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豊田市美術館「寺内曜子 パンゲア」とコレクション展 [美術]

9月12日(日)、豊田市美術館へ行き、
「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」を見たことは
前記事: https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-09-16

豊田市美術館はコレクション展も楽しみなんです。

モンドリアン展の展示室8を出て、まずは1階の
展示室6・7
コレクション展「小堀四郎 宮脇晴・綾子」
この部屋のいつも(展示作品は変わっているけど)の展示
小堀四郎の作品、画面から光が感じられて、
どんどんいいと思えるようになってきた。



2階の展示室1
コレクション展「ひとつの複数の世界」

モンドリアン展の開催にあわせ、「世界をどのように見るか」という視点から、2つのテーマ展示を行います。(中略)
モンドリアンや彼が参加したデ・ステイルでは、抽象に基づく造形制作を通して、絶対的な世界へと到達することが目指されました。(中略)
ひとつに見える世界のなかに複数の世界があり、そうした複数性によって、ひとつの世界が成立している。展示では、コレクションに寺内曜子の作品を4点加え、複数世界への視座を持ち、私たちの認識の外部を想像させてくれる作品を紹介します。

(豊田市美術館HP: https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/pangaea より)

展示室の中央に置かれたこの作品、インパクトあります。
徳富 満《2D or not 2D》1993年
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メビウスの輪ですね。色が赤から紫、青、緑、黄、オレンジと、
色相が連続して変化していき、元に戻る。
帯で隣り合う色は補色になるわけですね。

後ろの壁に展示されているのは
岡崎乾二郎《おかちまち》

2020年1月に行った
豊田市美術館「岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-03-08
このシリーズがずらっと並んでましたっけ。

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杉戸洋《quad Ⅱ》2009年
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「quad」って、「4つの」とか「四角形」って意味なんですね。

額田宣彦《ジャングル・ジム(01-1)》2001年
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なんか千代紙のパターンみたいにも見えるんだけど‥‥
油彩で描かれているそう。
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高松次郎《板の単体(赤)》《板の単体(青)》《板の単体(黒)》1970年
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台の上に乗っているのは、寺内曜子の作品

寺内曜子《ひとつづきの面》2002年
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これ面白い! 赤と青の紙が破られてくっついていることで、
表と裏がひとつづきのようになってる。
どんな構造になっているのか見てたら、
目が回りそうになりました(@.@)

3階から撮った展示室1の全景
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階段で3階へ上がると、小さい正方形の展示室2が
「寺内曜子 パンゲア」
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展示室の白い壁に赤い線が引かれています。
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部屋の中央の台に小さな球体が置かれています。
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球体にはシワがあって、ところどころに赤い線が見えます。
この球は、一枚の正方形を丸めたもので、赤い線は
紙の小口に赤い絵の具を塗っていたものが見え隠れしたもの。

壁の赤い線も、球体が乗っている台の高さも、
ちょうど私の目の高さなので、歩くたびに
中央の球体と赤い線が上下して、なんか面白い体験。
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球体の赤い線が伸びているような感覚にもなる。

壁の赤い線は、展示室の外まで続いていて、それも
面白かったけど、写真撮ってくるの忘れたー
もらったリーフに展示室入口からの写真がありました。
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リーフには寺内曜子さんのプロフィールや
作品の解説もあったけど、正直難しくてよくわからない‥‥
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展示室の外まで縮区赤線は、見果てぬ世界の、あるいは「在る」ことの不思議そのものである広大な宇宙の不可視性を想起させ、一方でもはや奥深くに入り込んで見ることにできなくなった、紙の小口の赤線は、私たちの寄って立つ大地の把握不可能性を感じさせるのである。(もらったリーフより)

開くとポスター(?)にもなるチラシ(?)
モノクロ印刷ではなく、4C+銀の特色です!
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乳白色のガラス(?)からの光があふれる展示室3へ進むと
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トニー・クラッグ《スペクトラム》1979年
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もらった「寺内曜子 パンゲア」のリーフで、
寺内さんは、イギリスに留学した1979年、
トニー・クラッグの個展がとても印象的だったと。

丸山直文《breeze of river 2》2004年
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この絵なんか好きだなー。ボートが描かれていなければ
リズミカルな抽象画のようにも見えるけど、
ボートが描かれていることで、木や水面の反射が
感じられるみたいで。現代の印象派ってカンジ。

2018年に名古屋市美術館で「モネ それからの100年」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-05-25
という展覧会があって、そこで私は丸山直文さんの絵を初めて
見たんですが、モネの画業を進めていくと、こんな絵に
到達するのかもって思いました。


ヴォルフガング・ライプ《ライスハウス》1996年
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前回の「ボイス+パレルモ」展 のコレクション展で見た
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-04-29
《ミルクストーン》の作家ですね!




窓から外が見える通路を通って展示室4へ
コレクション展「美術とデザイン」
豊田市美術館のコレクションの柱の1つが、ウィーン工房などの
近代のデザイン、工芸なんですね。

モンドリアン展に出てたヘリット・トーマス・リートフェルトの
椅子も豊田市美術館の所蔵品です。

こちらにも椅子が
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ドナルド・ジャド《椅子》1988年 (クーパー&カトウ)
脚の部分が3つとも違ってて面白い。
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ドナルド・ジャド《机と椅子》1990年 (クーパー&カトウ)
この縦と横の構成、モンドリアンにも通じますね。
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テラスの《色の浮遊│3つの破裂した小屋》の
ダニエル・ビュレン
《そのとき、その場所のまさに真ん中で起こる│フレームの中のフレームの中のフレーム #42》1988年
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それぞれの額には一部だけしか見えないのに、こうやって壁に
展示されると、大きな長方形のフレームがあるように見えますね。


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マルセル・ブロイヤー《クラブチェア B3 (ワシリーチェア)》
デザイン:1925年 (マルセル・ブロイヤー)、 製作年:不詳 (スタンダード = メーベル社
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今見たら、こんなカンジの椅子、よくあるって思うけど、
デザインされた1925年当時はとても斬新だったんだろうなと。

ジャン・アルプ《灰色の上の黒い形態の星座》1937年
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ジャン・アルプ《ひと、ひげ、へそ》1928-29年
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今年4月、愛知県美術館の「トライアローグ」展 で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-05-07
ハンス(ジャン)・アルプの彫刻を含む作品が出てたけど、
面白い形だなぁって。


わー、 このステンドグラス素敵!
フランク・ロイド・ライトなんだ!!
《アヴェリー・クーンレイ・プレイハウスの窓ガラス》1912年頃
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こちらもフランク・ロイド・ライトのデザインの椅子
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ペーター・ベーレンス《椅子》デザイン年:不詳 (ペーター・ベーレンス)、
製作年:1902年 (アントン・ブリュッゲル)
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これまでの豊田市美術館コレクション展で、
コーヒーポットや扇風機、ドイツ工作連盟展のポスターなどを
見てきたペーター・ベーレンス、椅子もデザインしていたんですね。

ペーター・ベーレンス《接吻》1898年
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アール・ヌーヴォーっぽい。


こちらはウィーンのコーナーですね!
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オットー・ヴァーグナー《郵便貯金局内証券取引所のアームチェア》
製作年:1912-13年頃 (ゲブリュダー・トーネット社)

壁に展示されている8枚組の版画(リトグラフ)は、
オスカー・ココシュカ《夢見る少年たち》
1908年 (1917年クルト・ヴォルフ版)

そして左は、エゴン・シーレ《第49回分離派展のポスター》1918年

豊田市美術館が誇る
クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》1913/14年 も
ここに展示されていました。


続く小部屋は
チャールズ・レニー・マッキントッシュ
《ウィンディヒルのホールのハイバック・チェア》1901年
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同《酒宴》1900年
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少女マンガっぽくてイイ♡♡




階段を降りた2階の展示室5
「モンドリアンと同時代の日本美術」

豊田市美術館のコレクションで知った、
挙母村(現・豊田市)出身の画家・牧野義雄(1869-1956)

霧のロンドンを描いた水彩画など、とても素敵だなぁって見てたんですが、
今回展示されていたのは油彩画2点
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左《サーペンタイン橋から望むハイド・パーク》
右《倫敦空襲の図》1940年

牧野義雄が日本を発ったのは1893(明治26)年、23歳の時。
サンフランシスコ、ニューヨーク、パリを経由して
1897年にロンドンへ。水彩画家や随筆家として活躍しましたが、
1942年第二次世界大戦が激化したため帰国。


この絵、なんか気に入りました。
佐分眞《婦人像》1927年
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一番奥に岸田劉生の絵
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左《横臥裸婦》1913年
右《代々木附近》1915年

《代々木附近》は、劉生の代表作で重要文化財になっている
《道路と土手と塀(切通之写生)》の場所を遠くから見た風景画ですね。

2020年1月に行った名古屋市美術館「岸田劉生展」
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-03-18
《道路と土手と塀(切通之写生)》が見られなくて残念だったんですが、
この作品は展示されてました。

この横に豊田市美術館所蔵の《自画像》1913年 も展示されてました。

こうやって制作年を見ると、モンドリアンの抽象画が、
ずいぶん進んでいたってのがあらためてわかったりします。
もちろん、ここに展示されている日本美術、どれも素敵なんですけど。


豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/

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豊田市美術館「モンドリアン展」 [美術]

9月12日(日)、やっと豊田市美術館の
「モンドリアン展
 純粋な絵画をもとめて」へ行くことができました。
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今回のチラシ、4つ折りの変形サイズになっていて、
私のスキャナーでは取り込むことができません。
A4のクリアファイルに入れると、上がはみ出すww

開くと、
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表面(?)は、
ピート・モンドリアン《線と色のコンポジション: III》1937年
デン・ハーグ美術館 の部分が使われています。
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展覧会で撮影した絵
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チラシ中面(クリックで拡大します)
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できれば平日に行こうと思ってたんだけど、
会期末(9月20日(月・祝)までもう日もなくなってきたので。

