京都市京セラ美術館「キュビスム展」 [美術]
4月16日(火)京都市京セラ美術館へ行きました。
「パリ ポンピドゥーセンター
キュビスム展 美の革命
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」
20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されたキュビスムは、西洋美術にかつてない変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。(チラシ中面の文より)
まぁ、キュビスムね‥‥って、私、ピカソもそんなに好きじゃないし、
それほど見たいって展覧会ではなかったんですが、
4月に入って、いろんなことに対処しなくてはならなかったり、
数年ぶりで医者に行く程の風邪をひいたり(コロナではなかった。
喉が痛くて声が出なかったけど熱はなかったのでパートは
早引けさせてもらったりしたけど行ってました)
と、なんかバタバタとしていて、ストレス?がたまってきてたのか、
少し体調も回復してきたこともあり、パートが休みだったこの日、
どっか行きた~い!! ってなって、
ネットで好意的な感想や、ほとんどの作品が写真撮影可って知って、
京都だし、桜も少し残ってるかな? なんて。
西岐阜の駐車場に車を停めて、東海道線で山科へ
山科駅前の枝垂れ桜
京阪山科駅から地下鉄東西線「東山」駅へ
「東山」駅にあった京都市京セラ美術館の案内板
平安神宮の大鳥居が見えてきました。
私、京都国立近代美術館は来たことがありますが、
京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-02-23
京都市京セラ美術館は初めて!
1933(昭和8)年に創建された帝冠様式の堂々たる建物の
(現存する日本の公立美術館の中で最も古い)
京都市美術館が50年間のネーミングライツ契約を結び、
京都市京セラ美術館として、2020年5月にリニューアルオープンしたんですね。
緩やかな坂を下った地下1階がメインエントランスになっています。
今回、チケットも買って行かなかったけど、
チケット売場には行列もなくすぐに買えました。
一般当日2,100円
階段を上った1階中央ホールには、ここで開催されている
「村上龍 もののけ 京都」展の作品が展示されていて、
結構な人出。外国人も多かったです。
でも「キュビスム展」の展示室はゆったりと鑑賞できました。
そして、ほんの一部を除いて撮影可!!
1 キュビスム以前―その源泉
1895年にパリで最初の個展が開催されて以来、セザンヌの絵画は若い芸術家たちの指針となり、とりわけ1907年のサロン・ドートンヌでの没後の大回顧展は、キュビスムに向かう多くの画家たちに影響を与えました。(キャプションの解説より)
ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》1890年頃 ポーラ美術館
この展覧会「パリ・ポンピドゥーセンターから50点以上が日本初出品」(チラシ中面のキャッチ)って、多くの出品作がポンピドゥーセンター/国立近代美術館・産業創造センター(MNAM-CCI)の所蔵なんですが(この記事で、特に表記していないものはポンピドゥーセンター所蔵のもの)、国立西洋美術館(NMWA)や国内の美術館の作品もあって、
これは、ポーラ美術館の所蔵。わぁ、いいの持ってますね!
この絵、右のラム酒の瓶がある方は横から見てるのに、
左側は上からなので洋梨がテーブルから落っこちそうですよね。
こんなデッサンしたら、必ず注意されるハズ(^^)
でもそれがいいというか。
「様々な角度からの観察を総合した多視点の手法は、キュビスムの絵画に引き継がれていきます。」
東京国立近代美術館、いいの持ってるじゃん!! って驚いたのが、
アンリ・ルソー《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》1905-1906年
キャンバスを抱えた画家たちが並んでる、キャンバスを乗せた荷車も並んでる
もっとよく見たら、木の下にものすごい数のキャンバスを抱えた人が集まってるじゃないですか!!
