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豊田市美術館「岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ」展 [美術]

新型コロナウィルスの影響でパート先も人手不足が一転!
お客様も少なくてヒマなので急遽休みも増えました。
1月26日(日)に行った展覧会のことを今更ですが書いておきます。

岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ
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このチラシ表面に使われているのは《おかちまちb_5》豊田市美術館蔵

2019年12月29日の日曜美術館で(アートシーンではなく本編で!)
取り上げられていて、いろんな活動をなさってる作家なんだと
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造形作家、岡﨑乾二郎(1955 年〜)は、初個展「たてもののきもち」でレリーフ〈あかさかみつけ〉シリーズを発表して以来、彫刻、絵画、映像、メディア・アート、建築からテキスタイル作品、舞台美術、絵本、タイル、支持体(画板)ロボットとの協働によるドローイングまで、あらゆるジャンルにおいて最前線で制作を続けてきました。(チラシ裏面の文より)

豊田市美術館で、展覧会のチラシ7種類見つけたので、ずうずうしくも
全ていただいてきました。(でも全部で8種類あるみたい。コンプリートできてない(T.T)

《おかちまちa_2》作家蔵 が使われています
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《おかちまちa_1》作家蔵
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《おかちまちb_2》豊田市美術館蔵
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《おかちまちd_5》作家蔵
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《おかちまちb_3》豊田市美術館蔵
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《おかちまちc_3》作家蔵
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裏面は文字の色とか少し違いはありますがほとんど同じ


私がその時まで知っていたのは、透明度の高い絵の具を塗りたくった
タイトルがやたら長い作品を描く作家――ってことと、

2017年に豊田市美術館「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」へ行った時、
岡崎乾二郎が企画監修した展覧会「抽象の力」も開催されていて、
見てはいるんですが、モンテッソーリやシュタイナーの幼児教育用具が
展示されていたのが印象的ではあったんですが‥‥

豊田市美術館は年間パスポートがあるので行くつもりではいました。
この日、14時から学芸員によるギャラリートークがあると知ったので、
この機会に行ってこようと。
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出品リストが16ページもある小冊子になってる!
作品の配置図
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ギャラリートークの時間まで少しあったので、展示室に入って待ってました。
一部ガラスで向こう側が見える壁が面白い。
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14時になったので入口へ戻ると、学芸員さんが大勢の鑑賞者に囲まれてました。

入口横の壁面にずらっと並んだレリーフは、
〈あかさかみつけ〉シリーズ
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(写真、後で撮ったものと混在しています)

岡崎乾二郎は、1981年の初個展「たてもののきもち」で、
《あかさかみつけ》シリーズを発表して、大きな話題になったそう。
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見る角度が違うといろんな形が出てきます。
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これらは同じ形? 色違いでたくさん並んでます。
なんか‥‥安っぽいようにも見えちゃうんですけど。
素材は、それまで美術作品にはほとんど使われたことがなかった
スチレンボード(日曜美術館の番組で言ってた。出品リストには、
「ポリプロピレン、ポリエチレン」と)だそう。
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不思議な形は、洋服の型紙からきてるとか聞きました。

反対側の壁にはドローイングが。同じ絵が何枚もある?
これらはロボットによる描画なんだそう。
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でもよく見ると全く同じではなくて、筆の太さとか、
微妙に違うところがあると。
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「ブランカッチ礼拝堂壁画分析」のコーナーでは、
鑑賞者がタブレットをかざして熱心に見てます。私も体験させてもらうと、
ブランカッチ礼拝堂の壁画がそれぞれに交わり、重なるように
描かれているということがARを使って説明されてます。
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キリスト教の知識がないので、細かいことまでは理解できないんですが、
構図を決めるにあたり、いろんなことが計算されて描かれているんだなぁとか、
中央に描かれていた絵の予想とか、
(このマリアの絵は壁画とは様式が違いますものね)
とても興味深く見ることができました。
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たまにレリーフが壁の高~いところに展示されていたりします。
《711 6692 Gohongi》
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ちょっと形が違う。
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《かっぱぱし》1981 池上弥々氏蔵
作品の影もなんか面白い。
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《あかさかみつけ》1981 高松市美術館
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《そとかんだ》1981 高松市美術館
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《おかちまち》シリーズのうちの1点
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そして、長wwwwいタイトルがついた絵画
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私は学芸員さんの解説や日曜美術館を見るまでは、これらの絵画、
勢いというか、即興で、絵具をキャンバスに塗りたくっているみたいに
思ってたんですが(アクション・ペインティングみたいな)
実は綿密に計算して描いているってのを知りました。
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2枚組になった絵とかあるんですが、片方に描かれている形が
もう片方にも(色を変えたりして)描かれていたりするそう。
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学芸員さんの説明に、もう一度形を探しながら鑑賞してみたり‥‥