‥‥7月10日(土)からやっているんだけど、今まで、
平日の休み、だらだらと昼過ぎまで過ごしてしまい、
これから行くとあまり時間がないしーと、あきらめることが多くて‥‥

日曜だからか、会期終わりに近いからか、
結構混んでました。若い人が多い印象。
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これは帰る時(15時半過ぎ)に撮った写真だけど、
あま夏ソ~ダの販売車も出てます。
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豊田市美術館のスタイリッシュな建物に、
モンドリアンの看板がとても合ってます。
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豊田市美術館には前回の「ボイス+パレルモ」展に来た
4月13日(火)以来。

豊田市美術館「ボイス+パレルモ」展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-04-29

その時に年間パスポート買ってたので、
インフォメーションカウンターでチケットをもらい
展示室8のモンドリアン展へ

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モンドリアンっていうと、赤・黄・青の原色と、
水平垂直の線で描かれた絵が思い浮かぶけど、
そこに至るまでの初期の風景画がたくさん展示されています。
このあたりの作品はほとんどがオランダの
デン・ハーグ美術館所蔵
(この展覧会、デン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品50点を
中心とした展示。以下のブログで、
 所蔵の表記がないものはデン・ハーグ美術館所蔵)

正直、最初の頃の風景画はなんか暗くてジミなカンジ。

それが《乳牛のいる牧草地》1902-05年 (チラシ中面左上)
あたりになると、かなり明るく、筆致も荒くなって、
印象派風になり、

砂丘をモチーフにした絵が3点並んでいて興味深かった。
《砂丘I》と《砂丘 III》はデン・ハーグ美術館蔵、
《砂丘》は、石橋財団アーティゾン美術館蔵
どれも制作年は1909年
ピンクやブルー、黄色の点描で華やか。
だけど、砂丘と言われれば砂丘なんだけろうけど、
何が描いてあるのかわからなくて抽象絵画のようにも見えてくる。
この点描、スーラなどの後期印象派からの影響というより、
ヤン・トーロップからの影響が大きいとか。

ヤン・トーロップ? って、私、アール・ヌーヴォー調の
女性のイラスト風な絵の印象だったんですけど、
点描の作品も描いていたんですね。

チラシ中面の中上の《ドンブルグの教会塔》1911年 の、
鮮やかなピンク色が印象的だったなぁ。

灯台を描いた絵も面白かった。

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そして、いかにもモンドリアンって、後半の展示は撮影可!

《風景》1912年
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キュビスム風? モンドリアンらしい縦横の線が出てますよね。

《女性の肖像》1912年
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キュビスムの作風で、コートかガウンにストールをしている
女性が描かれているって説明だけど、なんか私には、
女性が2人のようにも見えるんだけど‥‥??


このあたりのモンドリアンの絵、私、
後の幾何学形態みたいな絵より好きだなー
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これ、木をモティーフにしているんだ!
《コンポジション 木々 2》1912-13年
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《色面の楕円コンポジション 2》1914年
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絵にKUBという文字(Kは一部分のみだが)が描かれている
モンドリアンには珍しい作品とのこと。


《コンポジション(プラスとマイナスのための習作)》1916年
京都国立近代美術館蔵
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ちょっと描きかけ(習作だから?)のようなところが面白い


具象画の中でも後期の作品
《夕暮れの風車》1917年
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ちょっと日本の版画のようにも見えちゃった。
モンドリアン、塔とか灯台とか、そびえ立つものが好きなのかな?


《自画像》1918年
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モンドリアン、こういう絵も描くんだって思ったら、
注文で描いた作品とのこと。背景に描かれている
タイルの壁かと見えるのが、この作品↓

《色面のコンポジション No.3》1917年
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左《色面のコンポジション No.3》と、
右《格子のコンポジション8 ―暗色のチェッカー盤コンポジション》1919年
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モンドリアンの代名詞みたいな
《大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション》1921年
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ちょうど100年前の作品なんだ。
黒のラインが端まで引かれていないんだって気が付く。


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そして、
モンドリアンに感銘したテオ・ファン・ドゥースブルフが結成した
「デ・ステイル」の作家の作品も展示されていました。
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この写真、後から気がついたけど、
テオ・ファン・ドゥースブル《コンポジション XIII》1918年
アムステルダム市立美術館
を見てる男性の服ww(^▽^)
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豊田市美術館展示室のガラスに貼られた色面もオシャレだし、
キャプションのこんなライン↓ 私もこのブログでマネして使ってます。
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右の作品は、
ジョルジュ・ヴァントンゲルロー《形態と色彩の機能》1937年
DIC河村記念美術館


このあたりの、モダンデザインってカンジの作品好きだなー。
やっぱり、バウハウスに大きな影響を与えたとのこと。


バート・ファン・デル・レック《コンポジション》1918-20年
アムステルダム市立美術館
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同《コンポジション(花開く枝)》1921年 ファン・アッベ美術館
この軽さ、なんか好きだなー
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テオ・ファン・ドゥースブルフ《コンポジションXXII》1922年
ファン・アッベ美術館
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ハンス・リヒター《色のオーケストレーション》1923年
東京国立近代美術館
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豊田市美術館所蔵の
ヘリット・トーマス・リートフェルトのイスが展示されていましたし、
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リートフェルトが建築デザインしたシュレーダー邸の映像も
見ることができました。
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1階のショップ横の特設フォトスポットでは、
リートフェルトデザインのイスに座る体験ができます。
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ショップでは図録はじめモンドリアン展のグッズが売られていました。
モンドリアンのコンポジションの絵は
バッグやマグカップにしてもオシャレですよね。
でも、入場待ちの列ができていたので諦めました。

図録・グッズはこちらのサイトからも買えます。
http://www.nikkei-events.jp/art/mondrian_goods/

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豊田市美術館のレストランで、
モンドリアン展のコンセプトデザートいただきました。
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展覧会に出てた《コンポジション No.1》をモチーフにした
チーズケーキ。
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周囲のオレンジのソースも美味しかった。
コーヒーとセットで1,300円(税込)
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ピート・モンドリアン《コンポジション No.1》1929年
京都国立近代美術館
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気が付けば、レストランの窓から見えるテラスの
ダニエル・ビュレン《色の浮遊|3つの破裂した小屋》も、
モンドリアン風に見えてくる(^^)
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『デ・ステイル』創刊号巻頭に掲載されたモンドリアンの論考
「絵画における新しい造形」に、たどり着くまでの
画風の変遷がわかって興味深い展覧会でした。

豊田市美術館の展示はいつもオシャレだし、
コンセプトデザートは、目も舌も大満足!

豊田市美術館: https://www.museum.toyota.aichi.jp/

「モンドリアン展」特設サイト(テレビ愛知 イベント):
https://tv-aichi.co.jp/mondrian/


豊田市美術館のコレクション展と「寺内曜子 パンゲア」のことは
次の記事で。

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清須市はるひ美術館「iichiko DESIGN」展 [美術]

8月22日(日)、清須市はるひ美術館へ行きました。

[ミスマッチストーリィ] 河北秀也の
iichiko DESIGN
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という特別展をやっています。

 みずみずしい風景の中にぽつんと置かれた1本のボトル、短くも心に響く詩の一節のような言葉。駅の構内で、横長の大きなポスターに目を奪われた経験はないでしょうか。控え目に入れられた商品名から、ようやくそれがある酒の広告であることがわかります。その名は「いいちこ」。大分県宇佐市の酒造メーカー、三和酒類株式会社が1979年から発売するロングセラー商品です。(チラシ裏面の文より)
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アルコールに縁のない我が家なので、
「いいちこ」についてそんなに知りませんでしたが、
(展覧会を見に行って、こんなに種類があるんだって知った)
センスのいいポスターやCMやってるんだなーと。

 ポスターをはじめとして、雑誌広告やCMなど、「いいちこ」のプロモーションは単なる宣伝を超え、商品や購買層のイメージづくりに大きく貢献し、その一貫した世界観はデザインの本質を常に提示してきました。これらすべてをプロデュースしているのが、アートディレクターの河北秀也(1947-)です。

河北秀也
私がデザインを学んでいた(1976-80)頃、
東京の地下鉄のマナーポスターを手がけてた方ですね!
マリリン・モンローの「帰らざる河」をもじった「帰らざる傘」とか、
チャップリンの「独裁者」をもじった「独占者」など、
とても印象に残ってます。

清須市はるひ美術館
観覧料一般800円が、JAF会員証提示で700円になりました。
(中学生以下無料)

展示室の撮影可ですが、動画、フラッシュ禁止、
ポスター等の一部を拡大して撮影するのは禁止とのこと。

展示室へ入ると、なにやら構造物が
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会場構成を建築家の桂川大氏が担当されています。
ポスターは、歩きながら、電車に乗りながら出会うものなので、
本展では、広告をみる環境を美術館という鑑賞の場において解釈することを試みました」とのこと。(もらったリーフより)
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おぉ! なんか新鮮!!
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春夏秋冬のいいちこポスター
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ほとんどのポスターがノーマル4C+特色1Cで印刷されているんですね。
贅沢だなー

地下鉄駅構内をモチーフにしているそう。
もともと細長くカーブしている展示室も生きてるというか。
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一番奥では、ポスターが地下鉄の駅に貼られて、
その前をいろいろな人が行きかい、列車が発着し、
やがてポスターが剥がされるまでの映像が流れていました。
映像作家の小濱史雄氏が担当されています。

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台の上には、『BRUTUS』と『ナショナル ジオグラフィック』の
雑誌広告が
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別の展示室には、壁に地下鉄車内窓上ポスター
ボトルデザイン いいちこ「パーソン」
このボトルも河北秀也のデザイン
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とても美しいデザインのボトルです。