そしてピカソやモディリアーニも魅かれた
アフリカの彫刻も並んでました
《バンバラの小像(マリ)》1850-1900年
《ヨンベあるいはウォヨの呪物(コンゴ民主共和国)》
この像は、ギョーム・アポリネールの書斎に飾られていたものだとか。
2 「プリミティヴィスム」
パブロ・ピカソ《女性の胸像》1907年6-7月
「アフリカやオセアニアの造形物に大きな影響を受け、当時制作中だった《アヴィニョンの娘たち》を完成させます。その習作の一点」
ジョルジュ・ブラック《大きな裸婦》1907年冬-1908年6月
マリー・ローランサン《アポリネールとその友人たち(第2ヴァージョン)》1909年
中央が当時恋人だった詩人のアポリネール。その右がピカソ、
青いワンピースがローランサン自身だそう。
3 キュビスムの誕生―セザンヌに導かれて
ジョルジュ・ブラック《レスタックの高架橋》1908年初頭
セザンヌの「自然を円筒形、球形、円錐形によって扱いなさい」という言葉に対する答えのように描いた作品で、家や橋が立方体のような幾何学的形態に描かれていることから、「キュビスム」という名称で呼ばれるようになったのだと。
ジョルジュ・ブラック《楽器》1908年秋
パブロ・ピカソ《裸婦》1909年 ポーラ美術館
キューブのような単純な形から、切子面のように分割された表現になっています。
4 ブラックとピカソ―ザイルで結ばれた二人
パブロ・ピカソ《ギター奏者》1910年夏
ジョルジュ・ブラック《円卓》1911年秋
ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ女性》1913年秋
ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ男性》1914年春
わー、レトロな空間で素敵!
階段も素敵!(立入はできませんでした)
記念撮影用ボードもあります。
WALNUT(ウォルナット)さんのイラストが使われています。
5 フェルナン・レジェとフアン・グリス
ファン・グリス《本》1911年
フェルナン・レジェ《縫い物をする女性》1910年
フェルナン・レジェ《婚礼》1911-1912年
「中央にピンクがかったドレス姿の花嫁とタキシード姿の花婿がおり」って
解説にあるけど‥‥どれが花嫁と花婿なのかよくわからない‥‥
6 サロンにおけるキュビスム
ピカソとブラックが、フランスではカーンヴァイラー画廊以外では作品をほとんど展示しなかったのに対し、二人の影響を受けたキュビストたちは、おもにサロン・デ・サンデパンダン(独立派のサロン)などの、公募によって年一回開催される大規模な展覧会で作品を発表したため、今では「サロン・キュビスト」と呼ばれます。
7 同時主義とオルフィスム—ロベール・ドローネーとソニア・ドローネー
ロベール・ドローネー《パリ市》1910-1912年
わー、この大きな作品素敵ですね!
「ポンピドゥーセンターを象徴する大作のひとつ」だそう。
女性たちが波ガラスを通して見たみたいに分割されて描かれてるけど、
ちゃんと女性たち、三美神をモチーフにしてるんだなってわかる。
エッフェル塔も街も分割され構成されてるのが、
女性たちと踊っているようにも見える。
左下の橋や船はルソーの作品からの引用なんだ!
古典的な三美神と、現代のエッフェル塔、ルソーの絵など、
多様な要素を組み合わせるのが「同時主義」なんだと
ピカソやブラックのキュビスムってジミなのに対して、
カラフルなのがいい!
ロベール・ドローネー《円形、太陽 no.2》192-1913年
え? この絵、《パリ市》と同じ画家が描いたの?
なんか単純で抽象化してる‥‥でも鮮やかな色がいいな。
ソニア・ドローネー《シベリア横断鉄道とフランスの小さなジャンヌのための散文詩》1913年
詩人プレーズ・サンドラールと共同制作した挿絵本のために制作された絵
抽象画みたいに見えるけど、一番下にはエッフェル塔が描かれています。
色が素敵だなって。
ソニア・ドローネー《バル・ビュリエ》1913年
この色使い、いいなぁ!
何組もの男女が踊ってますね。楽しそう。
キュビスムを茶化した雑誌の表紙の風刺画が面白い
わー、ここはかつてのメインエントランスの階段かな。
天井のステンドグラスも素敵
使われている石やタイルも風格があるなー
かつてのチケット売場かな。
窓のステンドグラス
8 デュシャン兄弟とピュトー・グループ
レイモン・デュシャン=ヴィヨン《マギー》1912年(1948年鋳造)
この力強い像、インパクトありますね。
アフリカ彫刻などから影響を受けてるのがわかります
壁のモニタの映像が面白かった。
キュビスムの展覧会を見てきた画家が、それまでの絵を捨て(?)
