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京都市京セラ美術館「キュビスム展」 [美術]

4月16日(火)京都市京セラ美術館へ行きました。

「パリ ポンピドゥーセンター
 キュビスム展 美の革命
 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」
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20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されたキュビスムは、西洋美術にかつてない変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。(チラシ中面の文より)
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まぁ、キュビスムね‥‥って、私、ピカソもそんなに好きじゃないし、
それほど見たいって展覧会ではなかったんですが、
4月に入って、いろんなことに対処しなくてはならなかったり、
数年ぶりで医者に行く程の風邪をひいたり(コロナではなかった。
喉が痛くて声が出なかったけど熱はなかったのでパートは
早引けさせてもらったりしたけど行ってました)
と、なんかバタバタとしていて、ストレス?がたまってきてたのか、
少し体調も回復してきたこともあり、パートが休みだったこの日、
どっか行きた~い!! ってなって、
ネットで好意的な感想や、ほとんどの作品が写真撮影可って知って、
京都だし、桜も少し残ってるかな? なんて。
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西岐阜の駐車場に車を停めて、東海道線で山科へ

山科駅前の枝垂れ桜
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京阪山科駅から地下鉄東西線「東山」駅へ
「東山」駅にあった京都市京セラ美術館の案内板
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平安神宮の大鳥居が見えてきました。
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私、京都国立近代美術館は来たことがありますが、
京都国立近代美術館「世紀末ウィーンのグラフィック」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-02-23
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京都市京セラ美術館は初めて!
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1933(昭和8)年に創建された帝冠様式の堂々たる建物の
(現存する日本の公立美術館の中で最も古い)
京都市美術館が50年間のネーミングライツ契約を結び、
京都市京セラ美術館として、2020年5月にリニューアルオープンしたんですね。

緩やかな坂を下った地下1階がメインエントランスになっています。

今回、チケットも買って行かなかったけど、
チケット売場には行列もなくすぐに買えました。
一般当日2,100円

階段を上った1階中央ホールには、ここで開催されている
「村上龍 もののけ 京都」展の作品が展示されていて、
結構な人出。外国人も多かったです。
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でも「キュビスム展」の展示室はゆったりと鑑賞できました。
そして、ほんの一部を除いて撮影可!!


1 キュビスム以前―その源泉

1895年にパリで最初の個展が開催されて以来、セザンヌの絵画は若い芸術家たちの指針となり、とりわけ1907年のサロン・ドートンヌでの没後の大回顧展は、キュビスムに向かう多くの画家たちに影響を与えました。(キャプションの解説より)

ポール・セザンヌ《ラム酒の瓶のある静物》1890年頃 ポーラ美術館
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この展覧会「パリ・ポンピドゥーセンターから50点以上が日本初出品」(チラシ中面のキャッチ)って、多くの出品作がポンピドゥーセンター/国立近代美術館・産業創造センター(MNAM-CCI)の所蔵なんですが(この記事で、特に表記していないものはポンピドゥーセンター所蔵のもの)、国立西洋美術館(NMWA)や国内の美術館の作品もあって、
これは、ポーラ美術館の所蔵。わぁ、いいの持ってますね!

この絵、右のラム酒の瓶がある方は横から見てるのに、
左側は上からなので洋梨がテーブルから落っこちそうですよね。
こんなデッサンしたら、必ず注意されるハズ(^^)
でもそれがいいというか。
様々な角度からの観察を総合した多視点の手法は、キュビスムの絵画に引き継がれていきます。

東京国立近代美術館、いいの持ってるじゃん!! って驚いたのが、
アンリ・ルソー《第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神》1905-1906年
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キャンバスを抱えた画家たちが並んでる、キャンバスを乗せた荷車も並んでる
もっとよく見たら、木の下にものすごい数のキャンバスを抱えた人が集まってるじゃないですか!!

そしてピカソやモディリアーニも魅かれた
アフリカの彫刻も並んでました

《バンバラの小像(マリ)》1850-1900年
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《ヨンベあるいはウォヨの呪物(コンゴ民主共和国)》
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この像は、ギョーム・アポリネールの書斎に飾られていたものだとか。
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2 「プリミティヴィスム」

パブロ・ピカソ《女性の胸像》1907年6-7月
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アフリカやオセアニアの造形物に大きな影響を受け、当時制作中だった《アヴィニョンの娘たち》を完成させます。その習作の一点

ジョルジュ・ブラック《大きな裸婦》1907年冬-1908年6月
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マリー・ローランサン《アポリネールとその友人たち(第2ヴァージョン)》1909年
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中央が当時恋人だった詩人のアポリネール。その右がピカソ、
青いワンピースがローランサン自身だそう。


3 キュビスムの誕生―セザンヌに導かれて

ジョルジュ・ブラック《レスタックの高架橋》1908年初頭
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セザンヌの「自然を円筒形、球形、円錐形によって扱いなさい」という言葉に対する答えのように描いた作品で、家や橋が立方体のような幾何学的形態に描かれていることから、「キュビスム」という名称で呼ばれるようになったのだと。

ジョルジュ・ブラック《楽器》1908年秋
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パブロ・ピカソ《裸婦》1909年 ポーラ美術館
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キューブのような単純な形から、切子面のように分割された表現になっています。


4 ブラックとピカソ―ザイルで結ばれた二人

パブロ・ピカソ《ギター奏者》1910年夏
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ジョルジュ・ブラック《円卓》1911年秋
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ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ女性》1913年秋
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ジョルジュ・ブラック《ギターを持つ男性》1914年春
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わー、レトロな空間で素敵!
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階段も素敵!(立入はできませんでした)
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記念撮影用ボードもあります。
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WALNUT(ウォルナット)さんのイラストが使われています。


5 フェルナン・レジェとフアン・グリス

ファン・グリス《本》1911年
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フェルナン・レジェ《縫い物をする女性》1910年
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フェルナン・レジェ《婚礼》1911-1912年
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中央にピンクがかったドレス姿の花嫁とタキシード姿の花婿がおり」って
解説にあるけど‥‥どれが花嫁と花婿なのかよくわからない‥‥


6 サロンにおけるキュビスム

ピカソとブラックが、フランスではカーンヴァイラー画廊以外では作品をほとんど展示しなかったのに対し、二人の影響を受けたキュビストたちは、おもにサロン・デ・サンデパンダン(独立派のサロン)などの、公募によって年一回開催される大規模な展覧会で作品を発表したため、今では「サロン・キュビスト」と呼ばれます。


7 同時主義とオルフィスム—ロベール・ドローネーとソニア・ドローネー

ロベール・ドローネー《パリ市》1910-1912年
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わー、この大きな作品素敵ですね!
ポンピドゥーセンターを象徴する大作のひとつ」だそう。
女性たちが波ガラスを通して見たみたいに分割されて描かれてるけど、
ちゃんと女性たち、三美神をモチーフにしてるんだなってわかる。
エッフェル塔も街も分割され構成されてるのが、
女性たちと踊っているようにも見える。
左下の橋や船はルソーの作品からの引用なんだ!
古典的な三美神と、現代のエッフェル塔、ルソーの絵など、
多様な要素を組み合わせるのが「同時主義」なんだと
ピカソやブラックのキュビスムってジミなのに対して、
カラフルなのがいい!

ロベール・ドローネー《円形、太陽 no.2》192-1913年
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え? この絵、《パリ市》と同じ画家が描いたの?
なんか単純で抽象化してる‥‥でも鮮やかな色がいいな。

ソニア・ドローネー《シベリア横断鉄道とフランスの小さなジャンヌのための散文詩》1913年
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詩人プレーズ・サンドラールと共同制作した挿絵本のために制作された絵
抽象画みたいに見えるけど、一番下にはエッフェル塔が描かれています。
色が素敵だなって。

ソニア・ドローネー《バル・ビュリエ》1913年
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この色使い、いいなぁ!
何組もの男女が踊ってますね。楽しそう。

キュビスムを茶化した雑誌の表紙の風刺画が面白い
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わー、ここはかつてのメインエントランスの階段かな。
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天井のステンドグラスも素敵
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使われている石やタイルも風格があるなー
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かつてのチケット売場かな。
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窓のステンドグラス
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8 デュシャン兄弟とピュトー・グループ

レイモン・デュシャン=ヴィヨン《マギー》1912年(1948年鋳造)
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この力強い像、インパクトありますね。
アフリカ彫刻などから影響を受けてるのがわかります
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壁のモニタの映像が面白かった。
キュビスムの展覧会を見てきた画家が、それまでの絵を捨て(?)
紙で四角い筒を作って服の下に着て、キュビスムの絵みたいな
恰好になるの(^▽^)

真ん中の写真はデュシャン3兄弟

右端の展覧会の写真では、モディリアーニの彫刻も展示されている
って解説にあって、へーって見たけど、
モディリアーニ展でも展示されてたみたいで、あとで図録見たら
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-06-14
ちゃんと載ってたわ。1912年のサロン・ドートンヌの展示風景

ジャック・ヴィヨン《行進する兵士たち》1913年
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ちょっと分解写真みたい? 絵が動いていくみたいに感じられる。


9 メゾン・キュビスト

1912年のサロン・ドートンヌには、「メゾン・キュビスト(キュビスムの家)」が展示され、キュビスムを建築や室内装飾へと展開する試みがなされます。(解説パネルより)
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へー、キュビスムは絵画だけではなかったんだ‥‥と意外だったけど、
この写真の家がキュビスムと言われてもよくわからない(^^;


10 芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」

モンパルナスの集合アトリエ「ラ・リュッシュ(蜂の巣)」では、
シャガールやモディリアーニらが、キュビスムの影響を受けつつ
独自の作風を打ち立てていきます。

マルク・シャガール《婚礼》1911-1912年
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マルク・シャガール《白い襟のベラ》1917年
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1906年にパリに出たモディリアーニは、
はじめモンマルトルに住み、ピカソら「洗濯船」の芸術家たちと交友しますが、1909年にはモンパルナスへ移り、一時「ラ・リュッシュ」に身を寄せます。この頃からブランクーシと交流する中で、石彫りによる彫刻制作に没頭。同時代の「プリミティヴィスム」やキュビスム、古典古代の様々な様式を吸収(キャプションの解説より)
アメデオ・モディリアーニ《女性の頭部》1912年
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経済的問題や健康上の理由などから1915年頃には絵画に専念しますが、アーモンド形の目を持つ単純化された頭部の表現は、絵画にも受け継がれます。
アメデオ・モディリアーニ《赤い頭部》1915年
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11 東欧から来たパリの芸術家たち

レオポルド・シュルヴァージュ《エッティンゲン男爵夫人》1917年
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描かれたエッティンゲン男爵夫人が描いた絵がこちら
エレーヌ・エッティンゲン《無題》1920年頃
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12 立体未来主義

ロシアでは、フランスのキュビスムとイタリアの未来派がほぼ同時期に紹介され、この二派から影響を受けた「立体未来主義」が展開しました

ミハイル・ラリオーノフ《春》1912年
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13 キュビスムと第一次世界大戦

第一次世界大戦(1914-1918)でフランスとドイツが戦うと、
キュビスムの作品がドイツ人画商によって扱われていたこともあり、
ドイツによる文化侵略だと非難されるようになってしまったと。


14 キュビスム以降

アンリ・ローランス《果物皿を持つ女性》1921年
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これ、コルビュジェが描いた絵なの?!
ル・コルビュジェ《静物》1922年
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ここにチラシ表面に使われている
ピカソ《輪を持つ少女》1919年春 が展示されていました。

第一次世界大戦前の複雑に分解された構成ではなく、ちゃんと
少女が描かれているってわかりますし、なんかカワイイ(^^)
この絵が描かれた頃は、ピカソは古典的な主題へと向かっていた時期で、
折衷的な表現となっていると。

最後に『バレエ・メカニック』1923-1924年 って、
ビール瓶とかがコマ送りみたいに目まぐるしく場面の変わる映像作品もあって面白かった。


はー、ちょっと疲れた。お勉強ってカンジで、
解説文を読むのがちょっと面倒だったし、
思った以上の出品作品!
パリ・ポンピドゥーセンターの所蔵品を中心に約130点を展示」(チラシ中面の文)
ピカソやブラックだけではないキュビスムの多くの画家を知り、
幾何学的に平面化された形を用いて画面を構成する試みは、絵画は現実を再現するというルネサンス以来の常識から画家たちを解放しました。パリの若い芸術家たちに衝撃を与えたキュビスムは、瞬く間に世界中に広まり、以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼします。
って、影響力の大きさを知りました。

ま、図録は、あまり気に入った絵がなかったし、
高くて(3,500円)重そうだったので買いませんでした。

展示室を出て、こちらのスペース、無料で入ってもいいみたい。
光の広間
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元は屋外(中庭)だったのかな? ガラス屋根から降り注ぐ光がまぶしい。
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中央ホールは相変わらず多くの人で賑わっています。
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せっかくだから、さっき感動したかつてのメインエントランスの階段へ
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2階では「金曜ロードショーとジブリ展」
会期: 2024年4月12日(金)~年6月29日(土)
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や、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024 メインプログラム
「川田喜久治 見えない地図」
「川内倫子 Cui Cui + as it is|潮田登久子 冷蔵庫/ICE BOX+マイハズバンド」
どちらも会期: 2024年4月13日(土)~5月12日(日)
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が開催されていましたが、まぁいいかと。
(「金曜ロードショー‥‥」のチケットは日時指定制なんですって!)