ボトルデザイン いいちこ「シルエット」
        いいちこ「スーパー」
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ボトルデザイン いいちこ「フラスコ」
        いいちこ「スペシャル」
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季刊 iichiko
1986年から発行される文化科学誌
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酒とは関係なく、かなりカタイ内容っぽい。
企業のメセナ活動としてはかなり異例の
高い学術性を持つ取り組みではないかと。

モニタでは、TVCMが流れていました。
ゆったりした映像と歌がとても心地いいです。
ずっと見ていられそう。
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展示室出たところで本が山積みになっていて、
「あ、図録? 欲しい、いくらかな?」って思ったら、
「ご自由にお持ちください」
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す、すごい!! この豪華な本が無料でもらえるの?!!
この本の表紙、裏表紙は「iichiko」と「BEAMS」が提携して
作った商品とのこと。
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iichikoのB倍ポスターをはじめ
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iichiko 720ml 雑誌広告
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iichiko PERSON 雑誌広告(見開き2ページ)
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iichiko PERSON 地下鉄車内窓上ポスター
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など、どのページ見ても美しい。

しかし、これらの広告、デザイナーとしてはうらやましいだろうなー

私が大学でデザインを学んでいた(1976-80)頃、
PARCOやサントリー、化粧品のポスターがすごくカッコよくて、
みんな、あんなポスターを制作できるようになれたら‥‥
なんて憧れてたものです。

もう今、ポスターってメディアは時代遅れなんでしょうね。
(あ、あと皆レコードジャケットのデザインも憧れてたなー(^^)

こういうデザインをさせてくれる余裕(?)のある会社も
今は少なくなっただろうなー


帰る頃に、すごい雷雨になったので、しばらく美術館の2階で、
美術雑誌など見て過ごさせてもらいました。

『芸術新潮』の裏表紙ってiichikoの広告なんだ!
そんなに雑誌も買ってないけど、今まで気が付かなかったー(^^;
あまり広告広告してなくて、ビジュアル的には素敵だけど‥‥
(iichikoがこういうデザイン戦略をしているってのはわかりますが)
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雷雨も小止みになったので帰りました。
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ミスマッチストーリィ 河北秀也のiichiko DESIGN」展、
会期は7月22日(木・祝)~10月3日(日)で、
前期:7月22日(木・祝)~8月29日(日)
後期:8月31日(火)~10月3日(日) で、
一部展示替えがあります。
(チケット半券の提示で入館料がリピーター割引500円になるそう)

なんですが、
清須市はるひ美術館、緊急事態宣言発令に伴い、
8月27日(金)~9月12日(日)まで臨時休館とのこと(T.T)
(9月13日(月)は通常の休館日)

※会期が10月8日(金)まで延長になったそうです!

清須市はるひ美術館: http://www.museum-kiyosu.jp/

iichiko 三和酒類株式会社: https://www.iichiko.co.jp/
iichikoのポスターや雑誌広告が見られる美しいウェブサイトですね。


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岐阜県博物館の常設展とマイ・ミュージアムギャラリー他

岐阜県博物館、新型コロナウィルス感染拡大防止のため
9月12日(日)まで休館(9月13日(月)も月曜なので休館)とのこと!!!
密とは全く無縁の施設なのにー
せっかく素敵な特別展「薩摩の陶と刀」やってるのにー
やっと感想が書けたとこだったのにー

https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-08-26

8月17日(火)、岐阜県博物館へ行って、
特別展「薩摩の陶と刀」を見たことの続き

常設展は撮影可

白川郷の合掌づくり 旧遠山家住宅の10分の1模型
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懐かしい!! 昭和35年にタイムスリップ!
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本館3階のメインホール
イグアノドン全身骨格
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自然展示室1

パレオパラドキシアの歩行型(左)と遊泳型(右)
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パレオパラドキシア遊泳型のアップ
砂浜の海岸近くで生活していたと考えられているそう
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デスモスチルスの頭骨は、世界で最初に岐阜県瑞浪市で発見されたんですね。
デスモスチルスとパレオパラドキシアはどちらもデスモスチルス類
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デスモスチルスとパレオパラドキシアは、瑞浪市化石博物館で知りました。
恐竜とは生きていた時代も違う(恐竜は中生代、デスモスチルス類は新生代)
哺乳類 束柱目で、のり巻きを束ねたような歯が特徴
約2000万年前~1200万年前の北太平洋沿岸に住んでいたが
約1200万年前に絶滅

瑞浪市化石博物館とその周辺
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2018-02-18

瑞浪市化石博館: https://www.city.mizunami.lg.jp/kankou_bunka/1004960/kaseki_museum/index.html

ペルム紀(赤坂)の海
大垣市赤坂金生山の石灰岩からは、古生代ペルム紀の海に生息していた
生物の化石が多く見つかります。
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大垣市赤坂の旧清水家住宅で開催された三人展、
新川教さんの金生山の化石と鉱物の展示を解説してもらって見て、
中山道赤坂宿 旧清水家住宅三人展
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-10-14

その帰りに「金生山化石館」へ寄ったことを思い出しました。

中山道赤坂宿と金生山
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2016-10-16

金生山化石館: https://www.city.ogaki.lg.jp/0000000664.html


郡上市美山の熊石洞から見つかったオオツノジカの骨格化石
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ニホンツキノワグマの親子
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展示見てたら4時を過ぎたので、

岐阜県博物館の開館時間は、
4月~10月は午前9時~午後4時30分
11月~3月は午前9時30分~午後4時30分

マイ・ミュージアムギャラリーも覗いていきたかったので、
本館を出て、

マイ・ミュージアム棟2階へ。
マイ・ミュージアムギャラリーでは、県民のコレクションや
制作作品を紹介する展覧会が開催されています。
(マイ・ミュージアムギャラリーのみの入場は無料)

「プラモデル作品コレクション」
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会期: 7月31日(土)~9月5日(日)→の予定でしたが、
新型コロナのため8月26日(木)で終了しました(T.T)
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岐阜市や各務原市を中心としたプラモデル好きが集まり、45年程前に
結成されたという「岐阜コクピット」の会員たちが長年にわたり
作りためた作品が展示されています。

写真撮影可
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これだけ並んでいるとスゴイですね。
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プラモデルに手を加えてジオラマに。
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車に戻り、さて、4時半かー、まだちょっと時間あるな‥‥
そうだ、カフェ・アダチが近いけど、
まだやってるかな? って調べたら、
(喫茶店とか、久しぶりに行くと閉店してたりするので)
18時までやってる(L.O.17:30)ってことなので

むか~し、ここのモーニングのことをブログ記事にしてました
マイセンのカップで自家焙煎珈琲。モーニングも充実。カフェ・ド・ギャラリーアダチ
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2011-12-09

店名が「カフェ・アダチ」に変わったんですね。
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でも店内、変わらずにとてもいい雰囲気。
閉店時間近いので心配してた(他に客いないと長居しづらい)けど、
2組ほど寛いで過ごされてたので、
こっちも落ち着いて過ごすことができました。

おすすめにアイスコーヒーってあったので、それを注文。
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おぉ! コーヒーでできた氷!!
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ケースにあったオレンジのなんとかって(^^)>ケーキも注文。

合計1,030円(税込)でした。

コーヒーもたっぷりあったし、コーヒーの氷なので、
水っぽくならずに楽しめます。
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さっき買った図録「薩摩の陶と刀」読んで、
とてもゆったりした時間を過ごすことができました。



関連ランキング:カフェ | 関駅関市役所前駅




岐阜県博物館: https://www.gifu-kenpaku.jp/

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岐阜県博物館「薩摩の陶と刀」 [美術]

8月17日(火)岐阜県博物館へ行きました。

「令和3年度特別展
 岐阜・鹿児島姉妹県連盟約50周年記念
 薩摩の陶(とう)と刀(とう)
 響きあう美濃との歴史と文化」という展覧会をやっています。
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江戸中期、薩摩藩によって実施された木曽三川の宝暦治水工事が契機となり、 昭和46年に鹿児島県と岐阜県とのあいだで姉妹県盟約が結ばれました。(チラシ裏面より)
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幕府によって薩摩藩に命じられた木曽三川分流の治水工事。
大変な難事業で、莫大な工事費用と犠牲者が出て、
責任者であった薩摩藩家老・平田靱負(ひらた ゆきえ 1704-1755)は、
工事完了後に責任をとって切腹。
木曽三川公園の南にある治水神社は、
平田靱負と犠牲となった薩摩藩士を祀っています。

そんな岐阜県と鹿児島県、姉妹県盟約が結ばれて
今年で50周年になるんですね。

「陶と刀」は、岐阜も名産地です。、
陶磁器については、岐阜県現代陶芸美術館や岐阜県美術館で、
刀は関鍛冶伝承館などで見ていますが、薩摩焼はともかく、
薩摩刀については、いままで知りませんでした。


8月17日(火)、ウチのパート先では、コロナのワクチン接種後、
2日間は休みにしているので、3連休の最終日。
副反応もないので、遠出しようか(豊田市美術館に行きたかった)
って考えてたんですが、
まぁ、なんかダラダラと昼過ぎまで過ぎてしまいまして‥‥
(いえ副反応のだるさではなくて、最近はいつもこんなカンジ)

そうだ、岐阜県博物館なら近いからいいか、って。

岐阜県博物館は百年公園の北入口より入ったところにあります。
2015年4月から駐車場が無料となりました。

「弥生大集落」展に行った時(え? 2013年? そんな前だった?!!)
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2013-11-08
駐車料金300円かかって、人件費出るのだろうか?って書いてます。
だいたいここ、車じゃないと行けないような辺鄙なトコだしー

雨も降っているので、公園内閑散としています。
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スロープカーのりば
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岐阜県博物館への坂道を上がるのはなかなかキツイので、
無料のスロープカー「らくらく号」があります。

