山岸凉子『パエトーン』 [マンガ]
東日本大震災から2ヶ月以上過ぎました。
私が住んでいるところでは、意識していないと
被災地の悲惨な状態も忘れてしまう程なんですが、
被災地はまだまだ瓦礫の山で、遺体が見つかっていない方も多いんですよね。
そして何より、福島第一原発の事故!
事態が収束するどころか、今頃悪い情報がドンドン出てて‥‥
震災翌朝にはメルトダウンしていたんだって?
旧ソ連のチェルノブイリ級の「レベル7」の事故だと評価されたし。
なにより、故郷を追われる人々の胸のうちはどんなだろうと。
(これは「避難」なんてのじゃないと思う)
ペットも連れて行けるのかしら?
畜産農家の牛や豚などは安楽死させられるんだって?
今まで家族同様に世話をしてきた家畜を見殺しにして、
知らない土地に行かなくてはならない農家の心中を思うと‥‥
今回の原発事故が起きて、私が真っ先に思い浮かべたのが、
山岸凉子の短編漫画『パエトーン』でした。
1988年、チェルノブイリの原発事故の2年後に描かれた作品です。
ギリシャ神話の、ポエブス(アポロ)の息子であるパエトーンは、
太陽神ポエブスにしか御せない日輪の馬車を、自分なら御せると思いあがり、
一日馬車を貸してもらうが、たちまち暴走させて、
地上に近づきすぎた日輪は、広大な地域を焼き払ってしまう。
これを見て全能の神ユピテル(ゼウス)はパエトーンに稲妻を投げ、
パエトーンと馬車はこなごなに砕け散ってしまうという物語を受け、
作者の山岸凉子は、原子力を制御できると信じて原発をつくるのは、
パエトーンと同じ愚かな行為なのではないかと訴える。
今回の福島原発事故、人間の力ですぐに制御できない状態になっていくのを見て、
今さらながら、あぁ、やはり原発はつくってはいけない危ないものだったんだって‥‥
懺悔させてもらうと、私、この漫画を読んでも、
現代の科学の力でなんとかなるんじゃない?なんて思ってたんですよ。
新幹線を「夢の超特急」と呼び、アポロ11号の月面着陸を見て、
雑誌には「21世紀の生活」として、高層ビルが立ち並び、
便利な機械に囲まれた夢のような生活が描かれていました。
「科学の力で素晴らしい未来」ってのを信じていたというか、
いわば、幸せというか、オメデタイ子供時代を過ごしたんですよね。
なので、やっぱ便利な生活がしたいとか、そんな安易な気持ちで、
国の政策に特に反対もせずにきてしまいました。
愚かなパエトーンだったわけです。
もう遅きに失した感もあらずですが、今からでも原子力発電は止めましょうよ。
菅総理の要請で浜岡原発が停止しましたね。
なんか思いつきみたいな会見で違和感はあったけど、停めたのはいいことだと。
でも、津波対策ができたら、また再開するつもりなのは絶対反対。
これ以上原発に金を使ってどうするの?
そんな金があったら、太陽光発電や小規模水力発電への助成金とか。
そして、私たちも必要以上の便利さを求めず、節電に協力しましょうよ。
私が持っているのは、こちらの本
山岸凉子の自選作品集『ブルー・ロージス』(文春文庫)の中に入っています。
(実は今まで、細かい説明とかあまり読んでなかった(^^;)
『パエトーン』やっぱり今回の原発事故後話題になり、
潮出版社無料WEBコミックで特別公開されています。
http://usio.feliseed.net/paetone/
読んだことのない方は、一度読んでみてください。
1988年の作品なので、出てくる単位がキュリー、レントゲン、レムだったり
するんですが、原発のリスクは23年前と変わってないのでは?
私が住んでいるところでは、意識していないと
被災地の悲惨な状態も忘れてしまう程なんですが、
被災地はまだまだ瓦礫の山で、遺体が見つかっていない方も多いんですよね。
そして何より、福島第一原発の事故!
事態が収束するどころか、今頃悪い情報がドンドン出てて‥‥
震災翌朝にはメルトダウンしていたんだって?
旧ソ連のチェルノブイリ級の「レベル7」の事故だと評価されたし。
なにより、故郷を追われる人々の胸のうちはどんなだろうと。
(これは「避難」なんてのじゃないと思う)
ペットも連れて行けるのかしら?
畜産農家の牛や豚などは安楽死させられるんだって?