「崖の上のポニョ」になれる撮影スポットもありました(^▽^)
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撮影待ちの人が行列を作ってます。

中央ホールを突っ切ると、
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おぉ!! スゴイものが見える(^▽^;;
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近くまで無料で行けるみたいなので、
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ド派手!!! インパクト!!!!
村上隆《お花の親子》2020年
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日本庭園の池の中に、
ルイ・ヴィトンのモノグラム・カラーのトランクの上に、
お花の親子の像! 金箔が輝いています!!

東山キューブでは「村上龍 もののけ 京都」展 が開催されています。
この日、天気予報では雨だったので(家を出る時少し降ってた)
雨なら、ついでにこの展覧会も見てもいいかなって思ってたんですが、
予想より晴れてきて(私はわりと晴れ女です)
平安神宮の方まで行こうと。

京都市京セラ美術館の南側
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疎水べりの桜はかなり葉桜になってました。
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ザ・トライアングル
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京都市京セラ美術館: https://kyotocity-kyocera.museum/
「キュビスム展—美の革命」公式サイト: https://cubisme.exhn.jp/
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岐阜県美術館「ビロンギング」展 [美術]

3月29日(金)、岐阜県美術館へ行きました。

「クロスアート4
 ビロンギング
 -新しい居場所と手にしたもの-」
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私のパート、シフトで金曜が休みになることは
今までなかったんです。同僚が金曜日に休むので。
でもこの日、同僚の都合が変わって、私が休めることになり、
展覧会見に行こう、どこがいいかな ?って探したら、
この展覧会が初日で、
「オープニング・ギャラリートーク」が
15:00~17:00に開催されるって知って。

「ビロンギング」‥‥展覧会のイメージがよくわからないタイトルなんですが、
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まず、「クロスアート4」とは、
 日本国土のおよそ中央にある岐阜を交差路と見立て、それぞれの方向へと進んでいったアーティストたちを紹介する「クロスアート」展も今回で第4回目となります。(チラシ裏面の文より)

第1回目は、2003年4月10日(木)~5月20日(火)で、
天野裕夫と坂倉新平が紹介されていました。

第2回目は、2009年11月10日(火)~2010年1月24日(日)
「ARTのメリーゴーランド」と言うタイトルで、
長谷川喜久、吉本作次、傍島幹司、村瀬恭子、大巻伸嗣、奥村晃史、神戸智行の7名が紹介されていました。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2010-01-10

で、3回目がいつ、どんな展覧会だったのかわからない。
私、岐阜県美術館の展覧会は全部見てるハズなんだけど‥‥

「ビロンギング」とは、
 英語「ビロンギング」とは「所属」や「持ち物」などと訳されます。世界的な活躍をする本展出品のアーティストたちも、かつて身近なコミュニティーに属して同じようなのに囲まれていました。そうした環境を飛び出したアーティストたちは、膨張する「多様性」の中に取り込まれるのではなく、そそれぞれの居場所とそこでの感性や技術を獲得していきました。
 本展では、そうした郷里を巣立ったアーティストたちの到達点から、芸術の現在をお楽しみいただきます。
(チラシ裏面の文)

ってことで、岐阜出身で岐阜を飛び出して
現在世界的に注目を浴びる若手アーティスト5名が紹介されています。
オープニング・ギャラリートークでは、
公花、山内、横山の3名の作家さんからお話を聞くことができました。

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会場に入って、最初のコーナーが

松山智一 MATSUYAMA Tomokazu

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日本画の花鳥風月の図像や身の回りのものが変形のツルツルしたキャンバスに、これでもかって描き込まれています。画材はアクリルとのこと。

写真が小さいと描かれているものがよくわからないんだけど、それぞれ細かなところまで丁寧に描き込んであります。
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猫や鳥などの動物たちがカワイイ!
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花は日本の伝統的絵画にも描かれるような装飾的な図で、
人物は平面的に描かれて無表情
人物のファッションや壁や床などは日本の伝統文様のような柄が描き込まれてて、
過剰な装飾性に目がチカチカしちゃうけど、細部を見ていて飽きません。
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こんな日常的なものも描き込まれています。

展覧会を企画された学芸員の方から、
ニューヨークのアートシーンで活動する松山さんは、日本人として、
マイノリティであることを意識せざるを得ない環境で、
西洋と東洋、現代と古典が織り交ざるような作品を制作されている
みたいなことを聞きました。
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後藤映則 GOTO Akinori

その横の展示室へ入ると、暗い中で光が踊っています。

展示台の上の作品《Crossing #03》2019年
ナイロンで作られた立体にスリットの光線が当たって、
まるでゾートロープとか昔のアニメーションのように
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人の形が歩いているように動いていきます。
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奥の大きな作品《Energy #01》2017年
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スリットの光線が当たって動くと、人の形がバレエを踊っているように
空間の中で動いていきます。
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面白いですね!! 後藤さん、各務原市の出身とのこと。

暗室の外に展示されていたこの作品、
この作品を作る過程と光を当てた映像があって、
作品が動いているように見える原理が説明されていました。
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石に穴を開けて麻糸を通した作品など、もしかしたら
原始人もこんな遊びをしたのでは? って思えるくらい素朴な原理!
面白い!!


公花 KIMIKA

展示室に鮮やかな模様を染めた薄く長い布が張られています。
公花さんからお話を聞くことができました。
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岐阜市生まれの公花さん。愛知県立芸術大学で日本画を専攻。
2010年にアイルランドに留学。
ARTifaritiという国際芸術祭に出逢い、スペインのセビリアに移る。

アフリカ最後の植民地と言われる「西サハラ」について
北のモロッコと南のモーリタニアに挟まれて、
新たに被支配地となった西サハラ。
国としては認められていません。

公花さんは難民キャンプに滞在し、女性たちが身に着けるメルフファという長い布を少しずつもらってコラージュした作品が展示されていました。
《色鮮やかなる壁の華麗なる反攻》2014年
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映像では、女性たちが笑顔で、身に着けているメルフファをちょっと
切り取って差し出してくれる様子が映されていました。

この作品を見て、自分たちのメルフファが使われている! って、
とても喜んでもらったと。
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山内祥太 YAMAUCHI Shota
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顔をかたどった立体像の上に絵画や写真が降ってきて
貼りついていく映像作品が面白かった
《カオ1_Waterfall》2021年
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ちょっとキモい(^^)
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山内さんから、コロナ禍で誰もがマスクで顔を隠していた様子から思いついたと、お話がありました。

そして「匂い」をテーマにしたという映像作品
《Apparition》2023年
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煙の中から匂いの素の形が表れます。

《ラテックスオブジェ》2024年
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横山奈美 YOKOYAMA Nami

あ、この作品は、2021年に岐阜県美術館
「アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.11 横山奈美」
公開制作:2021年11月12日(金)~12月11日(土)
作品展示:2021年12月21日(火)~2022年1月23日(日)
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/events/aim11/

で滞在制作された作品だ。
《forever》2021年
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前日に描いた絵を見ながら、次の日も同じように描いていく
というルールで制作された作品。
30枚(?)ある作品の14枚(?)を展示してあるそう。
寝転がった少女のTシャツのロゴだけは違う書体だけど、
他は同じように描いていく、けどほんの少しのことで
表情が変わって見えたりするって話を
横山さんから聞くことができました。

横山さんのもう一つのスタイルが、
ネオンをモチーフに、背後のフレームまで描く「ネオン」シリーズ。
豊田市美術館のコレクション展「光について/光をともして」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-04-30
チラシに使われていて、ネオン管の造形作品かと思ったら絵画で驚きました。
愛知県美術館に令和2年度新収蔵作品として紹介されていた中にも
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
横山さんのネオンをモチーフにした作品がありました。

こちらの《Shape of Your Words [In Gifu.2023.10.14-10.25]》2023-24年
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友人たちに「I am」という文字を書いてもらい、それを業者さんに発注して
実際のネオン照明を作ってもらい、それを絵に描いているそう。


岐阜県美術館: https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/

県民ギャラリーで開催されていたのが、
「創立100周年記念
 岐阜信用金庫 秘蔵名作選」
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会期2024年3月26日(火)~4月14日(日)
観覧無料で出品リストも豪華!

表紙に使われている 藤田嗣治《婦人像》1932年 をはじめ、
川合玉堂、前田青邨、梅原龍三郎、林武、
横山大観も東山魁夷も、平山郁夫、片岡球子、
守屋多々志、加藤栄三、加藤東一、土屋禮一‥‥と
巨匠49名の作品が67点並んでいます。
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どれも美しく、部屋に飾りたいような絵。

中でも、堀文子《春が来る》1987年
辛夷の白い花が遠くの雪山をバックに描かれていて、
今の季節にピッタリの清楚な風景画で良かったです。

とても見ごたえありました。

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大阪中之島美術館「福田平八郎」展 [美術]

3月24日(日)、大阪中之島美術館へ行きました。

「没後50年 福田平八郎」展
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モダン、カラフル、チャーミング。
自然を見つめ、鮮やかに切り取る日本画家。待望の回顧展。

(チラシのキャッチコピー)

この展覧会のことは、今年の展覧会を紹介した雑誌などで知って、
福田平八郎の斬新な日本画、見たいって思ってたんです。

2月24日(土)に「女性画家たちの大阪」展を見に来た時
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2024-03-09
福田平八郎展のチラシが3種類もある! それも凝ってる!!
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裏面(?)に使われている絵もそれぞれ少し違ってたりします。
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まずは、代表作で、重要文化財にも指定されている《漣(さざなみ)》昭和7年(1932)
去年3月30日に、東京国立近代美術館「重要文化財の秘密」展 で見たなー。
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2023-04-19

チラシを開いたところ
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どこまでも続く、きらめく水面。
 銀地に群青だけで一瞬の美をとらえ、
 日本画の新境地を拓いた代表作《漣》。

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竹の幹が個性豊かに(?)描かれている《竹》昭和17年(1942)
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「昔から竹は緑青(ろくしょう)で描くものと決まっているが、
私にはまだどうしても竹が緑青に見えない。」

(福田平八郎の言葉)

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左下の《池辺の家鴨》大正5年(1916) ユーモラスで良かったなー。

《桃》昭和31年(1956)頃
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「僕は植物の写生をする場合にはいつも対象物に触れる事を忘れない。
(中略)すべて愛の極致は、この触れるという事に帰着するのである。」

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チラシを持ち帰って、これはどうしても行かなくては!!! と、
まだ会期前でしたので、私にしては珍しく、
大阪中之島美術館のウエブサイトで前売券を買ってしまいました。
当日一般1,800円のところ、1,600円で買うことができました。

平日に行った方がいいかなーと思ったけど、
パートの平日休みになかなか都合がつかなくて、
やっぱり早いうちに行きたいと、日曜だったけど出かけたわけです。

2月24日と同じ西岐阜9:54発の東海道線で米原へ。
米原から新幹線を奮発して新大阪に11:27着。
地下鉄御堂筋線で淀屋橋駅へ。

大阪中之島美術館に着いたのは12時頃。
スマホのQRコードチケット見せて、長いエスカレーターに乗り、
4階の展示室へ。


第1章 手探りの時代
福田平八郎(1892-1974)は、大分市に生まれ、18歳のとき
絵を学ぶために京都に出て、京都市立絵画専門学校の別科へ入学。
翌年、京都市立美術工芸学校に改めて入学。

最初に展示されていたのが《野薔薇》大正2年(1913)
京都市立美術工芸学校2年次の公友会展の出品作で、
同級の日本画家・高谷仙外の父親が購入したことで、
初めて売れた作品となったと。

生い茂る枝に咲く野薔薇に、羽ばたくミツバチが精緻に描かれています。
21歳の平八郎の画力に感心します。

卒業制作で、学校買上げになった《雨後》大正4年(1915) も、
精緻な写実的な絵。

その一方で、俳画風?でユーモラスな《池辺の家鴨》大正5年(1916)
《兎》大正5年(1916)、《驢の図》大正7年(1918)など、
これはこれで、思わず笑っちゃうような絵で私は好きだけど。

可愛らしい女性が着物の柄も丹念に描かれている《春の風》大正5年(1916)
別の画家の絵が並んでいるのかって思うくらい、
作風に統一感がないのは、自らの進むべき道を模索していたんでしょうね。


第2章 写実の探求

大正後半から昭和のはじめにかけての平八郎は、
徹底した写実表現をこころみた作品を発表していきます。

この展覧会、ところどころに撮影OKの作品があるんです!
《安石榴》大正9年(1920)
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もちろん有難く撮影させてもらったけど、
私この作品ちょっと、うーん‥‥ってカンジ。
なんかゴチャゴチャしすぎてるっていうか。
榊原紫峰の影響が指摘できると。


これスゴイ!! って見たのが、
《鯉》大正10年(1921) 国(皇居三の丸尚蔵館蔵)
大正10年の第3回帝展で特選を受賞、宮内庁買上げになり、
平八郎の名を一躍画壇に轟かせた出世作。
この作品、3月24日までの展示だったそうで、見られて良かった!!


