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一年ぶりに名古屋へ。ボストン美術館 [美術]

私は文章を書くのが遅いので、3日前のことですが、やっとアップします。

6月3日(火)
一年ぶりに電車に乗って名古屋に行った。
恩師からのグループ展の案内状が届いていたので。
「また一年がたちました」と添え書きがしてあったけど、
本当に‥‥という思い。

去年のグループ展のことはこちら
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2007-05-29-1

だけど残念なことに今年は先生に会うことができなかった。
今年も先生の幾何学模様でありながら、ポエジーを感じさせる
ウールのタピストリーが2点展示されていて、
ああ、ずっと頑張っていらっしゃるんだなぁ‥‥と思いながら見た。
去年はこのグループ展だけでなく、静岡の方で個展も開かれたそうで、
私は都合がつかず行けなかったが、高校の同級生が見てきて、
とても良かったと連絡をくれた。

それから、市民ギャラリーの他の部屋も見ていく。
瀬戸窯業高校のOBによる作品展では、笑う招き猫がユーモラスだった。
『トライ・あんぐる』という写真展では、カワセミの写真を見ていたら、
撮影した女性が熱心に説明してくださった。
(デジカメの連写で、鳥のこんな決定的瞬間が撮影できるとか)

そして、せっかく名古屋まで行くので、なにか展覧会に行こうと思っていた。
前日にネットで調べたりしていたが、まだ決定していなかった。
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名古屋・栄のシンボル、テレビ塔と噴水を見つつ、
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雨も上がって、公園の緑も濃い。噴水のアップ。
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画像ソフトで加工してみました。
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ぶらぶらとオアシス21まで行き、パンとコーヒーで食事。
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オアシス21にて

観光案内所で美術展のチラシなどを見て、名古屋ボストン美術館に決める。
「クロード・モネの世界」と「駒井哲郎銅版画展」をやっている。

モネの睡蓮はたしかにいい(美術館のチラシがまた美しかった)し、
積藁やルーアン大聖堂などの連作は、光と色を追求していく姿勢が
まるで抽象画のような画面を作り出していて好きだが、初期の頃の
風景画は、どうもよくわからない。私は今でも「未完成の絵」とか、
「印象に過ぎない」と言った当時の批評家に同意してしまう。
印象派の絵はどうも食傷気味ということもある。

そんなことで、昨日ネットで調べた時も、とびつくほどではなかったのだが、
一番行くのが便利だし、遅くまでやっているのでゆっくり見られるし
(5時に終わる美術館が多い中、ボストン美術館は平日は7時までやっている)
観光案内所に100円割引券があったのも大きかった。

ということで地下鉄で金山へ。
すぐ駅前のビルの中に名古屋ボストン美術館がある。
2008.6.3-024.jpg
私は2003年6月に一度来たことがある。その時は常設展として
「エジプト・ギリシア・ローマ 古代地中海世界の美術」をやっていて、
エジプトのミイラはめったに見られないものなので興味深かったし、
ギリシャの壺の図柄がとてもモダンなのにも驚いた。
企画展では「ボストンに愛された印象派」をやっていて、
今回の展覧会でも展示されている絵もあった。

ボストン美術館の展示で感心するのが、
展示されている絵に対して解説がくわしくなされていて、
モネの生涯や印象派について、よく理解することができること。

一枚の絵の横に、空と山の境界線を塗りなおした跡があるとか、川は薄い絵の具を
何度も塗り重ねて表現しているとかいう解説をつけてモネの技法を説明していたり、
広重の浮世絵とモネの絵を並べて、モネが浮世絵からどのような影響を受けたかと
比較するような展示は面白かった。映像を使った解説もよくわかって、
中高生あたりの美術教育にとてもよく出来ていると思った。

印象派の風景画について、あまりいいと思っていなかった私だが、
絵を見ていると、自然の中でキャンバスを立てて、楽しそうに描く画家が想像されて、
光の降り注ぐ草原や林を描くのには、こういう点描のような手法が一番リアルに
描けるのかなぁ、とか‥‥アトリエで何枚もの下絵を元に、きちんと構成されて
力を入れて描かれる本画より、現場でササッとスケッチされた絵の方が
魅力があったりするなぁ‥‥と、そんな気がしてきた。

そして、やはり睡蓮の絵はすごい。近寄ってみると、筆跡も荒い絵の具の色なのに、
遠くで見ると、リアルな睡蓮の池というだけでなく、その時の光や空気までも
感じられるような気がする。

もう一つの企画展が「駒井哲郎銅版画展」私はこの人の名前も知らなかったが、
繊細な銅版画を見ていると、幻想というか、色々なイメージが浮かび上がってくる。
名古屋ボストン美術館館長のコレクションとのことだ。
「イメージと言葉の共振」という副題がついているが、
銅版画にインスピレーションを得た俳句とあわせて展示してあったりして、
イメージが膨らんでいくカンジもいい。
駒井哲郎の手紙も展示してあったが、非常に細かい、そして端正な文字で
きちんと書かれていて、いかにもこの絵を描く人のものだと納得した。

駒井哲郎の銅版画を見て‥‥私は俳句はやらないので、
こんなモノを作ってみました。
2008.6.3-2.gif
2008.6.gif

名古屋ボストン美術館のサイトはこちら:
http://www.nagoya-boston.or.jp/
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