登りは利用させてもらいました。冷房がしっかり効いていて快適。

スロープカーのりば(博物館側)
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下りは坂道を歩きました。恐竜の足跡がついています。
(帰りに撮った写真)
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赤色は、獲物を追う肉食の獣脚類(カルノサウルス類)の足跡
黄色は、体長10m以上にもなる竜脚類(ティタノサウルス形類)の足跡
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道を横切る青色の足跡は、
“ダチョウ”恐竜とも呼ばれるオルニトミモサウルス類だそう。
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岐阜県博物館
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入館料:一般600円が、JAF会員証で520円になりました。
大学生300(200)円 高校生以下無料 ( )は割引料金
マイミュージアムギャラリーのみは無料

エレベーターで3階へ上がり、本館への連絡通路を通って、
まずは4階の特別展示室へ

特別展示室入口の記念撮影スポット
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島津義弘の記念撮影パネル
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特別展示室内は撮影禁止でした
展示品は陶も刀も、ほとんどが
「鹿児島県歴史・美術センター黎明館」の所蔵品

鹿児島県歴史・美術センター黎明館:
https://www.pref.kagoshima.jp/reimeikan/

まずは薩摩の陶

陶1 薩摩焼濫觴

薩摩焼の始まりは、
秀吉の朝鮮出兵で島津義弘(1535-1619)が陶工を連れ帰って、
御庭焼で茶陶を作らせたことからだと。

おりしも茶の湯が隆盛を極めるなか、関ヶ原合戦を経たころには、
大名や茶人たちの評価を得るまでになっていたそう。

薩摩焼の絢爛豪華なイメージとは違って、
茶人が好みそうなシンプルな形

最初に展示してあった始良市指定有形文化財《黒釉茶碗》
 薩摩 御里窯 火計手 江戸時代初期 も素敵だけど、

次の《白釉茶碗 銘 すはま》薩摩 御判手 江戸時代初期
(チラシ裏面右上から2番目)や、

特に《白薩摩茶碗》薩摩 堅野系 江戸時代中期 と
《白薩摩酒注・猪口》薩摩 堅野系 江戸時代中期 が
とても気に入りました。

「白薩摩」は藩の御用品となって洗練されていったが、
この2点は「千鳥印」染付銘があるので、
市場で扱われたものと考えられるそう。


陶2 世界のSATSUMAへ

島津斉彬(1809-58)は薩摩焼を輸出工芸品に育てることを目的に
上絵具の改良に取り組みます。こうしたことが実を結び、
慶応3年(1867)のパリ万国博覧会に出品された薩摩錦手は
大変な人気を博すことになります。

NHK大河ドラマ「青天を衝け」で、渋沢栄一(篤太夫)が
徳川慶喜の弟・昭武の随行でパリ万博に行き、
幕府と薩摩が同格に扱われていると抗議するシーンが
ありましたね。

さらに明治6年(1873)のウィーン万博、
明治9年(1876)のフィラデルフィア万博と、アメリカにも販路を広げ、
薩摩の煌びやかな錦手や金襴手は、
海外で「SATSUMA」ブランドとして広く知られるようになります。

とにかく派手でキラキラの薩摩焼はやっぱり目を引きます。

チラシ裏面左上の《錦手牡丹文花瓶》薩摩 苗代川系 
十二代沈壽官 森山周運絵付 明治時代中期 は、総高91.5cm

金キラの《金襴手風俗図大花瓶》薩摩様式 素地:苗代川系 明治時代
は、なんと高さ121cm

こういう絢爛豪華な薩摩焼が欧米でもてはやされたのはわかるけど、
日本人の美意識からするとちょっとクドイような気がする。

チラシ表面に使われている《錦手松竹梅鶴亀波紋浮彫花生》
 薩摩 苗代川系 東郷壽勝 明治時代中期 は、
白い地肌が上品で、そこに描かれた松がとても優美。
青海波の部分も浮彫になっていたりと凝っています。

チラシ裏面右上の《錦手鹿児島八景図大皿》
 薩摩 堅野系 慶田政太郎 山下雪山絵付 明治31-大正2年頃
中央に桜島が描かれ、周囲に7つの団扇を配して、
団扇に鹿児島の7か所の景色が描かれているという洒落た意匠。


陶3 百花みだれる薩摩焼

薩摩焼は一般に、堅野(たての)系、苗代川(なえしろがわ)系、
西餅田系、龍門司系、平佐系、種子島系の6系統に分類されているそう。
(以下は図録の説明をまとめました)

竪野系は、薩摩藩御用窯として、島津義弘に伴って渡来した
朝鮮陶工によって初期には茶陶を作り、のちに白薩摩の優品も焼いている。

苗代川系も、朝鮮陶工の開窯に始まり、黒薩摩に続き白薩摩も手掛け、
幕末・明治には海外の万博で注目される存在になる。

西餅田系は、主に鉄釉を掛けた日用品を焼いたが、
手の込んだ花生なども作っていた。

龍門司系は、白化粧による技法を特徴とし、さらに
玉流しや鮫肌などの多彩な加飾技法も見られる。

平佐系は、肥前有田の陶工を招いて磁器を製造し、
さらに長崎より学んだべっ甲釉を生み出した。

種子島系は、素朴で力強い風合いのものが多く、
民芸陶として注目されるようになった。

ってことで、様々な薩摩焼が並んでいました。


さらに参考出品として、岐阜県博物館所蔵の
成瀬誠志《金彩中国故事図茶碗》明治時代前期 と、
岐阜県現代陶芸美術館所蔵の
成瀬誠志《上絵金彩妖怪図置物》明治時代前期 が展示されていました。

薩摩焼が欧米で大人気になると、国内各地で薩摩焼にならった
輸出向けの陶磁器が作られるようになり、それぞれの産地名を冠して、
京薩摩や東京薩摩などと呼ばれたんですね。

このあたり、名古屋の横山美術館が明治時代以降の輸出陶磁器を
中心に展示をしていて、詳しいです。
(横山美術館のことブログ記事にできてなかったなぁ‥‥)
横山美術館: https://www.yokoyama-art-museum.or.jp/

成瀬誠志(1845-1923)は、はじめ茄子川焼(現岐阜県中津川市)の
陶工だったが、明治4年(1871)に東京で薩摩様式の絵付けを始め、
細密な絵付けをした東京薩摩を制作しました。


さて、薩摩の刀

近頃、刀剣女子なんて日本刀が人気なんだそうですが、
私は刀を鑑賞するって、どこを見たらいいのかもわかりません。

でも、これだけ並んでいるとなんか迫力ですね。
暗い中に刀が鋭く光っています。

刀1 薩摩島津家伝来の名刀

島津家は鎌倉時代に封ぜられてから幕末まで薩摩の地を治めてきて、
多くの名刀が伝えられています。

が、私にはどれも同じような刀に見えて、違いがよくわかりません。


刀2 薩摩刀

そんな私でも、なんかこれスゴイ‥‥って感じたのが、
重要文化財《太刀 銘 波平行安(号 笹貫)》
 薩摩 波平系・古波平 波平行安 13世紀後半 京都国立博物館蔵

妖刀とされていたって解説を読んで、よけいに凄みを感じました。


もう一つ、印象に残ったのが、
ほとんど反りのない長い刀
《刀 銘 築州住守次藤原是利/明治二年十一月吉日》
 筑前 是利 明治2年
人斬り半次郎としておそれられた桐野利秋佩刀と伝わる刀


刀3 薩摩の美濃刀

西郷隆盛愛刀と伝わる脇差、
《脇差 銘 兼房》美濃 初代兼房 15世紀後半
美濃(関)の刀なんですね。


図録がそれぞれの解説や年表なども詳しくてよかったです。
2,000円(税込) ブログの参考にさせてもらいました。

表紙は、《錦手松竹梅鶴亀波紋浮彫花生》
 薩摩 苗代川系 東郷壽勝 明治時代中期
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裏表紙は、《刀 銘 (一ツ葉葵紋) 主馬首一平藤原安代/遥奉鈞命於薩州作之 享保甲辰年》薩摩 享保9年
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岐阜県博物館: https://www.gifu-kenpaku.jp/
百年公園: https://hyakunen-kouen.jp/

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中日新聞の「薩摩の陶と刀」コラム生地
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ワクチン1回目と「赤鰐」のかき氷 [グルメ]

8月15日(日)に、ワクチン1回目を打ってきました。

市内の総合病院でファイザー社製ワクチンの集団接種。
多くのスタッフやボランティア(?)の方が書類のチェックや
誘導をしてくださってて、とてもスムーズに接種できました。

ツイッターなどで、副反応がって聞いていたんですが、
全く何事もなく‥‥熱も出ず、腕の痛みも、絆創膏見て、
腕のこんな上のとこに打ったんだーなんて思ったくらいで‥‥

まぁダンナによると「副反応は若い人が出るんだ」と。
そういうダンナも「なーんともなかった」んですけどね。

私の母は1回目の夜にちょっと熱が出たけど朝までには平熱になり、
父は何の反応もなかったとのこと。

しかしコロナはここへきてまた状況が厳しくなってますね。
岐阜県も8月17日から新規感染者が300人を上回る日が続いています。


岐阜県では7月4日(月)から、飲食店等に対する時短要請が解除になって、
パート先では結構お客様と売上が戻ってきてたんですけど、
17日(火)から20時までの時短営業になり、
20日(金)からは酒類の提供もできなくなりました。
まだウチはお食事だけのお客様もありますが、
やっぱりアルコールの提供ができないと、売上が全く違います。
居酒屋さんなんかはたまらないでしょうねぇ。
なかなか終わりが見えなくて、苦しいと思います。

加えて、この雨! 鬱陶しい‥‥
まぁ私は洗濯ものが乾かない、鬱陶しいって言っているくらいなんですけど、
この大雨で被害を受けられた方に心よりお見舞い申し上げます。

さて、ワクチンを打った翌8月16日(月)、
私は副反応があるといけないと、パートを休みにしてましたし、
久しぶりにダンナも会社に行かなくていいってことで、
例によってのんびりしていたんですが、

ダンナが、かき氷を食べに、岐阜の「赤鰐」へ行きたいと言い出しまして、

「赤鰐」は、岐阜のかき氷の有名店
いつも(冬でも)長い行列ができています。

私、この行列を見て、一体これは何?って、
このお店のことを知って、
これだけの行列ができるかき氷ってどんなのかな? って、
興味はありましたが、並んでまで食べようとは思わないので、
今まで入ったことがありませんでした。

近くの市営駐車場に停めて行くと、
角を曲がった先まで行列ができています。
「えー? これでも並ぶ?」って言ったけど、
ダンナは「せっかく来たし、一度は食べてみたいじゃないか」と。

2時間待ちました!