《朝顔》大正15年(1926)
白い朝顔を写実的に描いた作品。葉の一枚一枚まで克明に描かれているけど‥‥
なんか私にはあまり響いてこなかったというか。
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その隣に展示してあった《茄子》昭和2年(1927) はすごくいい!!って見た。
畑の3本のナスや、雑草のカヤツリグサ、3羽の雀が
繊細に描かれていて、余白のせいか、とても上品な雰囲気。


第3章 鮮やかな転換

なんと、この作品が撮影可だったんです!!
重要文化財《漣》昭和7年(1932)
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‥‥あれ? でも去年東京国立近代美術館で見た時より
なんかイマイチ良さが感じられないんだけどー。
写真撮る人でじっくり見られなかったせいなのか、
銀地(プラチナ地)のきらめきがあまり感じられなかったせいなのか??

でも発表当初は問題作として物議を醸したこの作品のすごさはわかります。


この《水》昭和33年(1958) も、
一見抽象画かって思っちゃうけど、水面のスケッチが何枚もあって、
克明に観察して描き上げた作品なんだって。
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(この作品は第4章に分類されてるんですが、
多くのスケッチと一緒に、ここに展示されてました。)

途中の休憩室より。チケットを買う人の行列ができてます。
(福田平八郎よりモネの展覧会のチケットを買う人が多いんだろいなー)
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自らを「写生狂」と称した平八郎
ところどころや、最後にまとめて素描や下絵、写生帖が
展示されていました。ほとんどが色鮮やかに着色されてて
(そういう作品が展示されているのかもしれないけど)
特に竹の写生帖では竹の様々な色に興味を持って描いているのがわかります。

素描・下絵《カーネーション、百合》昭和17年(1942)
カーネーションの花びらや葉の輪郭が色の塗り残しの白で
表現されていたり、壺の細かな模様の写生、いいなーって。
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第4章 新たな造形表現への挑戦

《新雪》昭和23年(1948)
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これも一見、抽象画かと思っちゃうような作品。
でもよく見たら、庭石に降った新雪のふわふわした様子が
よく表現されているのがわかります。


《氷》昭和30年(1955)
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あー! 水面に張ったこんな氷、確かに見たことがある!!
抽象画にも見えるような造形的な面白さ!


《桃》昭和31年(1956)
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チラシに使われてた作品だ。赤いお盆のまだ堅そうな桃。
桃の立体感? ちょっと触ってみたくなるような。


第5章 自由で豊かな美の世界へ

《海魚(かいぎょ)》昭和38年(1963)
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晩年の平八郎の作品、子どもの絵みたいになってきてるのがあって、
この絵は私、うーん? ってカンジなんだけど‥‥

《遊鮎》昭和40年(1965)
これは、一見子どもの絵みたいだけど、鮎の特徴が
よく描き出されてて、さすが釣りを趣味とした人だなって。
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第4章に分類されていた絵
《雲》昭和25年(1950)
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グラフィックデザインのようでもあるけど、
雲の輪郭にはモコモコした立体感が感じられます。
かなり大きな画面(118.7×85.0cm)にこのシンプルで大胆な表現!
まぁ、これ平八郎だから許されるってとこもあると思うけど‥‥


最後に「写生狂」平八郎の素描が沢山展示してありました。
《紅白餅》昭和24年(1949)
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《うす氷》昭和24年(1949)
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《栗、松茸》昭和20・30年代
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児童画展の絵が並んでいるところを模写した絵が面白かった!
昭和40年(1965)

出口のところで、あれ? 瓦屋根に雨が降ってきたところを描いた
《雨》がなかったと出品リスト見たら、それは後期展示とのこと。

大阪中之島美術館の会期3月9日(土)~5月6日(月・休)中、
【前期】3月9日(土)~4月7日(日)
【後期】4月9日(火)~5月6日(月・休) と、展示替えがあります。

大阪中之島美術館の後、大分県立美術館へ巡回します
会期: 5月18日(土)~7月15日(月・祝)

平八郎の故郷である大分の大分県立美術館、
多くの作品を所蔵しているんですね!
特に展示されていた多くの素描・下絵、写生帖は、
(ほんの一部以外)全て大分県立美術館蔵
初期の作品も大分県立美術館蔵のものが多い!

福田平八郎の初期から晩年までの画業、そして多くの写生が
見られる充実した展覧会です。(できたら後期展示も行きたいなぁ‥‥)

でも私、平八郎の絵、スゴイって好きな絵と、うーんこれはどうなのか?
なんて感じてしまう絵とあったんですよね。特に晩年の方に。
これは平八郎の実験的な試みを理解できてないせいなのかなぁ?
写生はどれも、すごい、面白いって見ましたけど。

そして展覧会後のお楽しみ、ショップでは、
《漣》の手ぬぐいとかシャツとかトートバッグにも魅かれたけど、
結局こちらの3点を購入。
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(カレンダーは、図録購入者へのプレゼントとしてもらえました。
無くなり次第終了とのこと)
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図録2,800円(税込)
表紙はやっぱり重要文化財の《漣》ですが、
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裏表紙は写生帖の漣のスケッチが使われています。
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《漣》のクリアファイルは中にアルミ蒸着の仕切りがあって、
銀箔のきらめきを感じることができます。550円(税込)

そして、平八郎がスケッチしてた富山銘菓「薄氷」6枚入り1,296円(税込)
まぁなんて雅で上品なお菓子なんでしょう!!
宝暦二年(1752)創製の伝統の銘菓なんだそう。
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大阪中之島美術館: https://nakka-art.jp/
「没後50年 福田平八郎」展のページ: https://nakka-art.jp/exhibition-post/fukudaheihachiro-2023/
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豊田市美術館「未完の始まり―未来のヴンダーカンマー」 [美術]

3月3日(日)豊田市美術館へ行きました。
「未完の始まり
 ―未来のヴンダーカンマー」という展覧会をやっています。
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うーん、正直タイトルからしてよくわからない
「ヴンダーカンマー」って?
絵画や彫刻に加え、動物の剥製や植物標本、地図や天球儀、東洋の陶磁器など、世界中からあらゆる美しいもの、珍しいものが集められた「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」。15世紀のヨーロッパで始まったこの部屋は、美術館や博物館の原型とされています。それは、見知らぬ広大な世界を覗き見る、小さいながらも豊かな空想を刺激する展示室でした。しかし、大航海時代の始まりとともに形成されたヴンダーカンマーには、集める側と集められる側の不均衡や異文化に対する好奇のまなざしも潜んでいました。
グローバル化が進み、加速度的に世界が均質化していくなかで、今改めて文化や伝統とはなにか、また他文化や他民族とどう出会うかが問われています。かつて「博物館行き」は物の終焉を意味する言葉でしたが、5人の作家たちは、歴史や資料を調査・収集し、現代のテクノロジーを交えながら、時を超えた事物の編み直しを試みます。美術館の隣に新しくできる博物館の開館にむけて開催する本展では、文化表象の実践の場としてのミュージアムの未来の可能性を探ります。
(チラシ裏面の文)
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でも、豊田市美術館の展覧会はいつもすごくいいし、
年間パスポートも持ってるので、何の知識もないまま
(チラシも美術館へ行ってから手に入れた)出かけました。

年間パスポートを提示して、この日の入場券をもらいます。
置いてあった作品リストがとても充実していました。
豊田市美術館のウェブサイトからダウンロードできます:
https://www.museum.toyota.aichi.jp/wp-content/uploads/2023/02/guide.pdf

この展覧会、5名の出品作家の作品で構成されています。

まずは、
ガブリエル・リコ Gabriel Ricl
[1980年ラゴス・デ・モレ(メキシコ)生まれ。グアダラハラ(メキシコ)拠点。]
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野ウサギの剥製が三角形のネオンを見つめています。
へー、なんか面白いなーって、タイトルを見たら
《ピタゴラスからペンローズへ(野ウサギ)》2019年
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後でネットで調べて知りましたが、ペンローズの三角形って、
ありえない形(不可能立体)なんですね
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(Wikipediaからお借りしました)
タイトルも意味深で面白い。
ウサギや鹿の剥製が人類の叡智と宇宙の法則の象徴である幾何学に対峙しています。南米の神話に登場するこれらの動物たちは、人間の経済活動の結果であるネオンや鉄などの工業製品でできた幾何学を静かに観察し、あるいはそれに絶望的に向き合っています。」(作品リストより)

鹿の剥製が半円形のネオンに向き合っているのは
《イエスの星占い(ダン、リチャード&ヨセフ)》2023年
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キリスト教に詳しくない私にはタイトルの意味が
よくわからないんだけど、なんか深い精神性が込められている?
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壁に掛かっている平面作品は
《ふたつめの原因はひとつめを説明するためのものである(パラモ山、オーク)》2020年
メキシコ・ウィチョル族の伝統的な手法で刺繍したものだそう。

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焚火を囲む4人の人物? だけど頭がそれぞれ違う
《頭のなかでもっとも甘美な》2021年
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色ガラスでできた人物の中のガイコツがユーモラス。左より
《あなたの無知を慰める(最大の障害)Ⅰ》2023年
《あなたの無知を慰める(最大の障害)Ⅱ》2023年
《あなたの無知を慰める(最大の障害)Ⅲ》2023年
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壁に展示されている作品左から
《よりたくましい自然...よりたくましい幾何学(47)》2020年

オレンジ色の四角い色ガラスの周りにギザギザの形がついてる
《もし太陽が私と私たちの間の空間でより小さくっていたとしたら、その色はもっと失われていただろう(ガラスの四角)》2020年

《わずかな差を埋めるにはⅦ》2022年
ウィチョル族の伝統的な技法であるチャキラ(ガラスビーズ)で作られています。
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《太陽の内部を直接見ることはできない(五角形とマスク)》2022年
真鍮の棒でできた太陽のような形の中に、
ネオンの五角形と仮面が目のよう?
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《最上級の味わいと見事な神聖さ(7)》2021年
真鍮の支柱に掛けられた枝の両端に金箔がぶら下がってる。
同じような形のネオンも掛けられています。
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一見ポップな印象の作品だけど、
タイトルも含め、いろいろ意味を考えさせられて面白い。

次のコーナーは、
タウス・マハチェヴァ Taus Makhacheva
[1983年モスクワ(旧ソビエト連邦)生まれ。モスクワおよびドバイ(アラブ首長国連邦)拠点。]

中央に置かれているのは、マハチェヴァのルーツである
ダゲスタン共和国にある山の模型
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なんか契約書みたいな書類が並んでいたんですが、
(写真には写ってない)
《リングロード》2018年
この山頂を一周する環状道路の施設プロジェクト案です。入口も出口もないこの山の道路建設にかかるプロセスと費用、契約書が壁に取り付けた台座に提示されています。もしこの不可能にみえる事業を実現することができるなら、この彫刻作品を手に入れることができます。しかしできない場合は、展覧会が終わり次第、速やかに作家に返却しなくてはいけません。(作品リストより)

映像作品とそこに出てくるペンダントのパーツが展示されていたけど、
《セレンディビティの採掘》2020年
これらのペンダントのパーツを身につけると、
それぞれ異なる機能が表れる?
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他の映像作品なども結局よくわからず(^^;>


田村友一郎 Yuichiro Tamura
[1977年富山生まれ。京都拠点。]

《TiOS 2024年》
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部屋の中央にゴルフ場のバンカーが作られていて、
砂の上に一本のゴルフクラブが置かれています。
(ペーパーバックの『ライ麦畑でつかまえて』もあったそうだが
気付かなかったなー(^^;)
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その上にUFOのようなものが吊り下げられています。
よく見たら、携帯電話が並んでるんだ!
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携帯電話のライトが点灯していくと、
ゴルフ場の砂がキラキラ光ってきれい!
この砂、液晶画面が砕けたものでできているのだそう。
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映像作品のナレーションは、AIにより蘇ったジョン・レノンの声!
空からの映像は、ジョン・レノンが今の世界を見下ろして
語りかけてくるかのようにも感じられる。
チタンって骨と結合するんだそうですね。
チタン製のゴルフクラブを見た宇宙人は、
こんな骨を持った生物がいたのかと勘違いするかも?

