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名古屋市美術館「だまし絵Ⅱ」 [美術]

もう一か月前のことになりますが、
1月11日(日)に、名古屋市美術館「だまし絵Ⅱ」を見てきたことを。
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ヤマザキマザック美術館へ行ったついでに、
どこか展覧会見て来ようと考えてたんですが、
1月8日(木)の中日新聞に紹介記事が載ってたんですよね。
damashie-news.jpg

これ見て、へーなかなか面白そう!
「絵」だけでなく、ロン・ミュエックの立体作品もあるんだーと。

ロン・ミュエックは、金沢21世紀美術館の展覧会を見に行って、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-08-22
とにかく驚いたんですよね。そのリアルさに!
触れると柔らかくて温かいんじゃないかと思えるような皮膚。
でもサイズだけが違う!!

チラシ裏面の福田繁雄《アンダーグランド・ピアノ》も見たいと思ったし。

この展覧会「だまし絵『Ⅱ』」ってついているのは、
2009年に「視覚の魔術―だまし絵」という展覧会が開催されて、
(私は見に行ってないのですが)人気だったので、
本展覧会は、その続編ということで、
「だまし絵の進化系」とも言うべき、見る者の目ほあざむくような仕掛けをもつ美術作品を、 絵画の領域のみにとどまらず、彫刻や写真、映像にも範囲を広げて紹介します。(チラシ裏面より)とのこと。

でも、美術館の前へ行って、ちょっと「しまったー」と。
チケット売り場に列ができてました。

そして展示会場には大勢の人!
小学生や若いカップルなども多かったです。

私、いくらスゴイ絵でも、あまり、人の肩越しに鑑賞するような展覧会は
好きじゃないんですよね。私レベルの鑑賞眼なら、レプリカでもいいので、
ゆったりとした雰囲気で鑑賞したいと思うんですよ。
なので、子どもが美術館に来るのはいいことだとは思いますが、
やっぱり、子どもがちょろちょろする(失礼)のは気になっちゃうんです。
しまったー。せめて子どものいない平日に来るべきだった‥‥と。

なので、会場の最初あたり(プロローグ)に展示されていた絵は、
人が群がっていたので、テキトーにスッ飛ばして‥‥
いわゆる「だまし絵」と言われて思い浮かべる、
チラシ表面のアルチンボルド《司書》とか、
絵に虫がとまっているように描かれた《アイリスの聖母》とかが並んでいました。

第一章はトロンプルイユ。「本物そっくり」がテーマ。
杉本博司の、剥製をホンモノのように写した写真とか、
あっ、この展覧会、愛知県美術館「あなたのリアル、わたしのリアル。」展
思い出してしまった。

ドゥエン・ハンソン《カーペットを掃除する女》の生活感もすごいけど、
やっぱりロン・ミュエック《ゴースト》の微妙な巨大さがすごい。

去年夏に金沢21世紀美術館「レアンドロ・エルリッヒ展」で見た
《ログ・キャビン》が展示されていました。
うーん、まぁ‥‥この作品、レアンドロ・エルリッヒ展の中では
あまり感心しなかったので‥‥もっといい作品があるのになーと思いつつ。

田中偉一郎《ストリート・デストロイヤー》は、すぐ後ろで鑑賞していた
若いお兄ちゃんが「お、これ、今度道で見つけたらやってみよう」と
笑いながら話していたけど、ツイッターあたりにアップしたらウケそう!と。

第二章はシャドウ、シルエット&ミラー・イメージ
福田繁雄《アンダーグランド・ピアノ》や、
鋼鉄が無造作に置かれていると見えたものが、ライトが当たると、
トカゲの形をした影が現れるラリー・ケイガンの作品。

壁にスイッチがあると見えるのが、実はスライド投影だという
シール・フロイヤー《ライトスイッチ(日本)》も面白いな。

豊田市美術館で、鏡面に周囲の空間が映り込むのが面白いなと見た
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2011-06-26
ミケランジェロ・ピストレット《窃視者(M.ビストレットとV.ピサーニ)》
この展覧会では《カメラマン》という作品が展示されていました。
やはり鏡面に写る周囲が作品と一体になって面白かった。