紙で四角い筒を作って服の下に着て、キュビスムの絵みたいな
恰好になるの(^▽^)
真ん中の写真はデュシャン3兄弟
右端の展覧会の写真では、モディリアーニの彫刻も展示されている
って解説にあって、へーって見たけど、
モディリアーニ展でも展示されてたみたいで、あとで図録見たら
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-06-14
ちゃんと載ってたわ。1912年のサロン・ドートンヌの展示風景
ジャック・ヴィヨン《行進する兵士たち》1913年
ちょっと分解写真みたい? 絵が動いていくみたいに感じられる。
9 メゾン・キュビスト
1912年のサロン・ドートンヌには、「メゾン・キュビスト(キュビスムの家)」が展示され、キュビスムを建築や室内装飾へと展開する試みがなされます。(解説パネルより)
へー、キュビスムは絵画だけではなかったんだ‥‥と意外だったけど、
この写真の家がキュビスムと言われてもよくわからない(^^;
10 芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」
モンパルナスの集合アトリエ「ラ・リュッシュ(蜂の巣)」では、
シャガールやモディリアーニらが、キュビスムの影響を受けつつ
独自の作風を打ち立てていきます。
マルク・シャガール《婚礼》1911-1912年
マルク・シャガール《白い襟のベラ》1917年
1906年にパリに出たモディリアーニは、
はじめモンマルトルに住み、ピカソら「洗濯船」の芸術家たちと交友しますが、1909年にはモンパルナスへ移り、一時「ラ・リュッシュ」に身を寄せます。この頃からブランクーシと交流する中で、石彫りによる彫刻制作に没頭。同時代の「プリミティヴィスム」やキュビスム、古典古代の様々な様式を吸収(キャプションの解説より)
アメデオ・モディリアーニ《女性の頭部》1912年
経済的問題や健康上の理由などから1915年頃には絵画に専念しますが、アーモンド形の目を持つ単純化された頭部の表現は、絵画にも受け継がれます。
アメデオ・モディリアーニ《赤い頭部》1915年
11 東欧から来たパリの芸術家たち
レオポルド・シュルヴァージュ《エッティンゲン男爵夫人》1917年
描かれたエッティンゲン男爵夫人が描いた絵がこちら
エレーヌ・エッティンゲン《無題》1920年頃
12 立体未来主義
ロシアでは、フランスのキュビスムとイタリアの未来派がほぼ同時期に紹介され、この二派から影響を受けた「立体未来主義」が展開しました
ミハイル・ラリオーノフ《春》1912年
13 キュビスムと第一次世界大戦
第一次世界大戦(1914-1918)でフランスとドイツが戦うと、
キュビスムの作品がドイツ人画商によって扱われていたこともあり、
ドイツによる文化侵略だと非難されるようになってしまったと。
14 キュビスム以降
アンリ・ローランス《果物皿を持つ女性》1921年
これ、コルビュジェが描いた絵なの?!
ル・コルビュジェ《静物》1922年
ここにチラシ表面に使われている
ピカソ《輪を持つ少女》1919年春 が展示されていました。
第一次世界大戦前の複雑に分解された構成ではなく、ちゃんと
少女が描かれているってわかりますし、なんかカワイイ(^^)
この絵が描かれた頃は、ピカソは古典的な主題へと向かっていた時期で、
折衷的な表現となっていると。
最後に『バレエ・メカニック』1923-1924年 って、
ビール瓶とかがコマ送りみたいに目まぐるしく場面の変わる映像作品もあって面白かった。
はー、ちょっと疲れた。お勉強ってカンジで、
解説文を読むのがちょっと面倒だったし、
思った以上の出品作品!
「パリ・ポンピドゥーセンターの所蔵品を中心に約130点を展示」(チラシ中面の文)
ピカソやブラックだけではないキュビスムの多くの画家を知り、
「幾何学的に平面化された形を用いて画面を構成する試みは、絵画は現実を再現するというルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。パリの若い芸術家たちに衝撃を与えたキュビスムは、瞬く間に世界中に広まり、以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼします。」
って、影響力の大きさを知りました。
ま、図録は、あまり気に入った絵がなかったし、
高くて(3,500円)重そうだったので買いませんでした。
展示室を出て、こちらのスペース、無料で入ってもいいみたい。
光の広間
元は屋外(中庭)だったのかな? ガラス屋根から降り注ぐ光がまぶしい。
中央ホールは相変わらず多くの人で賑わっています。
せっかくだから、さっき感動したかつてのメインエントランスの階段へ
2階では「金曜ロードショーとジブリ展」
会期: 2024年4月12日(金)~年6月29日(土)
や、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024 メインプログラム
「川田喜久治 見えない地図」
「川内倫子 Cui Cui + as it is|潮田登久子 冷蔵庫/ICE BOX+マイハズバンド」
どちらも会期: 2024年4月13日(土)~5月12日(日)
が開催されていましたが、まぁいいかと。
(「金曜ロードショー‥‥」のチケットは日時指定制なんですって!)