今やチタンはゴルフクラブや建築資材、戦闘機や宇宙船、
携帯電話にも使われているそう。

ステンレス製の寝椅子に置かれているのは、チタン製の骨
直立歩行を始めた最初期のアファール猿人ルーシーの骨
ルーシーという名前は60年代に流行したビートルズの楽曲
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」に
因んで命名されたとのこと。
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骨やゴルフクラブや携帯電話のレントゲン写真も展示されてます。
知的好奇心が刺激されて面白かった。
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リウ・チュアン Liu Chuang
[1978年湖北省(中国)生まれ。上海拠点。]

《リチウムの湖とポリフォニーの島Ⅱ》2023年

映像作品なんですけど、うーん。なんかよくわからない。
少数民族のお祭り(?)とか、昔の中国の宮廷風の衣装の人、
皆がスマホを見ている現代中国の風景、
リチウムが採掘されるという湖とか‥‥
リチウムってスマホに欠かせない金属なんだそうですね。

しばらく見てたけど、ウトウトしてしまったこともあって、
途中で出てしまいました。作品リスト見たらこの作品
55分45秒あるんですって?!

以上が、1階の展示室8に展示されていた作品。
2階の展示室1へ行く前に、

豊田市美術館でのお楽しみ、カフェで
展覧会にちなんだ限定デザートをいただきました。
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レアチーズケーキにリチウムと湖をイメージしたメレンゲがのってました。
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甘酸っぱくて美味しかった。コーヒーを付けて1,500円
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さて、2階の展示室1 では、

ヤン・ヴォー Danh Vo
[1975年バリア(ヴェトナム)生まれ。ベルリン拠点。]

展示室の中に木でできた枠が組み立てられていて、
額に入った花の写真が並んでいます。
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これらの額は、ヴェトナム戦争を推し進めた
米官房長官ロバート・マクナマラの息子の農場で育った胡桃で
作られているのだそう。

中央に置かれた彫刻は、紀元2世紀のローマ時代のもの
男性の肉体美の称揚にアメリカのミニタリズムを嗅ぎつけ、ギリシャ・ローマ時代を源流とする欧米文化の解体を暗示します。(作品リストの文より)
ってことだけど‥‥
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写真の下には作者の父により、花の名前が
美しいカリグラフィで書かれていて、
花の写真を見て、たまに名前が読めると嬉しかった。
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「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」の展示はここまで。

階段を上がって3階の展示室2からは
2023年度 第3期 コレクション展

こじんまりとした小部屋の3面の壁に
山口啓介のエッチング作品が展示されています。
《RNA World - 5つの空 5つの海》1991年
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右 《炭素の船》1990年

通路のようになった場所に、
ヨーゼフ・ボイスの展示ケースを使った作品が置かれています。
博物館っぽい! 「ヴンダーカンマー」展に通じるような展示ですね!
手前《ヴィトリーヌ:耕地の素描》1963-83年
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左 トニー・クラッグ《無題 (棚に置いた5本のボトル)》1982年
右 イチハラヒロコ《美術中。》2005年(first edition 1999)
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「美術中。」(笑)
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展示ケースに名並んでいると、博物館っぽいなぁ!
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色とりどりのランドセルが並んでいます。
コブラの皮革、タテゴトアザラシ(毛付)の皮革、タテゴトアザラシの皮革、イワシクジラの皮革、ダチョウの皮革、カイマンワニの皮革、カバの皮革、ヨシキリザメの皮革 でできたランドセルだそう。
村上隆《R. P. (ランドセル・プロジェクト)》1991年
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私が小学生だった頃は赤と黒くらいしかなかったランドセルも、
今やいろんな色があって、気に入ったものを購入するには
1年前くらいから準備しないといけないとか!
もちろんこんな希少動物の皮を使ったランドセルはありませんけどね。

不思議な形‥‥
左は、笹井史恵《secret negotiation 1》とsecret negotiation 2》2002年
乾漆に朱漆、塗立仕上
右は、さかぎし よしおう《8012》《5005》《5014》《7029》
セラミックでできているそう。
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榎 忠《薬莢》1991年
どこまでが作品なのか? 金メッキが施されている?
ガラスケース含め2点組で作品みたいだけど。
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フツーの美術館っぽい(?)展示
左より 河井寬次郎《象嵌草花扁壺》1941年頃 《碧釉扁壺》1964年
黒田辰秋《赤漆彫華紋飾手筺》1941年 《乾漆耀貝螺鈿捻十稜水指》1965年
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展示ケースに雑草が生えてる?
須田悦弘《雑草》2000年
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展示室4へ進むと、左から
白髪一雄《無題》1957年
吉原治良《無題》1961年
斎藤義重《作品》1959年
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ブリンキー・パレルモ《無題》1970年
奥は、櫃田伸也《風の出来事》1977年
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最後の小部屋に
奈良美智《Through the Break in the Rain》2020年
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階段を降りて2階の展示室5

豊田市美術館が誇る
クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》1913/14年

そして、エゴン・シーレ17歳の作品
《レオポルト・ツィハチェックの肖像》1907年 と、
《カール・グリュンヴァルトの肖像》1917年 が並んでました。
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このツーショットは珍しいのでは?

奥には自画像が3点。左から、
岸田劉生《自画像》1913年
オスカー・ココシュカ《絵筆を持つ自画像》1914年
そして、この小さな自画像は誰? とキャプション見たら、
藤田嗣治《自画像》1943年
豊田市美術館HPのコレクションの音声ガイドによると、
https://www.museum.toyota.aichi.jp/collection/foujita-tsuguharu
戦時下の日本で、昭和18年元旦に描いた自画像とのこと。
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1階の展示室6には、小堀四郎
展示室7には、宮脇晴と宮脇綾子の作品がありました。

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豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/


このコレクション展の展示室4-5の展示は3/17(日)まで。
3/19(火)より 2023年 新収蔵品展が展示されるそう。

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大阪中之島美術館「女性画家たちの大阪」 [美術]

2月24日(土)、大阪中之島美術館の
「決定版!
女性画家たちの大阪」展 を見てきました。
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大阪では多くの女性日本画家が活躍していたそうですね。

とかく男性中心だった美術界で、これは
近代大阪の大きな特色だったのではないでしょうか。

大正元年(1912)、20歳だった島成園(しま せいえん)が文部省美術展覧会に入選し、その成功に触発されて同世代の岡本更園(おかもと こうえん)や木谷千種(きたに ちぐさ)、生田花朝(いくた かちょう)なども続きます。女性の社会的な活動が制限されていた時代にあって、絵筆ひとつで個性と才能を発揮し、正しく評価される可能性に女性たちは目覚め、発奮したのです。(チラシ裏面の文より)

チラシ見て、ちょっと少女漫画みたいな雰囲気
なんて感じてしまったんですよね。
どこが? って言われるかもしれないけど。
優美でロマンティックな感じ?

1964年に高校2年生の里中満智子が
第1回講談社新人漫画賞を受賞してデビューしたことに触発されて
多くの少女が漫画家を目指した(憧れた‥‥私も
それからかなり遅れてだったけど、そんな一人だったかな)
ことを思いました。その頃の少女漫画は手塚治虫、ちばてつや、
石森章太郎など、男性によって描かれている作品も多かったです。

まぁそんなで、この展覧会行きたいなって思ったんです。
でも、パートの休みがなかなかなかったり、休みでも
ダラダラと朝過ごしてしまって、つい行きそびれていました。
大阪だし、諦めようかなとも思ったけど、
珍しくパートが土曜日休みだった24日に思い切って行きました。
会期【2023年12月23日(土)~2024年2月25日(日)】ギリギリ!

行きの列車の中で、美術館のチケットサイトからオンラインで
チケット買って正解! 一般1,800円

この日、大阪中之島美術館では「モネ 連作の情景」という展覧会も
やっていて、美術館のチケット売り場は結構並んでいたので。

スマホのQRコード画面を見せてエスカレーターに乗り、

「女性画家たちの大阪」展は4階展示室(「モネ―」は5階)
QRコードを読み取ってもらい入場。
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第一章 先駆者、島成園

島成園(1892-1970)
京都の上村松園、東京の池田蕉園と並び閨秀美人画家の三園と称され」たことは、
2016年に岐阜県美術館で開催された
「ジャパン・ビューティー」展で知りました。
「閨秀」なんて言葉にはちょっと抵抗があるけど、
これは「ジャパン・ビューティー」展の図録の
島成園についての文章。今回の展覧会でとても残念だったのは、
図録が売り切れていたことー(T.T)

多くの女性画家が紹介されていて、展覧会見ながら、
後で図録でしっかり確認しようと思ってたのにww(泣)

なので以下「ジャパン・ビューティー」展や
「福富太郎の眼」の図録などを参考にしながら書きます。
(あぁ、この展覧会の図録欲しかった!)

最初に展示されていたのが、
《祭りのよそおい》大正2年(1913) 大阪中之島美術館蔵
20歳で文展に初入選した翌年、大正2年の第七回文展入選(褒状)
三人の華やかな着物の少女に対する地味な着物の少女が描かれています。、
少女たちの愛らしさはもちろんだけど、
貧富の差みたいな社会問題も描き出されていて、いいなって。
昔は身なりで貧しいか豊かか、身分が一目でわかりましたよね。

その隣に、《おんな(原題・黒髪の誇り)》大正6年
あ、これ、あべのハルカス美術館
「コレクター福富太郎の眼」で見た絵だ!って
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-01-30
女の情念を感じさせるような黒髪と、
般若が描かれた着物が印象的で、
あの展覧会の中でも気に入った絵だったので嬉しい。
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「コレクター福富太郎の眼」図録より

大正元年(1912)第六回文展に初入選(褒状)して評判になった絵が
《宗右衛門町の夕》
この展覧会に展示されていたのは、その絵と同じものを描いてほしいと
依頼されて描いた個人蔵の《宗右衛門町之夕》

「福富太郎の眼」展で気に入った《春の愁い》大正6年頃 も
展示されていて、これも島成園だったのね!
福富太郎の感性、すごく私好みだわーと。
ShimaSeien.jpg

チラシ裏面左上に使われている
《無題》大正7年 大阪市立美術館蔵
女性の顔の痣が異様な雰囲気‥‥!
描きかけのようなバックも不思議なインパクト。
これは下絵の前の自画像、というか描かれているのは
自分らしいが、島成園の顔には痣などない。
わざわざ痣を描いたのはどんな心境が?
この表情といい、内面の苦しさ、悩みを表しているのか?

撮影可だった第5章に展示されていた
島成園《自画像》大正13年
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なんか訴えてくるような迫力の、印象的な絵!

《伽羅の薫》大正9年(1920)
デカダンな雰囲気漂う細長くデフォルメされた太夫の姿
美人画の範疇から外れてしまうような迫力!
賛否両論が巻き起こったそうですが、まぁ、私も
好きか嫌いかって言われると‥‥だけど、大正9年に
この表現はすごく新しいんじゃないですか?

