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名古屋市美術館「風景画のはじまり コローから印象派へ」 [美術]

6月3日(木)、名古屋市美術館へ行きました。
「ランス美術館コレクション
 風景画のはじまり
 コローから印象派へ」展をやっています。
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愛知県は緊急事態宣言が出されていますが、
愛知県内の美術館は休館になっていなくて(私としては)嬉しいです。
(小牧市のメナード美術館など、休館している館もありますが)
この週末までの展覧会なので、不急の外出ではありません(^^;>

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この展覧会、土日祝は前日までにローソンチケットで購入する
日時指定券が1,500円、
当日購入(予約に空きがあった場合のみ)は1,600円、
平日限定券は1,400円なので、おケチな私としては
行くなら平日に‥‥ってことで、なんとなく行きそびれていたんです。

まぁ、あきらめてもいいかなって思ってたし、
実際、私にはこの展覧会ジミだったかなぁ‥‥

名古屋市美術館 展示室は意外と鑑賞者いました。
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展示室入口の撮影可パネル
左が、クロード・モネ《ベリールの岩礁》1886年
右がチラシ等のメインビジュアルにもなっている
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー《イタリアのダンス》1865-70年
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第一章 コローと19世紀風景画の先駆者たち

最初はコローの師であるアシル=エトナ・ミシャロン(1796-1822)
《水車小屋のある風景》1814-16年

次に、ジャン=ヴィクトール・ベルタン(1767-1842)
《風景》1820年
穏やかな風景の中に描かれた人物は古代の服装をしています。

もらった鑑賞ガイドに解説がありますが、
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約200年前のフランスでは、昔の物語を描く絵画(歴史画)のほうが、 自然を描く絵画(風景画)よりも価値があるとされていました。 しかし社会の変化とともにより多くの人々が絵を楽しむようになると、 風景画の人気が次第に高鳴っていきます。そこで画家もそれに応えて、 「歴史画」であっても「風景」を主役とした作品を描くようになったのです。 このように歴史画と風景画を一緒にした絵画のことを「歴史的風景画」と呼びます。
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そして、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875) の絵が
16点並びます。

コロー‥‥日本で人気があるのかな?
この、なんとなくもやっとした風景画、
見てると心が落ち着いて、いいなとは思えてくるけど、
なんか私には古臭いって見えちゃうんですけどー。


第二章 バルビゾン派

続いてバルビゾン派
テオドール・ルソー(1812-1867)
シャルル=フランソワ・ドービニー(1817-1878)
ジュール・デュプレ(1811-1889)
ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ(1807-1876)
コンスタン・トロワイヨン(1810-1865)
らの絵が並びます。

以前、ヤマザキマザック美術館「フランスの美しい風景」展 で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-05-29

バルビゾン派の絵を見て、古色蒼然としてるって書いてたなー(^^;
羊を描いたシャルル=エミール・ジャックの絵がよかったとも
書いてるけど、今回、(シャルル・ジャックって表記されてる)
羊のいる風景を描いた絵が2点並んでます。

この展覧会では私、3点出てた
アンリ=ジョゼフ・アルピニー(1819-1916) が気に入りました。
コローより明るくクリアなカンジの風景画。

「平和な田舎を描くミケランジェロ」って評されたとか。


第三章 画家=版画家の誕生

コローやドービニーらの版画が並んでいます。

この時代の画家は積極的に版画(主にエッチング)を制作したと。
また、画商や出版社が販売促進のために版画集を刊行したりしたそう。
ゴッホがミレーを模写したのも、こうして普及した版画からでした。

チューブ入り油絵具のセットが展示されていて、
今のもの‥‥っても、私が中学生の頃に買ってもらったもの(そうか、
もう50年前くらいになるか!)と、ほとんど同じだって見ましたが、
この時代にチューブ入り絵具が発明されたことで、
絵を屋外で制作することができるようになったんですね。
(しかし、コローは屋外でスケッチをして、それらをもとに
アトリエで完成作を仕上げていたそう)


第四章 ウジェーヌ・ブーダン

ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898) の作品が7点

カミーユ・コローから“空の王者”と称されたブーダン。
空が絵の大きな面積を占め、海はドラマチックだし、
水辺の風景は映り込みが素敵です。

モネを戸外制作へと導いたのもブーダンなんだそう。


第五章 印象主義の展開

そして、日本で人気の(?)印象派‥‥だけど、
うーん、なんか、ここに並んでいた絵は、あまり私好みではなかったなぁ。

ルノワールの風景画が2点展示されてましたが、
うーん、私は当時酷評した批評家に同意しちゃう。

スタニスラス・レピーヌ(1835-1892) の絵が2点あって、
彼は第1回印象派展に出品して、批評家たちから
わりと好意的に見られたそうだけど、私もいいなって見ました。
光あふれる風景画だけど、他の印象派のようにタッチは荒くない。
レピーヌはその後の印象派展には出品しなかったそうですね。

モネの《ベリールの岩礁》1886年
入口の記念撮影パネルにもなってるけど、私にはこの絵、
それほどいいとは思えなかった。

隣(だったか?)のアンリ・モレの絵、最初キャプションをよく見てなくて、
モネかと思って、モネにしては‥‥ってもう一度見たら、
アンリ・モレ(1856-1913) Wikiによると

「ポン=タヴァン派」の画家の一人で、ブルターニュの海岸の風景を鮮やかな色使いで描いた とのこと。


もらった鑑賞ガイド
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‥‥スミマセン、この展覧会、私にはちょっとジミすぎて。
図録も買ってないので、かえって感想を書くのに苦労しちゃいました。
こんな記事では失礼かなと思いつつ‥‥。

知らない画家が多くて、それぞれの画家の違いもよくわからなかったですが、
印象派ってのが、突然変異的に出てきたのではなくて、
コローやバルビゾン派、ブーダンといった風景画の歴史があって、
そこから発展して生まれてきたんだなと感じることができました。

名古屋市美術館: http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
展覧会特設サイト: https://tv-aichi.co.jp/reims2021/

この展覧会、
北九州市立美術館で、2020年7月25日(土)~9月6日(日)
島根県立美術館で、2020年9月12日(土)~11月3日(火)
福井県立美術館で、2021年2月27日(土)~3月21日(日)
と巡回してきて、ここ
名古屋市美術館で、2021年4月10日(土)~6月6日(日)
の後、
SOMPO美術館で、2021年6月25日(金)~9月12日(日)
静岡市美術館で、2021年11月20日(土)~2022年1月23日(日) の予定だそう。


--中日新聞2021年5月7日(金)夕刊の記事--
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