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嵯峨嵐山文華館「絵でみる百人一首と枕草子」 [美術]

2月27日(日)、京都・嵐山の福田美術館へ行き、
「トラ時々ネコ 干支セトラ」展を見たことは前記事
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-03-07

福田美術館のチケットを買うとき、嵯峨嵐山文華館との
二館共通券もありますがって案内されて、
時間ありそうだったので購入しました。

その時まで、嵯峨嵐山文華館の名前も聞いたことがなかったんですが
「絵でみる百人一首と枕草子」って展覧会をやっています。
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福田美術館を出て、桂川沿いの道を上流方向へ。
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貸しボートがあるんだー
この寒い中でもボートに乗ってる人いました。
暖かくなってきたら気持ちいいでしょうね。

嵯峨嵐山文華館(帰る時に撮影)
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二館共通券を提示すると、QRコード付きの
嵯峨嵐山文華館入館券がもらえます。

展示室入口の読み取り機にQRコードをタッチして入ります。
こちらも撮影可!

私、嵯峨嵐山文華館がどんな施設なのか、
何も知らずに入ったんですよ。
チラシも帰る時にもらってきたくらいで‥‥
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百人一首の撰者、藤原定家の山荘があったとされる小倉山。
その麓に位置する嵯峨嵐山文華館では、
百人一首の魅力や歴史をご紹介するとともに
日本画を中心とした展示をシーズン毎に開催しております。

(チラシ裏面の文)

17世紀の百人一首かるた
歌人の姿が描かれた札には上の句のみが書かれ、
下の句は別の札に分けて書かれています。
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常設展のコーナーには、百人一首の説明
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1235年、藤原定家が息子の妻の父、宇都宮頼綱に嵯峨の山荘に飾る色紙の制作を頼まれたのが「小倉色紙」であり、百人一首の原形とされている。

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室町時代、歌道の権威付けに用いられたことにより、百人一首は地位を高めていきます。
宗祇(そうぎ)や東常縁(とう つねより)、古今伝授って言葉が
出てきて、岐阜県民としては嬉しい。

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江戸時代に百人一首がかるたの形になり、広く一般に浸透していきます。
特に女性にとっては古典の教養として重視されたとのこと。

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幕末から明治にかけて、かるた札が現在のような
一首全てが書かれた読み札と、下の句のみが書かれた取り札となり、
明治37年(1904)に、競技かるたが成立したとのこと。

百人一首が歌人の人形と共に紹介されていました。
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企画展示室1階(以下、所蔵先表記がないものは福田美術館の所蔵)
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《和歌・漢詩色紙貼交屏風》16~17世紀
寛永の三筆の一人・近衛信尹 他の書が貼られた金屏風
‥‥まぁ私には、どれが近衛信尹の書なのか、
何が書いてあるのか、さっぱり?なんですけど(^^;


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尾形乾山《三十六歌仙絵 伊勢》18世紀
尾形乾山、光琳の弟で陶工のイメージがあったんですが、
絵や書、いいですね。
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百人一首の歌ではないですが、伊勢が詠んだ歌
三輪の山いかに
    恃みん
 としふとも
   たづぬる人も
 あらじと思へば

が添えられています。


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伊藤小坡《貝合せの図》20世紀
公家や武家の婚礼調度「貝合せ」を手に取る女性。
屏風に貼られている歌が読めれば、もっと深く鑑賞できるかなぁ?
柿本人麻呂の歌と、小野小町の名前が書かれているとか。


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伊藤小坡《草子洗小町之図》20世紀
能の演目「草子洗小町」の、小野小町が歌の盗作という
濡れ衣を晴らす場面が描かれています。


2階の展示室は、畳の大広間!!
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ここで、小倉百人一首競技かるた
「ちはやふる小倉山杯」が開催されるんですね。
2022年2月20日に開催予定だった
「第三回ちはやふる小倉山杯」は、4月10日(日)に開催延期になったそう。


展示は「絵で見る枕草子」

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鈴木圭雲《清少納言図》20世紀(個人蔵)
少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ」という中宮の呼びかけに応じて
御簾を巻き上げる清少納言。教科書でも習った有名な話ですね。
こんな自慢めいた話を紫式部は嫌っただろうなー。
白い表具裂が庭に広がる雪景色を想像させるとの説明に、
表具も大切だなぁって。