大正9年(1920)に銀行員と結婚後は夫の転勤に同行して
大阪や画業から離れるが、戦後は大阪に戻り、制作を再開

ってことですが、この展覧会には戦後の絵は出てないような‥‥
昭和に入ってからの絵は、なんかちょっと、
フツーの絵(?)になっちゃったみたいで、
情念みたいなものが感じられない。
やっぱり結婚生活が制作の支障になってたのかな。
昔の少女マンガ家も、結婚して辞めちゃう人多かったですよね。
残念だなぁ。


第2章 女四人の会―島成園、岡本更園、木谷千種、松本華羊

島成園、岡本更園、木谷千種、松本華羊で結成した「女四人の会」

井原西鶴「好色五人女」に登場する女性をテーマに
第一回展が大正5年(1916)に大阪三越で開催されます。
女性だけで開催したことから「生意気」だと批判されたとか。
展覧会の後の方で、4人がそれぞれの出品作の前に立って
撮影した写真が展示されてましたが、皆若くて素敵!
気概にあふれているというか。



チラシ裏面右上に使われている
木谷千種《をんごく》大正7年(1918) は、前期展示で見られなかったけど、
《浄瑠璃船》大正15年(1926) が展示されていました。
OsakaWomenPainters-(1).jpg
(クリアファイル購入 440円)
なんて優雅で贅沢な世界なんだ!!
大店のお嬢様が、船でうっとりと浄瑠璃を聞いています。
抹茶を立てている女性もいますね。

木谷千種(1895-1947)東京の池田蕉園に学び、大阪へ戻り、
「八千草会」で多くの女性画家を育てたとのこと。


松本華羊《殉教(伴天連お春)》大正7年(1918)頃
MatsumotoKayo.jpg
これも「福富太郎の眼」展ですごく気に入った絵!


第3章 伝統的な絵画―南画、花鳥画など

女性画家が活躍したのは、美人画だけではありません!

江戸時代から大阪で興隆した文人画(南画)の分野においても河邊青蘭(かわべ せいらん)、融紅鸞(とおる こうらん)などが活躍しました。彼女たちは画塾で後進の女性に絵を教え、グループを結成して絆を深め、その裾野はさらに広がりました。(チラシ裏面の文より)

このあたりの絵、詳しくないので、私には
絵を見ても、名前でも、女性が描いたのかどうかわかりません。
女性がこんな絵も描いていたのね! と。


第4章 生田花朝と郷土芸術

生田花朝が描いた大阪の寺や祭の絵が展示されていました。

《四天王寺精霊会図(原題・四天王寺曼陀羅)》昭和2年(1927)
大きな画面に四天王寺の建物や人物が細かく丁寧に描かれています。

チラシ裏面に使われている《だいがく》昭和時代 は、
行根神社の神事だそう。柔らかな色調が上品。


第5章 新たな時代を拓く女性たち

この章、撮影可!!
島成園や木谷千種らに影響を受けて、多くの女性画家が活躍したんですね。

「島成園と浪華の女性画家」展(2006年)の開催から17年。作品の発掘や調査研究の深化に多大なご協力を得て、本展では50名を超える近代大阪の女性日本画家の活動を、約150点もの作品と関連資料によって紹介します。(チラシ裏面の文より)

そんな調査研究の成果がまとめられた図録、欲しかった! (未練がましい)
図録で確認しようと思ってたので、
せっかく写真撮ったのに、作者とタイトルがわからない(T.T)

多分、金澤成峰《哀しみ》大正後期-昭和前期 だと思う
(ネットで確認できました!)
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白無垢に赤い着物を抱え、髪には折れた矢が刺さっています。
戦で恋人か婚約者を失ったのか。


吉岡美枝《樋口一葉》昭和17年(1942)
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鏑木清方が樋口一葉を描いた絵に似てるな、
あの絵どこで見たんだっけ? と探したら、
東京藝術大学のコレクションから、女性像に注目した
名古屋市美術館「麗しきおもかげ」展でした
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-04-24
Kiyokata-Ichiyo.jpg
キャプションの解説にも「清方作品を参考にした可能性が高い」と。
でも吉岡美枝の一葉はちゃんと机に向かってます!


ガラスの映り込みでうまく撮影で来てませんが
三露千鈴《殉教者の娘》大正15年(1926)
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たおやかで上品な女性の絵
「八千草会」で学んだ三露千鈴は、わずか22歳で亡くなってしまったと!
チラシ裏面左下の《化粧》大正後期 も三露千鈴の絵


西口喜代子《淀殿》大正後期-昭和前期
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「ジャパン・ビューティー」展で見た
木谷千草《化粧》に似てるなって見たんですが、
ネット見てたら木谷千草《化粧》は前期に展示されていたみたいですね。
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西口喜代子《淀殿》も完成度が高くて素敵!
「八千草会」で学んだ人らしいですが、
これだけの絵を描いた人のことが、よくわかっていないとか。


橋本花乃《七夕》昭和5-6年頃
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七夕の飾りつけをするおかっぱ頭の少女たち。
それぞれの着物の柄も細かく描かれています。


鳥居道枝《少女像》大正9年頃
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伝統的な美人画や日本画からはみ出してしまうような
肉体を感じさせる立体的な表現! 少女の顔もいいなぁ!


図録が買えなかったのが残念だけど、(まだ言う(^^;
見に行けてよかった展覧会でした。
(お正月2日からやってたんだ‥‥知ってたらww)

この日、大阪中之島美術館では「モネ 連作の情景」展もやってて、
できたらそちらも見たいと思ってたんですが、
すごい行列で諦めました。

「女性画家たちの大阪」展は、そこそこ混んでたけど、
まぁストレスなく見られて良かったです。

そんなことも含めて、この展覧会以外のことは次の記事で――

大阪中之島美術館: https://nakka-art.jp/

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松坂屋美術館「西田俊英展」 [美術]

2月22日(木)、松坂屋美術館へ行きました。

「西田俊英 展
 不死鳥-前代未聞のスケールで描く巨大作」
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このチラシを見るまで、西田俊英という画家の
名前も知りませんでした。

2023年10月29日の日曜美術館で、
“描く”という祈り 日本画家・西田俊英
https://www.nhk.jp/p/nichibi/ts/3PGYQN55NP/episode/te/GJKXJ33MKW/

が放送されたそうですが‥‥
私、日曜美術館は見てる(リアルタイムで見れない時は
録画で見るようにしているハズ)なんだけど‥‥

この展覧会を見てきてから、2月25日に再放送された
番組を見て、西田俊英氏が、屋久島の現生林に分け入り、
一晩、巨樹と対峙してスケッチする様子に、
すごいなーと感動しました。


そんなことを知らなくても、チラシの絵の
大樹の壮大なスケールと繊細な描写が素敵だなぁと。

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 日本美術院同人、日本芸術院会員である西田俊英は(1953- )、2023年武蔵野美術大学退任記念展として開催された展覧会で、2022年から約1年間、屋久島に滞在して描いた巨大日本画《不死鳥》を発表しました。その時点で第2章までの約40mであった本作は、最終的には、6章構成の全長70mにもなる前代未聞の大作とななります。
西田が世界自然遺産として知られる屋久島に魅了されたのは、その豊かな原生林に象徴されるように、森林が人間にとってかけがえのない存在で、その貴重な自然、そしてそこに棲む生命の営みに、画家が強く共感したからです。その稀有な自然を見つめることで「人間と自然の共生」「生命の循環」をテーマにした壮大な物語を紡ぎだしました。
本展では、その後も新たなインスピレーションを交えて、ライフワークとして取り組む本作をさらに進化したかたちで一挙公開いたします。

(チラシ裏面の文)

松坂屋美術館は松坂屋名古屋店 南館7階にあります。
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入館料は一般800円でしたが、ここに来る前、
名古屋駅の金券ショップのぞいたら、
招待券が500円で出てたのでゲット!

展示室内は撮影禁止

まずは第1会場へ。屋久島に滞在して描いた
《不死鳥》

高さも結構ある(205.0cm)けど、とにかく長い!!
展示されている壁が曲がっていて、絵全体を見渡すことが
できません!

<第一章 生命の根源>
屋久島の原生林に降る雨が川となって流れます
巨大な絵なのに、描写はすごく繊細で、
あちこち描かれた蛙やカニ、蝶やヘビがとてもリアル
そして闇の中を幻想的な不死鳥が飛び立ちます


<第二章 太古からの森>
水鏡のような淵に映る木には猿たちが遊び、鹿もいます
そして森の妖精も!
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(図録より)

そしてチラシ表面に使われている
朝の光が森に差し込んでくるシーン!
ここ、すごく感動した!!
絵から神聖な光が降り注いでくるみたい

そして夜、満天の星のきらめきと、
地面にも無数のきらめき。

日曜美術館でこのシーンを描いている様子を
放映してましたが、細かく地面の根や葉を描いた上に
黒い絵の具で塗りつぶしていったりと、まぁなんと
手がかかっているんだ! と。

星も描いてから塗りつぶし、こすって出してましたね。
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<第三章 森の慟哭>
斧を手にした不気味な妖怪が描かれています

そして、大勢の人間が木を切ろうと進んでいるところが
鉛筆の輪郭で描かれていました。

この《不死鳥》はまだ制作途中で、この後、
<第四章 彷徨う精霊たち>
<第五章 森の再生・命のバトンタッチ>
<最終章 森と人のユートピア> の全6章で構成され、
完成すれば全長90mとなるそう。(図録より)

本展では第三章の一部まで、48mが展示されています。

屋久島の森で描いたスケッチも展示されていました
まぁよくここまで描き込んだもんだ‥‥と。
紙の折り目も気にせずに描いているところに、
現場感?みたいな迫力を感じてしまった。


第2会場では、若い頃の作品も展示されていました

1981年に制作された《宙》
府中の大國魂神社参道の雷に打たれた大欅。時間だけは豊富にあった20代。
 息苦しくなるほどの執拗な描写が自分の未熟な技量を補うものだと信じて描いていた。
」(絵に添えられたコメント)
屋久島の巨樹に通じるような巨木の絵

インドの女性の強いまなざしが印象的な
《水汲みのマヤ》1999年
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夜に白く輝く端正なタージ・マハルの絵、素敵!
《星夜燦々》2001年


2頭の聖牛を師の奥村土牛先生と塩出英雄先生に見立てた。
 高潔で温厚だったお二人の人柄を偲ばせる安寧の地に座り込む仔牛は、私自身を象徴する。
」という、
《聖宿》2004年

夜の桜が窓に広がる室内の男とボルゾイ犬の絵
《月窓》2014年
ちょっと冷たい(端正とも言う)装飾的な美しさ‥‥私好きだなぁ!

図録購入 880円
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この展覧会、松坂屋美術館で3月3日(日)まで開催された後、

茨城県天心記念五浦美術館で、
2024年4月20日(土)~6月23日(日) に巡回します。

全て完成した《不死鳥》は、いつ見られるかな?
楽しみです。

松坂屋美術館: https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/
西田俊英公式HP: http://nishida-shunei.com/

Eテレ日曜美術館「“描く”という祈り 日本画家・西田俊英」
3月3日(日)午後8:00~8:45 に再放送されます。

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展覧会鑑賞後、松坂屋美術館の1階上にある
ハーブスでランチいただきました。

ここのランチ、お値打ちだって聞いてたんですけど、
いつも時間に間に合わないんですよね(AM11:00~PM3:00)

今回初めて間に合いました。(かなり待ったけど)
まずはサラダ
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そしてパスタ ベーコンとほうれん草のパスタを選びました。
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本日のハーフサイズケーキ ティラミスを選びました
ドリンクはレモンティーを。
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ここのケーキ、ケーキ好きで大食いな私でも、
ハーフサイズで十分ですよね!

