岐阜県美術館「おうちに居ながラー美術館」他 [美術]
2月13日(土)岐阜県美術館で
「ロートレックとその時代」展を見たことは前記事に
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-02-21
所蔵品展のことも書いておこうと思います。
展示室1 へ入って最初が
「ぎふの日本画 いのちのリレー ~土屋禮一を中心に~」
土屋禮一(禮はネ辺に豊と記す)氏が、令和の大嘗祭(だいじょうさい)で
《主基地方風俗歌屏風》を描かれたってことを知りました。
ネットで調べたら、
大嘗祭(だいじょうさい)を終えた天皇、皇后両陛下が、酒食を参列者とともにする「大饗(だいきょう)の儀」 で、 会場前方の両脇には悠紀(ゆき)地方(栃木県)、主基(すき)地方(京都府)の四季をテーマに制作した風俗歌屏風(ふぞくうたびょうぶ)が置かれた。同様の屏風は過去の大嘗祭でも作られている。
東京新聞ウェブサイトより: https://www.tokyo-np.co.jp/article/18795
悠紀地方が東日本、主基地方は西日本から選ばれるそうで、
明治の大嘗祭は、悠紀地方が甲府市・主基地方が千葉県鴨川市
大正は、悠紀地方が愛知県岡崎市・主基地方が香川県綾川町
昭和は、悠紀地方が滋賀県野洲市・主基地方が福岡市
平成は、悠紀地方が秋田県五城目町・主基地方が大分県玖珠町
令和は、悠紀地方が栃木県高根沢町・主基地方が京都府南丹市
(西日本と東日本?? って思うのもあるんですけどー)
屏風を描いたのは、
明治が、樋口守保と狩野芳信(悠紀・主基の別は不明)
大正は、悠紀地方が野口小蘋・主基地方が竹内栖鳳
昭和は、悠紀地方が川合玉堂・主基地方が山元春挙
大正は、悠紀地方が東山魁夷・主基地方が高山辰雄
大正は、悠紀地方が田渕俊夫・主基地方が土屋禮一
と、錚々たる画家が描いています。
野口小蘋(のぐち しょうひん) 私知らなかったですが、
女性なんですね。大正の大嘗祭で竹内栖鳳と対になる屏風を描いてて、
この時代としてすごいなと。
所蔵品展でよく見る《道》1979年 や、《雲》1995年、
そして風格ある桜(淡墨桜?)の幹と桜花を描いた《桜樹》2008年
など、土屋禮一の作品が11点、
土屋禮一の父・土屋輝雄の素描と、《朝》1957年
岐阜県美術館「樹をめぐる物語」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-10-03
を見に行った時、所蔵品展で「土屋輝雄・禮一展」をやってて、
土屋輝雄のスケッチ、すごい!!って驚いたんですね。
その時に『土屋輝雄作品集』も買ってしまいました。
「養老町出身の土屋輝雄は幼い時のけがによって20年にも及ぶ闘病生活を強いられますが、身近な昆虫や小鳥、草花を日々写生することで画家になる夢を紡ぎ、痛みや寂しさに耐えました。精緻なデッサンは膨大な量に及びます。」
(その時の出品リストより)
《朝》は、そんな土屋輝雄が
松葉杖で立てるようになった後、得意とした花鳥から新境地を求めた晩年の作品であり、自然の命を情緒豊かに表現している。
特別パンフレット(pdfファイル)より
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/images/gifuno_nihonga_-pamphlet.pdf
そして、
加藤栄三《空》1958年
加藤東一《ある行進》1974年
津屋川のヒガンバナを描いた
長谷川喜久《白映に赤》2018年 が鮮烈で良かった!
