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愛知県美術館「アイチのチカラ!」展 [美術]

2月2日(日)、愛知県美術館に行ってきました。
「アイチのチカラ!
 戦後愛知のアート、70年の歩み」展の最終日
aichinochikara.jpg

展覧会のチラシの表面に使われているのは、
安藤正子《おへその庭》
とても印象的な絵だなって思ってたんですが、実物を見て
その大きさと精緻な描写にビックリしました。
毛糸のパンツの編み目、ホースの網目模様、
シロツメクサやデージー、パンジーの細密な描写、
そして何より驚いたのが、画面が筆あともなくツルツルしていること。
まるで陶器に描かれている絵のようです。
これキャンバスに油彩で描いているんですよね。
なんかすごくインパクトありました。

この展覧会、昨年の11月29日(金)からやってるんですよねー。で、私は
愛知県美術館友の会会員なので、タダで見られるんです。
(ま、愛知県美術館の友の会の年会費は8,000円となかなかお高いんですけど。
 ただし特典はたくさんあります。)
まだ期間があるからと、豊田市美術館へ行ったり、
碧南市藤井達吉現代美術館へ行ったりしているうちに、

義母が入院。退院されてからも、最近は日曜日しか休みがなくて、
その休みもなんかダラダラと過ごして、まぁ来週行けばいいかーって。
でもさすがに最終日ですから、今日は行かないと!

名古屋・栄の愛知県芸術文化センターへ行くと人がいっぱいいて、
わー、さすが最終日だから混雑しているワって思ったら、
皆、エレベーターの8階で降りていかれました。
8階の愛知県美術館ギャラリーでは、毎年恒例の
「日展 東海展」が開催されています。

10階の愛知県美術館へ行くと、こちらは閑散としておりました(^^;)

展覧会の入口で友の会の会員証を提示して入ります。
最初に昔の愛知県美術館の模型が。わー懐かしい‥‥って言うほど
行ってないですけど。

太田三郎《美を審かれる三美神》
ぽっちゃりした女神たちがユーモラスでカワイイ。

チラシ裏面にある鬼頭鍋三郎《マドモアゼルM》いいですね。
aichinochikara2.jpg

杉本健吉《邪鬼》はいかにも杉本健吉らしい飄々としたところがいいなと。
添書のついた小さい絵もあるのが興味深かった。

名前を知らない作家が多くて、一枚一枚絵を見て説明文を読んでいくのは、
正直ちょっと面倒でした。

次の部屋が日本画で、嶋谷自然の大きな作品《緑影》が良かった。

朝見香城の優美な《風神図》《雷神図》
あ、この人、古川美術館でとても気に入った六曲一双の金屏風《花鳥図》の人ね。

それから愛知県に3つの芸術大学ができたこと、そこの教授たちの作品の展示
愛知県芸術大学の日本画の教授だった片岡球子《面構 歌川国貞・柳亭種彦》
あぁ、これ「クリムト展」の時のコレクション展で、望遠鏡で覗いた絵だと。

まぁ、この展覧会、全ての作品が愛知県美術館の所蔵作品なわけで、
見たことがある作品があって当然なんだけど。

名古屋造形芸術大学(現名古屋造形大学)教授の石黒鏘二《フク》
昨年、碧南市藤井達吉現代美術館の展覧会を見に行きました。
12月にお亡くなりになったそうですね。

チラシ裏面にも載っている平川敏夫《黄山松雨》もコレクション展で見て
いいなと思ってました。

チラシ裏面3の戸谷成雄《双影体Ⅱ》
あ、この人、岐阜県美術館の第2回の円空大賞展で見た人だ。
この大きな作品が中央に置かれた部屋の作品面白いなってみました。

入口近くに展示してあった鉛筆でうねうねと描かれた大きな絵は、
見ているとぞわぞわと動き出すようで面白かった。
(ちょっと前まで愛知県美術館のHPで展示中の作品が表示されていたのに、
 日付が変わったら削除されてしまったようで、作家名もタイトルもわかりません(ToT)
 展示作品のリストが欲しかったなー)

チラシ裏面にも載っている山本富章《Six Cadenzas-AUI-No.5》とかも面白い。

桑山忠明《茶白青》なんて、タイトルそのままで、これは絵なの?って
でもなんかいいな、面白いなと。

で、やっぱり安藤正子《おへその庭》が一番インパクトあったけど、

出口近くのベルベットを脱色したっていう作品も面白いなと思った。

昨年の「あいちトリエンナーレ2013」の名古屋市美術館に布を垂らした作品を
展示していた杉戸洋の、カーテンのある舞台のような空間を描いた大きな絵とか、

奈良美智の独特の子供の絵とか、

その前の「あいちトリエンナーレ2010」で、
図鑑から切り抜いた蝶々を展示していた渡辺英司の作品もあって、
あぁ、この「アイチのチカラ!」が今のトリエンナーレにつながっているんだと。
これからのアイチのアートが楽しみであります。

展示室6の、愛知県美術館の学芸員と作家との協同によって作られる
プロジェクト・アーチは、vol. 7
濱口直巳 「音景 no. 7―APMoAの場合」

細く鋭い木が細い糸で天井からいくつも吊り下げられています。
展示室の床がじゅうたんをめくったむき出しの状態になっているのが
展示に合っていて、シャープで緊張感があって、いい雰囲気。

展示室7には、クリムト《人生は戦いなり(黄金の騎士)》やピカソ、ミロ、クレーなど、
いつもコレクション展で見る世界の名画が展示されていました。

展示室8は木村定三コレクションの部屋で、
今回は熊谷守一の絵と書が展示されていました。
「からす」とか「かみさま」とか、熊谷守一の書は思わず笑っちゃう程いい!

愛知の戦後70年の美術の流れと、
愛知県美術館のコレクションのすごさを改めて感じた展覧会でした。

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