稲沢市荻須記念美術館 [美術]
9月10日(木) 稲沢市民会館で行われた、セントラル愛知交響楽団の
公開リハーサルを聴いた後、稲沢市荻須記念美術館へ行きました。
稲沢市民会館を地図で調べていた時に、近くに稲沢市荻須記念美術館があるのを知り、
公開リハーサルが1時間程で、15時15分には終わるとの予定だったので、
せっかく稲沢まで行くのだから、ぜひこちらへも行ってみようと思いました。
こういうこじんまりした美術館、好きなんですよね。静かに美術と向き合えるし、
それぞれ建物などにも趣向を凝らしていて、そんなところを見るのも楽しいです。
ここも、わりと近くだし、行ってみたいと思いながら、今まで機会がなかったのでした。
ただ、荻須高徳という画家は、そんなに好きというわけでもなかったのですが。
なんか、佐伯祐三のまねっこみたいなイメージがあったんですよ。
パリの風景を描いていて、一般受けする画家よねーなんて。
(なんかすごく偉そうなこと書いて、文字にすると恥ずかしいですが)
美術館は、稲沢市役所の近く、名古屋文理大学の隣、稲沢公園にあります。
外観は直線的でとてもシンプルな建物ですが、中へ入ると石づくりの壁や、
オリエンテーションホールの高い天窓からの光が重厚なイメージです。
常設展観覧料一般310円を払って入りました。
常設展示室Ⅰには、美術学校時代に描いた父の像をはじめ、自画像、
パリを描いた戦前・戦後の作品、そしてベニスを描いたものなど、
油彩画が白い壁にふかふかの白いじゅうたんのシンプルな部屋に展示されており、
荻須高徳という画家の作風が一目でわかります。
常設展示室Ⅱと資料展示室には、静物や花の絵、リトグラフや水彩の作品、
そして、荻須の絵を原画にしたタピスリーも展示してあって、興味深かったです。
それぞれの絵には、要点を押さえた説明が添えられており、パリの絵の一部には、
写真が添えられていたりして、美術館の心配りを感じました。
でも、見終わって、良かったけど、ちょっと物足りないなーという気もしました。
が、ここの美術館の“ウリ”というか、一番の見所はこちらじゃないかと。
別館に荻須高徳のパリのアトリエが再現されているんです!
美術館のパンフレットの表紙にもなっていますが、
荻須高徳が1933年から1986年まで、パリで使用していたアトリエの内部空間を
遺族から寄贈された絵の道具や家具、書籍などを配置して再現してあります。
そんなに広い部屋ではないのでしょうが、とにかく天井が高くて、北向きの
高~~い窓からの光がとてもいい! この部屋に、なんかパリの雰囲気を感じますね。
シンプルな部屋に使い込まれた絵の道具‥‥荻須高徳の穏やかな人柄みたいなものを
感じます。(いや、私は彼の人柄とか全く知らないのですけど)
佐伯祐三とは3つしか違わないのですね。
(佐伯祐三1898年~1928年 荻須高徳1901年~1986年)
若死にした佐伯の死にも立ち会ったそう。佐伯は最後、精神的にも病んでいたそうで、
そんなところも、パリを描いた画家ユトリロと重なりますね。
荻須の初期のパリの作品には、佐伯祐三のようなパリの広告がうねっている絵がありますが、
次第に、穏やかな風景画になっていったのは、やはり彼の人柄ではないでしょうか。
ここ稲沢の地主の家に生まれたとのことで、まぁ、わりと経済的にとか、
恵まれていたのではないでしょうか。
84歳でパリのアトリエで制作中に死去し、墓はパリのモンマルトル墓地にあるそうです。
美術館は、市民ロビーとして、美術に関する本を閲覧できるスペースなどがあったりして、
背もたれの高いイスなど、とても豪華なスペースでした。
荻須高徳の絵の検索システムがあって、興味深かったです。
そして、一般展示室では、
岐阜県郡上八幡でギャラリー童子庵をやっていらっしゃる画家、
高垣康平さんの「無量童子を描く展」と、
端 信明さんの「ボタニカルアート 花の肖像展」が開催されていました。
高垣康平さんの無量童子を描いた水墨の素朴な絵と文字にも癒されましたが、
端信明さんのボタニカルアートがとても良かった!!
精密に描きこまれた花、その観察力がすごい!
