青池保子の1967年の作品「ミニ・レディ」 [マンガ]
「エロイカより愛をこめて」や、「アルカサル―王城―」で、
少女漫画の枠を超える巨匠
青池保子ですが、デビューはなんと15歳。
1960年代にもう活躍していた少女漫画家ということを
知らない読者も多いかも知れません。
でも、1960年代の青池保子は、
里中満智子と並ぶ「少女フレンド」の代表的作家だったのです。
絵も上手いし、明るく楽しく健康的な作風で人気がありました。
ただ、やっぱり、里中満智子の方が人気は上だったように思います。
私はその頃、ファンだったはずなのです。
なぜかと言うと、その頃、小学生の同級生とわら半紙に鉛筆でマンガらしき
ものを描いていたのですが、
好きな漫画家から名前をとってペンネームをつけようという話になって、
西谷祥子、青池保子、水野英子から「西池英子」とつけたからです。
ちなみに、友人は「手塚章子」 説明する必要はありませんね。
漫画界の双璧、手塚治虫と石森章太郎からとっていることは。
その頃のマンガは単行本にはなっていないのか、
amazonなどでも見かけません。
もしかして、作者にとって消したい過去なのか?
でも、青池保子の公式ホームページhttp://www.aoikeyasuko.com/には、
その頃のマンガの作品リストもありました。
「エロイカ――」の25巻の巻末に、ホームページ移転のお知らせが載ってましたが、
(少佐が「生意気に自前のサーバーか」と言うのに、作者がジェイムズ君風に
「大容量ですぜ へっへっへ♪」と答えてました)
その時のアドレスと少し違いますね。でも、作者の不定期の日記などもあって、
充実したホームページです。
その頃の作品リストを見ると、ものすごい作品数で驚きます。
私はファンだったと言うくせに、ほとんど覚えていないのですが、
私の手元に1969年に発行された「少女フレンド増刊号」に載った
「ミニ・レディ」の総集編があります。
昭和42年(1967年)に週刊少女フレンドの第32号から第42号までの
11週間連載されたものとのことです。
昭和23年(1948年)生まれの青池保子19歳の時の作品です。
今と絵は違いますが、キッチリとした上手な絵だなぁと、感心していました。
ストーリー:
アイルランドの田舎町に、ロンドンの大富豪と執事がやってくる。
彼は十五年前に家出して結婚した娘を探しに来たのだが、
娘と婿はすでに死亡したこと、だが、彼らの間にはミルという娘がいることを知る。
大富豪は孫娘を引き取って、ロンドンでレディとしての教育をさせることにする。
おじいさんと一緒にロンドンの広大なお城のような屋敷に行ったミルだが、
そこには、大富豪の姪のマリアンと母親がいる。
大富豪の財産相続を狙っている彼女らには、当然ミルの存在は面白くない。
そして、ミルのじゃじゃうまぶりに、家庭教師も逃げてしまい、困った執事は、
マリアンの猫の獣医として屋敷に来ていたパンプキン先生に、ミルの家庭教師を頼む。
さて、ミルはりっぱなレディになれるでしょうか――
何と言っても主人公ミルの明るく素直でおてんばな性格が魅力的です。
あちこちにちりばめられたユーモアも、今の「エロイカ――」に通じるところが
あるように思います。でも、そんな健康的な作風が、当時の少女たちには、
いまいち評価されなかったのかなぁ‥‥とか思ったりします。
当時は、イジメられてヨヨと泣くような悲しい話の方が人気があったように思います。
主人公ミルとパンプキン先生(実はある目的で獣医にばけて屋敷にもぐりこんでいる)の
出会いのシーン。こんなユーモアが、かえって、当時の恋にあこがれる少女には
評価されなかった?
執事のブリテンさんとミル
今読むと、この執事がとても味のあるいいキャラクターだとわかる。
少佐の執事も、若い頃はこんな風に少佐の世話を焼いたかなぁとか想像すると楽しい。
青池保子の「ミニ・レディー」についてのコメント
今の自画像とだいぶ違いますね。
総集編と一緒に「青池保子先生のまんが履歴書」も掲載されていました。
1969年時点での青池保子先生の履歴書です。
クリックすると拡大します。
この頃の作品も本になってほしいですね。
少女漫画の枠を超える巨匠
青池保子ですが、デビューはなんと15歳。
1960年代にもう活躍していた少女漫画家ということを
知らない読者も多いかも知れません。
でも、1960年代の青池保子は、
里中満智子と並ぶ「少女フレンド」の代表的作家だったのです。
絵も上手いし、明るく楽しく健康的な作風で人気がありました。
ただ、やっぱり、里中満智子の方が人気は上だったように思います。
私はその頃、ファンだったはずなのです。
なぜかと言うと、その頃、小学生の同級生とわら半紙に鉛筆でマンガらしき
ものを描いていたのですが、
好きな漫画家から名前をとってペンネームをつけようという話になって、
西谷祥子、青池保子、水野英子から「西池英子」とつけたからです。
ちなみに、友人は「手塚章子」 説明する必要はありませんね。
漫画界の双璧、手塚治虫と石森章太郎からとっていることは。
その頃のマンガは単行本にはなっていないのか、
amazonなどでも見かけません。
もしかして、作者にとって消したい過去なのか?
