あいちトリエンナーレ2019(6) 豊田市美術館・旧豊田東高校プール [美術]
今回のあいちトリエンナーレ、刻々と状況が変わって面白い
というか、私のツイッターのTLでは
いろんな話題が飛び交っていて、目が離せません。
まさか「表現の不自由展・その後」が再開できるとは思わなかった!
開幕3日で中止となったことについてはこちらの記事に:
あいちトリエンナーレ2019 その1「表現の不自由展・その後」の中止
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-08-28
で、私のブログではなかなか記事が書けなくて、
トリエンナーレも終わってしまったんですが、
あいちトリエンナーレ2019のレポート続けます。
今回初めて会場となった豊田市美術館での展示のことを。
あいちトリエンナーレ2019とほぼ同じ期間、
豊田市美術館では「クリムト展」が開催されていて、
大変賑わっているんですが、トリエンナーレの会場は
まぁ、それほどでもない‥‥という状況。
クリムト展のチケット1,600円に400円プラスするだけで
豊田市美術館の展示が見られるんですけどねぇ。
豊田のまちなか会場は無料だし!
クリムト展に大学の同級生たちと見に行ったことは前記事に:
豊田市美術館「クリムト展」で同窓会
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
私は、会場の下見? を兼ねて行った8月25日(日)と、
クリムト展を見た翌日、大阪の友人と行った9月11日(水)に
トリエンナーレの展示を見てます。
以下、写真が混在しています。
豊田市美術館のトリエンナーレの会場入口は、
2階のコレクション展入口横にあって、チケットを見せて階段を上ります。
階段の上部の壁に宇宙飛行のような人物のレリーフが
【T06a】アンナ・フラチョヴァー《ミッションからの帰還》
豊田市美術館の乳白色の空間にとてもよく合ってます。
(もともとここに飾られていたものかと思うくらい)
階段を上がった最初の部屋に
【T07】シール・フロイヤー《Fallen Star》
部屋に三脚が置かれています。よく見たら、
床に星の形の光がひとつ。
三脚の上のスライド映写機から天井の鏡に反射して、
床に投影されているんですね。‥‥なんか脱力感というか。
シール・フロイヤーさん、愛知芸術文化センター10階の窓辺で、
音が聞こえるドームも展示されていましたね。
次の部屋には、一見美しい写真が並んでいます。
【T08】タリン・サイモン
「隠されているものと見慣れぬものによるアメリカの目録」
映像作品もありました。新型爆弾の爆破試験の様子だとか。
凄まじい爆発の後の赤い夕陽(朝日?)が印象的。
左「DNA分析待ちの性犯罪証拠採取キット」
右「放射性廃棄物カプセル化・保管施設」
化粧品?なんて見たら「生きたヒト免疫不全ウィルス」
「米国中央情報局(CIA)に展示された芸術作品」
次の部屋が「公文書業務と資本の意思」
入口に説明文と、持ち帰りできるカードがありました。
フラワーアレンジメントの写真が並んでいます。
これらは、国際会議の調印式に飾られていた花を
アーカイブ資料から特定して再現したものだそう。
左のメキシコ産テーブルヤシは、
包括的協力協定
ベネズエラ、カラカス 200年10月30日
右の赤と白のカーネーション(コロンビア産、オランダ産)は、
エリトリア国政府・エチオピア連邦民社共和国政府間における合意
(アルジェ和平合意)
アルジェリア、アルジェ 2000年12月12日
ケニア産スプレーローズ
オランダ産トルコキキョウ
リビア・米国間における包括的賠償請求和解協定
リビア、トリポリ 2008年8月14日
ケニア産ハイブリッドティーローズ
スペイン産デルフィニウム
エクアドル産ハイブリッドティーローズ
スパイダーマム
経済協力のための枠組み合意
エクアドル、キト 2012年1月12日
街を見下ろす通路の先には、
【T09a】高嶺格《NIMBY (Not in My Back Yard)》
壁に、沖縄での米軍基地移設の県民投票に関する新聞記事が掲示されています。
黒い旭日旗のような金屏風の前にある望遠鏡を覗くと、
基地移設反対のデモの映像が見えます。
【T10】レニエール・レイバ・ノボ《革命は抽象である》
天井から突き出た巨大な手にギョッとします。
これは、ソ連時代にモスクワに作られた、
ガガーリンのモニュメントの手の部分を実物大で作ったもの。
実物のモニュメントは高さ42.5m(台座含まず!)という巨大なもので
チタニウムで作られていると。
(鑑賞者が写っているのは8月25日にボランティアガイドの説明を聞きながら撮影したもの。
9月11日は、朝イチで入ったので、他の鑑賞者が写ってません)
床に設置されたものは、同じくモスクワに設置されたモニュメントの
男女が掲げる鎌と槌(ソ連の国旗に使われているやつですね)の
先端部分が実物大の大きさで作られています。
黒いビニール(ゴミ袋)で覆われているのは、
「表現の不自由展・その後」の中止を受けて展示変更されているから。
壁面に並んでいるのは、ロシア・アバンギャルドの作家たちが制作した
ソ連時代のプロパガンダ・ポスターから、
スローガンとイメージを取り去った絵画なんですが、
こちらも「表現の不自由展・その後」の中止に抗議して、
絵画が「表現の不自由展・その後」の中止を報じる新聞紙で
覆われています。
(なかなかセンスのある抗議方法だと思いました。
行為がアートになっている(^^)v
レニエール・レイバ・ノボさん、キューバの作家なんですね。
「表現の不自由展・その後」の再開で、展示が元に戻りました!