左の壁の3枚組は 2009 愛知県美術館蔵
(タイトルは長すぎてここに書けませんww)
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右の壁の3枚は 2018 個人蔵

絵画作品としては早い1992年制作の絵
2枚組ではないよう(所蔵が違う)だけど、
同じ形が描かれたりしてますね。
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左の壁の2枚が1992年 右が1994年制作
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2階への階段を上がって、ふと壁を見ると
このレリーフはちょっと雰囲気が違いますね
《3時15分》
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2階の展示室1では、まずこの彫刻(?)の大きさに圧倒されます。
逆三角形の不安定な形に見えるけど、上部の1点で支え合って
自立しているんだとか。
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壁には木で作られたレリーフ
《でんえんちょうふほんまち》シリーズが
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スチレンボードのものより大きいけど色はついてない
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セラミックによる彫刻
《ケウシュとてをあげ トンソクとあしをかたぶけて》2000
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異なる粘土がつぶし合っているのか、支え合っているのか‥‥?
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階段を上がって、小さめの展示室2では、

布を使った作品が並んでいます。
左《斧を磨いて針にする》1986 高松市美術館
右《木灰木を育てる》1986 千葉市美術館
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母親が洋裁好きで、型紙から発想された作品だとか


展示室3
レリーフ作品が大きくなって転がっているwwみたいな
タイトルはものすご~く長いので書きません。鋼と木でできているそう。
1990-1991 大阪中之島美術館
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日曜美術館で新しくできた池袋の複合施設に岡崎乾二郎さんの
《ミルチス・マヂョル》というタイトルの巨大なタイル壁画作品が
設置されたと知りましたが、ここでもタイルの壁が展示されていました。

《Martian canals/streets》2019
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いろんなサイズ、色、質感(光沢あり・なし)のタイルが組み合わさってます。
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釉薬セラミックタイル144枚組の作品が2点
どちらもものすごーーく長いタイトル
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黒いほうが2011年制作
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白いほうが2013年制作
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写真ボケてますが、ケースの中の粘土の彫刻は
《エンディミオン》2003 個人像
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岡崎乾二郎さんの執筆した本や
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活動などの展示
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「ポンチ絵」ってのが並んでいます
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子供の落書きみたいなのが、箱に入ってます。
が、紙が折りたたまれたり破られたりと
立体的で奥行が出てるのが面白い!
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展示室4
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透明感のある絵具がなんかいい感じ
2枚組の作品の同じ形を探すことも覚えました。
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やっぱり私は、チラシ裏面にも使われている
1997年制作 豊田市美術館蔵のこの2枚組の絵が好きだなぁ。
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小さな作品は、額(?)の木枠が凸凹してるのが面白ーい!
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この作品、気に入りました! 美味しそう!?
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最後の展示室にあったのが石膏でできた大きな彫刻
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《間違えもせず、手探りもしないで、まっすぐ食卓の上に手を伸ばす。それから、また壁に
手を触れないで、三度跳んだら部屋の外だったが、扉を閉めるのを忘れていた。》1995
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↑このタイトルまだ短いんですよ!

階段のところにあったのが、セラミックの彫刻
《チウメンとひるはねむり、セキミとよるはいぬ》2000
↑このタイトルは意味不明‥‥ま、長いタイトルも意味わからないけど
人が抱き合っているようにも見えました。
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うーーん、どうなんでしょう? いろんな作品があって、
面白かった‥‥のかな??

でも、ワタクシ的に一番良かったのは、
美術館のレストラン「ル・ミュゼ(味遊是)」の、
岡崎乾二郎展にちなんだスイーツ!! インスタ映えww


クリームが岡崎乾二郎の絵のタッチを、
リンゴのチップがレリーフをイメージしているのだそう。
(すっごくいいっ!! (*^▽^*)
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ドリンクとのセットで1,500円でした。

もちろん常設展のクリムトとエゴン・シーレも見て帰りましたよ。
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豊田市美術館:https://www.museum.toyota.aichi.jp/

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