まぁ今はスマホ見てれば退屈はしないし、
この日は曇っていて割と涼しかったのもありがたかったですが‥‥

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やっと順番が来て入ると、
店内は5テーブルだけの小さなお店。

私は、ピスタチオミルクandミックスベリー950円を
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ダンナは、果物ミルク1100円に、金時トッピング100円
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確かに美味しかったです。かき氷というより、
ふわふわの雪を食べているような。


でも、もう2時間待ってまで食べたいとは思いませんけどね。



関連ランキング:かき氷 | 名鉄岐阜駅岐阜駅




地下駐車場への通用口、面白いデザインですね。
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市営駐車場代600円かかりましたー
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岐阜県現代陶芸美術館「岩田色ガラスの世界展」 [美術]

7月31日(土)岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。

「町田市立博物館所蔵
 岩田色ガラスの世界展―岩田藤七・久利・糸子―」
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銀色の特色も涼しげなチラシ

陶芸美術館でガラスの展覧会。私、陶器よりガラスの方が
好きなので、楽しみにしていました。
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でも岩田藤七・久利・糸子の名前も聞いたことがありませんでした。
ガレをはじめ、アール・ヌーヴォーのガラスは大好きなんですが、
そういえば日本のガラス作家ってあまり知らないなーと。

なので、この日、町田市立博物館学芸員・齋藤晴子氏の
講演会「日本のガラス工芸史における 岩田藤七、久利、糸子」
が、14:00~15:30に開催されるってことで、
この土曜日、珍しくパートのシフトで休みになってたので、
聴講の申し込みをしました。

講演会の前に展示を見ておきたかったので、
いつも(昼頃か昼過ぎにしか出かけないのに)より
早めに出かけて、12時少し過ぎ頃に着きました。

岐阜県美術館の後援会員証を呈示して入ります。
なんと、岩田ガラスの展示は撮影可!


まずは、日用品であったガラスを芸術の域にまで高めた
岩田藤七 1893(明治26)-1980(昭和55)

《鳥》1938(昭和13)年
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「用をなす」工芸作品を作ることにこだわった藤七にしては
珍しいオブジェ作品とのこと。

ガラスケースに自分が写り込んでしまってますが(^^;
この2点素敵!
左《花器「衣音」》1969(昭和44)年
右《花器「凛」》1953(昭和28)年
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「衣音」は、日本舞踊の足にまとわりつく着物の裾に
着想を得たものであろうと。

《瓶》1969(昭和44)年
真ん中の穴が造形的に面白い。
彫刻家ヘンリー・ムーアの作品からの影響があるのではないかと
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《花器》1970(昭和45)年
涼し気ー!
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《花器》1973(昭和48)年
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《水差し》1975(昭和50)年
金が使われていて豪華。ベネチア風の作品
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私この作品涼し気で気に入ったんですが、
タイトルも《花器「涼」》1976(昭和51)年
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ガラスの内側に細かな気泡が閉じ込められています。
ガラスが柔らかいうちに剣山などを押し付けて 多数のくぼみを作り、その上に溶けたガラスを一層被せて、 物理的に空気を封入する手法がとられている。」(図録より)
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ライトに反射してキラキラしてて素敵。

展示室 壁に藤七の花器を使って花を生けた写真も展示されていました。
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真ん中の展示台にあるのが、チラシ表面に使われている
《貝「波の響」》1976(昭和51)年
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藤七は貝をモティーフとした作品も多く作っているんですね。

資料として藤七の貝のコレクションや、
日本舞踊(?)のスケッチなどもあって興味深かったです。

どちらも《貝》というタイトルがついています。
制作年も同じ1962(昭和37)年
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とろんとした色ガラスがいいカンジ。

これもどちらも《貝》というタイトルの作品
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右が1975(昭和50)年、左が1974(昭和49)年

そして藤七のガラスの茶道具が並んでいます。
今では珍しくないガラスの茶道具ですが、
藤七が作り始めた昭和10年頃はなかなか受け入れられなかったそう。

《水指「仄々」》1965(昭和40)年
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仄かに透ける白いガラスは、炭酸カルシウムなどで
科学的に気泡を生じさせ、ガラス内に封じ込めた
泡ガラスで、印象的な水玉文様は、金属台の上に
型紙を使って水玉文様に色ガラスの粉を載せておき、
そこに膨らませたガラスを転がしてつけているのだそう。

《水指「湖水」》1973(昭和48)年
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何気に共蓋がついているけど、
(身と同じ材料で作られた蓋を共蓋(ともぶた)といい、
漆塗りの漆蓋など身と異なる材質の蓋は替え蓋という)
吹きガラスの作品で、本体の大きさとぴったり合う蓋を
作ることは至難の業なのだそう。

《水指》1975(昭和50)年
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金箔が華やか。藤七は東京美術学校在学中に金工や漆芸も
学んでいたので、金箔の扱いにも慣れていたそう。

《水指「あじさい」》1975(昭和50)年
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これとても気に入りました。素敵!!

《水指》1975(昭和50)年
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この緑は、透明な部分を透かして向こうがわにある色が
見えているんです。

《茶碗「渦」》1969(昭和44)年
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涼し気‥‥こんなお茶碗いいなー

《硝子額》制作年不明
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この作品とても心惹かれました。
細かな気泡が入って白く見えるガラスと
点描のような抽象模様が詩的で素敵!!



偉大な父を持った二代目の苦悩を味わう
岩田久利 1925(大正14)-1994(平成6)

父子は性格の上でも、藤七は豪放磊落で久利は几帳面と正反対であったが、 作品を制作する過程も大きく異なっていた。藤七は、事前に作品の設計図を描くことはほとんどなかったが、久利は綿密なデザイン画を描き、 計算された端正で優美な作品を制作した。(図録より)

《花器「H」》1954(昭和29)年
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このシャープな形が素敵。色もクリアなカンジでいいな。

《花器》1983(昭和58)年
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この端正な印象は、藤七と違うところですね。

《花器「阿」》1984(昭和59年)
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ユーモアのある形、面白~い!

緑色のガラスの色が素敵な3点が並んでいました。
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左から《花器》1982(昭和57)年《花器》1982(昭和57)年《花器》1984(昭和59)年

《花器》1989(平成元)年
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黒に赤の線が巻かれた端正な器

《硝子花入「赤と黒」》1986(昭和61)年
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タイトルどおり赤と黒色のシャープな形が魅力的。

《コンポート》1983年(昭和58)年
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チラシ裏面や図録の表紙にも使われている作品
シャープな形と、渦巻文様と散らされた金がとても素敵。

左《花器》1990(平成2)年 右《花器》1987(昭和62)年
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久利本人が「流影文」と名付けた文様が施された花器

《硝子額「夜の街」》1981(昭和56)年
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黒と赤のガラスを組み合わせた絵画のような平面作品
こういうガラスの平面作品を
「コロラート」って呼んでいるんですね。

久利は昭和55年、東京のホテルニューオータニの「鶴の間」に
設置する超大型「コロラート」作品に挑んでいて、この作品は
その頃に制作された小品のひとつとのこと。

《大鉢》1992(平成4)年
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透明なガラスに金と白の細かな文様がとても華やかな大鉢。
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岩田糸子 1922(大正11)-2008(平成20)

女学校時代に洋画家の有島生馬に師事したことはあったものの、 特に芸術家を志していたわけではなかった。たまたまガラス作家であった 岩田久利と結婚し、義父と夫が相次いで病に倒れた昭和33(1958)年に、 工場を続けていくためにやむおえずガラスの世界に入っていったのである。

岩田ガラスの工場では、
優秀な職人を多数抱えていたため、未経験の糸子が加入しても デザイナー兼ディレクターとしてすぐに活躍できたのだった。(図録より)

そんな糸子の作品は、奔放な雰囲気がありますね。
《飾皿》1991(平成3)年
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《花器「連山」》1999(平成11)年
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水墨画の山水の世界をガラスで表現しようとした意欲な作品

展覧会後の講演会で、この作品を作っている映像を見ることができました。
職人さんに細かく指示を出している糸子さん

《飾り玉「胡姫の首飾り》2005(平成17)年
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岩田工芸硝子が経営不振に陥り、平成12年に自社工場を閉鎖した後、 糸子はあまり大がかりな設備を必要としないバーナーワークを一から 勉強しなおし、トンボ玉の制作を開始した。

ってことで作られた作品。
はるばる極東の国々までやってきた中近東の舞姫たちの首飾りを イメージしました」とコメントされてます。

自社工場を閉鎖した後、バーナーワークを日本やアメリカで学んだのが、
2000(平成12)年、糸子さん78歳。そのバイタリティーすごいですね。



最後の展示室は、
「岐阜県美術館所蔵
 もう一人のパイオニア 各務鑛三 クリスタルガラスの世界」

岩田藤七と並ぶ、日本のガラス工芸の先駆者である
各務鑛三 1896(明治29)-1985(昭和60)

岐阜県土岐郡笠原村(現多治見市)出身ってこともあり、
岐阜県美術館に作品が所蔵されてるんですが、
こんなに持ってたの?! って、ちょっと驚きました。
(9点展示されていました) この展示室のみ撮影禁止

