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豊田市美術館「クリムト展」で同窓会 [美術]

9月10日(火)に、大学の友人たちと
豊田市美術館「クリムト展」へ行ったこと。

クリムト展 ウィーンと日本 1900
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今年のお正月、山梨に住む大学時代の友人から、あけおめLINEで、
「今年は『クリムト展』を豊田市美術館に観に行きたい(東京は混むから)」と。

当然私も観に行くつもりでいたので、そこで会おう!
近くのルートインホテルに泊まれば(私、割引券が手に入るんです)
ゆっくりできるよ! って。

豊田市美術館での会期が近づいてきて、いつにする?
東京ほどではないにしても混むだろうから、
できれば平日で‥‥って、彼女は両親の遠距離介護や、
介護講座の受講で忙しくしているので、その合間で
9月10日(火)~11日(水)って決め、
もし都合ついたらどう? って大阪の友人を誘ってみました。

しばらく会ってないから会いたい!と、なんとか仕事も調整できたようで、
ホテルの予約も済ませた後、
山梨の友人から信号無視の軽トラに撥ねられて足を骨折! ってLINEが!!

事故の詳細は彼女のダンナ様のブログに:
https://pupepi.exblog.jp/239517180/

えぇー!!! って驚いて、心配したけど、
車椅子での鑑賞になるけど行けそうって連絡に、
それで済んで本当に良かったと。


9月10日(火)昼頃の到着予定ってことで、
私は名鉄犬山線上小田井駅より地下鉄鶴舞線経由の豊田市行きに乗り、
途中の伏見駅で、名古屋駅から乗り換えた大阪の友人と一緒になって、
名鉄豊田市駅へ到着。

山梨の友人夫婦の車は駅近くの駐車場に停めてもらって、
駅前のT-FACE 8階のレストラン街で会うことにしました。
(レストラン利用で駐車場代3時間無料)
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一緒にランチして、山梨の友人ご夫婦の車で豊田市美術館へ。
豊田市駅から豊田市美術館までって、結構坂がキツいので、
車に乗せてもらおうって計画したんですよね(^▽^)v

車椅子が置いてある東入口(駅から歩くとこちらに着く)から入りました。
3台の障がい者用駐車場はいっぱいだったけど、
近くの障がい者用駐車場を案内してもらえました。

実はこのあたりの計画を立てるにあたり、私は先立って
8月25日(日)に豊田市美術館へ来てるんです。
年間パスポートが8月末まで使えたし、あいちトリエンナーレも
見たかったので。その時に年間パスポートの更新もしました。
受付の方に「次来る時の申請でいいですよ。有効期限が延びますよ」
って教えてもらいましたが、友人たちの前で更新手続きをするのも面倒
(っても名前と住所書いて、3,000円払えばスグできるんですけど)なので、
新しい年間パスポートにしました。(モトはとるので大丈夫!)

もちろんクリムト展、何度見てもいいですから、その時も
入りましたが、日曜で結構混んでいたし(東京展と比べたら
まだまだなんでしょうが‥‥展示会場にはスグ入れましたし。)
またゆっくり見に来れるって思ったのと、あいちトリエンナーレの
ボランティアガイドが2時から始まりますってアナウンスに、
あ、それ参加したいって、かなり急いでしまいました。

でも、ポスターにもなっている《ユディトⅠ》や
《女の三世代》など、クリムトの代表作ともいえる作品をはじめ、
多くの油彩画が展示されていて豪華だったし、
精巧な原寸大複製による《ベートーヴェン・フリーズ》と、
分離派会館模型は興味深かった!

国立新美術館「ウィーン・モダン」展で知った
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
ハンス・マカルトの絵も展示されていて、
あぁ、あの展覧会見ておいて、時代背景とかもわかるようになって
良かったなと。

9月10日(火)はせっかくなので、稲垣吾郎さんの音声ガイド借りました。


第1章 クリムトとその家族

まず、スモックを着て猫を抱いたクリムトの有名な写真
そして弟のエルンスト、ゲオルク、
ウィーンの工芸美術学校時代からの友人で、一緒に仕事をする
フランツ・マッチュの写真‥‥と続き、

クリムトが姪のヘレーネ・クリムトを描いた絵(1898年)は、
横顔が丁寧に描かれて愛らしい。6歳の肖像とのことだけど、
もっと年上に見える。ドレスは簡単なタッチで描かれているけど、
質感がよく表現されています。


第2章 修業時代と劇場装飾 では、

グスタフ・クリムトとフランツ・マッチュがそれぞれ描いた
《レース襟をつけた少女の肖像》1880年
学校の課題であったと考えられる絵。
美術学校の教室でイーゼルを並べて描いてたのかな? なんて
若き日のクリムトたちを想像すると楽しい。

男性裸体像の習作からも、アカデミックな修業時代がわかります。

そうした修業時代から、彼らは建設ラッシュで天井画や壁画の
需要が高まっていたウィーンで大活躍していくことになるんですね。

エルンスト・クリムトが描いた
《フランチェスカ・ダ・リミニとパオロ》1890年頃
ラファエル前派のようなロマンティックな絵で私好み!
桜やバラやアイリスに天使が少女マンガのようで素敵。


第3章 私生活

日曜美術館「エロスと死の香り~近代ウィーンの芸術 光と影~」
(6月9日放送/9月15日再放送)で、
クリムトは生涯結婚しなかったけど、複数の女性との間に
少なくとも14人の子どもがいた。でも最も親密だったのは
エミーリエ・フレーゲだったと。
14人の子ども?! 現代の女性の感覚から見たらちょっと引いちゃうけど、
まぁ、クリムトだったらしょうがないか?