津屋川は岐阜県海津市南濃町にあるヒガンバナの名所
私は友人と一度見に行ったことがあります。
ヒガンバナと養老天命反転地
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2006-09-27
「日本画の逆襲」展 で見たこの作品、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-08-17
岐阜県美術館の所蔵になったんですね。
林 真《業》2013年
特別パンフレット(pdfファイル)
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/images/gifuno_nihonga_-pamphlet.pdf
次の展示室は、宮島達男の作品《INTERSECT》1990年
暗い部屋の中に宮島達男のデジタルカウンターが格子のように
置かれていて、赤い数字の列がほとんどだけど、緑の数字列も
ありました。なんと! 靴を脱いで、作品の中を歩いていいって
ことだったので、せっかくの機会、数字が点滅する中、
歩かせていただきました。
宮島達男のデジタルカウンターは、ランダムではなく、
それぞれが1から9まで、順番に表示されてるんですね。
それぞれの切り替わる速度が違うだけで。
そして0は表示されません。
宮島達男による三つのコンセプトが
〈それは変化し続ける〉
〈それは、あらゆるものと関係を結ぶ〉
〈それは永遠に続く〉
展示室2bには、シルクスクリーンによる数字の作品も展示されていました。
「篠田桃紅と抽象の世界」
篠田桃紅は1913年3月生まれなので、今年108歳!
岐阜県美術館の所蔵品展でもよく展示されているけど、
関市役所の7階に「篠田桃紅美術空間」や、
鍋屋バイテック会社 関工園内にある「岐阜現代美術館」が
篠田桃紅の作品を多く所蔵していて展示もされているので、
結構親しんでいます。墨による抽象、素敵です。
今、岐阜現代美術館でやってる展覧会
岐阜現代美術館、観覧は無料ですが、
鍋屋バイテック会社内にあるので、第2・4土曜日や日祝休み、
平日も休館日が結構あるので、確認して行ってくださいね。
岐阜現代美術館: http://www.gi-co-ma.or.jp
2013年、篠田桃紅の100歳に発行された
「篠田桃紅 百の譜」
所蔵品展の最後に、日比野克彦《SHOE》1983年 が展示されてましたが、
この作品「おうちに居ながラー美術館」で、
拡張現実(AR)で楽しむことができるんです。
我が家の玄関に出現した作品
岐阜県美術館の後援会員宛にチラシが入ってきてたので、
私のiPhoneに「STYLY」アプリをインストールしてやってみました。
日比野克彦《SWEATY JACKET》1982年
いろんな場所に出現させて楽しむことができます。
普段は見ることができない作品の裏側まで見られるんですよ!
《PRESENT AIRPLANE》1982年
我が家に飾るには大きすぎるので、外で飾ってみました(^^)
1982年にパルコで開催された「第3回日本グラフィック展」で
大賞を受賞した作品
私、当時、名鉄岐阜駅前にあった岐阜パルコまで見に行きました。
「STYLY」アプリをインストール(無料)すれば、誰でも
おうちに作品を飾れるので、どうぞ試してみてください。
詳しいやり方と、作品データはこちらで:
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/exhibition/artmaruketto/artmaruket_ouchi/
県民ギャラリーでは、
大垣女子短期大学デザイン美術学科の
第49回卒業記念展が開催されていました。
そして、この日(2月13日)から、アトリエ棟で
「アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.9 三宅砂織」
滞在制作が始まっていました。
「カメラを使わない写真技術といわれるフォトグラムや映像による作品を手掛ける。近年の作品では、他者の残した写真や印刷物をもとに、そのイメージをメディアを変換しながら再表出することで、それらの歴史的背景と個人の視線の交差を映し出すとともに、観る者の経験や記憶と結びついた多様な読みを促す。」
