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岐阜県美術館「Artのメリーゴーランド」展 [美術]

岐阜県美術館では、2009年11月10日(火)から2010年1月24日(日)まで、
「Artのメリーゴーランド」というタイトルで、
岐阜県生まれの話題のアーティスト7人を紹介する展覧会が行われています。
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展覧会のチラシがわりに、こんな新聞紙大の印刷物が作られてます。

頑張っている若い(? まあ私よりは確かに若い)アーティストの紹介ということで、
私は楽しみにしていました。

というのも、7人のアーティストの一人 奥村晃史さんの作品を、以前
岐阜県美術館の県民ギャラリーの方で見て、とてもインパクトがあって、
面白い作品を描く人だなぁと注目していたからです。

こちらの記事の中にちょっとだけ感想を書いています。
岐阜県美術館「日比野克彦応答せよ!!」展
 http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2006-11-28
岐阜県美術館「プラート美術の至宝展」
 http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2005-12-03

車のタイヤが動物になっていたり、
2010.1.9-009.jpg
水鳥がリアルに描かれているのだが、放射状に並んでいたりして、
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それぞれはリアルなんだけど、時が止まったような、
静かで不思議な雰囲気がとてもいいなぁと思っていたんです。
(画像は奥村晃史さんの画集)
 
でも、なかなか美術館に行くことができずにいましたが、いかん、新年になると
あっという間に日が過ぎてしまうから、と、パートが休みだったクリスマスの日、
思い切って行ってしまいました。もう所蔵品展も県民ギャラリーも閉まっていて、
館内は閑散としておりました。

でも、私的には、見に行って面白かったと、満足した展覧会でした。
7人の方から、それぞれ新鮮な刺激というか、力をもらったような気がします。
その証拠(?)に、最近は展覧会に行っても節約のためカタログは買わないのですが、
珍しく買ってしまいました。(カタログではなくて絵葉書と解説入りのケースですが)
2010.1.9-001.jpg
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ついでに奥村晃史さんの画集まで買っちゃいました。

(以下の画像は、カタログに入っていた絵葉書をスキャンしました。)
HasegawaYosihisa.jpg
会場に入って、最初が 長谷川喜久(はせがわ よしひさ)さんの作品のコーナー。
一見して、私は油絵かと思ったんですが、日本画のようですね。
確かな描写力で、対象をちょっと装飾的というか、ロマンティックに描いている
ところがよかったです。モデルの時計やトランプ、シロクマの毛皮などが展示して
あったりと、展示方法もちよっと工夫がしてあって興味深かったです。

YoshimotoSakuji.jpg
吉本作次(よしもと さくじ)さんの作品は
様式的・装飾的な中に、マンガチックな人物が妙に可愛い。

SobajimaMikiji.jpg
傍島幹司(そばじま みきじ)さんの作品は、私にはよくわからないが、
どこか力がフッと抜けるような、おおらかさを感じました。

MuraseKyouko.jpg
村瀬恭子(むらせ きょうこ)さんの作品 この人の作品も、私にはよくわかりません。

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大巻伸嗣(おおまき しんじ)さんの作品
《ECHOES-Crystallization(エコーズ・クリスタライゼーション)》は、
大きな白いアクリル板(200×800cm)に、
修正液とクリスタルパウダーで花を描いてあり、花の部分が白く浮き出しています。
白いアクリル板に当たった光が床にも反射して、かすかな花の影を映し出しており、
まず、とても美しいという印象を持ちました。説明を読むと、ここに描かれた花は、
絶滅危惧種の花ということで、そんなことを知ってこの作品を見ると、花の形が
光の加減で消えてしまう、はかなげなものに見えてきました。

また、岐阜県美術館の多目的ホールで、このシリーズの最新作が制作中でした。
岐阜県美術館の多目的ホールは、
ミケランジェロの《ピエタ》や《モーゼ》、《ロレンツォと夕と曙》の模刻や
パイプオルガンもあり、コンサートなども行われる、とてもアートな雰囲気のホールです。
その床一面に、割れた白い大理石の床石が敷き詰められて、その上に、
修正液とクリスタルパウダーで白い花の絵が描かれているのは、とても美しかったです。

また、大巻伸嗣さんには、大量のシャボン玉を飛ばす
《Memorial Rebirth(メモリアル・リバース)》という作品
(こういうのをインスタレーションというんですか?)もあります。
2008年に横浜トリエンナーレで最初に発表され、
2009年の夏に、再開発のために取り壊される岐阜駅前の問屋町で、大量のシャボン玉を
飛ばして、話題になったそうです。今回の展覧会の会期中にも、
1月9日~11日、岐阜県美術館の庭園や岐阜県図書館で発表されるそうです。
(‥‥なかなかブログの記事が書けないので、イベントが終わってしまいました
 今夜の地方ニュースで、シャボン玉の映像が紹介されていました。)

OkumuraAkihumik.jpg
そして、奥村晃史(おくむら あきふみ)さんの展示
あの不思議な絵にLEDを使った《ストレージ シープ》という作品は、
どこまでがホンモノで、どこまでが絵なのかと、近づいてしげしげと眺めてしまいましたし、
合わせ鏡を使った《山羊と永劫のテーブル》も面白かったです。
植物をまとった動物の襖絵も私の好みです。
奥村晃史さんのホームページはこちら: http://www.okumura1.com/

KanbeTomoyuki.jpg
最後に展示してあったのが、神戸智行(かんべ ともゆき)さんの作品。
水辺の風景をとても精緻に、しかも様式・装飾的に描いた日本画で、
現代の琳派ね、そうか、多摩美術大学の日本画専攻から、研究室の助手という
経歴というと、加山又造の流れというか、影響もあるのかな?なんて思いながら、
見ていったのですが、神戸さんが使っている手法についての展示がありました。
なんと、箔の上に薄い(ホントに透き通るようにすごく薄い!)和紙を貼って、
その上に描き、また和紙を貼って‥‥と、
ものすごい手間をかけて描かれた作品だったのです!
なので、水の中の魚が、浅いところを泳いでいるのか、深いところにいるのか、
和紙を重ねることで表現されていたり、
葉の一枚一枚まで細かくリアルに描かれているんだけど、
全体の構図は様式的で美しかったりして、ため息が出るほどすごかったです。

来てよかったと、岐阜県美術館を出たのですが、そうだ、
メリーゴーランドといえば、こちらだろうと、帰りに
MAP CAFE DUBAI(ドバイ)へちょっと寄りました。
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以前、こちらに記事を書いています
ちょっと不思議な喫茶店 MAP CAFE DUBAI(ドバイ)
 http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2009-07-31
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やっぱり、不思議な雰囲気‥‥でもケーキセット580円なら、お値打ちですよね。
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コメント 2

たまのママ

ホントに不思議アートですね。
うさぎが穴に入ってるアート、面白そうですね。
どんな仕組みになってるんだろう??
それから・・・ドバイ(笑)
思い出しましたよ~。
by たまのママ (2010-01-14 18:00) 

しーちゃん

たまのママさん、コメントありがとうございます。《地上の食卓》というタイトルのうさぎの絵、変形キャンバスに描かれた油絵なんです。ちょっとトリックアートっぽいところが面白いですよね。
ドバイは相変わらず不思議空間でした。でもメニューは結構お値打ち価格です。
by しーちゃん (2010-01-15 22:15) 

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