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空を飛ぶ恋――ケータイがつなぐ28の物語 [本]


空を飛ぶ恋―ケータイがつなぐ28の物語 (新潮文庫)

空を飛ぶ恋―ケータイがつなぐ28の物語 (新潮文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫


ケータイをテーマにした
28人の作家のショートショートが読める本(文庫)です。

「週刊新潮」2003年11月20日号から2006年3月16日号まで、
KDDI株式会社の提携により掲載された
「Communicate Cafe ショートショート」を編集したもの。

収録されている作品は

大事ななくしもの 島田雅彦
虹の彼方に 小池真理子
絵文字 大岡玲
拾い主からの電話 阿川佐和子
オーヴァー・ザ・レインボウ 重松清
月の裏側 堀江敏幸
大人の恋 唯川恵
渋谷で七時 石田衣良
その日 高橋源一郎
じんじん 藤田宜永
不本意だけど 川上弘美
荷解き 吉田修一
恩返し 谷村志穂
明日はきっと幸せ 立松和平
夢観音 藤沢周
運命 髙樹のぶ子
狂い咲き 佐野史郎
海からの信号 佐伯一麦
ナブラ 椎名誠
一枚上手 平野啓一郎
定年旅行 星野智幸
7時間35分 柳美里
断崖で着信する 町田康
MOBILE AMEBA 金原ひとみ
パールピンクの窓 俵万智
ケータイ元年 高村薫
着信 中村文則
ふっくらと 北村薫


各作品は文庫のページにゆったりした大きめの活字で5ページ。
なので、すぐ読めます。

こういうのって、各作家にとっては結構なプレッシャーじゃないでしょうかね。
短いストーリーってのは、意外に難しいし、「ケータイ」というお題もある。
何より、他の作家と比較されるのは必定ですよね。

読む方は、28人の作家について、誰の作品が良かったとか、
着想がどうのとか、文体がどうのとか、比較しながら楽しめるわけです。

で、そんなことを通して、読む方の趣味とか、読解力ってのも
わかってしまうんですよね。

amazonで、この本のレビューを書いている人のイチオシが、
金原ひとみ うん、確かにこの本の中で一番個性的でイマドキではあるけど、
評価が分かれる作品じゃないかな。このぐちゃぐちゃっとした文体は、
ストーリーと共に、斬新と受け取られるか、わかりにくいと拒否されるか。
(私はちょっと拒否反応‥‥)
そして、石田衣良、藤田宜永、町田康を面白いと評価している。
結構、実験的なものとか個性的な作品を評価していますね。

私のベスト3は、
中村文則、川上弘美、阿川佐和子です。
レビューの人と比べると、かなり大人しいというか、保守的?

中村文則は、ちょっと贔屓目もあるかな?
そもそも、図書館でこの本を手に取ったきっかけが、
新聞で中村文則の新刊が出たということを知って、図書館に行った時に、
検索してみたんですが、さすがに新刊は貸し出し中だったんですが、
この本がヒットしたんですよ。

で、借りて、最初に読んだのが中村文則の「着信」だったものですから。
この人の文体、好きなんですよね。「‥‥だった。‥‥だ。」と、
短いリズムがとてもいい。内容もちょっとホロリとさせられるような
いい話で、うん、長編の救いようのない暗い話より、意外とこういう
穏やかないい話を書いてもいいんじゃない?とか思ったりして。
(あ、新刊はどういう話だろう?
 図書館で借りられるようになったら読まなくちゃ)

ダンナに読ませてみたら、ランキングは、
阿川佐和子、中村文則、髙樹のぶ子、川上弘美、高村薫、俵万智、唯川恵
だそうです。私の趣味とわりと似ていますね。
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コメント 2

スー

いかにも年寄りじみていやなんだけど、
ケータイが苦手なんですよね。
by スー (2010-08-26 16:36) 

しーちゃん

スーさん、nice! & コメントありがとうございます。私もケータイというか、電話も苦手です。ケータイ(iPhone)は持っているんですが、ほとんど使っていなくて、毎月の料金が高いなぁ、なんとか節約できないものかと思ってます。
by しーちゃん (2010-09-01 00:57) 

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