「崖の上のポニョ」になれる撮影スポットもありました(^▽^)
撮影待ちの人が行列を作ってます。
中央ホールを突っ切ると、
おぉ!! スゴイものが見える(^▽^;;
近くまで無料で行けるみたいなので、
ド派手!!! インパクト!!!!
村上隆《お花の親子》2020年
日本庭園の池の中に、
ルイ・ヴィトンのモノグラム・カラーのトランクの上に、
お花の親子の像! 金箔が輝いています!!
東山キューブでは「村上龍 もののけ 京都」展 が開催されています。
この日、天気予報では雨だったので(家を出る時少し降ってた)
雨なら、ついでにこの展覧会も見てもいいかなって思ってたんですが、
予想より晴れてきて(私はわりと晴れ女です)
平安神宮の方まで行こうと。
京都市京セラ美術館の南側
疎水べりの桜はかなり葉桜になってました。
ザ・トライアングル
京都市京セラ美術館: https://kyotocity-kyocera.museum/
「キュビスム展—美の革命」公式サイト: https://cubisme.exhn.jp/
「パリ ポンピドゥーセンター
キュビスム展 美の革命
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」
20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されたキュビスムは、西洋美術にかつてない変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。(チラシ中面の文より)
まぁ、キュビスムね‥‥って、私、ピカソもそんなに好きじゃないし、
それほど見たいって展覧会ではなかったんですが、
4月に入って、いろんなことに対処しなくてはならなかったり、
数年ぶりで医者に行く程の風邪をひいたり(コロナではなかった。
喉が痛くて声が出なかったけど熱はなかったのでパートは
早引けさせてもらったりしたけど行ってました)
と、なんかバタバタとしていて、ストレス?がたまってきてたのか、
少し体調も回復してきたこともあり、パートが休みだったこの日、
どっか行きた~い!! ってなって、
ネットで好意的な感想や、ほとんどの作品が写真撮影可って知って、
京都だし、桜も少し残ってるかな? なんて。
西岐阜の駐車場に車を停めて、東海道線で山科へ
山科駅前の枝垂れ桜
京阪山科駅から地下鉄東西線「東山」駅へ
「東山」駅にあった京都市京セラ美術館の案内板
平安神宮の大鳥居が見えてきました。
私、京都国立近代美術館は来たことがありますが、
京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-02-23
京都市京セラ美術館は初めて!
1933(昭和8)年に創建された帝冠様式の堂々たる建物の
(現存する日本の公立美術館の中で最も古い)
京都市美術館が50年間のネーミングライツ契約を結び、
京都市京セラ美術館として、2020年5月にリニューアルオープンしたんですね。
緩やかな坂を下った地下1階がメインエントランスになっています。
今回、チケットも買って行かなかったけど、
チケット売場には行列もなくすぐに買えました。
一般当日2,100円
階段を上った1階中央ホールには、ここで開催されている
「村上龍 もののけ 京都」展の作品が展示されていて、
結構な人出。外国人も多かったです。
でも「キュビスム展」の展示室はゆったりと鑑賞できました。
そして、ほんの一部を除いて撮影可!!
1 キュビスム以前―その源泉
1895年にパリで最初の個展が開催されて以来、セザンヌの絵画は若い芸術家たちの指針となり、とりわけ1907年のサロン・ドートンヌでの没後の大回顧展は、キュビスムに向かう多くの画家たちに影響を与えました。(キャプションの解説より)
ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》1890年頃 ポーラ美術館
この展覧会「パリ・ポンピドゥーセンターから50点以上が日本初出品」(チラシ中面のキャッチ)って、多くの出品作がポンピドゥーセンター/国立近代美術館・産業創造センター(MNAM-CCI)の所蔵なんですが(この記事で、特に表記していないものはポンピドゥーセンター所蔵のもの)、国立西洋美術館(NMWA)や国内の美術館の作品もあって、
これは、ポーラ美術館の所蔵。わぁ、いいの持ってますね!