リンゴでも、よくここまで!と感心するような描写で、
よく知っていと思うものにも、思わぬ美があることに気付かせられて良かったです。
稲沢市荻須記念美術館のホームページはこちら:
http://www.city.inazawa.aichi.jp/museum/index.html
公開リハーサルを聴いた後、稲沢市荻須記念美術館へ行きました。
稲沢市民会館を地図で調べていた時に、近くに稲沢市荻須記念美術館があるのを知り、
公開リハーサルが1時間程で、15時15分には終わるとの予定だったので、
せっかく稲沢まで行くのだから、ぜひこちらへも行ってみようと思いました。
こういうこじんまりした美術館、好きなんですよね。静かに美術と向き合えるし、
それぞれ建物などにも趣向を凝らしていて、そんなところを見るのも楽しいです。
ここも、わりと近くだし、行ってみたいと思いながら、今まで機会がなかったのでした。
ただ、荻須高徳という画家は、そんなに好きというわけでもなかったのですが。
なんか、佐伯祐三のまねっこみたいなイメージがあったんですよ。
パリの風景を描いていて、一般受けする画家よねーなんて。
(なんかすごく偉そうなこと書いて、文字にすると恥ずかしいですが)
美術館は、稲沢市役所の近く、名古屋文理大学の隣、稲沢公園にあります。
外観は直線的でとてもシンプルな建物ですが、中へ入ると石づくりの壁や、
オリエンテーションホールの高い天窓からの光が重厚なイメージです。
常設展観覧料一般310円を払って入りました。
常設展示室Ⅰには、美術学校時代に描いた父の像をはじめ、自画像、
パリを描いた戦前・戦後の作品、そしてベニスを描いたものなど、
油彩画が白い壁にふかふかの白いじゅうたんのシンプルな部屋に展示されており、
荻須高徳という画家の作風が一目でわかります。
常設展示室Ⅱと資料展示室には、静物や花の絵、リトグラフや水彩の作品、
そして、荻須の絵を原画にしたタピスリーも展示してあって、興味深かったです。
それぞれの絵には、要点を押さえた説明が添えられており、パリの絵の一部には、
写真が添えられていたりして、美術館の心配りを感じました。
でも、見終わって、良かったけど、ちょっと物足りないなーという気もしました。
が、ここの美術館の“ウリ”というか、一番の見所はこちらじゃないかと。
別館に荻須高徳のパリのアトリエが再現されているんです!
美術館のパンフレットの表紙にもなっていますが、
荻須高徳が1933年から1986年まで、パリで使用していたアトリエの内部空間を
遺族から寄贈された絵の道具や家具、書籍などを配置して再現してあります。
そんなに広い部屋ではないのでしょうが、とにかく天井が高くて、北向きの
高~~い窓からの光がとてもいい! この部屋に、なんかパリの雰囲気を感じますね。
シンプルな部屋に使い込まれた絵の道具‥‥荻須高徳の穏やかな人柄みたいなものを
感じます。(いや、私は彼の人柄とか全く知らないのですけど)
佐伯祐三とは3つしか違わないのですね。
(佐伯祐三1898年~1928年 荻須高徳1901年~1986年)
若死にした佐伯の死にも立ち会ったそう。佐伯は最後、精神的にも病んでいたそうで、
そんなところも、パリを描いた画家ユトリロと重なりますね。
荻須の初期のパリの作品には、佐伯祐三のようなパリの広告がうねっている絵がありますが、
次第に、穏やかな風景画になっていったのは、やはり彼の人柄ではないでしょうか。
ここ稲沢の地主の家に生まれたとのことで、まぁ、わりと経済的にとか、
恵まれていたのではないでしょうか。
84歳でパリのアトリエで制作中に死去し、墓はパリのモンマルトル墓地にあるそうです。
美術館は、市民ロビーとして、美術に関する本を閲覧できるスペースなどがあったりして、
背もたれの高いイスなど、とても豪華なスペースでした。
荻須高徳の絵の検索システムがあって、興味深かったです。
そして、一般展示室では、
岐阜県郡上八幡でギャラリー童子庵をやっていらっしゃる画家、
高垣康平さんの「無量童子を描く展」と、
端 信明さんの「ボタニカルアート 花の肖像展」が開催されていました。
高垣康平さんの無量童子を描いた水墨の素朴な絵と文字にも癒されましたが、
端信明さんのボタニカルアートがとても良かった!!
精密に描きこまれた花、その観察力がすごい!
リンゴでも、よくここまで!と感心するような描写で、
よく知っていと思うものにも、思わぬ美があることに気付かせられて良かったです。
稲沢市荻須記念美術館のホームページはこちら:
http://www.city.inazawa.aichi.jp/museum/index.html
荻須記念美術館・・・近代的でシンプルな建物のいい美術館ですね。以前行った滋賀県の佐川美術館を思い出しました。
端信明さんのボタニカルアート、とても興味が湧きました。
私はボタニカルアートを(月2回)習っていて、来月その展示会があります。作品を仕上げないといけないのですが、花材を何にしようかと悩んでいるところです。秋らしいお花にしようと思っているのですが、他人の作品を観る事が勉強になりとても参考になるので見てみたいです。。
by たまのママ (2009-09-13 10:11)
たまのママさん、コメントありがとうございます。佐川美術館?あ、ここのお茶室を作る番組をTVで見ました(多分「新日曜美術館」)琵琶湖の水に浮かぶというか、沈んでいるというか、そんな趣向がすっごく斬新で、いつか行ってみたいと思いました。
端信明さんのボタニカルアート展は9月8日~13日のみの開催です。どんな方か、全く知らないのです。素人の方?‥‥にしては、精緻な描写で、作品も結構沢山展示してあってすごいと感心して見ていたのですが。
by しーちゃん (2009-09-14 22:53)