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大島弓子「グーグーだって猫である」 [マンガ]

久しぶりに本を買ってしまった。大島弓子の「グーグーだって猫である」第3巻

グーグーだって猫である (3)

グーグーだって猫である (3)

  • 作者: 大島 弓子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: コミック

大島弓子‥‥懐かしい名前である。少女漫画が大好きな高校生の頃によく読んだ。
あの頃は、萩尾望都をはじめ、竹宮恵子、山岸涼子‥‥才能あふれる少女漫画家が
活躍していた。大島弓子も絶対外せない一人というか、少女漫画の頂点と言っても
言い過ぎではない作家である。

しかし「あんた、それでよく少女漫画好きと言ってるね!」と非難されそうだが
私は実は、あの名作と言われる「綿の国星」を読んでいないのであった。
(ついでに言うと「風と木の歌」も読んでおりません。少女漫画ファン失格かな?)

私が少女漫画を一番読んだのは、中学・高校時代。1970年~1976年なので、
大島弓子の絶頂期より少し前の時代なのであった。
大学時代になると、マンガ以外に色々興味も出てきたし、
色々雑誌も出てきていたので、かえってどれを買っていいのかと迷ってしまい、
定期購読する雑誌がなくなったのも読まなくなった一因。
昔(私の少女時代)は、少女漫画雑誌は限られていて、それを回し読みして、
友人とコミュニケーションも図れたし、どんな少女漫画家がいるか、だいたいわかった。
だけど、雑誌が色々出てくると、とても全てを買って読む時間もお金もないので、
少女漫画ファンと言っても、話題が合わなかったりするようにするようになる。
最近は少女漫画はほとんど読んでいない。
本屋や古本屋のマンガコーナーには、ものすごい作家と作品が並んでいるが、
もう知らない作家がほとんどになってしまった。

で、この「グーグーだって猫である」を知ったのは、
たまたま図書館の返却コーナーに置いてあったためで、
「えっ!?大島弓子の本?」と手に取ったのであった。第2巻であった。

グーグーだって猫である〈2〉

グーグーだって猫である〈2〉

  • 作者: 大島 弓子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: コミック

「グーグーだって猫である2」は、猫のこともあるけど、大島弓子の闘病記録とも
言える。1997年12月に子宮筋腫と卵巣腫瘍の手術をしたこと、その後の制癌剤投与の
入院のこと、そんな日常のことが、深刻にならずに軽いエッセイ風にまとめられていて、
久しぶりに会った友人の報告を聞いているようであった。
そーか、大島さん、あなたも色々あったのねぇーってカンジ。
現実には、手術前に、万一のことがあったらマンションを譲るので猫の世話を頼むと
遺言状を書いたり、制癌剤で毛が抜ける心配とか、深刻なことがあったんだろうけど、
あくまでも軽い(ヘタウマ風)絵と独特なモノローグ風のネームで、サラリと読めてしまう。
そして、ホームレス氏から譲ってもらった猫疥癬の子猫の世話のことは、
大島弓子氏の猫に対する愛情が伝わってきて、ジーンとした。

そして「グーグーだって猫である」第2巻を返しに図書館に行き、第1巻を見つけて借りる。

グーグーだって猫である

グーグーだって猫である

  • 作者: 大島 弓子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

第1巻では、13年暮らした猫「サバ」を亡くした喪失感を、たまたまペットショップで見た
グーグーという猫によって癒されていく様が、グーグーの成長ぶりと共に描かれている。
しかし、グーグーは可愛いなぁーー!! こんな猫が欲しいー!!
「んるっ」という泣き声もかわいいし、肩のり猫というのもうらやましい。
肩にのって、レタスを食べて「おいしいね」のほおずりなんかされたら、
大島さんならずとも、
「生きてるって こそばい おいしい たのしいね」と言ってしまうよねー!
我が家は(とくに今は)ビーのようにヒョウヒョウと生きている猫ばかりだから、
よけいあこがれるなぁー。

そして、このブログに、これらの感想を書こうと思って、ネットで検索してみたら、
なんと5月に第3巻が出たとあるではないか!
で、本屋を覗いてみた。1軒目の本屋では見つからず、なんとなく店員に聞くのも
おっくうだったし(あっても今の家計では買うかどうか迷っていたこともあって)
その日はそのまま過ぎたけど、やっぱ気になって、別の日に違う本屋を見てみたら、
コミックの新刊コーナーに1冊だけあった。手にとってパラパラとめくりつつ、
1,100円かー、今の家計ではちょっと迷う値段だが‥‥と、一旦は戻したのだが、
やっぱり欲しくて、レジに持っていった。1,100円を出したら、それは税別値段で、
あと55円出さなくてはいけなくて、内心ちょっとソンをした気分。

第3巻では、今までのグーグー、ビー、クロ、タマに加えて、5匹の捨て猫を拾って、
それらがもらわれていくことや、家を買って引越しをする話などが描かれる。
それぞれの猫が単純な形ながら、個性豊かに描かれていて、猫好きにはたまらない。

そういえば、第1巻で、猫のサパは人間の形で描かれている(サバは「綿の国星」の
チビ猫の成長した姿だそうだ)のに、グーグーは初めから猫の姿なのであった。
こーいう単純化した絵で、猫キスとか、威嚇のシャーとか、そんな猫の生態を
描くのって、意外と難しいのよねー。
でも「これくらいの絵なら描けそう、私も猫のことをマンガにしてみようかなー」
なんてことも思ってしまう。

とにかく、癌の手術後、今現在も大島弓子先生が無事で生きていらっしゃるということは
とても嬉しいことです。第3巻のあとがきマンガによれば、この第3巻はなんと1年近くも
発行が遅れたみたいで、その間「何かとあわただしく」というのは、何があったのか、
また、今(2006.12.24)は猫9匹の大所帯となったそうで、またその後のマンガを
楽しみにしています。
(今も「本の旅人」という角川のサービス雑誌で4ページずつ連載中)


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コメント 2

びっけ

はじめまして。
大島弓子の漫画大好き!のびっけと申します。
実は私、自称大島弓子ファンながら、この『グーグーだって猫である』シリーズ読んだことがないのです。(^^;
しーちゃんさんの、紹介文を読んでとっても読みたくなりました。

>本屋や古本屋のマンガコーナーには、ものすごい作家と作品が並んでいるが、
>もう知らない作家がほとんどになってしまった。
私もそうです。
でも、過去の思い出(記憶)があるからいいんだもん!
ちなみに私も『風と木の詩』はちょっぴり苦手で途中までしか読んでません。
by びっけ (2007-06-06 10:19) 

しーちゃん

びっけさん、nice!をありがとうございます。
初めてのnice!だったのでびっくりしました。(コメントは2番目です)
ブログの楽しさはこういったコメントで仲間が広がっていくことだそうですが、
私はすぐにコメントを返すとかの反応ができないので(なかなか文章が思い浮かばないのですよ。)失礼なヤツだと思わないでくださいね。
私は「綿の国星」をはじめ大島弓子の絶頂期の作品をあまり読んでないのです。ネットで検索したりするとファンの方の熱いメッセージとかあって、あらためて大島弓子先生の偉大さを感じています。今、それらの作品をとても読みたくなりました。
by しーちゃん (2007-06-07 14:17) 

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