女性たちの写真やクリムトの手紙などもありました。


第4章 ウィーンと日本
国立新美術館「ウィーン・モダン」展 でも、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-06-18
京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-02-23
でも見た《第6回ウィーン分離派展ポスター(日本美術展)》1900年
が展示してありました。
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(世紀末ウィーン-で撮影したもの)

クリムト《女ともだちⅠ(姉妹たち)》1907年 は、
縦長の細長い画面が浮世絵から着想を得たのではないかって
ことだけど、デザイン的で魅力的だった。

国立新美術館「ウィーン・モダン」展 のメインビジュアル
《エミーリエ・フレーゲの肖像》1902年 に対して、
(この作品のみ撮影可だった)
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この展覧会では《17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像》1891年 を
見ることができました。パステルで描かれた清楚なエミーリエ。
クリムトが描いた日本風の花で装飾された額が素敵です。
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クリムトが収集していた日本の江戸時代の鐙や、
小原古邨《二匹の金魚》(但し展示品は別摺のもの)もあって
興味深かった。


第5章 ウィーン分離派

《第1回ウィーン分離派展ポスター(検閲前)》もありました。
「ウィーン・モダン」展では検閲前と検閲後の両方展示されていましたが、
ここ豊田市美術館では検閲前のもの(京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵)が
出てました。(図録には両方載ってますが)

そして、クリムト展のメインビジュアルにもなっている
《ユディトⅠ》1901年
女性の表情がなんともエロティックです!!
金箔を使った装飾や額のデザインも素敵。

この《ユディトⅠ》も、
《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》1899年 も、私、
2003年の松坂屋美術館「クリムト 1900年ウィーンの美神展」で、
見てるはずなんですが、今回、《ヌーダ・ヴェリタス》見て、
こんなに大きな絵だったんだ! ってちょっと意外でした。

2003年松坂屋美術館「クリムト 1900年ウィーンの美神展」チラシ
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大きいといえば、愛知県美術館でいつも見ている
《人生は戦いなり(黄金の騎士)》1903年 が、
今回壁の色も変わって展示されていて、なんだかいつもより大きく見えました。
掛けてある位置が少し低い? こともあるのかな??
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愛知県美術館、撮影可になった今年4月に撮影

この騎士の絵と対するように《ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)》が
展示(っていうより一部屋まるごと再現された空間)されてました。

黄金の騎士の甲冑の金や銀のテクスチュア、
「不節制」を表す太った女性の衣装には宝石(ガラスや半貴石)が
はめ込まれていたり、金が盛り上げられていたりする
工芸のような装飾性が素敵!

正面のゴリラみたいに見えるのは、ギリシャ神話に登場する
怪物で、悪の化身テュフォンだそう。

最後に歌う天使たちと抱き合う恋人

音声ガイドのベートーベン交響曲第九番「歓喜の歌」を
聞きながら鑑賞しました。

また、この部屋の中央においてあった《分離派会館模型》が
すごく興味深かった!
1902年の第14回ウィーン分離派展[ベートーヴェン展]開催時
ってことで、《ベートーヴェン・フリーズ》がどのように
展示されていたかがわかります。

2003年の松坂屋美術館でも《ベートーヴェン・フリーズ》の複製画が
展示されていたんですが、今回と同じモノだったのかな?


第6章 風景画

クリムトがかなりの量の風景画を描いていたってのは、
愛知県美術館「クリムト展」で知りましたが、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-01-21
今回出ていた鶏のいる庭とか家畜小屋の雌牛を描いた絵は
クリムトがこんな絵も描いたのね! ってちょっと意外でした。

そして《アッター湖畔のカンマー城Ⅲ》1909/10年が素敵!!
平面的に見えるのは、望遠鏡を使って見た風景だからとも。
印象派の点描のようにも見えるけど、やっぱり
装飾的なところがすごくいいなって。


第7章 肖像画

豊田市美術館が誇る
《オイゲニア・プリマフェージの肖像》1913/14年
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(豊田市美術館、コレクション展では写真撮影可なんですよ!)
初めて豊田市美術館に来た時に、えっ?!クリムト?!!って
驚いたんですが、その時は黄金が使われていないのが
ちょっと不満だったんですよ。でも見慣れて?いくうちに、
このカラフルな色の乱舞がすごくいいなって思えてきました。