この絵、右のラム酒の瓶がある方は横から見てるのに、
左側は上からなので洋梨がテーブルから落っこちそうですよね。
こんなデッサンしたら、必ず注意されるハズ(^^)
でもそれがいいというか。
「様々な角度からの観察を総合した多視点の手法は、キュビスムの絵画に引き継がれていきます。」
東京国立近代美術館、いいの持ってるじゃん!! って驚いたのが、
アンリ・ルソー《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》1905-1906年
キャンバスを抱えた画家たちが並んでる、キャンバスを乗せた荷車も並んでる
もっとよく見たら、木の下にものすごい数のキャンバスを抱えた人が集まってるじゃないですか!!
そしてピカソやモディリアーニも魅かれた
アフリカの彫刻も並んでました
《バンバラの小像(マリ)》1850-1900年
《ヨンベあるいはウォヨの呪物(コンゴ民主共和国)》
この像は、ギョーム・アポリネールの書斎に飾られていたものだとか。
2 「プリミティヴィスム」
パブロ・ピカソ《女性の胸像》1907年6-7月
「アフリカやオセアニアの造形物に大きな影響を受け、当時制作中だった《アヴィニョンの娘たち》を完成させます。その習作の一点」
ジョルジュ・ブラック《大きな裸婦》1907年冬-1908年6月
マリー・ローランサン《アポリネールとその友人たち(第2ヴァージョン)》1909年
中央が当時恋人だった詩人のアポリネール。その右がピカソ、
青いワンピースがローランサン自身だそう。
3 キュビスムの誕生―セザンヌに導かれて
ジョルジュ・ブラック《レスタックの高架橋》1908年初頭
セザンヌの「自然を円筒形、球形、円錐形によって扱いなさい」という言葉に対する答えのように描いた作品で、家や橋が立方体のような幾何学的形態に描かれていることから、「キュビスム」という名称で呼ばれるようになったのだと。
ジョルジュ・ブラック《楽器》1908年秋
パブロ・ピカソ《裸婦》1909年 ポーラ美術館
キューブのような単純な形から、切子面のように分割された表現になっています。
4 ブラックとピカソ―ザイルで結ばれた二人
パブロ・ピカソ《ギター奏者》1910年夏
ジョルジュ・ブラック《円卓》1911年秋
ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ女性》1913年秋
ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ男性》1914年春
わー、レトロな空間で素敵!
階段も素敵!(立入はできませんでした)
記念撮影用ボードもあります。
WALNUT(ウォルナット)さんのイラストが使われています。
5 フェルナン・レジェとフアン・グリス
ファン・グリス《本》1911年
フェルナン・レジェ《縫い物をする女性》1910年
フェルナン・レジェ《婚礼》1911-1912年
「中央にピンクがかったドレス姿の花嫁とタキシード姿の花婿がおり」って
解説にあるけど‥‥どれが花嫁と花婿なのかよくわからない‥‥
6 サロンにおけるキュビスム
ピカソとブラックが、フランスではカーンヴァイラー画廊以外では作品をほとんど展示しなかったのに対し、二人の影響を受けたキュビストたちは、おもにサロン・デ・サンデパンダン(独立派のサロン)などの、公募によって年一回開催される大規模な展覧会で作品を発表したため、今では「サロン・キュビスト」と呼ばれます。
7 同時主義とオルフィスム—ロベール・ドローネーとソニア・ドローネー
ロベール・ドローネー《パリ市》1910-1912年
わー、この大きな作品素敵ですね!
「ポンピドゥーセンターを象徴する大作のひとつ」だそう。
女性たちが波ガラスを通して見たみたいに分割されて描かれてるけど、
ちゃんと女性たち、三美神をモチーフにしてるんだなってわかる。
エッフェル塔も街も分割され構成されてるのが、
女性たちと踊っているようにも見える。
左下の橋や船はルソーの作品からの引用なんだ!
古典的な三美神と、現代のエッフェル塔、ルソーの絵など、
多様な要素を組み合わせるのが「同時主義」なんだと
ピカソやブラックのキュビスムってジミなのに対して、
カラフルなのがいい!
