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岐阜県美術館「ロートレックとその時代」展

2月13日(土) 岐阜県美術館へ行きました。
「ロートレックとその時代」展をやっています。
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岐阜新聞創刊140年記念って、岐阜新聞社が主催者の一つなので、
A4サイズの展覧会チラシではなく、
新聞紙サイズの配布物になってます。
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ロートレックのポスターの雰囲気には合ってるし、
情報量は多いけど、私には大きすぎて読みにくいし、
何よりブログに載せにくい(そこ?)
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この展覧会、三菱一号館美術館との共同開催で、
三菱一号館美術館では
2020年10月24日(土)~2021年1月17日(日)に
「1894 Visions ルドン、ロートレック展」
というタイトルで開催された展覧会。

去年の11月22日の日曜美術アートシーンで紹介されていました。

三菱一号館が東京・丸の内最初のオフィスビルとして建設された
1894(明治27)年を軸に、
岐阜県美術館が誇る世界有数のルドン・コレクションと、
三菱一号館美術館が所蔵する
ロートレックの死後に、画家の家族から作品の管理を委ねられた
モーリス・ジョワイヤンの旧蔵品を中心としたロートレックの作品、
そして当時のパリや日本の画家の作品が展示されています。
全て、岐阜県美術館か三菱一号館美術館の所蔵作品(寄託含む)

私は岐阜県美術館の後援会員になってて、
年会費3,000円で全ての企画展が一回ずつ無料で見られるので、
(そして岐阜県現代陶芸美術館の企画展も1回ずつ無料! おトクです!!)
そろそろ行こうかなって思ってたら、ツイッターでこんな楽しい
写真が回ってきました。



あら、ちょうど13日(土)はパート休みだわって。
岐阜県美術館に着いたのは、13時をちょっと回ったくらいでした

入口前でもらったチラシ
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多目的ホールへ行くと

ロートレックが描いたムーラン・ルージュの世界が
等身大パネルで作られています。
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岐阜県美術館のアートコミュニケーター「~ながラー」が、
登場人物たちの会話劇をしてくれました。
(ただ残念ながら、ちょっと聞き取りづらかった)
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パネルと同じドレスですね!
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彼女の絵(リトグラフ)は展覧会で見ることができました。
《ジャヌ・アヴリル》1899年
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それぞれの等身大パネルの足元には、描かれた人物からの
メッセージが書かれています。
右の紳士は、ガブリエル・タピエ・ド・セレイラン
ロートレックの従弟で、医師だと。
彼を描いた油彩画(この展覧会では展示されていません)を
モチーフにパネルを作っているそう。

ロートレックの絵(リトグラフポスター)で見たことがある彼女、
こちらもジャヌを描いているんですね。
《ジャヌ・アヴリル(ジャルダン・ド・パリ)》1893年
このポスターは展覧会に出てます。
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こちらもロートレックのポスターで見覚えのあるマダム
《ディヴァン・ジャポネ》1893年 から。展覧会で見られます。
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ロートレックの等身大パネル
ロートレック本人の写真をモチーフに作られました。
彼は脚の発育が停止し、胴体の発育は正常だったが、
脚の大きさだけは子供のままの状態だったそうですね。
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足元に書かれたメッセージ
皆さんこんにちは。私がロートレックです。
 正式にはアンリ=マリ=レイモンド・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファ。
 実は料理も好きなんだ。親友のモーリスと共によく厨房にも立ったものさ。
 美食家グループでの愛称は『モモ』なんだよ。きみは料理は得意かい?!
 それとも食べるだけがいいかな?



展覧会場へ入ると、
岐阜県美術館の ギュスターヴ・モロー《ピエタ》1854年
カミーユ・ピサロ《牛の番をする農婦、モンフコー》1875年
エミール・ベルナール《ポンタヴェンの市場》1888年
など、見慣れた作品に交じって、

三菱一号館美術館寄託
セザンヌの《リンゴとテーブルクロス》1879-80年頃
この作品良かった! そんなに大きくない絵なんだけど、
やっぱりセザンヌいいなぁ!!って、
ちょっとテンションあがっちゃいました。

そして「ルドンの黒」
ルドンは岐阜県美術館でよく見られるので、私、
あまり有難みがなくなっちゃってたんですが、
(このあたりのルドンは全て岐阜県美術館所蔵のもの)
今回、展示がいいのか(壁の色? 照明??)
木炭で描かれたルドンの黒い絵、とてもしっとりとしていいなって、
見直しちゃいました。