《黄金の騎士》とこの《オイゲニア・プリマフェージの肖像》
ってクリムトの名画が愛知県内の美術館にあって、
いつでも(他館に貸し出しされている時もあるけど)見れる
ってのは、すごく贅沢なことだなと。
(どちらもトヨタ様が買ってくれました (^▽^)v


第8章 生命の円環

亡くなった息子をスケッチした
《亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像》1902年
と、お棺に入った写真にはちょっとグッときた。
あまり自分の子どもと親しくすることはなかったそうだけど、
やっぱりいろんな想いがあったんだろうなぁと。

チラシの裏表紙にもなっている《女の三世代》1905年
ローマ国立近代美術館から来てくれたんですね!
日本初公開だそう!! クリムトの画集で見ていた
代表作の一つである結構大きな絵(171×171cm)が見られて嬉しい。
クリムトらしい装飾がちりばめられていて素敵です!!

最後に展示してあった《家族》1909/10年
母親と子供の顔は《女の三世代》と似ているけど、
その他は全て黒で塗りつぶされています。
孤独とか死とか‥‥でも黒い画面の中で浮かび上がる
顔はクリムトらしくて素敵。


クリムト展のショップは、
いろんなオリジナルグッズが充実していて混雑しています。
私は8月に来た時に、魅力的なものがあって迷ったけど、図録だけ買いました。
表紙が《ユディトⅠ》と《女の三世代》のものがあったけど、
《ユディトⅠ》をチョイス。2,500円(税込み)
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こちらも図録が自立するほど豪華。
ウィーン・モダン展の図録と並べてみました
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会場前の記念撮影パネル前にて
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それからエレベータで2階のコレクション展へ

クリムト展だけで帰ってしまう人もいるみたいですけど、
クリムト展のチケットで入れるこのコレクション展を見ないと
もったいないです!!

豊田市美術館が誇る
エゴン・シーレ《カール・グリュンヴァルトの肖像》1917年
をはじめ、(写真は以前のコレクション展で撮影したもの)
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シーレやクリムトの素描(クリムト展にも出てたけどまだあるんです!)
コンスタンティン・ブランクーシの彫刻、
下村観山《美人と舎利》1909年 双幅の掛軸で一方に美人が、
対するようにガイコツが描かれていて印象的です。

そして、やはりクリムト展チケットで入れる高橋節郎館へ。

山梨の友人夫妻は、豊田市美術館は二回目(初回は奈良美智展)
だそうですが、この高橋節郎館へは入らなかったそうで、
(大阪の友人は豊田市美術館初めて)初めて入って、
漆の豪華な作品たちが気に入った様子でした。

高橋節郎館にある私のお気に入りの休憩スペースにて
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豊田市美術館をバックに
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テラスに設置された
ダニエル・ビュレン《色の浮遊│3つの破裂した小屋》の
青い小屋(?)の中で撮影
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豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/
クリムト展公式サイト: https://klimt2019.jp/


---ルートイン豊田旭ヶ丘に宿泊したこと---

豊田市美術館を出て、近くのホテルルートイン豊田朝日ヶ丘へ。

コンフォートツイン禁煙×2部屋を予約してました。
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18時のレストランオープンを待って夕食に
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まずはビールで乾杯!
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山梨の友人は近年介護で忙しく、多摩美芸祭に行った
2015年の旅行以来! いろいろ近況など話も弾みました。

前回会った同窓会旅行のこと:
同窓会旅行2015(その1) 8ミリ上映会:
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2015-11-09
同窓会旅行2015(その2) 多摩美芸術祭へ:
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2015-11-12
同窓会旅行2015(その3) もう一泊・懐かしの少女マンガ:
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2015-11-21

しかし、結構広いレストランなのに、ほとんど私たちの
貸切状態でしたねー。宿泊者が少ないのかと思ってたら、
朝、窓から見たら、駐車場に結構車停まってます。
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朝風呂に行った友人が、レストランの前に行列ができてたよと。
トヨタの工場にも近いので、ビジネスの人が多いんでしょうね。
(平日だったし)皆、夜遅く着いて、朝は早く出るのか?
私たちが朝食に行った7時半頃にはレストランも空いてました。
(ルートインはバイキング朝食が無料で付きます 6:30~9:00)
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朝からしっかりいただきます。
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9時半頃にチェックアウト
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山梨の友人夫婦は、車で高速を使わずにゆっくり帰るとのこと。
大阪の友人と私はあいちトリエンナーレを見ることにして、
豊田市美術館まで送ってもらいました。
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10時の開館までまだ少しあるけど、どうしようかって
心配してたら、もう美術館前に行列ができてました!
(ほとんどがクリムト展目当ての人ですが)

あいちトリエンナーレ豊田市美術館と周辺のことは次の記事で。

ルートインホテルズ(公式)
ホテルルートイン豊田朝日ヶ丘:
https://www.route-inn.co.jp/hotel_list/aichi/index_hotel_id_621/

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