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岐阜県現代陶芸美術館「コレクション×クロニクル」展 [美術]

5月21日(日)、多治見のセラミックパークMINOにある
岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。

「開館15周年記念
 コレクション×クロニクル
 -制作年からみる岐阜県現代陶芸美術館コレクション」
という展覧会をやっています。2017年4月18日(火)~6月18日(日)
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私は岐阜県美術館の後援会員なので、岐阜県現代陶芸美術館の
企画展も一度ずつ無料で見られるんです。
が、前回の「伊万里 染付の美」は行くことができなかったので、
今回こそは行かなくてはと。
(でも企画展の内容についてよくわかってなかったんですけど(^^;)>

前回行ったのは、2016年12月4日(日)
岐阜県現代陶芸美術館「石黒宗麿」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
岐阜県現代陶芸美術館「ふりそそぐ白の世界」展 をやっていました。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

今回の展覧会も、毎週日曜日13:45より学芸員による
ギャラリートークがあるってことだったので、できたらそれに
間に合うように行きたかったんですけど、私のことなので‥‥
美術館に着いたのが14時近かったんです。
でも、展示室に入ったら、ちょっと先で、学芸員の方と
2人の鑑賞者の方が話していらっしゃったので、私も聞くことができました。
ま、私のことなので、あんまり真面目に聞いておりませんが(^^;)>

今回の企画展は、岐阜県現代陶芸美術館が2002年に開館以来、
国内外を問わず近現代の陶磁器作品を収集してきた
コレクションを、作品の制作年順に展示するってことだそう。
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まず19世紀末~1910sの作品として、
宮川香山《浮彫蓮子白鷺翡翠図花瓶》や、
エミール・ガレの陶器の作品《木の実に蜻蛉図皿》とか、
‥‥でもやっぱりガレはガラスの作品がいいなぁと。
(展示室にあった鑑賞カード)
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そしてマイセンのクロッカス文コーヒーサーヴィス
(チラシ内面上左)や、

ビング・オー・グレンダールの鷺のカップ&ソーサーなどは、
「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展 で展示されていた
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-28
鷺のセンターピースを思い出しました。

1920s~1930s
アールデコの時代ですね。
ローゼンタール《白磁アールデコ女性像付フロアランプ》とか、
カジミール・セヴェリノヴィチ=マレーヴィチ/
ロモノーソフ国立磁器工場《ティーセット》デザイン1923年、制作1962年 の、
ブッとんだモダンなデザインは、
さすがロシア・アヴァンギャルドのマレーヴィチだと。

1940s
荒川豊蔵《志野水指》と、富本憲吉《白磁大壺》が並んでいました。
色絵金銀彩の華やかな壺が1960sのコーナーに展示されている
富本憲吉ですが、この、何の装飾もないシンプルな白い壺、
すごく美しくていいなって見ました。

1950s
八木一夫、鈴木治らと「走泥社」を結成した山田光の《作品(1955)》は、
壺の口を塞ぎ、実用性を否定したところが新しかったそう。
そんな作家の作品と、森正洋/白山陶器株式会社の《G型しょうゆさし》が
並んで展示されているのも、年代順の展示の面白いところ。

ピーター・ヴォーコス《歩く女》1956年 が大きくて迫力がありました。
それと対峙するように展示されていた大きな作品が、

ジョン・メイソン《直立する彫刻》1962年(チラシ内面左下)
土の荒々しい迫力!!

1960sのコーナーには、
チラシ表面に使われている八木一夫《曲》1964年 と
富本憲吉《色絵金銀彩四弁花模様飾壺》1960年

加守田章二《灰釉大鉢》1966年頃 が、
大きな鉢なのに、とても薄く、シャープな形がすごかった。

1970s
ハンス・コパー《ポット(ティッスルフォーム)》1972年頃
なんとユニークな形!!

ルーシー・リー《鉢》1975年頃(チラシ表面下) などの作品と並んで、

田尻誠《平底ポット》1972年 があって、これは量産品なのかな。
シンプルな形がとても美しいって見ました。

カルロ・ザウリ《耕地》1976年 ああ、土だ‥‥って。
(展示室にあった鑑賞カード)
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鈴木治《馬形》1978年
八木一夫、山田光らと「走泥社」を結成した鈴木治
素朴な土の素材感とおおらかなフォルムがいいカンジ

1980s になると、さらに大きな造形作品が並んでいて、
雑誌や新聞を陶で表現した作品などで知られる
三島喜美代の、チラシなどが貼り付けられた電柱が3本立っていました。
《Electric poles》1984-85年

秋山陽《準平原872》1987年 黒い大きな円筒形の作品の迫力すごい!

フェデリコ・ボナルディ《母さん》1985年 なんかユニークでユーモラス。

大きい作品だけでなく、
周邦玲《思想の毒に盲いたもの》1987年 って、台湾の作家の作品は、
陶だけでなく金属なども使っていて面白かった。
タイトルが文学的でいいですね!