10月13日(日)に、美術館隣の旧豊田東高等学校内でやっていた
「としのこえ、とちのうた」という展示を見に行った時に、
ついでにこちらも見てきました。
鎌と槌の黒いビニールは取り外され、
絵画を覆っていた新聞も取り外されていました。
ロシア・アヴァンギャルドらしいシンプルで力強い図柄。
「革命は抽象である」というこの名前には、 人々が革命の初期において目指していたユートピアはもはや具体性を失い、 抽象的なものになってしまったというアイロニーが込められているのです。
(あいちトリエンナーレHP https://aichitriennale.jp/artwork/T10.html)
【T06b】アンナ・フラチョヴァー《アセンション・マーク I 》
豊田市美術館の展示会場入口階段上の壁にあった
《ミッションからの帰還》の作家さんの作品ですね。
水色と白の空間、人物のように見える造形をよく見たら、
顔の部分がアイロンや電気シェーバーでできています。
右側の手のように見える造形の上のものの中では、
泡がぶくぶくと発生しています。
人体が溶けているような? なんか不思議な空間。
ワイヤーが落とす影の形なんかも面白いなって見ました。
【T11】スタジオ・ドリフト《Shylight》
3階の窓から見下ろした展示室
白い布が空気をはらみながら、ゆっくりと開閉しつつ上下に動いています。
優雅な動き、ライトも点灯したり消えたり‥‥見ていて飽きません。
「植物の花や葉が光量や温度にあわせて開閉する、就眠運動と呼ばれる動きを詳細に観察・解析して設計されています」
(あいちトリエンナーレHP https://aichitriennale.jp/artwork/T11.html)
とのことですが、クラゲが泳ぐ姿のようにも見えます。
9月11日に行った時には床にクッションが置かれていて、
寝転がって見ることもできるようになっていました。
(8月25日の時にはクッションはなかった)
動画も撮ったんですが、動くかと思ってたらなかなか動かなかったり、
気まぐれ(?)なところが猫みたいだって思ったり(^▽^)
豊田市美術館の北側にある旧豊田東高等学校のプールにあるのが
【T09b】高嶺格
《反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで》
豊田市美術館のお茶室横から校庭に入ることができます。
校庭は臨時の駐車場にもなっています。
8月25日(日)に行った時、校庭で目立っていたこの赤い鳥居、
あいちトリエンナーレの作品ではないようで、
9月11日(水)にはなかったです。
仮設の通路を上ると
プール側から校庭を見たところ
プールの床が切り取られて立っています。
‥‥すごい存在感
プールの底に降りることもできます。
風格を感じます(古い とか、ポロい とも言う)
今はこういう洗眼器って使わないんだそうですね。
これだけのものを立てるには、すごい労力がかかってるハズですね。
裏で支えている鉄骨とか、すごい。
で、これ何の役に立つ? アートって無駄なことをするんだなぁ。
(褒めているんです)
ツイッターで、この壁の高さは、トランプ大統領がメキシコとの国境に
建てると主張している壁の高さだってツイートが回ってきて、
へー、深いなぁと感心したんですが、それはデマだそう。
トランプ・ウォールは9m、これは12mあると。
豊田のまちなか会場のことは次の記事で
あいちトリエンナーレ: https://aichitriennale.jp/
というか、私のツイッターのTLでは
いろんな話題が飛び交っていて、目が離せません。
まさか「表現の不自由展・その後」が再開できるとは思わなかった!