そして、豊田市美術館蔵の高松次郎《赤ん坊の影No.122》が来てました。

第三章 オブ・イリュージョンでは、
ヴィクトル・ヴァザルリの見ているとうねうねと動き出すようなオブ・アートの絵とか。

そして、前回の「だまし絵」展でも評判だったそうだけど、

パトリック・ヒューズ《広重とヒューズ》
遠近法を逆手にとったようなアイデアの作品
(描かれた絵の遠近と、画面の凹凸が逆転している)で、
見事に脳が騙されて、こちらが動くと絵がありえないように動く
(ように見える)ので、ビックリします。

チラシ裏面にも載っている
エヴァン・ペニー《引き伸ばされた女#2》は、その大きさに驚きます。
愛知県美術館「あなたのリアル、わたしのリアル。」展
イ・ファン=クォンの立体《A Wondering Man》を思い出してしまいました。

そして、地下の常設展示室3では、
ハンス・オブ・デ・ベーク《ステージング・サイレンス(2)》
が上映されていました。テーブル(?)の上に木の模型や砂などが配置されて、
林や街に変わっていきます。説明も物語らしきものもなくて、
色彩もないモノクロなのがいいなと。

人がいっぱいで、ゆったりと楽しむってことはできませんでしたし、
「だまし絵」のいろんな要素を詰め込みすぎて、バラバラ‥‥みたいな
印象もありましたが、さすが人気なだけあって、子どもや
普段美術館に行かない人も楽しめる展覧会だと思います。

名古屋市美術館: http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
だまし絵Ⅱ公式サイト: http://www.damashie2.com/
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コメント 4

神奈川のしーちゃん

こんにちは~
まだまだ寒いですね~。
1ヶ月くらい前にひいた風邪が、やっと治まってきた所です。
まだちょっと引きずってますけどね・・・

秋のころだったか、この「だまし絵Ⅱ」展をテレビで紹介していて、「行きたいー!!」と思ったのですが、もう期間が残り少なくて、休みが合わなかったので断念したやつだと思います。
渋谷でやってたので、行かれる範囲だったのに~~残念!!

「広重とヒューズ」や、「アンダーグランド・ピアノ」とか、「引き伸ばされた女」とか、直に見てみたかったなぁ・・・
しーちゃん、見られてよかったですね。

横浜にもいらしてたんですね。
横浜も近いのですが、そんなに行ったことないなぁ・・・
もっとお金と時間があったら・・・とは思うんですが・・・
体力もなくなってきたから、昔みたいにヒョイっと出られないのも残念です。

by 神奈川のしーちゃん (2015-02-12 21:39) 

しーちゃん

神奈川のしーちゃん、コメントありがとうございます。
この展覧会、渋谷、兵庫県立美術館と巡回して名古屋に来たようですね。人がいっぱいで、ゆっくり鑑賞ってワケにはいかなかったのがちょっと残念でしたが、人気があるのがわかる面白い作品が並んでました《広重とヒューズ》には驚きました。
横浜も、新幹線に乗って上京するなんて十何年ぶりかなーと。

まだまだ寒さが続きます。お忙しい中、疲れをためないように、ご自愛してくださいね。

by しーちゃん (2015-02-13 11:03) 

sknys

しーちゃん、こんばんは。
「だまし絵 II」は昨年(2014)、渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で観ました。
二番煎じの感は否めないけれど、奇妙に捩じ曲がり、複雑に絡み合った黒い針金(ワイヤー)の影が蚊やトカゲになるラリー・ケイガンや
小さな玩具の集積が作家の自画像を形作るヴィック・ムニーズなどが面白かった。
ムニーズには砂糖やチョコレート・シロップで描いた作品(保存が難しいので写真に撮って残す)もあります^^
by sknys (2015-02-28 19:36) 

しーちゃん

sknys さん、コメントありがとうございます。私は前回の「だまし絵」展見てないので、パトリック・ヒューズ《広重とヒューズ》には驚きました。針金の影がトカゲになるラリー・ケイガンの作品や、ロン・ミュエックの立体が面白いなと。
日頃美術館には来ないような人たちが楽しそうに鑑賞しているのがいいですね。
by しーちゃん (2015-03-04 14:57) 

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