これで2,100円 満足ですー(^^)

ウインドウのディスプレイとガラスの映り込みが面白いなー
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もう桜が咲いてる!
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「オオカンザクラ」だそう
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ナディアパーク(国際デザインセンター)のアトリウムでは、
大同大学 情報デザイン学科 3Dデザイン分野の
卒業制作展が開催されていました。
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愛知県美術館「コレクションズ・ラリー」周辺 [美術]

1月21日(日)、愛知県美術館で
「コレクションズ・ラリー」展を見て、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2024-02-12

大嶽恵子《情報の石》1984年 が展示されている
ラウンジに戻って、
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コレクション展(2023年度第4期)へ。

前室1 木村定三コレクション 修復報告 環頭大刀柄頭
調査によって、6世紀前半の朝鮮の制作品であることが明らかになった《単龍環頭大刀柄頭》の保存処理後はじめての公開です。追加調査による新知見と共に展示します。

「コレクションズ・ラリー」第4章でも思ったけど、
木村定三コレクション、すごいの持ってますよね。

まー、レポートとか、私が見ても
難しくてよくわからなかったけど(^^;>


展示室4・5 女性のアーティストのコレクション
令和5年度新収蔵作品を含む、若手から中堅の女性アーティストのコレクションのみで構成します。

「コレクションズ・ラリー」第2章と通じるような展示

松川朋奈
左より、
《I remember only that you were wearing a blue shirt that day》2023年
《Time passes even if I'm not here》2023年
《I decide for myself 2》2023年
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油絵なんだ! 写実さにも驚くけど、
濃密でねっとりした描写に
なんかドラマのようなものを想像してしまう‥‥


あ、平面作品だけど、この赤い糸は!
塩田千春《Endless Line》2017年
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国際的に活躍する塩田千春
「あいち2020」で、尾西の旧織物工場に赤い糸を張り巡らした
壮大なインスタレーションは迫力でした!
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2022-10-11


左より
大和美緒《under my skin》2021年 (2点とも)
蜷川実花《花瞬く光》 (2点とも)
塩田千春《Endless Line》2017年
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展示室の一角に青いダンボール箱が積まれています。
ダンボールには世界地図が印刷されています。
林 玲翔さんのインスタレーション《world》2023年
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平面の世界地図はよく見るけど、
球体の地球を平面に変換させているわけで、
北極や南極に近づくほど面積が大きく表示されてしまいます。

そして、日本人は日本が真ん中にある
世界地図を見慣れているけど、
欧米では大西洋が真ん中にある地図が普通なので、
日本を「極東」って呼ぶのが理解できます。
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丸い地球が平面の地図になり、
ダンボール箱に印刷されて四角になり、
積み上げられたり、台車で運ばれたりしています。
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左 山崎雅未《Buildings》2023年
街の明かりがキラキラしているようで素敵。
右 田島美加《Art d'Ameublement (Asilo de la Paz)》2023年
アクリル板の内側に色が付けられているので
表面がツルツルした質感になっています。
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このコーナーの作品、ほとんどが
(13作家24作品のうち、9作家14作品)
令和5年度新収蔵作品 牧廣美氏寄贈!


奥のコーナーに行くと、おぉ! なんか面白い!!

天井から吊り下げられているのは、
西條茜《甘い共鳴》2021年
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人がぶら下がっているようにも見える
突起には穴が開いていて、
中の空洞はつながっているので、
(陶の作品は焼成のために空洞でなければならない)
それぞれの穴へ息を吹き込み、音を出す
パフォーマンスも行なわれたそう。
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布に刺繍の作品は
竹村京《The books in K.T.’s bookshelf and foreign book》2019年
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祖父の本棚とドイツで見た本棚を組み合わせたベースに、
薄い布を被せて、本の刺繍を施しています。


展示室5へ進むと、

エミコ・サワラギ゠ギルバート《ニア・ベイⅠ-Ⅳ》2003年
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2020年度第3期コレクション展 でも展示されていました
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-11-24

鉛筆の線で塗りつぶされたようになった画面には、
アメリカの地図――ネイティブアメリカンの部族名が書かれている
が書かれているのがわかります。
「ニア・ベイ」はアメリカ合衆国本土の最西北端にある場所で、
先住民の居住地であるそう。
そこのレストランのテーブルに置かれていたマットに、
闇と明かりをドローイングしているとのこと。
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三瓶玲奈
左《色をほどく》2022年 右《色を見る》2022年
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花や果物? の色や形が解体されて再構築されたような
型板ガラスを通して見たような、キラキラしたところが素敵。


天井からぶら下がったスクリーンのような作品
古川あいか
左《失った色-2》2021年 右《構成-30.8》2018年
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透過するキャンバスを用いているので、
壁に影が映るのも面白い。
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川内理香子
3点のドローイングと、油彩作品《Cook》2022年
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分厚く塗られた絵具はひっかかれたり、
「BREAKFAST」とか「DINNER}と書かれたりしています。
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「食」をテーマに制作しているそうだけど、
楽しい食ではなくて、動物などの外部のものを
人間の内部に取り込まないと生きていけないという
違和感や不快感を表現しているのだとか。


展示室5 の奥は、
前回の「安井仲治」展のコレクション展の時と同様に
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2023-11-18

愛知県美術館が誇る名品の来歴が紹介されていました。

ジョアン・ミロ《絵画》1925年
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制作から10年以上過ぎた1936年(あるいは1938年)に、
スウェーデンのヨースタ・オルソンに購入された。
彼は、1908年ロンドン・オリンピックの金メダリストで、
1909-18年のあいだ理学療法士としてパリに滞在した際に同地の美術に接し、1918年にフランス美術を扱う画廊をストックホルムに開設しました。その後、本作は1939年にスウェーデンの画家ラグナル・サンドベリによって購入され、1948年に同じくスウェーデンの建築家スヴェン・バックストロムに引き継がれました。(キャプションの解説より)


ポール・デルヴォー《こだま(あるいは「街路の神秘」)》1943年
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エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《日の当たる庭》1935年
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 ドイツ表現主義を代表する画家として活躍したキルヒナーは、第一次大戦への従軍中に精神を病み、1917年にスイスに移住しました。以降、同時代の美術動向からは距離を取って、独特の色彩感覚でスイスの雄大な自然や身の回りの風景を描いていきました。本作に描かれたのは、1935年にバーゼルに滞在した際に、宿泊したホテルの窓から見た中庭の風景です。(後略 キャプションの解説より)

 本作は制作からまもなく、カルロ・ボスハルトという人物によって購入されています。彼はおそらく、キルヒナーの友人で文学者のヤコブ・ボスハルト(1862-1924)の息子であると考えられます。(後略 キャプションの解説より)
第一次大戦後の数少ない支援者だったと。


ニコラ・ド・スタール《コンポジション》1948年
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 ロシアに生まれ、フランスで活動したド・スタールは、第二次大戦後のアンフォルメルをはじめとするパリの抽象絵画の展開のなかに位置づけられる画家です。1950年代前半に制作された、パレットナイフを用いた色鮮やかで抽象的な風景画が良く知られますが、本作はそうした作品が制作され始める直前の作品です。(後略 キャプションの解説より)

 1946年にパリの画商ルイ・カレに見いだされたことによって、それまで不遇の時代にあったド・スタールは高い評価を得ました。またニューヨークの市場に通じていた画商テオドール・シェンプによって、彼の作品はアメリカへと渡っていきました。本作は、ピッツバーグの実業家で大コレクターだったジョージ・デイヴィッド・トンプソン(1899-1965)の旧蔵品です。1959年に彼は600点以上のモダンアートの収集品を、ピッツバーグのカーネギー美術館へ寄贈しようと計画しました。しかし同館はこれを拒否し、現在彼の収集品はアメリカ各地のほか、スイス、ドイツの美術館、そして当館に所蔵されています。(キャプションの説明)

‥‥うーん、せっかくのコレクションが散逸してしまった~~
まぁ、おかげでここで見られるんですけど。


今回の展示はここで終わり。入口に戻って出ました。


この日は「コレクションズ・ラリー」のトークを聞くために、
私にしては朝早く家を出たので、お腹が空いて
10階のウルフギャング・パックでパスタランチをいただきました。
サラダが付きます
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今週のパスタ
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セットのドリンク(コーヒーを選びました)はおかわりできるので、
スイーツのフランボワーズソルベを追加注文♡
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合計1,850円(税込)でした。


美術館のハシゴしようかなーとも思ったけど、
お腹いっぱいになったし、あまり動きたくなくて、
8階で、名古屋学芸大学の卒業制作展やってたので、
無料だし、ちょっと見て行こうかなって。

デザイン学科 と 映像メディア学科 がありましたが、
デザイン学科の卒展へ入場
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今はデジタル技術もあって完成度高いですね!!
面白かったです。
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石について研究してたり、
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家紋についての考察
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ぬいぐるみの形や素材を変えて試作
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八角形のタイポグラフィ
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レトロなもの(ルーズソックスとか、写るんですとか、
ラジカセとか‥‥)について
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白アリにとっては「ふつうの家」のご飯は、
「たてもの」が「たべもの」
いろんな生き物にとっての「ふつうの家」とは?
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‥‥他にも面白かったり感心したりする作品がたくさん
ありましたが、最終日で鑑賞者が多くいたりして
写真が撮れませんでした。


帰りは、地下鉄桜通線「久屋大通」駅へ。
セントラルギャラリーでは
(社)日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)愛知の
‘YELL’ポスターが展示されていました。
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愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/

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愛知県美術館「コレクションズ・ラリー」 [美術]

1月21日(日)、愛知県美術館へ行きました。
「コレクションズ・ラリー」展 が開催されています。
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愛知県陶磁美術館のコレクションと
愛知県美術館のコレクションの中から、
両館の学芸員4人が
それぞれ独自の視点でテーマを立てて紹介する展覧会

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愛知県陶磁美術館が休館中(2025年4月に再開予定)だからこそ実現したこの企画

両館の「コレクションを合わせると、その数は17,000件以上

同じ愛知県立の美術館同士ですが、意外にもこのように大きな規模での共同企画を行うのは初めてのこと
(チラシ裏面の文より)

なんだそう。でもまぁ、チラシも含めて、
(表面は今時珍しい2色刷り!)
なんかジミな展覧会だな‥‥って気も(^^;

1月16日(火)に始まった展覧会(~4月14日(日)まで)
わりと早いこの日に行ったのは、
この日の11:00-12:00 にトークラリー(学芸員による展示説明会)が
あったから。

11時に愛知県美術館へ行こうと、私にしては早い9時半頃に
家を出ました。愛知県美術館には11時10分前くらいに到着。

愛知県美術館と陶磁美術館の学芸員さんが1人ずついらして、
トークラリー参加者と共に展示会場へ。

私、最近かなり耳が遠くなってきたので、
学芸員さんのお名前とか聴き逃していることも多いし、
以下、聞き違いや記憶違いもあるかもしれません。
(それに半月以上前のことだしー)

会場の入口には一対の狛犬が置かれています。

瀬戸窯《御深井釉狛犬》江戸時代(18-19世紀)
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これ、向かって右の口を開けている方は獅子で、

左の口を閉じている方は角があって、こちらが狛犬
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なんですが、2つを合わせて狛犬と呼んでいるとのこと。

狛犬は、その背後にあるものを守るってことから、
今回の展覧会の入口や、各章の入口に置いたそう。
狛犬っていうと、神社の境内の石製のものを思い浮かべますが、
愛知県陶磁美術館にはたくさんの陶製狛犬が
コレクションされているんですね。

私が2020年11月に愛知県陶磁美術館に行った時には、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-12-09
西館に陶製の狛犬がたくさん展示されていました。
(今は移動したみたいですが)
陶製の狛犬は神社へ奉納するために作られた
小ぶりなものが多いとのこと。

トークラリー参加者の方からシーサーとの違いを質問されて、
沖縄のシーサーは獅子で中国から伝来したもの

狛犬は「こま=高麗」ということから、中国から朝鮮に伝わって
伝来したために「こまいぬ」と呼ばれるようになったのではないかと。
角があることから、一角獣も入っているかもしれないと。

展示室3は、イントロダクションとして、この狛犬の他、
展覧会の4章から各1点ずつが展示されていました。

縄文土器《深鉢》縄文時代中期(紀元前3000~2000年頃)
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久野真《鋼鉄による作品 #272》1975年
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次の展示室2 へ、狛犬の間を通って入ると、
第1章 JOMON
日本のやきもの史上、最古にして最大の人気を誇る縄文土器。その造形のどんなところに人々は惹きつけられるのか、土、形、紋様などの視点からその魅力を探りつつ、共鳴する作品とともに楽しみます。