開幕3日で中止となったことについてはこちらの記事に:
あいちトリエンナーレ2019 その1「表現の不自由展・その後」の中止
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-08-28
で、私のブログではなかなか記事が書けなくて、
トリエンナーレも終わってしまったんですが、
あいちトリエンナーレ2019のレポート続けます。
今回初めて会場となった豊田市美術館での展示のことを。
あいちトリエンナーレ2019とほぼ同じ期間、
豊田市美術館では「クリムト展」が開催されていて、
大変賑わっているんですが、トリエンナーレの会場は
まぁ、それほどでもない‥‥という状況。
クリムト展のチケット1,600円に400円プラスするだけで
豊田市美術館の展示が見られるんですけどねぇ。
豊田のまちなか会場は無料だし!
クリムト展に大学の同級生たちと見に行ったことは前記事に:
豊田市美術館「クリムト展」で同窓会
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
私は、会場の下見? を兼ねて行った8月25日(日)と、
クリムト展を見た翌日、大阪の友人と行った9月11日(水)に
トリエンナーレの展示を見てます。
以下、写真が混在しています。
豊田市美術館のトリエンナーレの会場入口は、
2階のコレクション展入口横にあって、チケットを見せて階段を上ります。
階段の上部の壁に宇宙飛行のような人物のレリーフが
【T06a】アンナ・フラチョヴァー《ミッションからの帰還》
豊田市美術館の乳白色の空間にとてもよく合ってます。
(もともとここに飾られていたものかと思うくらい)
階段を上がった最初の部屋に
【T07】シール・フロイヤー《Fallen Star》
部屋に三脚が置かれています。よく見たら、
床に星の形の光がひとつ。
三脚の上のスライド映写機から天井の鏡に反射して、
床に投影されているんですね。‥‥なんか脱力感というか。
シール・フロイヤーさん、愛知芸術文化センター10階の窓辺で、
音が聞こえるドームも展示されていましたね。
次の部屋には、一見美しい写真が並んでいます。
【T08】タリン・サイモン
「隠されているものと見慣れぬものによるアメリカの目録」
映像作品もありました。新型爆弾の爆破試験の様子だとか。
凄まじい爆発の後の赤い夕陽(朝日?)が印象的。
左「DNA分析待ちの性犯罪証拠採取キット」
右「放射性廃棄物カプセル化・保管施設」
化粧品?なんて見たら「生きたヒト免疫不全ウィルス」
「米国中央情報局(CIA)に展示された芸術作品」
次の部屋が「公文書業務と資本の意思」
入口に説明文と、持ち帰りできるカードがありました。
フラワーアレンジメントの写真が並んでいます。
これらは、国際会議の調印式に飾られていた花を
アーカイブ資料から特定して再現したものだそう。
左のメキシコ産テーブルヤシは、
包括的協力協定
ベネズエラ、カラカス 200年10月30日
右の赤と白のカーネーション(コロンビア産、オランダ産)は、
エリトリア国政府・エチオピア連邦民社共和国政府間における合意
(アルジェ和平合意)
アルジェリア、アルジェ 2000年12月12日
ケニア産スプレーローズ
オランダ産トルコキキョウ
リビア・米国間における包括的賠償請求和解協定
リビア、トリポリ 2008年8月14日
ケニア産ハイブリッドティーローズ
スペイン産デルフィニウム
エクアドル産ハイブリッドティーローズ
スパイダーマム
経済協力のための枠組み合意
エクアドル、キト 2012年1月12日
街を見下ろす通路の先には、
【T09a】高嶺格《NIMBY (Not in My Back Yard)》
壁に、沖縄での米軍基地移設の県民投票に関する新聞記事が掲示されています。
黒い旭日旗のような金屏風の前にある望遠鏡を覗くと、
基地移設反対のデモの映像が見えます。
【T10】レニエール・レイバ・ノボ《革命は抽象である》
天井から突き出た巨大な手にギョッとします。
これは、ソ連時代にモスクワに作られた、
ガガーリンのモニュメントの手の部分を実物大で作ったもの。
実物のモニュメントは高さ42.5m(台座含まず!)という巨大なもので
チタニウムで作られていると。
(鑑賞者が写っているのは8月25日にボランティアガイドの説明を聞きながら撮影したもの。
9月11日は、朝イチで入ったので、他の鑑賞者が写ってません)
床に設置されたものは、同じくモスクワに設置されたモニュメントの
男女が掲げる鎌と槌(ソ連の国旗に使われているやつですね)の
先端部分が実物大の大きさで作られています。
黒いビニール(ゴミ袋)で覆われているのは、
「表現の不自由展・その後」の中止を受けて展示変更されているから。
壁面に並んでいるのは、ロシア・アバンギャルドの作家たちが制作した
ソ連時代のプロパガンダ・ポスターから、
スローガンとイメージを取り去った絵画なんですが、
こちらも「表現の不自由展・その後」の中止に抗議して、
絵画が「表現の不自由展・その後」の中止を報じる新聞紙で
覆われています。
(なかなかセンスのある抗議方法だと思いました。
行為がアートになっている(^^)v
レニエール・レイバ・ノボさん、キューバの作家なんですね。
「表現の不自由展・その後」の再開で、展示が元に戻りました!