ロベール・ドローネー《円形、太陽 no.2》192-1913年
え? この絵、《パリ市》と同じ画家が描いたの?
なんか単純で抽象化してる‥‥でも鮮やかな色がいいな。
ソニア・ドローネー《シベリア横断鉄道とフランスの小さなジャンヌのための散文詩》1913年
詩人プレーズ・サンドラールと共同制作した挿絵本のために制作された絵
抽象画みたいに見えるけど、一番下にはエッフェル塔が描かれています。
色が素敵だなって。
ソニア・ドローネー《バル・ビュリエ》1913年
この色使い、いいなぁ!
何組もの男女が踊ってますね。楽しそう。
キュビスムを茶化した雑誌の表紙の風刺画が面白い
わー、ここはかつてのメインエントランスの階段かな。
天井のステンドグラスも素敵
使われている石やタイルも風格があるなー
かつてのチケット売場かな。
窓のステンドグラス
8 デュシャン兄弟とピュトー・グループ
レイモン・デュシャン=ヴィヨン《マギー》1912年(1948年鋳造)
この力強い像、インパクトありますね。
アフリカ彫刻などから影響を受けてるのがわかります
壁のモニタの映像が面白かった。
キュビスムの展覧会を見てきた画家が、それまでの絵を捨て(?)
紙で四角い筒を作って服の下に着て、キュビスムの絵みたいな
恰好になるの(^▽^)
真ん中の写真はデュシャン3兄弟
右端の展覧会の写真では、モディリアーニの彫刻も展示されている
って解説にあって、へーって見たけど、
モディリアーニ展でも展示されてたみたいで、あとで図録見たら
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-06-14
ちゃんと載ってたわ。1912年のサロン・ドートンヌの展示風景
ジャック・ヴィヨン《行進する兵士たち》1913年
ちょっと分解写真みたい? 絵が動いていくみたいに感じられる。
9 メゾン・キュビスト
1912年のサロン・ドートンヌには、「メゾン・キュビスト(キュビスムの家)」が展示され、キュビスムを建築や室内装飾へと展開する試みがなされます。(解説パネルより)
へー、キュビスムは絵画だけではなかったんだ‥‥と意外だったけど、
この写真の家がキュビスムと言われてもよくわからない(^^;
10 芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」
モンパルナスの集合アトリエ「ラ・リュッシュ(蜂の巣)」では、
シャガールやモディリアーニらが、キュビスムの影響を受けつつ
独自の作風を打ち立てていきます。
マルク・シャガール《婚礼》1911-1912年
マルク・シャガール《白い襟のベラ》1917年
1906年にパリに出たモディリアーニは、
はじめモンマルトルに住み、ピカソら「洗濯船」の芸術家たちと交友しますが、1909年にはモンパルナスへ移り、一時「ラ・リュッシュ」に身を寄せます。この頃からブランクーシと交流する中で、石彫りによる彫刻制作に没頭。同時代の「プリミティヴィスム」やキュビスム、古典古代の様々な様式を吸収(キャプションの解説より)
アメデオ・モディリアーニ《女性の頭部》1912年
経済的問題や健康上の理由などから1915年頃には絵画に専念しますが、アーモンド形の目を持つ単純化された頭部の表現は、絵画にも受け継がれます。
アメデオ・モディリアーニ《赤い頭部》1915年
11 東欧から来たパリの芸術家たち
レオポルド・シュルヴァージュ《エッティンゲン男爵夫人》1917年
描かれたエッティンゲン男爵夫人が描いた絵がこちら
エレーヌ・エッティンゲン《無題》1920年頃
12 立体未来主義
ロシアでは、フランスのキュビスムとイタリアの未来派がほぼ同時期に紹介され、この二派から影響を受けた「立体未来主義」が展開しました
ミハイル・ラリオーノフ《春》1912年
13 キュビスムと第一次世界大戦
第一次世界大戦(1914-1918)でフランスとドイツが戦うと、
キュビスムの作品がドイツ人画商によって扱われていたこともあり、
ドイツによる文化侵略だと非難されるようになってしまったと。
14 キュビスム以降
アンリ・ローランス《果物皿を持つ女性》1921年
これ、コルビュジェが描いた絵なの?!