リチャード・ノトキン《冷却炉》1989年 は、小さなキノコ雲(?)の
形もあって、シニカルな社会的メッセージを込めているのかなと。

1990s
岐阜県現代陶芸美術館「きになるかたち」展 で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-06-27
面白い形!!って見た重松あゆみ《骨の耳'92-14》1992年

鯉江良二《ブラボール》1993年 は、
焼いている途中で壊れてしまったのか?ってカンジの、
ひび割れた陶の玉と、周囲には破片が散乱してまして。
うーーん??って見てたら、ギャラリートークの学芸員さん
「鯉江先生、こういう前衛的なものだけでなく、
ちゃんとした(?)器も作っていらっしゃるんですよ」と。

2000s
岐阜県現代陶芸美術館は、2002年の開館から、
「国際陶磁器展美濃」入賞・入選作品の主要な作品を収蔵してきたので、
コレクションのバラエティが広がったとか。

「きになるかたち」展 とかでも見た
宇宙服を着た赤ちゃんが3体並んでいる 林茂樹《Q.P》2006年
やっぱりインパクトありますね。

あいちトリエンナーレ2016岡崎エリア・石原邸の蔵での展示が
とても素敵だった柴田眞理子の作品もありました。《華の生物》2007年

森正洋《無印良品の器》2004年 もありました。
シンプルな美しさ!!

最後の部屋では、とても大きくて、装飾過多でキラキラの
植葉香澄《キメラ》2009年 が存在感を放っていました。
江南のギャラリー数寄の展覧会へ行ってきたことはこちらに:
ギャラリー数寄「植葉香澄展」「デレック・ラーセン展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13

2010s
酒井博司《藍色志野花器》2010年
私この人の作品、端正な雰囲気で好きです。
ショップで欲しいなって思った作家さんです。
(もちろん、ちょっと無理をすれば私にも手が届きそうな値段って
こともあるんですけど。)

吉田喜彦《白化粧しのぎ手鉢》2013年
ブログに感想が書けてませんけど、2015年8月8日(土)~2016年2月14日(日)
ギャラリーⅡで、3期に分けて展示された
「吉田喜彦とうつくしいものたち」展 で、この方の作品、
素朴で、あたたかい雰囲気がいいなぁって見ました。
一緒に展示されていた吉田喜彦氏の民芸品などのコレクションが
とても私の好みでした。

この展覧会のチラシが素敵なんですよ!!
(岐阜県現代陶芸美術館、いつもチラシ素敵だなぁって感心してるんですが)
ブログに感想とともにアップしたかったんですけど、
せめてチラシだけでもここにアップしておきます。
表面は4種類あって、
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このチラシ中央に使われている作品が、吉田喜彦《白化粧しのぎ鉢》
(今回の展覧会で展示されていたのとはちょっと違いますが)

YoshidaYoshihiko-2.jpgYoshidaYoshihiko-3.jpg
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4枚並べても素敵
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裏面は同じです。
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ギャラリーⅠの「コレクション×クロニクル」展を出て、

ギャラリーⅡへ。

「国際陶磁器フェスティバル美濃」の歩み
1986-2014
陶磁器の未来に向かって
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という展覧会が開催されています。2017年4月25日(火)~7月2日(日)
今回のチラシは、ギャラリーⅠとⅡの展覧会が一緒になって、

中面左がギャラリーⅡ
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見開きでつながったデザインになっています。
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「国際陶磁器フェスティバル美濃」は、1986年から、
3年に一度開催されてきたそうで、私は、
2014年の第10回をここ、セラミックパークMINOで見ました。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17
岐阜県現代陶芸美術館では「大織部展」が開催されていたっけ‥‥。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-15

そうかー、あれからもう3年かー。今年は
「第11回国際陶磁器フェスティバル美濃」が開催される年なんですね!!

国際陶磁器フェスティバル美濃2017は、9月15日(金)~10月22日(日)
だそうです。ウェブサイトはこちら: http://www.icfmino.com/

今までのフェスティバルの入賞作品から展示されていました。

中島晴美《苦闘する形態》1995年(チラシ中面上左)は、
第4回展(1995年)陶芸部門金賞なんですね。

第7回展(2005年)陶磁器デザイン部門審査員特別賞の
ユン・ジュチョル《花器》(チラシ中面左下)の
鮮やかな色とトゲトゲがとてもユニークで印象に残りました。

そして、屋外にも展示ありますってことで行くと
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この、手入れがされていないプランターかと思ってしまうのは、
岐阜県現代陶芸美術館「土の冒険のぼうけん」展 でも書きましたが、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
鯉江良二《雨/陶←→土》

池に巨大なチラシや新聞が
三島喜美代《WORK03》
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浮いているのは、FRP(繊維強化プラスチック)と火山灰で作られていて、
沈んでいるのは陶製だそう。
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階段を上って、上から見てみました。
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磯崎新氏設計のセラミックパークMINOの建物はカッコイイですね。2017-5-21-(9).jpg
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池に浮かぶように茶室と能舞台があります。
茶室への入口
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美術館部分は、「より大きい架構体から、全面的 に吊られている。約5メートルの吊られた構造体は完全な免震構造となる。すなわち、地震の振動周期と、この吊られた構造の周期が異なるため、本体の架構が 大きくゆれても、ここでは、定点を保持している。(セラミックパークMINOウェブサイト http://www.cpm-gifu.jp/wp/?page_id=109 より)」という免震構造になっているそう。

セラミックパークMINO: http://www.cpm-gifu.jp/wp/
岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/
国際陶磁器フェスティバル美濃: http://www.icfmino.com/
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