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兵庫県立美術館コレクション展 [美術]

9月5日(水)、兵庫県立美術館で「バーン=ジョーンズ」展を見て、
同館で開催されていた「パール 海の宝石」展を見ました。

「パール 海の宝石」展のチケットでコレクション展も
見ることができるってことだったので急いで展示棟の方へ。

この時既に5時近かったのですが、
兵庫県立美術館は6時までやってるから大丈夫って。
コレクション展でオマケみたいな感覚で入ったんです。
でも甘かった!面白かった!!
そして展示スペースも広いので(バーン=ジョーンズの特別展の会場より広い!)
見ごたえありました。しまったー、もっと早く着くべきだった!って。

最初の展示室1 テーマが「圧倒的な力を前にして」
まず 森村泰昌《なにものかへのレクイエム》
日曜美術館で見てへー面白いなって思ってたので見ることができて嬉しい。
戦争の世紀とも呼ばれる20世紀の歴史を考えます。

椎原治(しいはら おさむ 1905-1974)の
ナチスの迫害を受け神戸まで逃れてきたユダヤ人を撮影した写真
戦争という圧倒的な力に翻弄された人々の姿。

大きな壁いっぱいに展示してあったフロッタージュの作品は、
トン・マーテンス《長田区の壁(紙のモニュメント)》
1927年に設置された長田区の防火壁が太平洋戦争期の空襲にも
阪神淡路大震災にも耐えたことに感銘を受け、原寸大に紙に写し取ったもの。

ヤノベケンジのアトムスーツプロジェクトの写真も展示してあって、
感慨深かったです。

特にすごいって思ったのが、展示室3
「S.W.ヘイター展」
この作家、私は知らなかったんですが、20世紀の版画の巨匠とか。(1901~1988)
これだけで独立した展覧会になる程の内容でした。
なんでもこの作家の191点の大コレクションを寄贈いただいたとのことで、
今回その中から55点が選ばれ、ほぼ年代順に展示されていたので、
この作家のことがよくわかりました。
初期の頃の作品はモノクロの版画で地味なので、私、ふーんって
(かなり時間が押してきてアセっていたので)かなりトバして
見ていたんですが、色彩が重ねられるようになって、
へー面白いじゃないって。抽象的な形と色が入り乱れているような画面が
眩暈がするような躍動感があって、面白いなぁって。

展示室4より先に展示室5を見ました。近代彫刻のコーナーと、
この美術館の設計をした安藤忠雄のコーナー。
初期の代表作「住吉の長屋」や、
有名な「光の教会」の模型が展示されていて、正面の
光が十字架のように入るスリット窓はもちろんすごいけど、
壁が斜めに入るようになっている設計も斬新だなぁと。
‥‥まぁ、使いやすいかどうかは?だけど。
この兵庫県立美術館も斬新で面白いけど、やたら階段があるし、
迷子になりそうだし、掃除は大変だろうなぁって。
2012.9.5-029.jpg
(美術館の円形テラスの螺旋階段)
2012.9.5-030.jpg

そして展示室4の「美術の中のかたち-手で見る造形」
手で触れる作品などを展示することにより、
 美術鑑賞の機会を視覚障害者の方に提供するとともに、
 健常者の方にも視覚以外の感覚器官を通した美術館賞のあり方を探っていただく展覧会

とのこと。毎年やっていて、今年で23回目になるとか。
今回は祐成正徳(すけなり まさのり 1960~)によるインスタレーション。
ボランティアの方が丁寧に説明してくださいました。
広い展示室にどーーんと、赤いナイロン製の巨大な風船(?)のようなものが横たわっています。
会場に置いてあったリーフレットの写真を見るとわかりますが、インパクトあります。
SukenariMasanori.jpg
この空気でパンパンになっている赤い布を触りながら歩いていってみると‥‥
距離の感覚がわからなくなってきて、まだ端まで行かないのかと不安になってきました。
反対側の壁に白い丸い板が取り付けてあり、この白丸も含めて
《Venus & Jupiter》という作品だそう。どちらが木星でどちらが金星かは、
鑑賞者の自由だそうです。
4段ほどの階段もあって、手すりが片方だけについています。
この階段だけでも作品だそう。行き止まりの階段。登ってもいいってことで登ると、
ちょっと視点が違って面白かったりします。

ここで一旦会場を出て、印象的な階段を登って2階へ。
2012.9.5-020.jpg

展示室6は新収蔵の村上華岳の掛軸など。
船越桂の木彫や、元永定正や白髪一雄の前衛的作品も。

このあたりになると閉館時間のアナウンスなどもあり、かなりせわしない雰囲気に。
神戸出身の洋画家として、小磯良平と金山平三の記念室がありました。
小磯良平記念室では《斉唱》があって、ほほーって驚いたり、
金山平三(かなやま へいぞう 1883~1964)は私、初めて知りましたが
日本の穏やかな風景画、なごむなって。

兵庫県立美術館、いい作品ありますね。
そして後で気付いたんですが、コレクション展は写真撮影可なんですって!
さすがだー!

ということで、閉館時刻間近にあわただしく出まして、海側へも行ってみました。
海側からの兵庫県立美術館
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大階段
2012.9.5-036.jpg

海のない岐阜県人なので、海を見るだけでなんか嬉しいです。
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美術館の屋根のカエルは「美(み)かえる」って愛称だそう。
2012.9.5-039.jpg

ここで今日はお昼ご飯を食べていないことに気がつきました。
JR灘駅に着いた時にかなり空腹だったんですが、まずバーン=ジョーンズ展だけでも
見てからって思ったら、その後忘れてまして。美術館に置いてあったチラシに、
美術館のチケットを提示すると特典が受けられるってお店の一覧表があったので、
その中のカレー屋さんで、和牛スジカレー600円をチケット提示で50円割引の
550円で食べて帰りました。

兵庫県立美術館のHP: http://www.artm.pref.hyogo.jp/

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