ル・コルビュジェ《静物》1922年
ここにチラシ表面に使われている
ピカソ《輪を持つ少女》1919年春 が展示されていました。
第一次世界大戦前の複雑に分解された構成ではなく、ちゃんと
少女が描かれているってわかりますし、なんかカワイイ(^^)
この絵が描かれた頃は、ピカソは古典的な主題へと向かっていた時期で、
折衷的な表現となっていると。
最後に『バレエ・メカニック』1923-1924年 って、
ビール瓶とかがコマ送りみたいに目まぐるしく場面の変わる映像作品もあって面白かった。
はー、ちょっと疲れた。お勉強ってカンジで、
解説文を読むのがちょっと面倒だったし、
思った以上の出品作品!
「パリ・ポンピドゥーセンターの所蔵品を中心に約130点を展示」(チラシ中面の文)
ピカソやブラックだけではないキュビスムの多くの画家を知り、
「幾何学的に平面化された形を用いて画面を構成する試みは、絵画は現実を再現するというルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。パリの若い芸術家たちに衝撃を与えたキュビスムは、瞬く間に世界中に広まり、以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼします。」
って、影響力の大きさを知りました。
ま、図録は、あまり気に入った絵がなかったし、
高くて(3,500円)重そうだったので買いませんでした。
展示室を出て、こちらのスペース、無料で入ってもいいみたい。
光の広間
元は屋外(中庭)だったのかな? ガラス屋根から降り注ぐ光がまぶしい。
中央ホールは相変わらず多くの人で賑わっています。
せっかくだから、さっき感動したかつてのメインエントランスの階段へ
2階では「金曜ロードショーとジブリ展」
会期: 2024年4月12日(金)~年6月29日(土)
や、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024 メインプログラム
「川田喜久治 見えない地図」
「川内倫子 Cui Cui + as it is|潮田登久子 冷蔵庫/ICE BOX+マイハズバンド」
どちらも会期: 2024年4月13日(土)~5月12日(日)
が開催されていましたが、まぁいいかと。
(「金曜ロードショー‥‥」のチケットは日時指定制なんですって!)
「崖の上のポニョ」になれる撮影スポットもありました(^▽^)
撮影待ちの人が行列を作ってます。
中央ホールを突っ切ると、
おぉ!! スゴイものが見える(^▽^;;
近くまで無料で行けるみたいなので、
ド派手!!! インパクト!!!!
村上隆《お花の親子》2020年
日本庭園の池の中に、
ルイ・ヴィトンのモノグラム・カラーのトランクの上に、
お花の親子の像! 金箔が輝いています!!
東山キューブでは「村上龍 もののけ 京都」展 が開催されています。
この日、天気予報では雨だったので(家を出る時少し降ってた)
雨なら、ついでにこの展覧会も見てもいいかなって思ってたんですが、
予想より晴れてきて(私はわりと晴れ女です)
平安神宮の方まで行こうと。
京都市京セラ美術館の南側
疎水べりの桜はかなり葉桜になってました。
ザ・トライアングル
京都市京セラ美術館: https://kyotocity-kyocera.museum/
「キュビスム展—美の革命」公式サイト: https://cubisme.exhn.jp/
しーちゃんならば絶対に観に行くと思っていました。
殺風景な西美(ル・コルビュジエ)よりも、京セラの方が愉しそうですね。
松井裕美の『キュビスム芸術史』(←学術論文じゃん!)は読了するのに難儀しましたが、
山田五郎のオトナの教養講座「キュビスムって何?」は分かりやすくて面白い^^
二代目アシスタントのウリタニさん(瓜谷茜)も良い感じ。
(https://www.youtube.com/watch?v=NC34DrUmPrI)
by sknys (2024-04-22 12:27)
sknys さん、コメントありがとうございます。いえいえ、私、キュビスムねーなんて思ってたんですけど。sknysさんの以前のコメントで、この展覧会いいかも って思ったんですよ(コメントの返事できなくてスミマセン) ボリュームたっぷりで充実の展覧会でしたね! ほとんどの作品が撮影可で嬉しいです。ブログに感想書こうと、山田五郎のオトナの教養講座も見ましたが面白かったです。
京セラ美術館の建物や、村上隆の黄金の像も見られて良かった。
by しーちゃん (2024-04-23 14:29)