そして三菱一号館美術館所蔵のロートレックのコーナーは、
展示室の中に柱を作って、そこにも作品が展示されていたりして、
ちょっとパリの雑踏(?私は見たことないのでわからないけど)っぽい
雰囲気がとてもロートレックのポスターに合ってて良かった。

有名な《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》1891年 の
ポスターがこんなに大きかったとは!!
これはインパクトありますね。

《アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレーにて》1893年
描かれているのは、木の棒でリズムを取りながら俗語混じりの
シャンソンを歌い、上流社会の人々を罵倒しながら
悪態をつく挑発的な芸風が人気だったという民衆歌手。
不敵な顔が単純化されたフォルムの中に見事に表現されてます。

東京ステーションギャラリー「メスキータ」展 で
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-08-13
版画の「ステート」という言葉を知ったんですが、
この展覧会でも、ステートが違うリトグラフが
並んでいたりして興味深かった。ロートレックが
カラー・リトグラフという新しい技法の刷りを
色々試していたことがわかります。
吹付技法による色の重なりとかいいなと。

「レスタンプ・オリジナル」という版画集が
1893年から1895年にかけて配布されて、ロートレックはじめ
ピサロやゴーギャンなど、多くの芸術家が作品を寄せてますが、

ロートレック《『レスタンプ・オリジナル』第1年次のための表紙》
女性の描写がいかにもロートレックってカンジで良かったし、
カミーユ・マルタン《『レスタンプ・オリジナル』第2年次の表紙》
植物を描いた日本の装飾的な版画みたいで親しみやすかった。
そして、
フェリックス・ヴァロットン《『レスタンプ・オリジナル』入浴》
木版の黒と白の単純化されたシャープなフォルムが良かった。

この展覧会、ロートレックも良かったけど、
ヴァロットンの作品が結構出てて、
(木版だけでなく、ジンコグラフ(亜鉛版リトグラフ)という技法の
作品もありました)
私すっかりヴァロットンのファンになりました。

この展覧会にはフランスの画家だけでなく、パリで学んだ
日本人画家の作品も展示されています。

最初の方で、岐阜県美術館を代表する作品の一つで
重要文化財にも指定されている
山本芳翠《裸婦》1880年 や、

三菱一号館美術館寄託の
黒田清輝《摘草》1891年 も、パリ時代の絵ですね。


展覧会の後半では、
こちらも岐阜県美術館を代表する作品
山本芳翠《浦島》1893-95年頃 や、

明治美術界通常会員画帖『小宴紀念』1895年 が
29枚揃って展示されていて、へーこんな人も描いていたのねと。
(私が知らない画家も多かったですが)
日清戦争が1894-1895年なんですね、そのせいか、
中国の風景や風俗を描いた水彩画なども多くて興味深かったです。

浅井忠、青木繁、木村荘八、坂本繁二郎、藤島武二らの作品も出てました。

そして、色彩のルドン!
油彩の《神秘的な対話》1896年頃 や《アポロンの戦車》1906-07年頃
パステルの《青い花瓶の花々》1904年頃、
《黒い花瓶のアネモネ》1905年頃 など。

まぁ、このあたり岐阜県美術館でよく見てるので、
あまり有難みがないというか‥‥いい絵なんですけどね。

三菱一号館美術館さん、ルドンの《グラン・ブーケ》
貸してくださいよー

愛知県美術館「黄金伝説展」で見た
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-04-05
ルノワール《パリスの審判》1908年
三菱一号館美術館寄託だったんですね。また見られて嬉しい。

今まで、版画の作品が多いため、ちょっとジミな印象だった
ロートレックを見直した展覧会でした。
ルドンやヴァロットン、日本人画家の作品などもいろいろあって
よかったです。

図録はちょっと迷った‥‥ロートレックだけの本を買った方がいいのかって
‥‥けど、後援会員は2,420円(税込)のところ2,200円で買えるってことで、
買っちゃいました。
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岐阜県美術館、レストランがなくなって、代わり(?)に、
多目的ホールにカフェコーナーができてます。
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200円のコーヒーで一息。
マスクの唇シールは、来た時のイベントでもらったもの(^▽^)
ヒゲのシールもあって迷ったけど、こちらをもらいました。
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アートコミュニケーター「~ながラー」の活動いいですね。
活動について詳しくは岐阜県美術館のこちらのページを:
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/ac/


岐阜県美術館: https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/

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