《飾り皿 銘 祈り》1929(昭和4)年
とか、岐阜県美術館の所蔵品展でよく展示されてて、
このシャープなカット文様、印象的です。

しかし、岩田藤七と各務鑛三の作品、全く正反対ですね。
柔らかな色ガラスの藤七に対して、各務鑛三の作品は
無色透明のクリスタルガラスの冷たい硬質な美しさ。


展示室を出たところで、久利の作品制作の様子が写された
映像が流れていました。

見ているうちに講演会の時間(14:00~)が近づいてきたので、
美術館内のプロジェクトルームへ。
(セラミックパークMINOのイベントホールから変更になったそう)


講演会「日本のガラス工芸史における 岩田藤七、久利、糸子」
講師は、町田市立博物館学芸員・齋藤晴子氏

今回の「岩田色ガラスの世界展」に展示されている
岩田藤七・久利・糸子の作品約100点は全て、
町田市立博物館所蔵

町田市立博物館は1973年に町田市郷土資料館として開館し、
郷土資料に加えて、国内外のガラスや陶磁器などのコレクションが
充実しているとのこと。現在、町田市立国際工芸美術館として
リニューアル移転が予定されていて、準備のため休館中とのこと。

まずは、町田市ってどこにあるかわかりますか? と、三択の地図が
私、昔、多摩美術大学で八王子に住んでいたので、
ちゃんと正解を当てることができました。
でも、町田市って東京都だったんだって(神奈川かと思ってた(^^;>
明治の初めは神奈川県だったそう。
横浜開港当時、横浜港から10里の区域は神奈川県とされたので。
それが水源の問題や、自由民権運動で東京都になったとか。

この展覧会が岐阜で開催されて、岩田藤七のライバルである
各務鑛三の作品も併せて展示されるのが嬉しいと。

そして、岩田家のルーツは岐阜だそう。
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(講演会の資料)

藤七の父・初代藤七が、京都に出て、呉服商をしていて、
その後、東京・日本橋にも店を構えて、
宮内庁御用達にもなっていた。藤七は幼名を東次郎といったが、
7歳の時に父親が亡くなり、宮内庁御用達の仕事のために
父の名を継いで藤七にしたそう。呉服商の仕事はその後、人に
譲ったとのこと。

私が藤七の経歴を聞いて へーっと思ったのは、
東京美術学校に12年在籍したってこと。
最初入学したのが金工科。金工科を6年で修了して西洋画科に再入学。
在学中に彫刻家・竹内久一の長女であった邦子と結婚しています。

大正11(1922)年に帝展に出品し、初入選を果たしたのは彫刻の作品でした。
(当時は帝展に工芸部門はまだなかった。
昭和2(1927)年に美術工芸部門である第四部が設置される)

藤七がガラス工芸をやるようになったのは、
師の岡田三郎助の「ガラスをやってみないか」って言葉や、
(岡田は工芸品やガラス器なども多く収集していたそう)
ドーム兄弟のガラス作品を見て、吹きガラスを知り、
こんなにやわらかいガラスがあるのかと感銘を受けたこと
(その頃ガラス製品というと切子ガラスだった)
そして、橘硝子製造所や岩城硝子製造所でガラス製造の技術を学ぶ
機会に恵まれたこと。特に、橘硝子製造所は廃業する時期だったので、
通常はガラスの色の調合などは企業秘密なのだけど、
その技術を教えてもらうことができたし、
藤七が昭和6(1931)年に岩田硝子製造所を設立した時は、
橘硝子にいた職人たちを引き継ぐことができたそう。

しかし当時はガラスというと日用品としか見られていなくて、
藤七はまず金工と組み合わせた作品を帝展に出品して
昭和3(1928)年、4(1929)年、5(1930)年と3年連続して特選をとります。

これが世間にガラス工芸も芸術になると認めさせることになります。

昭和10(1935)年からは、上野松坂屋をはじめとして全国の百貨店で
個展を開くようになります。当時ガラスは夏の商品というイメージ
だったけど、藤七は経営者として夏しか売れないのは困ると、
色ガラスを用いたのは、年中使ってもらえることが目的の一つだったと。


ここで日本のガラス工芸史を簡単に

弥生時代に渡来したガラス、
飛鳥時代に国内でガラスの製造が始まったが、
ビーズが中心であったと。

平安~室町時代は、日本のガラスの空白期

室町末期~安土桃山時代にヨーロッパからガラス器がもたらされ、
江戸時代には国内でガラス製造が開始されるが、
まだ薄いガラスしかできなかった。

19世紀になって、徐冷(なます)技術が知られて、
厚手のガラスができるようになり、
江戸切子や薩摩切子が誕生する。

明治になって西洋式ガラス製造法が伝わり、
鉛ガラスからソーダガラスへ
窓ガラスの量産もできるように。

大正~昭和初期には、色被せカットガラスが大流行
(あ、こんなコップ、昔、実家にもあった気がする)
日用の器として定着していったと。

こんな中で、藤七のガラス芸術は誕生したんですね。


さて、帝展や文展、戦後の日展にガラス作品を出品していた
藤七ですが、昭和31(1956)年の日展に、ガラスと金工で2作品を出品し、
金工作品で特選を取ります。息子の久利もガラス特品で特選受賞。
それが翌年の国会で糾弾されることになり、これによって
藤七は日展理事を退くことになります。

昭和33(1958)年は、岩田家にとって受難の年であったと
藤七が脳溢血で倒れ、胃がんの手術をすることになります。
久利は、工場が火事になり、その消火活動で肺を患い
長期入院をすることになります。


そこで、久利の妻である糸子が岩田工芸硝子株式会社の
経営とガラス製造を手掛けることになります。

糸子がデザインしたガラス卓上ランプが大ヒット商品となったそう。

黒色ガラスの製造を始めたのも糸子で、それまで
黒色のガラスは軟らかくて扱いにくいため、職人が嫌がって
作らなかったが、糸子は職人とぶつかるのも辞さず黒色ガラスの
作品を制作。その後は藤七や久利も黒色ガラスを使うようになったそう。

なんかダラダラと長く書いちゃいましたが、
岩田藤七・久利・糸子の生涯をはじめ、各務鑛三のこと、
日本のガラス史など、とても濃くて興味深く聞かせてもらいました。
(あくまで私が聞いてメモしたことと、図録で読んだことを
まとめまたものです。)


写真いっぱい撮らせてもらったし、ちょっと迷ったけど、
図録購入。2,000円(税込)
IWATAglass-(6).jpg

そして、ガラスの歴史についても知りたくなって、
隣に並んでいた
「世界ガラス工芸史」美術出版社 も購入しました。2,750円(税込)
IWATAglass-(5).jpg

IWATAglass-(3).jpg

「町田市立博物館所蔵
 岩田色ガラスの世界展―岩田藤七・久利・糸子―」展、

栃木県立美術館で、2021年4月17日(土)~6月27日(日)に
開催された後に

ここ岐阜県現代陶芸美術館で 7月10日(土)~8月29日(日)

その後、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で、
9月21日(火)~11月14日(日) に巡回します。

岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/

岐阜県現代陶芸美術館があるセラミックパークMINOでは、
昨年開催予定で延期となっていた
「国際陶磁器フェスティバル美濃'21」が、
2021年9月17日(金)~2021年10月17日(日) に開催されます。
2021-7-31-(42).jpg
写真ではわかりづらいですが、帰るこの時、すでに空が暗く、
時々稲光もあって、途中土砂降りの雨になりました。

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中日新聞に載ったコラム記事
chunichi-iwata.jpg
chunichi-iwata(2).jpg


カラー版 世界ガラス工芸史

カラー版 世界ガラス工芸史

  • 作者: 中山 公男
  • 出版社/メーカー: 美術出版社
  • 発売日: 2000/03/16
  • メディア: ペーパーバック



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愛知県美術館「ジブリの大博覧会」 [美術]

7月20日(火)愛知県美術館へ行ってきました。
「ジブリの大博覧会」をやっています。
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この展覧会、去年2020年6月25日(木)~9月6日(日)に
開催が予定されていたんですが、
新型コロナウィルス感染拡大防止のため延期となり、
今年2021年7月17日(土)~9月23日(木・祝)の開催となりました。
GHIBLI-EXPO-(1).jpg

まだコロナが収まっていない今、大変混雑も予想され、
日時指定予約制となっています。
(美術館でのチケット販売はありません)
GHIBLI-EXPO-(2).jpg

しかし、愛知県美術館友の会会員は予約なしで、
いつでも入れるって連絡が届きました。

予約しなくていいのはありがたい‥‥
私は友の会会員でなかったら、この展覧会は行かなかったと
思います。私、ジブリはあまり詳しくないんです。
呆れられるかもしれないけど、
ナウシカも、もののけ姫も、千と千尋も、ちゃんと(全部通して)
見たことがありません。通して見た(もちろんテレビで)のは、
トトロとラピュタくらいかなぁ? (あ、石を投げないでww)

いえ、ジブリのアニメがすごいのはわかってます。でも私、
2時間近い作品を見る集中力(?)が続かないっていうか‥‥
以前も書いたんですが、
展覧会とか本とかマンガって、自分のペースで見たり読んだりできるけど、
演劇や映画は作った人のペースなんですよね。
なので、展開が早すぎて理解できなかったり、
過剰な内面描写をウザイって感じてしまったり、
そもそも私、ハラハラドキドキは好きじゃないっていうか。

ごめんなさい。話がそれてしまいました。
友の会会員証でいつでも入れるので、
せっかくなので(チケット買うと一般1,900円!)
できるだけ空いている日に行きたい
(日時指定制だから関係ないかもしれないけど)
ということで、展覧会が始まって最初の平日だった
20日(火)、パートが休みだったので早速行ったんですが――

甘かった!!

愛知県美術館がある愛知芸術文化センター10階の
エレベーターを降りたところで、まずチケットの確認があり、
指定時間内のチケットを持った人だけが行列に並ぶことができます。
行列は、トトロがバーのカウンターにいる「スタジオジブリへようこそ」
の横を通って、いつもコレクション展の入口になっている
ところから入りますが、展示室8、7、6は行列のスペースになっていました。
(私が行った時は展示室6のみが行列に使われていました)
ちょうど15時頃だったので、15:00~15:50の入場枠の人が押しかけていた
時間だったのかもしれません。もう少しズラすと良かったのか?