春はあけぼの」から始まる枕草子第一段は、
昔(中学生の頃?)暗記しましたね。
なので今でも(だいたい)言えるなぁ。
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右が、横山大観《春曙》20世紀
左が、横山大観《月明》明治30年(1897)
夏は夜。月のころはさらなり

秋は夕暮れ
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菱田春草《雁図》明治35年(1902)


原在中《葵祭図巻》天保3年(1832)
平安時代から続く葵祭の「路頭の儀」が描かれています。
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原在中(1750-1837)は江戸時代後期の京都の画家で、本作は82歳の時のもの


菊池喫月《かづけもの》20世紀
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平安時代、宮中の高位の人々が身に付けていた装束は、様々な染めや織りの技巧が凝らされた、絹素材の高級品。当時は仕立てた着物を褒美として主人が与えることがありました。それを『かづけもの』といい、本作のように左肩にかけて受け取ることが慣わしでした。(後略)」キャプションの説明文より
源氏物語などでも、着ていた装束を与えるシーンとかありましたね。


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橋本関雪《麗日図》昭和9年(1934)(個人蔵)
(ガラスの映り込みでうまく写っていませんが)
へー! 枕草子に鸚鵡について書かれてる!?
鳥は、異どころのものなれど、
 鸚鵡、いとあはれなり。
 人のいふらむ言をまねぶらむよ。

平安時代に鸚鵡がいたの? って驚きました。

オウム、大型インコが日本に輸入されたのはかなり古く、記録に残っている最古のものは647年(大化3年)に金春秋とともに新羅から献上され、656年には遣百済使の難波国勝らによってももたらされており、その後もたびたび輸入されているようである。(Wikipedia「オウム」より: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%83%A0 )

この隣に展示されていた雀を描いた絵、うまく写らなかったんですが、
平安時代、雀を飼うのが流行したって説明には、
源氏物語の紫の上の登場シーンを思い出しました。
王朝人、鳥や生き物を愛でていたんだなーって。

虫の鳴き声を愛でるのは、日本人だけとか、
西洋では虫の声は雑音としか聞こえないとか聞いたことがあります。
枕草子でも、鈴虫、ひぐらし、松虫など、
鳴き声の美しい虫の名前が挙げられています。
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伊藤小坡《虫売》20世紀
江戸時代の虫を売る行商の女性を描いています。
子どもたちが小銭を手にして買いに来たよう。

実家ではずっと鈴虫を飼っていたなぁ。
畑のキュウリやナスが獲れるようになる頃、
土の中の卵から小さな虫がいっぱい出てきて、
カツオブシもやらないと、共食いしちゃうんですよね。
秋になるといい声で鳴いて(オスが羽をすり合わせて音を出す)たっけ。


都路華香(つじ かこう)《春秋草花図屏風》明治40年(1907)
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枕草子にも色々な草の花の名が出てきます。特に薄(ススキ)の
穂先が蘇芳色でとても濃いのが、朝露に濡れて風になびいているのが
いいと。ここに描かれている薄も赤みを帯びた穂先をしています。


枕草子「あてなるもの」(上品で美しいもの)として
いくつか挙げた中に、
梅の花に、雪の降りかかるたる。」と
冨田渓仙《枝垂紅梅図》20世紀
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2階の廊下からの、大堰川(桂川)の景色
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顔はめパネルがありました(^^)
在原業平と小野小町
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嵯峨嵐山文華館にもカフェがあるんですが、
この日、新型コロナウィルスまん延防止等重点措置で
休業していました。

嵯峨嵐山文華館: https://www.samac.jp/


なので、ここを出て、大堰川沿いを歩いている時に、
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風情のあるお店の前に「そば茶クリームコーヒー600円」って
看板が出てたので、入ってみました。
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明治の日本画家・川村曼舟画伯が居を設け、
北大路魯山人や横山大観など多くの文人が集い遊んだという邸内に、
「手打ちそば よしむら」と「豆腐料理 松ヶ枝」があります。
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そばのカフェメニューがいただけるのは、
「豆腐料理 松ヶ枝」
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風情あるお庭が見える趣ある店内。
湯豆腐がついた定食を食べている方も多かったです。

この雰囲気で、そば茶クリームコーヒー600円は
リーズナブルなのでは?
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帰りは在来線で。嵯峨嵐山から西岐阜まで2,310円
途中の列車から、沈む夕日を見ました。17:40
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