チラシ裏面の作家紹介より
‥‥うーん、まだどんな作品ができあがるのか、よくわかりません。
引き伸ばし機が部屋に置かれていたのが印象に残ってます。
3月28日(日)までの制作なので、また見に行けたらと思います。
岐阜県美術館: https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/
--追記--
この記事をアップした2021年3月1日、
篠田桃紅さん亡くなられていたんですね。
中日新聞3月4日(木)の記事
「ロートレックとその時代」展を見たことは前記事に
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-02-21
所蔵品展のことも書いておこうと思います。
展示室1 へ入って最初が
「ぎふの日本画 いのちのリレー ~土屋禮一を中心に~」
土屋禮一(禮はネ辺に豊と記す)氏が、令和の大嘗祭(だいじょうさい)で
《主基地方風俗歌屏風》を描かれたってことを知りました。
ネットで調べたら、
大嘗祭(だいじょうさい)を終えた天皇、皇后両陛下が、酒食を参列者とともにする「大饗(だいきょう)の儀」 で、 会場前方の両脇には悠紀(ゆき)地方(栃木県)、主基(すき)地方(京都府)の四季をテーマに制作した風俗歌屏風(ふぞくうたびょうぶ)が置かれた。同様の屏風は過去の大嘗祭でも作られている。
東京新聞ウェブサイトより: https://www.tokyo-np.co.jp/article/18795
悠紀地方が東日本、主基地方は西日本から選ばれるそうで、
明治の大嘗祭は、悠紀地方が甲府市・主基地方が千葉県鴨川市
大正は、悠紀地方が愛知県岡崎市・主基地方が香川県綾川町
昭和は、悠紀地方が滋賀県野洲市・主基地方が福岡市
平成は、悠紀地方が秋田県五城目町・主基地方が大分県玖珠町
令和は、悠紀地方が栃木県高根沢町・主基地方が京都府南丹市
(西日本と東日本?? って思うのもあるんですけどー)
屏風を描いたのは、
明治が、樋口守保と狩野芳信(悠紀・主基の別は不明)
大正は、悠紀地方が野口小蘋・主基地方が竹内栖鳳
昭和は、悠紀地方が川合玉堂・主基地方が山元春挙
大正は、悠紀地方が東山魁夷・主基地方が高山辰雄
大正は、悠紀地方が田渕俊夫・主基地方が土屋禮一
と、錚々たる画家が描いています。
野口小蘋(のぐち しょうひん) 私知らなかったですが、
女性なんですね。大正の大嘗祭で竹内栖鳳と対になる屏風を描いてて、
この時代としてすごいなと。
所蔵品展でよく見る《道》1979年 や、《雲》1995年、
そして風格ある桜(淡墨桜?)の幹と桜花を描いた《桜樹》2008年
など、土屋禮一の作品が11点、
土屋禮一の父・土屋輝雄の素描と、《朝》1957年
岐阜県美術館「樹をめぐる物語」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-10-03
を見に行った時、所蔵品展で「土屋輝雄・禮一展」をやってて、
土屋輝雄のスケッチ、すごい!!って驚いたんですね。
その時に『土屋輝雄作品集』も買ってしまいました。
「養老町出身の土屋輝雄は幼い時のけがによって20年にも及ぶ闘病生活を強いられますが、身近な昆虫や小鳥、草花を日々写生することで画家になる夢を紡ぎ、痛みや寂しさに耐えました。精緻なデッサンは膨大な量に及びます。」
(その時の出品リストより)
《朝》は、そんな土屋輝雄が
松葉杖で立てるようになった後、得意とした花鳥から新境地を求めた晩年の作品であり、自然の命を情緒豊かに表現している。
特別パンフレット(pdfファイル)より
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/images/gifuno_nihonga_-pamphlet.pdf
そして、
加藤栄三《空》1958年
加藤東一《ある行進》1974年
津屋川のヒガンバナを描いた
長谷川喜久《白映に赤》2018年 が鮮烈で良かった!