10月13日(日)に、美術館隣の旧豊田東高等学校内でやっていた
「としのこえ、とちのうた」という展示を見に行った時に、
ついでにこちらも見てきました。
鎌と槌の黒いビニールは取り外され、
絵画を覆っていた新聞も取り外されていました。
ロシア・アヴァンギャルドらしいシンプルで力強い図柄。
「革命は抽象である」というこの名前には、 人々が革命の初期において目指していたユートピアはもはや具体性を失い、 抽象的なものになってしまったというアイロニーが込められているのです。
(あいちトリエンナーレHP https://aichitriennale.jp/artwork/T10.html)
【T06b】アンナ・フラチョヴァー《アセンション・マーク I 》
豊田市美術館の展示会場入口階段上の壁にあった
《ミッションからの帰還》の作家さんの作品ですね。
水色と白の空間、人物のように見える造形をよく見たら、
顔の部分がアイロンや電気シェーバーでできています。
右側の手のように見える造形の上のものの中では、
泡がぶくぶくと発生しています。
人体が溶けているような? なんか不思議な空間。
ワイヤーが落とす影の形なんかも面白いなって見ました。
【T11】スタジオ・ドリフト《Shylight》
3階の窓から見下ろした展示室
白い布が空気をはらみながら、ゆっくりと開閉しつつ上下に動いています。
優雅な動き、ライトも点灯したり消えたり‥‥見ていて飽きません。
「植物の花や葉が光量や温度にあわせて開閉する、就眠運動と呼ばれる動きを詳細に観察・解析して設計されています」
(あいちトリエンナーレHP https://aichitriennale.jp/artwork/T11.html)
とのことですが、クラゲが泳ぐ姿のようにも見えます。
9月11日に行った時には床にクッションが置かれていて、
寝転がって見ることもできるようになっていました。
(8月25日の時にはクッションはなかった)
動画も撮ったんですが、動くかと思ってたらなかなか動かなかったり、
気まぐれ(?)なところが猫みたいだって思ったり(^▽^)
豊田市美術館の北側にある旧豊田東高等学校のプールにあるのが
【T09b】高嶺格
《反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで》
豊田市美術館のお茶室横から校庭に入ることができます。
校庭は臨時の駐車場にもなっています。
8月25日(日)に行った時、校庭で目立っていたこの赤い鳥居、
あいちトリエンナーレの作品ではないようで、
9月11日(水)にはなかったです。
仮設の通路を上ると
プール側から校庭を見たところ
プールの床が切り取られて立っています。
‥‥すごい存在感
プールの底に降りることもできます。
風格を感じます(古い とか、ポロい とも言う)
今はこういう洗眼器って使わないんだそうですね。
これだけのものを立てるには、すごい労力がかかってるハズですね。
裏で支えている鉄骨とか、すごい。
で、これ何の役に立つ? アートって無駄なことをするんだなぁ。
(褒めているんです)
ツイッターで、この壁の高さは、トランプ大統領がメキシコとの国境に
建てると主張している壁の高さだってツイートが回ってきて、
へー、深いなぁと感心したんですが、それはデマだそう。
トランプ・ウォールは9m、これは12mあると。
豊田のまちなか会場のことは次の記事で
あいちトリエンナーレ: https://aichitriennale.jp/