ってことで、愛知県陶磁美術館所蔵の縄文土器が展示されています

縄文土器《深鉢》縄文時代中期(紀元前3000~2000年頃)
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縄文土器《双耳深鉢》縄文時代中期(紀元前3000~2000年頃)
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縄文土器《円筒深鉢》縄文時代前期~中期(紀元前3000年頃)
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岡本太郎が縄文土器の美しさを絶賛して、
それまで歴史的資料として見られていた縄文土器が、
美術的に見られるようになったわけですが、
これらの縄文土器、日常使いにもしていたようで、
なぜこんな魅力的な装飾がついているのか、
いまだによくわかっていないとか、

縄文土器にもこんな鮮やかな色がついたものもあります と
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左《注口土器》縄文時代晩期(紀元前1000年~紀元前500年)
右《朱彩浅鉢》縄文時代晩期(紀元前1000年~紀元前500年)


縄文土器とこんな絵が並んでいるのがいい!!
アメデオ・モディリアーニ《カリアティード》1911-13年
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《土偶》縄文時代晩期(紀元前1000~紀元前500年)
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土偶はあまり見つからないので、とても貴重だとか。

ほとんどがどこか壊れていたり、ばらばらに破壊されていたりで、
たとえば体の悪いところを撫でて穢れを移すような儀式に
使われたのかも と。
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撮影可・不可、SNS投稿可・不可がそれぞれの作品毎に表示してあり、
展示室の真ん中にあった巨大な作品
岩村遠《Neo Jomon:Haniwa -Majin-》2020年
すごく良かったけど、撮影不可で残念。

撮影可でもSNS不可の作品は、
間違ってアップしてしまうといけないので撮影しませんでした。

淺井裕介《その島にはまだ言葉がありませんでした》2019-2020年
土で描かれた巨大な絵。縄文土器と並んでいてとても良かった。
(チラシ裏面にも縄文土器と並んでいます)


振り返っているような姿がユニークな狛犬
瀬戸窯《御深井釉鉄釉狛⽝【愛知県指定⽂化財】》1749年
もしかしたら、左右逆かもしれない。かなり自由に作っている と。
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の間を通って、

第2章 うーまんめいど
映像作家・出光真子の著書『ホワット・ア・うーまんめいど』に着想を得たこの章では女性作家による作品を特集します。また、近年の両館の新収蔵作品も展示いたします。

この章を担当した愛知県美術館の学芸員さんが解説してくれました

2つのモニタに映し出されている映像は、
出光真子《アニムス Part1》と《アニムス Part2》どちらも1982年

出光真子さんは、出光興産の創業者の娘で、
サム・フランシスと結婚していたこともある映像作家
主婦の日常を写した映像に、彼女の内面を表す(?)男性人物が
重なります。

うーーん、チラッとしか見てない(音声も聞いてない)けど、
なんか古いバラエティ番組の映像みたいなカンジで‥‥

小形こず恵《染付鉢「酔芙蓉」》2021年
繊細な形とブルーとピンクの色づかいが素敵
キャプションに付けられたキャッチフレーズ(?)がいい
うつわにうつる花びらの色
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あっ、昨年秋に岐阜県現代陶芸美術館で大規模な個展を見た
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2023-10-25
三島喜美代《「Package」》1971/1973年
このピカピカ光る作品、陶でできているんですね。
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この作品面白いなぁ!
高橋皓子《地衣のシリーズ》1979年
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木綿と綿で作られた柔らかな形の中から、
内臓を思わせるような赤い布がはみ出しているのが
ちょっとドキッとします。

高橋皓子《行間》1981年
麻布で作られているんですね
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トークラリーを聞かなかったら、陶器の置物ね、くらいの印象で、
じっくり見ることはなかっただろう作品。
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月谷初子《置物・人形》1915-30年頃
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日本で最初期に洋風彫刻を学んだ月谷初子(1869-1945)
彼女は12歳の時に、工部美術学校でラグーサに学んだ彫刻家・小倉惣次郎に弟子入りしました。やがて初代宮川香山に師事して陶彫に技術を身に付けます。その技術を活かして全国の窯場を渡り歩いた後に、1929年から名古屋の御器所で窯を開きました。
(キャプションの説明より)
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宵越しの金は持たないみたいな奔放な性格で、
波乱万丈の人生を送ったみたい。

へー、こんな女性作家がいたのねと、興味深く聞いていたら、
ここで予定時間(11:00-12:00)となって、トークラリー終了。

トークラリーは、この日の他、2月10日(土)、4月6日(土)の11:00-12:00
3月8日(金)18:30-19:30にも行われます。


この幻想的で鮮やかな色使い、面白いなーってキャプション見たら、
作家名に「ノロ燐」と
左《胎芽その刻印》1964年 右《胎芽とその兇星の寓話》1966年
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ノロ燐《胎芽供養堂》1964年
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あー! これ、2016年の岐阜県美術館「第8回円空大賞展」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-02-15
円空賞を受賞されていて、
60年代アングラっぽい雰囲気が強烈な印象だった方!! って。
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愛知県美術館に収蔵されたんですね!(令和4年新収蔵作品)


そしてこちらも強烈なインパクト!!
前本彰子《Silent Explosion──夜走る異国の径》1988年
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面白い形!!
横田典子《ツチ・ビト−輪−》2021年
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名和聡子《BOY》2009年
巨大な顔写真かと見たら、アクリル絵具で描かれた作品!
そして、この顔は作者自身の顔を男子に変えて描いたんだそう。
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第3章 ハードロック/ヘヴィメタル 
硬い岩と重金属をあえて直訳したこの章では、文字通りゴツゴツした物質感や、重さや硬さなどを想像させる作品が並びます。

狛犬の間を通って長く伸びる作品
(キャプションを確認してこなくて、出品リスト見てもどれだか??(^^;;
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杉浦康益《陶による岩の群》1991年
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これ、石ではなく陶でできているんです。
同じ形が並ぶ違和感
愛知県陶磁美術館や岐阜県美術館の庭にも、
杉浦康益の《陶による岩の群》がありますね。
(岐阜県美術館は《陶による石の群》って作品名でした)

久野真《鋼鉄による作品》1982年
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中村錦平《華麗ニシテ虚言》1991年
このゴテゴテ感、面白~い!
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第4章 祈り
展覧会を締めくくるこの章では、仏教美術や墓の副葬品などを通して、作品に込められた祈りや死後の世界に対する人々の想いについて考えてみます。

瀬戸・美濃窯《鉄釉狛犬【愛知県指定文化財】》江戸時代(18-19世紀)
の間を通って第4章へ
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中国《如来三尊仏龕》北魏時代(6世紀)
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これ、愛知県美術館木村定三コレクションなんですが、
知識がない私が見ても、なんかスゴイ‥‥って
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第4章で展示されているものの半分くらいが
愛知県美術館の木村定三コレクション!
あらためて、すごいの持ってたんだなって。

こちらも木村定三コレクション
朝鮮《童女立像》朝鮮時代(15-19世紀)
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死者を供養するために作られた、
ハスの花を持つ童女像
穏やかな表情に癒されます

《獅子・狛犬像》室町-桃山時代(16世紀)
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こちらも木村定三コレクション。木造
トークラリーを聞いたおかげで、
左が角がある狛犬で、右が獅子だとわかる!

《神将形立像》平安時代(12世紀) 木村定三コレクション
十二神将の中の一体。
十二神将は、古代インド神話に登場する神々を仏教に取り入れた仏「天」に属し、
薬師如来に仕えていて、甲冑を身にまとい、悪鬼を踏みつけています。
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《菩薩立像》飛鳥時代(7世紀) 木村定三コレクション
小さくてかわいらしい仏様、だけど
国内でも古い飛鳥時代の仏像」(キャプションより)
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左 《須恵器 双耳壺》奈良時代(8世紀)
右 猿投窯《灰釉短頸壺【愛知県指定文化財】》平安時代前期(9世紀)
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どちらも愛知県陶磁美術館所蔵の古い壺
骨壺に使われたのかもしれないと。

《須恵器 突帯刻文壺》平安時代後期(11世紀)
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《鬼瓦》統⼀新羅時代(7〜10世紀)
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猿投窯《灰釉多口瓶【重要文化財】》平安時代初期(8世紀末)
中心の口を囲むように、四つの口が肩につけられた奇妙な形の壺。
仏教に関連する祭祀道具だと考えられる。定かではないが、
五つの口に花を生けて供えたのかも と。
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SNS不可で残念だけど、
熊谷守一《観世音菩薩》1940年 木村定三コレクション
は、思わず笑っちゃう程いい!!(チラシ裏面右下)

珠洲窯《五輪塔》鎌倉時代(13世紀)
能登半島地震で大きな被害があった珠洲には、
12~15世紀に珠洲窯があったんですね。
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スマホでQRコードを読み取り、五輪塔の構造がわかるCGが見られました

湖西窯《五輪塔形経筒外容器【重要文化財】》平安時代末期(久安2年:1146)
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会場出口にも狛犬が置かれています。
瀬戸・美濃窯《御深井釉狛犬【愛知県指定文化財】》江戸時代(18-19世紀)
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あ、会場の入口前にあったこちらの作品
石ころが積み上げられている のではなくて、
チラシが固められてできているんです!
大嶽恵子《情報の石》1984年
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コレクションズ・ラリー展、4つの章それぞれ違う味わいで、
面白かったです。私は縄文土器の第1章も良かったけど、
第2章 うーまんめいど の作品が新鮮でインパクトあって
面白かったなぁ!!

この展覧会、観覧料がなんと一般500円という安さ!!
(高校・大学生300円 中学生以下無料)
これでコレクション展も見られるんですよ!
とてもお値打ちです。

コレクション展のことは次の記事で書きます。

愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/

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岐阜県現代陶芸美術館「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」 [美術]

1月14日(日)岐阜県現代陶芸美術館へ行き、
「フィンランド・グラスアート
 輝きと彩りのモダンデザイン」展を見たことは前記事
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2024-01-28

岐阜県現代陶芸美術館のギャラリーⅡでは
「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」が開催されています。
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チラシは「フィンランド・グラスアート」展と一緒で
作られていて、ピンクと

グリーンがあります(絵や文は同じ)
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裏(中面)も背景の色以外は同じ内容
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 ジャムやパンケーキ、りんごやコーヒー…ムーミンの物語には様々な食べものが登場します。そこには食を介して自然や仲間とつながる、ムーミンたちの姿が描かれています。
 本展では、ムーミンの物語に登場する食に焦点をあて、ことばや挿絵、その他の特別展示品を通じてコンヴィヴィアル(convivial)な感じのありかを探ります。コンヴィヴィアルとは、「共生」や「ごちそう」、「パーティーなどの楽しく心地よい雰囲気」を意味する語です。ムーミン谷の仲間たちが食を通して集い、くつろぐ姿は、コンヴィヴィアルな感覚にあふれています。
(チラシ裏(中面)の文より)
 
フィンランドと言えば、ムーミン!
愛知県美術館で見た「フィンランド・デザイン展」でも
ムーミンの原画や絵本はもちろん、モチーフにした
布やカップなども展示されていました。

岐阜県現代陶芸美術館のロビーにも、
ムーミンのキャラクターを使ったカップがズラリ!
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ムーミンの椅子たち、かわいい!! (座れません)
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会場内は撮影禁止でした

ムーミン美術館(フィンランドにあるんですね)所蔵の
原画や複製画、ムーミンの物語からの文が、
迷路のようになった壁に展示されていました。
ムーミンの絵本の中に迷い込んだみたいな感じ。


階段を上がった展示室B-D室は、
コレクション展「森と湖の国・フィンランドの陶芸」

B室はルート・ブリュックの作品が展示されていました。


最後のD室のみ撮影可

フィンランドデザインの代表ともいえるモダンでシンプルな器
カイ・フランク/アラビア《キルタ》1953-1975年
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ビルガー・カイビアイネン/アラビア《パラティッシ》1969-74年
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「バラティッシ」とは「楽園」の意味だそう。
自然をモチーフにした華やかな装飾、いいな!