ベビーカーを押した家族や、子供連れ、カップル、
若い方から年配の方まで、今更ながらジブリの人気を再確認しました。

チケットを切ってもらうところで、友の会会員証にチェックを
入れてもらい、小トトロと金のシャチホコがデザインされた
ミニクリアファイルがもらえました。(これ、平日の入場券を持った
来場者限定のプレゼントだそう。配布予定数に達し次第終了)
展覧会グッズがオンラインで買えるショップの入場パスコードも
もらえました(有効期間:来場日から1週間)
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いよいよ会場に入ります。まずは「ジブリの幻燈楼」
わぁ、これいいですね!

ジブリのキャラクターがガラスのオブジェになって、
壁に投影されて回っています。
ステンドグラスも素敵。

スタジオジブリと富山ガラス工房、富山ガラス造形研究所が
共同制作したオリジナル作品なんだそう。

続いて、ジブリ作品のポスターや、グッズや写真や原画などが、
ズラリと並んでいますが、まぁ、私ではよくわからないのと、
人の多さとで‥‥

そんな私でも楽しめたのが『紅の豚』や『風立ちぬ』など、
ジブリ作品に登場する飛行機もからめて、人類の飛行の歴史の
ウンチクをブタのキャラクターが解説する部屋。
岡崎二郎の無駄にウンチクの多いマンガを思い出しました。
(すごく私のマイナーな趣味でスミマセン)

そして「空飛ぶ巨大な船」はさすがの迫力でした!!!
和紙でできている? 中からの明かりが幻想的な町も素敵だった。


『風の谷のナウシカ』の王蟲などが巨大な大きさで立体化され、
まるで腐海の世界に紛れ込んだような展示も迫力だった。

そして「ねこバスアトリエ」

NHK Eテレ「デザインあ」の総合指導などの
佐藤卓氏企画監修の愛知県初登場の新展示企画。

動物の「ネコ」と乗り物の「バス」が合体した「ネコバス」。ここには、全く関係がない2つのものを合体させてしまうという「アイデア」があります。(中略) このネコバスのようなアイデアを考えるきっかけとして、すでに世の中にあるけれども気づいていない合体した実例や、愛知県美術館収蔵作品を中心に、新たに制作した作品も含め、古今東西から集めた美術品・工芸品を、ここでしか見られない空間で展示します。
展覧会特設サイト「みどころ・展示内容」より:
https://www.ghibliexpo-aichi.com/exibition.html

中央の丘のような台の上に立つトナカイのような作品、
シシ神さまをモチーフにしているって後で知りました
(スミマセン私それくらいの知識しかなくて)が、
ジブリ所蔵の、ステファニー・クエールの作品なんですって?!!

今年5月に岐阜県現代陶芸美術館で開催された
「Human and Animal 土に吹き込まれた命」展 で、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-06-03

ステファニー・クエールの作品がたくさん展示されてて、
すごく良かったんですが、ジブリ、さすがです。

周囲には、
前回、愛知県美術館ホールにどーんといた三沢厚彦のライオンや
舟越桂の彫刻《肩で眠る月》

木村定三コレクションの《獅子・狛犬像》室町-桃山時代
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《神楽面・おたふく》江戸時代
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《狂言面・鳶》江戸時代
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《追儺面・鬼》室町時代
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(愛知県美術館コレクション検索のパブリック・ドメイン画像お借りしてきました)

そして熊谷守一の猫の絵や書などがたくさん並んでいるのが嬉しかったし、
桂ゆき《人と魚》の絵がインパクトあった。

いつもと雰囲気が違って、自然の中のようなディスプレイで、
雑然と並べられているのが、私には面白かったですが、
ジブリを見に来た人の中には「よくわからん」ってつぶやいて、
足早に通り過ぎていく人も。


最後に、来年オープンする「ジブリパーク」に作られる
「ハウルの城」の建築模型などが展示されています。

ジブリパークは、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)内に
できるんですね。
2015年には愛・地球博記念公園で「ジブリの大博覧会」が
開催されていて、その後バージョンアップしながら5年間で
国内全11ヵ所の巡回を終え、全ての展示物が勢ぞろいして
開催されたのが、この展覧会とのこと。

2005年の「愛・地球博」で大人気だった「サツキとメイの家」
EXPO-AICHI.jpg
(愛・地球博公式ハンディブックより)
万博後も残されて公開されていて、だいぶ予約も取りやすくなったって
聞いてたので、一度見に行きたいなとは思ってたんですけど、
ジブリパークができたらまた混雑しそうー

去年から、ジブリパーク整備のために休業していた
「サツキとメイの家」
今年4月22日(木)~10月31日(日)の間、営業(一時)再開だそう。

詳しくは、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)HPで
https://www.aichi-koen.com/moricoro/

展覧会のお楽しみ、ショップですが、当然大混雑で、
行列ロープでオリジナルグッズがディスプレイされているところを
通っていった後に買えるようになってました。

色々楽しそうなものもあったんですが、並んでるし、
オンラインショップもあるし‥‥って、寄らずに帰りました。
(結局オンラインショップはアクセスしなかった)

10階の美術館前にあった撮影スポット(美術館内は撮影禁止)
2021-7-20-(13).jpg
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ここも並んでて、人が写らないように撮影するのに一苦労しました。

しかし、今更ながらジブリの人気(年代問わず)に驚きました。
ジブリにあまり詳しくない私(スミマセン)でも楽しめましたので、
ファンのにはたまらないだろうなーって。

ファンの方、チケット取れたら行ってくださいね。
チケットの予約はこちらから:
ジブリの大博覧会特設サイト:https://www.ghibliexpo-aichi.com/


愛知県美術館: https://www-art.aac.pref.aichi.jp/

ジブリの大博覧会特設サイト:https://www.ghibliexpo-aichi.com/
ジブリの大博覧会公式twitter:@ghibliexpo2021

オアシス21のカフェでケーキセット食べて帰りました。
「ジブリの大博覧会」のチケット提示で、タイアップの
サービスが受けられるお店もあるようです。
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ヤマザキマザック美術館「名古屋城からはじまる植物物語」 [美術]

7月11日(日)名古屋のヤマザキマザック美術館へ行きました。

「名古屋城からはじまる植物物語」という展覧会をやっています。
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4月24日(土)からはじまったこの展覧会、8月29日(日)までやっているので、
のんびりしていたんですが、そろそろ行かなくては‥‥と。
私、ヤマザキマザック美術館の企画展は今まで全て見ているんです。
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割引券付のチラシ持参で、入館料1,300円が100円引きの
1,200円になりました。(持参のチラシは引き換えになったので、
これは割引券がついていないチラシ)
市バス・地下鉄のドニチエコきっぷ、一日乗車券、
JAF会員証、大垣共立銀行のスマイル会員証などでも
100円引きになります。(併用不可)

4階から見ていきます。

まずは、焼失前の名古屋城の写真
nagoya-castle.jpg
(図録より)

すごい‥‥「尾張名古屋は城でもつ」なんて歌がありましたが納得です。
これだけの城が第二次世界大戦の空襲で焼失してしまったなんて!

慶長14年(1609)に徳川家康が築城した名古屋城は、 260年間、尾張徳川家の居城でした。
慶長20年(1615)に完成した本丸御殿は、加納貞信を筆頭とする狩野派の主要絵師によって障壁画が施されました。さらに寛永10年(1633)三代将軍 徳川家光上洛に先立ち増築が行われた時には、狩野探幽を筆頭とする狩野派の絵師による障壁画が施されました。
(図録より)

空襲の直前にとりはずされ、焼失をまぬがれた天井板絵と
復元模写された天井板絵が並んで展示されています。

当時の色合いが復元された絵は、ちょっとキレイすぎるような
気もするけど、今、風格とか重厚って見てる昔のものって、
時の経過による変化なのかもしれない‥‥なんて。

「御下屋敷(おしたやしき)」と呼ばれた尾張徳川家の別荘の
絵図がありました。今、ヤマザキマザック美術館がある場所は
御下屋敷の南西にある池や陸が配された庭の辺りだったそう。

御下屋敷には朝鮮人参の栽培を行っていた畑もあったと。

人参は、根が枝分かれした姿が人の形にみえるところから
その名がついたそう。

文政9年(1826)3月29日、江戸に参府するシーボルトは、
熱田神宮で、水谷豊文や伊藤圭介らと出会います。

水谷豊文(1779-1833)は、御下屋敷薬草園の管理の仕事をしていて、
狩野派の流れをくんだと思われる絵師に絵を習っていたが、
シーボルトから植物解剖学の概略を教えられ、完成度の高い
ボタニカルアートを描くようになったとのこと。

(図録より
熱田でシーボルトに見せたハシリドコロと、
シーボルトから譲り受けたタバコの絵)
yamazakiart2021(3).jpg

豊文の弟子の伊藤圭介(1803-1901)は、熱田で出会ったシーボルトから
長崎留学をすすめられ、シーボルトのもとで西洋の植物学を学びました。

「おしべ」「めしべ」「花粉」という言葉を作ったのも
伊藤圭介なんだそう。

90歳になった伊藤圭介が自らの知識や資料をまとめた
門外不出の秘本『錦窠(きんか)植物図説』や、
植物や生き物の絵や本、収集していた矢尻や勾玉も展示されてました。

(図録より 伊藤圭介が書いた本)
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まぁ、このあたり、植物の絵はきれいだなって見たけど、
解説は、私にはちょっと難しくて‥‥

