
2012年10月に、リニモに乗って行ったことがあります。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-19
企画展「アール・デコ 光のエレガンス」展が目当てでしたが、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-22
南館の「やきもの何だーランド」が面白く、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-19-1
本館の世界各地のやきものの展示も充実してました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2012-10-23
その後、ダンナと猿投温泉に行った帰りに、ここの
茶室「陶翠庵」へ寄りました。
「清水六兵衞家―京の華やぎ―」展をやってた時で、
清水六兵衛家の茶碗でお茶をいただきました。
今回は車で行きました。リニモで行った時はずいぶん遠いように
感じたけど、車だと意外と便利。そうか、豊田市美術館に行くより近い。
(この秋に車を買い換えてETCとナビ付にしたので快適)
なので、鑑賞会の集合時間13:30よりずいぶん早い時間に着いてしまった。
山から黒い煙がもくもくと出てて、ちょっと驚いた。
この日、復元古窯での焼成が行われていました。(11月14日~16日)
(後で見学させてもらいました)
庭の紅葉がきれいです!
まだ集合時間まで2時間半近くあったので、庭を散歩したり、
南館や西館の展示を見たりしました。
そのことは次の記事で書くことにして‥‥
愛知県友の会の鑑賞会、参加者は9名
コロナのため、展示室での解説は密になるのでと、3階会議室で、
小川裕紀学芸員の解説をお聞きした後、各自で展覧会場へ。
丁寧な解説資料もいただきました。
昨日は愛知県陶磁美術館にて鑑賞会を開催。参加は9人。
— 愛知県美術館友の会(非公式) (@apmoafriends) November 16, 2020
小川裕紀学芸員さんから見どころなどをお話しいただいたあと、展示もじっくり鑑賞し、陶器だけでなく弥生時代の様々な用の美を楽しみました。 pic.twitter.com/G2LTnYm6fi
日本の歴史で、縄文時代、弥生時代って、小学校や中学校でも習いましたが、
研究が進んだ現在、弥生時代の始まりはずいぶん早い時期になっているそう。
岡本太郎が絶賛した装飾過多ともいえる縄文時代の土器とは違い、
シンプルな弥生時代の土器。でもこの端正で、機能美ともいえる造形は、
モダンデザインにも通じる日本の伝統的な美の源流ではないかと。
展覧会の入口(撮影可)
この展覧会、企画・構成が愛知県埋蔵文化財センター、
開催・実施が愛知県陶磁美術館で、
愛知県が新たに設置する遺跡博物館
「あいち朝日遺跡ミユージアム」のオープンとと関連して開催するものだそう。
(11月22日会館、清須市)
展覧会の構成は、
第Ⅰ章 弥生デザインの精髄
弥生時代の土器や木器から、選りすぐった名品が紹介されています。
チラシのメインビジュアルになっている《水差し形土器》
取っ手と注ぎ口が液体を注ぐのにちょうど良い形をしていると。
第Ⅱ章 素材の転換・かたちの強調
弥生時代には、素材を換えて、同じ形のものが作られることがあるそう。
青銅器の剣の形を模倣して、木製で作った剣の形をしたものは、
儀式用に巨大に作られたりしたものもあるそう。
第Ⅲ章 弥生の色彩
弥生時代の色彩について、黒・赤・青(緑)・金の4種類を紹介。
弥生時代の衣装について、大陸の文献や出土遺物なとを参考に
復元を試みたとのこと。この復元衣装は写真撮影可でした。
弥生時代って、布に頭を出す部分を開けただけの簡単な衣服(貫頭衣)を
着ていたくらいじゃないの? って思ってたので、このカラフルで
オシャレな衣服はちょっと意外でした。これは王族の衣装との
設定で、3世紀には国産されていた絹も用いているとのこと。
女性は、山陰地方の女王にして巫女という設定。
ベンガラで染めた赤色の模様が素敵!