ビルガー・カイビアイネン/アラビア
《フローレンス(脚付プレート)》1982-1995年
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カイピアイネンの制作をもとにアラビアで量産されたもの」(キャプションの説明より)
カイピアイネンは2018-19年にここで開催された
「フィンランド陶芸」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-01-24
時計のモチーフや、ビーズの装飾など、
とてもいいなって見た作家です


カリーナ・アホ/アラビア《パラペリ》1964-1974年
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ウラ・プロコペ/アラビア《ルスカ》1961-1999年
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《ルスカ》はおよそ40年間にわたり製造され、アラビアで最も成功したシリーズの一つとして名高い。日本の民芸に通じる色合いとフォルムによる、オーブン用のストーンウェアである。(キャプションの説明より)

階段を降りた休憩室(?)
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陶でできた‥‥私最初に見た時、陶のオブジェかと思ったんですが、
座ってもいい陶製ベンチなんです!
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国際陶磁器フェスティバル美濃の
第5回陶磁器デザイン部門 銅賞受賞作品
中島克子《陶製ベンチ》1998年

ショップで「フィンランド・グラスアート」展の図録と、
スナフキンのブックマーク買いました。
1,100円(税込)
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やっぱりムーミンの登場人物ではスナフキンが好きだなぁ!
ムーミンのマグカップにもかなり心惹かれたんですけどね。

岐阜県現代陶芸美術館は、セラミックパークMINOの中にあるんですが、
美術館を出たところにあるセラミックパークMINOのショップで、
開催されていた「冬のおくりもの五人展」
会期: 2023年12月8日(金)~2024年3月3日(日)
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間宮香織さんのガラスの天使がとても素敵で連れ帰りました。
6,050円(税込)
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建物を出ると、絵に描いたような夕焼けが
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岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/
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岐阜県現代陶芸美術館「フィンランド・グラスアート」展 [美術]

1月14日(日)岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。
「フィンランド・グラスアート
 輝きと彩りのモダンデザイン」展をやっています。
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「フィンランド・グラスアート」展のチラシは、同時開催の
「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」とで1枚になっており、
2種類作られています。
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透明なガラスを表面にしたものは「ムーミンの‥」がピンク

色のついたガラスをメインにしたものは「ムーミン‥」がグリーン
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裏(中面)は左側の作品がちょっと入れ替わっています
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 北欧フィンランドの家具やテーブルウェアは、洗練された美しさと考え抜かれた機能性によって国外でも広く愛され、日本でも近年人気が高まり続けています。フィンランド工芸の発展は、1917年にロシアから独立した後に始まり、現代的な優れたデザインが次々と生み出されてきました。(チラシ裏(中?)面の文)

フィンランドのデザインはとても洗練されてて素敵!
ブログに感想が書けてないですが、
2017年に愛知県美術館で開催された
「フィンランド・デザイン展」

ここ、岐阜県現代陶芸美術館でも
「フィンランド陶芸」展 や、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-01-24

同時に開催されていた「マリメッコ・スピリッツ」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2019-01-26

「ルート・ブリュック」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-06-15

など、フィンランドのデザインをとりあげた展覧会を
見に行っています。で、今回はグラスアート!

私はどちらかと言うと陶芸よりガラスが好きだし、
昨年7月9日に放送された日曜美術館アートシーンで、
東京都庭園美術館で開催されていたこの展覧会の紹介を見て、
岐阜県現代陶芸美術館に巡回してくる! って
楽しみにしていました。

受付に岐阜県美術館の後援会員証を提示して入場します。

岐阜県現代陶芸美術館は、岐阜県美術館の後援会会員証で
無料で観覧できるんです(展覧会毎1回)
年会費3,000円はなんておトクなんでしょう!!

岐阜県現代陶芸美術館友の会の会員証で岐阜県美術館の
展覧会を見ることもできます。

なんと、フィンランド・グラスアート展は撮影可!!
 以下《作品名》デザイン・制作年 と表記(出品リストより) 

第1章 フィンランド・グラスアートの台頭

まずは、フィンランド・デザインの巨匠
アルヴァ・アアルト(1898-1976)と、
アイノ・アアルト(1894-1949)

アルヴァとアイノ・アアルトは、フィンランド・デザイン界でモダニズムを推し進めた最も著名な建築家およびデザイナーである。(図録より)

建築から家具、日用品のデザインまで、
多岐にわたって活躍したアルヴァ・アアルトの
ガラス作品のアイコンとも言うべき花器
《サヴォイ》1937年
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1936年のカルフラ=イッタラ・ガラス製作所のコンペで大賞を受賞し、翌年のパリ万国博覧会に出品された。同年ヘルシンキの中心街にオープンした高級レストラン「サヴォイ」に飾られたため、この名が付いた。(キャプションの説明より)
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背の高い《フィンランディア》1937年
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1937年にデザインされた作品なのに、今なおモダン!

木の吹き型が展示されていました
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経済的考慮から使われた木の吹き型
《アアルト・ヴェース》シリーズに金属型が使用され始めたのは1980年代に入ってからである。ただし木型で吹かれたガラスは、表面に木ならではの風合いが生じるため、味わい深い表情が得られる。(図録より)

チラシ表面にも使われていた
アルヴァ&アイノ・アアルト《アアルト・フラワー》1939年
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ガラスの重なりとグラデーションがきれい!


グンネル・ニューマン(1909-1948)

《魚》1937年
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ミニマルなガラス器の底に魚が描かれ(カットされ)ています。

《カラー》1946年
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植物・カラーの優美な姿が、ミニマムなラインで端正に表現されている。

ガラスの透明性・透過性を生かしたミニマムな形が素敵!!
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《ストリーマー》1947年
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静謐な雰囲気のなかに詩情が感じられます


第2章 黄金期の巨匠たち

カイ・フランク(1911-1989)

シンプルで機能的、実用的なイッタラのテーブルウェアの
デザインで有名なカイ・フランク
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《プリズム》1953-56年
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複雑な色合いは「ガラスの表面に別の色ガラスの層を薄く重ねたり、コーティングさせるフラッシュ技法と、別の色ガラスの層を厚く被せる被せガラスとの双方の手法を駆使して制作された

《ヤマシギ》1953年
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《アートグラス、ユニークピース》
左2つが1972年 中1972年 右1970年代前半
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ヴェネチアの伝統技法・レースグラス「1950年代からこの希望に興味を持ったフランクは、イタリア人職人の手も借りて、1960年代初頭にこれを再興した。

「アートグラス」とは、芸術的志向が高い作品で、
カイ・フランクはデザイナーのサインを刻むことを主張した。
「ユニークピース」とは、デザイナーが制作現場に立ち会って作られた
独自性の高いアートグラスのことだそう。

《アートグラス、ユニークピース》1968年
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《アートグラス、ユニークピース》1970年代前半
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チラシにも使われていますが、透明なガラス作品が多い中、
このカラフルさ、目立ちます。なんか楽しい!

《アートグラス、ユニークピース》1970年代
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色ガラスならではのとろっとした質感がいいな。

左《サルガッソ海》1970年代
右《アートグラス、ユニークピース》1975年頃
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こんなガラスの「遥か遠い海域の光の移ろいを想起させる
素材感も素敵だなぁ!


タビオ・ヴィルッカラ(1915-1985)

フィンランド・デザインは自然との結びつきが強いが、ヴィルッカラほどその幸せなハーモニーが顕著にみられるデザイナーはいないだろう

《杏茸》1946年
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《バーダルの氷》1960年
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《氷上の釣り穴 1970/1975》1975年バージョン
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1970年に70歳を迎えるウルホ・ケッコネン大統領への
誕生日プレゼントに、釣りをたしなむ大統領へ
氷上の釣り穴を模したデザイン。


ガラス作品は映り込みで美しく撮るのは難しいけど、
見る角度で印象が違うのも魅力!
《氷山》1950年
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《スパイラル》1948年
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《東京》1954年
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《東京》というタイトルから、日本と何らかの繋がりを暗示させるが、今のところ関係性が判明していない。中央に内包した気泡は、ガラスが熱いうちに、濡れた木の棒を差した際に水蒸気が吹いた自然の形である。
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左《アートグラス》1968年
中《ユリアナ》1972年
右《アメリカン・ヴァーズ/ブレジネフ・カップ(1972年バージョン)》1972年
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ティモ・サルパネヴァ(1926-2006)
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《蘭》1953年
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ガラスなのに、とろんと柔らかなフォルムが素敵。

《アートグラス》1954年
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左《夢へのゲートウェイ》1981年
中《アーキペラゴ》1979年
右《アーキペラゴ》1978年(ガラスの映り込みで形がわかりにくいですが)
とても透明性の高いガラスを使用しているんだなって。
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左の《夢へのゲートウェイ》1981年 なんて、
透明すぎて中の気泡が空中に浮いているようにも見える
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オイヴァ・トイッカ(1931-2019)
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これまでシャープな美しさのガラス作品が多かったので、
トイッカのユニークな色と形のガラス作品、
見てて楽しい!
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《シエッポ》1971年
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シエッポとはヒタキのことだそう。
現在に至るまでに1000種類を超えて続く〈バード・パイ・トイッカ〉シリーズの始まり」 「《シエッポ》は1971年から78年まで連続生産され、1995年から96年にかけて色違いが再生産された

キューブ形のユニークな作品も!
左《8人の花嫁、ユニークピース》1986年
右《湖の宮殿、ユニークピース》1969年
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左の《8人の花嫁、ユニークピース》
なんか物語が出来そう。見てて面白い!
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左《問題の森》1990年
右《錆の時、ユニークピース》1980年代末-90年代初頭
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ゴシックロマン(?)みたいな(スミマセン意味よくわかってないけど)
重厚でなんか物語を感じさせるような作品で迫力。

《知恵の樹、ユニークピース》2008年
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うわぁーーー。なんかすごく自由で迫力だー!!!


第3章 フィンランド・グラスアートの今

マルック・サロ(1954- )

ガラス作品というより、ガラスも用いた
アート作品ってカンジ
ユーモラスで楽しい!

左《アイスタワー、ユニークピース》1988年
中《サンバ、ユニークピース》1987年
右《水門》1989年
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左《アンフォラ、ユニークピース》1989年
右《アンフォラ、ユニークピース》1990年
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《缶詰のフラワーパワー》2009年
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左《アートグラス、ユニークピース》2017年
中《アートグラス、ユニークピース》2014年
右《歓声と囁き、ユニークピース》1998年
皿のざらざらした質感と滑らかな脚部との対比が面白い
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様々な色や質感のガラスで制作されたマルック・サロの作品
でも皆どことなくユーモラスな雰囲気。
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最後の部屋の前のコーナーに「フィンランドのピクニック」
として、ディスプレイされていました。
オイヴァ・トイッカのバードたちも置かれています。
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ヨーナス・ラークソ(1980- )

《リコリスみたい》2012年、2013年
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展覧会で発表された時、8歳だったラークソの息子が
「リコリスみたい」って言ったそう(^▽^)
リコリスは、北欧の暮らしになじみ深い、ハーブ系の黒いチューイング菓子

左《はちみつ》2014年
右《ココナッツ》2016年
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ラークソの作品はタイトルも面白いですね。
《はちみつ》は黒いボディにバットゥート技法(同一方向に無数の彫りを刻む手法)に
インスピレーションを得て作られた、はちみつのような色合いのガラスが魅力。
《ココナッツ》のタイトルは今や本人すら思い出せないそう(^▽^)

左《傷痕》2015年
右《ココナッツ》2014年
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《寿司》2015年
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ヨーナス・ラークソの作品は、フィリグリー(レースグラス)や、
バットゥート技法など、ヴェネチアン・テクニックを独自に組み合わせる
などして作られているのがわかります。
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展示室を出たところで、吹きガラスの制作の様子を写した映像が
展示されていました。

長くなってしまったので、
「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」については次の記事で

写真たくさん撮らせてもらったけど、やっぱりプロの撮った写真は違う!
図録購入しました。2,700円
表紙(帯)はティモ・サルパネヴァ《カヤック》1954年
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帯をめくると、
オイヴァ・トイッカ《松の樹、ユニークピース》1970年代中頃と
《シエッポ》
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さらにカバーをめくると、
タビオ・ヴィルッカラ《杏茸》が使われています。
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「フィンランド・グラスアート」展は、

富山市ガラス美術館で、2022年11月3日(木・祝)~2023年1月29日(日)
茨城県陶芸美術館で、2023年3月18日(土)~6月11日(日)
東京都庭園美術館で、2023年6月24日(土)~9月3日(日)
山口県立萩美術館・浦上記念館で、2023年9月16日(土)~12月3日(日)
と開催されて、ここ 
岐阜県現代陶芸美術館で、2023年12月16日(土)~2024年3月3日(日)
の後、
兵庫陶芸美術館で、2024年3月16日(土)~5月26日(日)
と巡回します。


岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/
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