今まで家族同様に世話をしてきた家畜を見殺しにして、
知らない土地に行かなくてはならない農家の心中を思うと‥‥
今回の原発事故が起きて、私が真っ先に思い浮かべたのが、
山岸凉子の短編漫画『パエトーン』でした。
1988年、チェルノブイリの原発事故の2年後に描かれた作品です。
ギリシャ神話の、ポエブス(アポロ)の息子であるパエトーンは、
太陽神ポエブスにしか御せない日輪の馬車を、自分なら御せると思いあがり、
一日馬車を貸してもらうが、たちまち暴走させて、
地上に近づきすぎた日輪は、広大な地域を焼き払ってしまう。
これを見て全能の神ユピテル(ゼウス)はパエトーンに稲妻を投げ、
パエトーンと馬車はこなごなに砕け散ってしまうという物語を受け、
作者の山岸凉子は、原子力を制御できると信じて原発をつくるのは、
パエトーンと同じ愚かな行為なのではないかと訴える。
今回の福島原発事故、人間の力ですぐに制御できない状態になっていくのを見て、
今さらながら、あぁ、やはり原発はつくってはいけない危ないものだったんだって‥‥
懺悔させてもらうと、私、この漫画を読んでも、
現代の科学の力でなんとかなるんじゃない?なんて思ってたんですよ。
新幹線を「夢の超特急」と呼び、アポロ11号の月面着陸を見て、
雑誌には「21世紀の生活」として、高層ビルが立ち並び、
便利な機械に囲まれた夢のような生活が描かれていました。
「科学の力で素晴らしい未来」ってのを信じていたというか、
いわば、幸せというか、オメデタイ子供時代を過ごしたんですよね。
なので、やっぱ便利な生活がしたいとか、そんな安易な気持ちで、
国の政策に特に反対もせずにきてしまいました。
愚かなパエトーンだったわけです。
もう遅きに失した感もあらずですが、今からでも原子力発電は止めましょうよ。
菅総理の要請で浜岡原発が停止しましたね。
なんか思いつきみたいな会見で違和感はあったけど、停めたのはいいことだと。
でも、津波対策ができたら、また再開するつもりなのは絶対反対。
これ以上原発に金を使ってどうするの?
そんな金があったら、太陽光発電や小規模水力発電への助成金とか。
そして、私たちも必要以上の便利さを求めず、節電に協力しましょうよ。
私が持っているのは、こちらの本
山岸凉子の自選作品集『ブルー・ロージス』(文春文庫)の中に入っています。
(実は今まで、細かい説明とかあまり読んでなかった(^^;)
『パエトーン』やっぱり今回の原発事故後話題になり、
潮出版社無料WEBコミックで特別公開されています。
http://usio.feliseed.net/paetone/
読んだことのない方は、一度読んでみてください。
1988年の作品なので、出てくる単位がキュリー、レントゲン、レムだったり
するんですが、原発のリスクは23年前と変わってないのでは?
しーちゃん、こんばんは。
「パエトーン」はネット上で無料公開されているけれど、
オリジナルの「あすかコミックス」は絶版状態!‥‥
赤木かん子さんは「出版社がアホじゃないなら復刊してくるでしょう」
とブログに書いていますが、復刊出来ない裏事情があるのかな?
実は「グリーン・フーズ」(ASUKA 1987.9,11)が読みたくて、
押し入れや物置きの中を探しているけれど、
月刊ASUKAが所在不明で出て来ない。
もう1つの原発マンガ「Die Energie 5.2☆11.8」(Lala 1982.7,8)は
すぐ見つかったので再読しました^^;
『パエトーン』が復刊してくれれば一挙両得で、
『鬼子母神』(山岸凉子スペシャルセレクション)を買わなくて済むのに。
by sknys (2011-05-17 02:58)
sknys さん、コメントありがとうございます。実は私『パエトーン』が描かれた頃のマンガ、あまり読んでないんですよね。『パエトーン』も、評判は聞いていたんですが、読んだのはかなり経ってからで、たまたま買った文庫に入ってたんですが、細かい説明はあまり読んでないというか、こんなにストレートに原発反対を漫画にするのはどうなのかなぁーって思ってたんですが、今回読み返してみて「チェルノブイリの悲劇は、起きてはならない事が起きてからでなければ謙虚になれない人間の悲しい業である」って言葉、考えさせられてしまいました。
コメントで教えていただいた漫画、読んでみたいです。電子書籍でもいいので、昔の漫画がもっと読めるようになるといいですね。
by しーちゃん (2011-05-18 13:06)