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名古屋市美術館「田渕俊夫展」 [美術]

名古屋市美術館で開催されている
「いのちの煌めき(きらめき) 田渕俊夫展」を見てきました。
Tabuchitoshio1.jpg

高校時代の恩師のグループ展が毎年5月頃に
名古屋市民ギャラリー栄で開催されていて、その案内が今年も来て、
5月8日(火)にパートの休みをもらって出かけました。

恩師とも会え、市民ギャラリーの他の展示も見て
(加藤喜久美展の水彩画が素敵だった)
その後、名古屋市美術館へ。
2012.5.8i-017.jpg

田渕俊夫展、こういう日本画、私の好みではあるのですが、
この展覧会、どうしても行きたいとまでは思ってなかったんです。
端正で美しいけど、どこか印象が薄い‥‥って。
ま、それに現代の日本画家だから(1941年生まれ)
これからもたくさん作品を見る機会があるだろう‥‥ってなカンジで。

そしたらチケットをもらったんです。この間淡墨桜を見に行った友人から。
「見てきてすごくよかったから、アナタも好きだろうと思って。
 この間の淡墨桜までの車のお礼」とかって。

ありがた~くいただきました。美術展の入場料、結構高いんですよね。
(もちろん美術館側にしたら経費の方がかかっているんでしょうが)
一般当日1,100円が助かりました。(名古屋市美術館のHPに100円割引券があります。
 地下鉄などの「一日乗車券」「ドニチエコキップ」でも100円割引になります。
 友人は金券ショップで安く買ったそうですが)

友人が「絵に作家の言葉が添えられているのがとてもいいよ。ぜひ
一つ一つ丁寧に読んでいってね」って言ってたけど、そのとおりでした。

絵を制作した時のことが作家の言葉で語られていて、興味深かったです。
TabuchiToshio2.jpg
(チラシ裏面)

最初の絵は、今の田渕俊夫の絵とはちょっとイメージが違う、
暗くて抽象的とも感じるような絵。大学卒業後の初期作品とのこと。

キャプションに、スケッチ旅行に行きたいからと母親に金をねだると、
どこでも絵は描けると断られ、近くの植物などをスケッチするようになったとか
(図録を買っていなくて、うろ覚えなので違っているかもしれません)

それからアフリカへ行き(日本画家が何故にアフリカ?)
アフリカの花を描いたのが《ヨルバの花》(チラシ裏面上右)
とても装飾的な画面はその後の作品とは違う印象ですが、
アフリカの植物が丹念に描かれています。

それからは端正で美しく、写実なんだけど、精神性が感じられるような画風。
筆力すごいなぁーと感心することしきり。

キャプションを読むと、どこへ行くにもスケッチブックを持っていって、
とにかくスケッチをされていることがわかります。
写真も撮るけど、やはりスケッチをすると印象がはっきりするとか。
スケッチブックも展示されていましたが、パチンコの景品でもらった
0.5mmのシャープペンシルが使い勝手が良くて愛用しているってところには
親近感を持ちました。
(ま、同じ道具を使って何故に差が出る?ってとこでもありますが)

風景画も多いですが、愛知県立芸術大学で教鞭を執っていたこともあって、
濃尾平野などへスケッチに出かけられることも多かったようですが、
そこにはビニールハウスなども描かれているんですが、
あぁ確かにこんな景色見たなって。どこでも絵になるんだなぁと。

チラシ中段左の《濃尾三川》は、ヘリコプターをチャーターして
スケッチしようとしたけど、あっという間に金華山まで行ってしまったとか。

名古屋の街を描いた《刻》は、名古屋市の建物に飾る絵を頼まれたけど、
何を描こうかと考えていた時に、名古屋の今の街を描けばいいのだと思ったとか。
絵にならないように思える場所が、こんなに美しく描かれていてさすがだなぁと。

近年は水墨画に力を入れられているそうで、桜を描いた水墨画すごい‥‥。
輪郭を使わずに桜の花を描いているところがすごい。
墨の柔らかなにじみがすごくいいです。

二階には、東日本大震災を目の当たりにして、鎮魂と再生を信じる気持ちを込め、
そして万物の生命の煌めきに思いを寄せた新作が展示されています。
自然の偉大さ、そして祈りのようなものも感じられるとても大きな作品でした。

出かけるのが遅かったので、田渕俊夫展を見終わった時点で4時半近かったのですが、
せっかくなので、地下の常設展を駆け足で見ました。

郷土の美術を紹介した部屋で「『愛美社』の画家たち」として
写実的な絵画が展示してありました。
大澤鉦一郎という人の絵、いいなって見ました。

常設企画展の部屋は荒川修作の“MISTAKE”
記号や文字が描かれた図‥‥岐阜県美術館で学芸員さんに熱心に説明されたことが
あったんですが‥‥ふーんってカンジで。

閉館5時ギリギリに出ました。
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