津屋川は岐阜県海津市南濃町にあるヒガンバナの名所
私は友人と一度見に行ったことがあります。
ヒガンバナと養老天命反転地
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2006-09-27
「日本画の逆襲」展 で見たこの作品、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2017-08-17
岐阜県美術館の所蔵になったんですね。
林 真《業》2013年
特別パンフレット(pdfファイル)
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/images/gifuno_nihonga_-pamphlet.pdf
次の展示室は、宮島達男の作品《INTERSECT》1990年
暗い部屋の中に宮島達男のデジタルカウンターが格子のように
置かれていて、赤い数字の列がほとんどだけど、緑の数字列も
ありました。なんと! 靴を脱いで、作品の中を歩いていいって
ことだったので、せっかくの機会、数字が点滅する中、
歩かせていただきました。
宮島達男のデジタルカウンターは、ランダムではなく、
それぞれが1から9まで、順番に表示されてるんですね。
それぞれの切り替わる速度が違うだけで。
そして0は表示されません。
宮島達男による三つのコンセプトが
〈それは変化し続ける〉
〈それは、あらゆるものと関係を結ぶ〉
〈それは永遠に続く〉
展示室2bには、シルクスクリーンによる数字の作品も展示されていました。
「篠田桃紅と抽象の世界」
篠田桃紅は1913年3月生まれなので、今年108歳!
岐阜県美術館の所蔵品展でもよく展示されているけど、
関市役所の7階に「篠田桃紅美術空間」や、
鍋屋バイテック会社 関工園内にある「岐阜現代美術館」が
篠田桃紅の作品を多く所蔵していて展示もされているので、
結構親しんでいます。墨による抽象、素敵です。
今、岐阜現代美術館でやってる展覧会
岐阜現代美術館、観覧は無料ですが、
鍋屋バイテック会社内にあるので、第2・4土曜日や日祝休み、
平日も休館日が結構あるので、確認して行ってくださいね。
岐阜現代美術館: http://www.gi-co-ma.or.jp
2013年、篠田桃紅の100歳に発行された
「篠田桃紅 百の譜」
所蔵品展の最後に、日比野克彦《SHOE》1983年 が展示されてましたが、
この作品「おうちに居ながラー美術館」で、
拡張現実(AR)で楽しむことができるんです。
我が家の玄関に出現した作品
岐阜県美術館の後援会員宛にチラシが入ってきてたので、
私のiPhoneに「STYLY」アプリをインストールしてやってみました。
日比野克彦《SWEATY JACKET》1982年
いろんな場所に出現させて楽しむことができます。
普段は見ることができない作品の裏側まで見られるんですよ!
《PRESENT AIRPLANE》1982年
我が家に飾るには大きすぎるので、外で飾ってみました(^^)
1982年にパルコで開催された「第3回日本グラフィック展」で
大賞を受賞した作品
私、当時、名鉄岐阜駅前にあった岐阜パルコまで見に行きました。
「STYLY」アプリをインストール(無料)すれば、誰でも
おうちに作品を飾れるので、どうぞ試してみてください。
詳しいやり方と、作品データはこちらで:
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/exhibition/artmaruketto/artmaruket_ouchi/
県民ギャラリーでは、
大垣女子短期大学デザイン美術学科の
第49回卒業記念展が開催されていました。
そして、この日(2月13日)から、アトリエ棟で
「アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.9 三宅砂織」
滞在制作が始まっていました。
「カメラを使わない写真技術といわれるフォトグラムや映像による作品を手掛ける。近年の作品では、他者の残した写真や印刷物をもとに、そのイメージをメディアを変換しながら再表出することで、それらの歴史的背景と個人の視線の交差を映し出すとともに、観る者の経験や記憶と結びついた多様な読みを促す。」
チラシ裏面の作家紹介より
‥‥うーん、まだどんな作品ができあがるのか、よくわかりません。
引き伸ばし機が部屋に置かれていたのが印象に残ってます。
3月28日(日)までの制作なので、また見に行けたらと思います。
岐阜県美術館: https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/
--追記--
この記事をアップした2021年3月1日、
篠田桃紅さん亡くなられていたんですね。
中日新聞3月4日(木)の記事
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