何度も染めることで濃淡をつけているのかな。
首飾りなどのアクセサリーもオシャレ。
男性は女王のところへ婿入りした近畿地方の王族出身の戦士という設定。
(女系家族なんだ!) ブルーのマントが素敵です。
息子の衣装 木製仮面がカッコイイ!
娘の衣装、胸の鹿の刺繍がカワイイ!
鹿は角が毎年生え変わることから、再生のシンボルとして
土器などにもよく描かれたとか。弥生人にとって最も身近な動物だったそう。
第Ⅳ章 弥生絵画と造形のデザイン
人物や鹿・鳥・魚などが描かれた土器・木製品や、
展示されてた80本ものオールを持つ船が描かれた土器、
たまたまチケットもらって行った
岐阜県博物館「弥生大集落」展 で見た、岐阜県の荒尾南遺跡のだ!
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-11-08
弥生時代の紋様として、
流水紋・綾杉紋・鋸歯紋・バチ形紋・弧帯紋などが紹介されています。
縦型流水紋の種類
展示室に置いてあった解説
こんな古い時代から複雑な紋様があったんだと驚いたけど、
実物を見ると、なんかジミで(^^;)私にはよくわからないのも多かった。
(古い出土品なんですものね)
第五章 首長から王へ 権威の象徴
弥生時代から古墳時代へ――
集落や地域をたばねるリーダー「首長」から、
富と権力を集中させて国を支配する「王」へと変化していく過程で、
権威の象徴としての道具が作られ、伝わっていったと。
漆塗りスタンプ紋脚付壺(重要文化財)
これがスゴイと、復元品も作られていて、熱心に語られていたんですが、
まぁ私にはどこがスゴイのかイマイチわからずに‥‥
「YAYOI モダンデザイン」展に続いて
「あいち考古楽市」の展示(写真撮影可)
弥生時代前期(BC6-4世紀)の《条痕文土器壺》
すっきりと機能的な形だけど、表面に施された櫛目のような痕が
オシャレだし、もしかして滑り止めみたいな効果もあった?
土偶たち カワイイ!
廊下に展示されていた赤と白のコントラストが美しいこれらの作品、
「弥生土器を作ろう」というワークショップで
いわゆる「パレススタイル土器」を作ってみたのだとか。
「パレススタイル土器」とは、
弥生時代後期の尾張地方を代表する赤い土器。ギリシャのクレタ島から出土した「宮廷(きゅうてい)式土器」にも匹敵する美しさからパレス・スタイルと呼ばれています。
土器の表面は白く、櫛描き(くしがき)や刺突(しとつ)による文様を描き、それ以外の部分が赤く塗られています。
愛知県陶磁美術館のイベント案内より:
https://www.pref.aichi.jp/touji/event/index01.html
瀬戸の白い粘土で土器を作り、紋様を描きます。その後、
鉄分を多く含んだ土の泥を塗ります。
乾燥後、焼成(800℃程度)すると、こんな、
赤と白のコントラストが美しい「パレススタイル土器」が完成するとのこと。
へー! シンプルでジミな印象だった弥生土器だけど、
こんな派手な土器も作られていたんだ! ってちょっと驚き!
ちゃんと展覧会でも「第Ⅰ章 弥生デザインの精髄」や
「第Ⅲ章 弥生の色彩」のところで、
パレススタイル土器もたくさん展示されていたのに、
あまり注目することなく通り過ぎてしまってました(^^;>
(こんな鮮やかな赤じゃなかったしー)
やっぱり、知識がないと、なんだか古くてよくわからないー
みたいな印象でスルーしちゃいます。
縄文土器の派手さに比べたら
(本館2階の常設展に展示されていた縄文土器)
シンプルな弥生時代の土器。だけど、この機能美ともいえる
弥生時代の美意識が伝統的な日本の美の源流なのかもしれませんね。
愛知県陶磁美術館: https://www.pref.aichi.jp/touji/
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