でも伊藤圭介がすごい人だってことはわかりました。
伊藤圭介にちなむ名前がついた植物も多いとのこと。


そして『尾張名所図会』に描かれた「医学館薬品会」の様子は興味深かった。
江戸末期に、現在の中区錦にあった「尾張医学館」で開催された
物産会。人々がひしめき合い、人骨模型や脱皮したヘビの皮、
クロタヌキや双頭蛇など、めずらしい物産を覗き込んでいます。

さらに、明治5年(1872)湯島の聖堂で、日本で初めて開催された
博覧会の錦絵(チラシ中面下)には、中央に名古屋城の金のシャチホコが
展示されています。左右には鳥や動物の剥製や日本各地の産物が並び、
すごい人だかりです。ほとんどの人は着物姿ですが、洋装の人もいます。
名古屋城の金のシャチホコは、明治政府への服従の証として
宮内庁へ献納するために天守閣から降ろされ、
オスは湯島聖堂の博覧会に出品され、以降日本各地を巡回。
メスはウィーン万国博覧会(1873)に出品されます。
名古屋城に金鯱が戻るのは1879年のことで、地元の有志らが嘆願書を出して
聞き届けられた結果だそう。

この展覧会では、植物を描いた絵や『北斎漫画』と並んで、
ヤマザキマザック美術館が所蔵するガレやドームのガラス作品が
展示されていたり、アール・ヌーヴォーの家具に象嵌された
植物のデザインなど、日本の美術工芸品が「アール・ヌーヴォー」に
多大な影響を与えたことがわかります。

最後に展示されていた《百華文七宝大壺》明治時代後期 がすごい!!
林喜兵衛/安藤七宝店製造 名古屋市博物館所蔵
チラシのメインビジュアルに一部が使われていますが、
「茄子紺」と呼ばれる尾張七宝特有の濃い紺色の地に、50種類もの
花々が描かれた有線七宝の大壺。まさに明治の超絶技巧!

続いて、5階へ。今回初めて、4階と5階を階段を使って上がりました。

ブーシェやナティエ、ヴィジェ・ルブランなど、私の大好きな
赤い壁紙の部屋。作品はおなじみになったけど、今回、
シャンデリアがとても明るく輝いて、なんかすごく部屋が豪華に見えた。

黄色い壁紙の部屋も、照明が明るくなった?
前回(2月25日(木)「富田菜摘 スクラップ・ワールド」展)来た時に、
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2021-03-07
「クールベと海」展に貸し出されていた
クールベ《波、夕暮れにうねる海》1869 も
いつもの場所に戻ってました。


ミュージアムショップで、図録買いました。495円(税込)
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左から、チケット、チラシ、図録

リーズナブルさが嬉しい!! 解説も詳しくて、
今回、博物館的な展示だったので、この冊子の解説を読んで、
理解できたことも多かったです。


1階のカフェで、オレンジのタルトとコーヒーをいただきました。900円
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ヤマザキマザック美術館の斜め前には、今回の展覧会に
いろいろ協力をされている名古屋園芸があります。
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お店の前にハスが育てられている鉢が並んでいました。
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名古屋園芸のご隠居さんが、NHK「趣味の園芸」などにも出演されている
小笠原左衛門尉亮軒さんです。


ヤマザキマザック美術館: http://www.mazak-art.com

----
2018年8月に行った、ヤマザキマザック美術館の
「尾州徳川の花相撲 
 帝もサムライも熱中!いとしの植物たち」展
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ブログに感想が書けておりません。今回の「植物物語」と重なるような
展示(日本の植物の絵がアール・ヌーヴォーに影響したところなど)も
ありました。今回は写真撮影禁止だったので、その時の写真を
アップしておきます。

北斎漫画とガレ《朝顔文ランプ》
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ガレ《トンボのテーブル》の天板に象嵌(寄木細工)された
カーネーションの文様
2018-8-7-(45).jpg
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川越の蔵づくりの町並み散策 [旅行]

6月27日(日)、川越の古い町並みを散策してきました。

ダンナの仕事関係で、千葉県の松戸と、
埼玉県の坂戸、川越に行ってくる用件があり、
ちょうどパートのシフトで26日(土)が休みで、
6月末までのルートインホテルの割引券があったので、
26(土)に松戸へ行き、
去年、東京へ美術展三昧に行った時に泊まった
https://shizukozb.blog.ss-blog.jp/2020-07-06
ホテルルートインGrand東京浅草橋に泊まって、
27日(日)に、坂戸と川越へ行きました。

去年もルートイン割引券使って、6月26日(金)と27日(土)の2泊してるww
今回は1泊のみ。でもダンナも仕事で東京に来たので、ツインの部屋を。
(宿泊以外は別行動でしたが)
ツインは公式HPの正規料金でも2人で8,000円(税込)
これに割引券使用で、申し訳ないような料金で泊まれました(^^)v
14階の部屋だったので、窓からスカイツリーが見えました。
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ルートインなので、朝食付き!
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まずは池袋から東武東上線で坂戸へ。
坂戸駅、新しくてきれいですね。
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駅のステンドグラスが素敵!
北口側
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南口側
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坂戸駅から西を望む。左が東武越生線、右が東武東上線
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用件は駅前だったので、すぐ済んで、東上線で川越駅へ。

古い町並みが残る川越は、私、前から行ってみたいと思ってたんです。
川越でも用件はすぐ済みまして、ついでに観光してくるねって言うと、
仕事でも使うかもしれないから、観光名所的な写真があるといい
ってことで、大手を振って<(^▽^)v仕事ですからー♪

川越八幡宮
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夏越の大祓で茅の輪くぐりがありました。
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手水舎に花が浮かんでいました。
最近SNSなどで人気の「花手水(はなちょうず)」
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こちらは手水鉢ではないかもですが‥‥
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マンホールの蓋
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西武新宿線「本川越」駅
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新しい建物みたいだけど、ちょっとカッコイイ。
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昭和の雰囲気の通り
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大正浪漫夢通り
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看板建築の建物が並んでいます
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川越商工会議所
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昭和3年(1928年)、武州銀行川越支店として前田健二郎という方の設計だそう。
こういうギリシャ神殿風の柱がある建築、
当時の金融機関が好んで建てたそうですね。
(東京の明治生命館とか名古屋の三井住友銀行名古屋支店とか)

小江戸川越って雰囲気のエリアに
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観光案内所です!
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山崎美術館
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帰りに入ってみました。

橋本雅邦と、お弟子さんの掛軸が展示されていました。
東京美術学校の創立にかかわり、
横山大観、下村観山、菱田春草らを指導した日本画家。
川越藩の御用絵師の子として生まれたんですね。
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旧川越藩御用達の和菓子屋「亀屋」の砂糖蔵だったという
土蔵を使った、和菓子の型などの展示もありました。
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鑑賞の後は、亀屋の最中とお茶がいただけます。
入館料500円

「亀屋」
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浴衣レンタルのお店があるそうで、浴衣姿で歩く女性たちを
あちこちで見ました。

一番街 蔵造りの町並み
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鐘つき通り
川越のシンボルともなってる「時の鐘」
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現在の「時の鐘」は明治26年の川越大火の直後に再建されたもの。
寛永年間(1624-44)に、川越城主・酒井忠勝によって建てられ、
時を告げる鐘の音を川越の町に響かせてきたのだそう。

時の鐘を潜り抜けると、
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薬師神社があります
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ハンゲショウが白くなってます。
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今年の半夏生は7月2日でした

しかしすごい人出ですねww
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スターバックスですって!
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手前のお店では、サツマイモを薄く切って(でも1枚はとても大きい)
揚げた「おさつチップ」を買う人の行列。
持って歩いている人たくさん見かけました。インスタ映えしそう!
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一番街 蔵造りの町並み
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川越まつり会館
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郵便局も周囲の建物に溶け込んでいます。
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「うなっ子」うなぎ屋さんだそうですが、(川越は芋と鰻が名物だとか)
角のカメレオン(?)インパクトありますね!
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このあたり「菓子屋横丁」だそう。
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さつまいもとあんこが入ったお饅頭「いも恋」
蒸したてを売っていたので、1つ買って食べました。180円
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家へのお土産には「芋ぽて」4個入り700円を
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陶路子(とろっこ)」ってお店で「氷あんみつ」いただきました。700円
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黒蜜と練乳かけていただきます。
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かき氷の下には、あんみつがあって美味しかった~

陶舗やまわ」と続きのお店になってます。
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蔵造りの重厚な建物
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ショーウインドウの大きな壺、素敵。250万円の値段がついてる。
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埼玉りそな銀行 威風堂々とした塔のある建物 カッコイイ!!
大正7年(1918)に旧国立八十五銀行本店として建築。設計は保岡勝也
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蔵造りの建物と並んだ風景もいいですね。
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和風と洋風が同居しています。
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3階建てのレトロなビルのステンドグラス。
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ネットで調べて知りましたが、旧山吉デパートとして建てられたビル。(右)
設計は埼玉りそな銀行と同じ保岡勝也
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レトロな雰囲気のボンネットバスは、川越の観光名所を走る路線バス
「小江戸巡回バス」
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街路灯のデザイン洒落てる。小鳥がとまってるデザイン。
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川越市産業観光館「小江戸蔵里
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川越のお土産が販売されていたり、
名物がいただけるまかない処などもある観光施設。
https://www.machikawa.co.jp/

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丸広百貨店では「三重・愛知物産展」が
世界の山ちゃんの手羽先や天むすもあるー
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商店街「クレアモール」賑わってました!
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川越、私の好きなレトロな建物がたくさんあって良かったー!
すごい人で驚いたけど、これでもコロナの影響で少ないのかしら??

でも、この2日間、雨に降られなくてラッキーでした。
(かき氷を食べている間、少し雨が降ったみたいで、
歩いている半分くらいの人が傘をさしていました)
この日曜日なんて、降水確率100%の雨予報だったんですよ(^^)v


小江戸川越観光協会: https://www.koedo.or.jp/

建物の情報など、こちらがとても参考になりました
川越の観光と地域情報「カワゴエール」:
http://www.kawagoe-yell.com/

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