でも、青池保子の公式ホームページhttp://www.aoikeyasuko.com/には、
その頃のマンガの作品リストもありました。
「エロイカ――」の25巻の巻末に、ホームページ移転のお知らせが載ってましたが、
(少佐が「生意気に自前のサーバーか」と言うのに、作者がジェイムズ君風に
「大容量ですぜ へっへっへ♪」と答えてました)
その時のアドレスと少し違いますね。でも、作者の不定期の日記などもあって、
充実したホームページです。
その頃の作品リストを見ると、ものすごい作品数で驚きます。
私はファンだったと言うくせに、ほとんど覚えていないのですが、
私の手元に1969年に発行された「少女フレンド増刊号」に載った
「ミニ・レディ」の総集編があります。
昭和42年(1967年)に週刊少女フレンドの第32号から第42号までの
11週間連載されたものとのことです。
昭和23年(1948年)生まれの青池保子19歳の時の作品です。
今と絵は違いますが、キッチリとした上手な絵だなぁと、感心していました。
ストーリー:
アイルランドの田舎町に、ロンドンの大富豪と執事がやってくる。
彼は十五年前に家出して結婚した娘を探しに来たのだが、
娘と婿はすでに死亡したこと、だが、彼らの間にはミルという娘がいることを知る。
大富豪は孫娘を引き取って、ロンドンでレディとしての教育をさせることにする。
おじいさんと一緒にロンドンの広大なお城のような屋敷に行ったミルだが、
そこには、大富豪の姪のマリアンと母親がいる。
大富豪の財産相続を狙っている彼女らには、当然ミルの存在は面白くない。
そして、ミルのじゃじゃうまぶりに、家庭教師も逃げてしまい、困った執事は、
マリアンの猫の獣医として屋敷に来ていたパンプキン先生に、ミルの家庭教師を頼む。
さて、ミルはりっぱなレディになれるでしょうか――
何と言っても主人公ミルの明るく素直でおてんばな性格が魅力的です。
あちこちにちりばめられたユーモアも、今の「エロイカ――」に通じるところが
あるように思います。でも、そんな健康的な作風が、当時の少女たちには、
いまいち評価されなかったのかなぁ‥‥とか思ったりします。
当時は、イジメられてヨヨと泣くような悲しい話の方が人気があったように思います。
主人公ミルとパンプキン先生(実はある目的で獣医にばけて屋敷にもぐりこんでいる)の
出会いのシーン。こんなユーモアが、かえって、当時の恋にあこがれる少女には
評価されなかった?
執事のブリテンさんとミル
今読むと、この執事がとても味のあるいいキャラクターだとわかる。
少佐の執事も、若い頃はこんな風に少佐の世話を焼いたかなぁとか想像すると楽しい。
青池保子の「ミニ・レディー」についてのコメント
今の自画像とだいぶ違いますね。
総集編と一緒に「青池保子先生のまんが履歴書」も掲載されていました。
1969年時点での青池保子先生の履歴書です。
クリックすると拡大します。
この頃の作品も本になってほしいですね。
ひぇーっ!!
すごいお宝ですね!
あの青池保子が、こんな画風だったとは!
私も時々は少女フレンドを読んでいたはずなのに、やはり里中さんの記憶しかありません。(と言っても、作品の記憶は無いのだけれど(^^;)
この執事の姿に、後の少佐の執事のイメージが重なりました。(^^)v
青池先生の履歴書も、ほほーっと感嘆しながら見させていただきました。
そうかぁ、高校生時代から描いていたんですね。
トリビアな情報、ありがとうございました!
by びっけ (2008-05-10 18:23)
びっけさん、nice! & コメントありがとうございます。
私の捨てられない性格でとっておいたマンガですが、
約40年経って、思わぬお宝になりました。
今、読み返してみても、あちこちのユーモアが楽しく、
とても明るく健康的な、いい作品だなぁと思います。
(もちろん、今の青池保子の作品の完成度に比べたら、ずいぶん未熟ですが)
「私は、こんな昔から、青池先生のファンだったのよ」と、
ちょっと自慢です。
by しーちゃん (2008-05-13 00:39)
こんにちは。
私も少フレを読んでいたのですが、
青池保子さんはちょっと苦手で大和和紀さんが好きでした。
どうしてなのかは覚えてないのですが…
「イブの息子たち」と「エロイカより愛をこめて」を読んでいなかったので
「ララ」に「Z-ツェット-」が載ったときには驚きました。
こういう作品を描くとは思いもしなかったので。
その後「エロイカ~」に完全にハマってしまいました^^
私の山ほどあったお宝は実家の母にトラックに乗せられて
トイレットペーパーと交換されてしまったでした(v_v。)
しーちゃんさんがうらやましいです。
by miyuco (2008-05-16 17:39)
miyucoさん、nice! & コメントありがとうございます。
そうそう、大和和紀さん! あの頃から大人気でしたね。
絵がとても可愛いし、ロマンチックコメディーのストーリーも素敵でした。
古雑誌というのは、他人が見たらゴミですからねー。
だいたい紙質も悪いから保存には向かないものですし‥‥
これらが残ったのは、私の母の掃除をしない性格のおかげです。
by しーちゃん (2008-05-20 22:21)